一番面白い「’80年代アイドル映画」はこれだ!!【“三賢人”中森明夫×寺脇研×北川昌弘が大激論】
『時をかける少女』のヒロインのイメージを作り上げた「原田知世」
北川 ’80年代に一世を風靡した角川映画。看板女優の薬師丸、原田知世(58)、渡辺典子(60)は「角川3人娘」と呼ばれていました。原田も ’84年の『天国にいちばん近い島』や’87年の『私をスキーに連れてって』と歴史に残る作品をいくつも残していますが、みなさん、やはりデビュー作の『時をかける少女』がお好きですか。
中森 『時をかける少女』は薬師丸の『探偵物語』と同時上映でしたよね。当時の原田はまだブレイク前。みんな薬師丸目当てで映画館に来ていた。しかし、映画が終わる頃には、多くの人がすっかり原田のファンになってしまった。
当時は目新しかった青春とSFの融合に、多くの観客が夢中になったんです。原作の小説には主人公がショートカットという記述はないんですけど、原田のショートカットのイメージが強すぎて、その後、実写化・アニメ化された際もショートカットになっていた。
寺脇 ’85年の『早春物語』も完成度が高い良作でした。自分の母親の元恋人に10代後半の原田が恋をしてしまうというストーリー。監督の澤井信一郎(享年83)に「もう顔も見たくない」というほど厳しく演技指導されていたそうで、メイキング映像には撮影現場で涙を流す原田の姿が映っている。原田にとっては辛い一本だったかもしれませんが、私は好きですね。
北川 同じく3人娘の渡辺は、 ’83年の『積木くずし』で日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞しています。翌年の『晴れ、ときどき殺人』は渡辺が歌う主題歌もヒットしました。
中森 『晴れ、ときどき殺人』、いいですよね。渡辺の初主演作ですが、作中でレオタードを着たり、片思いされている男に襲われるシーンに挑戦したりと、体当たりな演技が素晴らしい。映画監督の岩井俊二(62)は、「あと10年早く生まれて、渡辺で映画を撮りたかった」といった旨の発言をされていました。薬師丸や原田に比べ、後れを取った印象がありますが、業界人から高く評価されていました。
寺脇 ’87年に公開された『恋人たちの時刻』は、監督が澤井信一郎、脚本が荒井晴彦(78)という名匠コンビによる作品。当初、渡辺がヒロインに内定していましたが、激しいヌードシーンがあるのを嫌って辞退し、代わりに河合美智子(57)が抜擢された。『恋人たちの時刻』に渡辺が出演していたら、歴史は変わっていたかもしれません。
『FRIDAY』2026年1月30日・2月6日合併号より
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’83年の『積木くずし』でヒロインの不良少女役に抜擢されたことでブレイク。翌年には初主演映画が公開された
- PHOTO:益田周一(原田) 鬼怒川 毅(松田)
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