国の文化審議会は19日、北谷町の史跡「北谷城跡」と中城村の史跡「中城ハンタ道」を国指定史跡に追加指定するよう文部科学相に答申した。県内の国指定史跡は44件のままで、それぞれ指定範囲を広げる。久米島町の天然記念物「久米の五枝のマツ」は、松くい虫被害で枯死したため指定を解除するよう答申した。県内の国指定天然記念物は52件から51件となる。県内の天然記念物指定解除は復帰後初めて。いずれも答申を踏まえて、告示される見通し。
北谷城跡は、沖縄本島西海岸沿いの丘陵に築かれた13世紀後半から16世紀前半のグスク跡。中山北方の要として琉球国成立後まで存続した。今回は、東グスクの北側と東側の斜面から麓にかけての一部を追加指定し、保護を図る。
中城ハンタ道は首里と中城間切などを結んだ道で、中世・近世沖縄の交通史や土木史を知る上で貴重な史跡。1853年に琉球を訪れたペリー提督探検隊が通った道でもあり、今回は探検隊が旗を立てたとされる「ペリーの旗立岩」周辺を追加指定する。
久米の五枝のマツは1997年に国の天然記念物に指定されたリュウキュウマツの巨樹。久米島では2021年夏頃から島内で松くい虫被害が確認され、薬剤の樹幹注入や散布などの対策を続けてきたが、25年6月に五枝のマツでも感染が確認され、同年8月に枯死と診断された。今年4月には「おきなわの名木百選」の認定も取り消された。沖縄では59年に、琉球政府指定の天然記念物だった「今帰仁街道の松並木」が同じく松くい虫被害で指定解除された例があるが、国指定天然記念物の指定解除は復帰後初めてとなる。
半嶺満県教育長は指定解除について「この教訓を重く受け止め、市町村教育委員会や関係機関とより一層連携しながら、文化財の適切な保存と継承、活用に努めていく」とコメントした。