「筋肉弁護士」桜井ヤスノリに戒告処分 懲戒請求者の氏名をSNSで無断掲載

「筋肉弁護士」として知られる「桜井康統(ヤスノリ)」(登録者数4万人)が、自身に対する懲戒請求書をSNS上で公開した際、請求者の氏名を無断で掲載したことを理由に、弁護士会から戒告処分を受けたことがわかりました。

「筋肉弁護士」桜井康統とは

桜井は第二東京弁護士会に所属する弁護士で、「筋肉弁護士」の愛称でSNSやYouTubeでの発信を続けてきました。

本業の傍らベストボディ・ジャパン(BBJ)などのフィットネス大会に出場し、タンクトップ姿でトレーニングに励む様子を投稿するなど、独自のキャラクターで知名度を高めてきました。YouTubeチャンネル「筋肉弁護士桜井ヤスノリー法律の裏側ー」では、時事の事件を題材に法律を解説する動画を配信しています。

その名が広く知られるきっかけとなったのは、コロナ禍における一連の「ノーマスク訴訟」です。桜井は「同調圧力に屈しない」ことを信条に掲げ、マスク非着用を理由とした宿泊拒否や診療拒否、航空機からの強制降機などをめぐって、ホテルや病院、航空会社、JR東日本などを相手取った損害賠償請求訴訟を提起しました。

懲戒請求や刑事告発をめぐる相次ぐ騒動

桜井は近年、他者に対して懲戒請求や刑事告発を行う側としても、たびたび話題にのぼってきました。2025年7月には、北村晴男弁護士が石破茂首相(当時)に対してSNS上で行った投稿が弁護士としての品位を欠くとして、東京弁護士会に懲戒請求を提出したことをXで報告。北村側の支持者から反発を招き、論争となりました。

2026年1月には、日本保守党の百田尚樹代表や有本香事務総長らを、寄附金をめぐる詐欺容疑などで刑事告発したと記者会見で発表します。ところが翌日、自身のYouTube上で、告発者から得た情報を十分に精査できておらず疑惑の事実が確認できなかったとして、告発を全面的に撤回し謝罪。日本保守党側は強く反発し、法的対応を検討する姿勢を示すなど騒動に発展した。

懲戒請求を受ける

桜井は2025年6月、自身のYouTubeチャンネルで「弁護士会に懲戒請求された」と報告する動画を公開していました。桜井によれば、依頼者でも相手方でもない第三者が、SNS上での桜井の言動を問題視し、第二東京弁護士会に自分の懲戒請求を申し立てたといいます。

懲戒請求とは、弁護士が「弁護士職務基本規程」や弁護士法に違反する行為を行ったと考える者が、所属する弁護士会にその弁護士の処分を求める手続きです。

桜井はこれを「アンチ」「モンスター」によるもので、言葉遣いを理由にした懲戒請求は言論の萎縮を招く不当な嫌がらせだと反発。請求者を相手取った訴訟を起こす考えを示し、その費用を視聴者からのカンパで募りました。

その一方、桜井はX上に、自身に対する懲戒請求書の画像を投稿します。その際、懲戒請求書に記載された請求者の氏名が見える状態で公開したことが、後に問題視されることになりました。

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「品位を失うべき非行」と判断され戒告

桜井への戒告処分そのものは、2026年2月4日付の官報で既に公告されており、処分の効力が生じた日は同年1月17日とされています。今回、日弁連の広報誌「自由と正義」2026年6月号に掲載された処分要旨によって、具体的な理由が明らかになりました。

弁護士の不祥事情報を扱うブログ「弁護士自治を考える会」が6月20日に伝えた懲戒処分の公告によれば、処分理由の要旨は、桜井がSNS上で、自身のSNS投稿が誹謗中傷であるなどとする内容の懲戒請求書を公開し、その際に懲戒請求者の氏名を無断で掲載したというもの。

第二東京弁護士会は、この行為が弁護士法第56条第1項に定める「弁護士としての品位を失うべき非行」に該当すると判断しました。処分は2026年2月4日付の官報で公告され、効力が生じた日は同年1月17日とされています。

なお、戒告は弁護士に対する懲戒処分のなかでもっとも軽い種別で、業務停止や退会命令、除名といった処分とは異なり、弁護士としての活動そのものを制限するものではありません。

しかし桜井は6月17日に実施した配信の中で、今回の戒告の影響で銀行の融資が止まったことを明かしています。

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