そりゃ「オリジン」の独り勝ちだわ…「ほっともっと」「ほか弁」 と明暗分かれた納得のワケ
● スーパーが真似できない「補充」の柔軟性 オリジン東秀の強さは、商品の陳列状況や店舗オペレーションを細かく観察すると、より鮮明に浮かび上がってくる。 例えば、直近で強化している「おにぎり」のカテゴリー。おにぎりは200円以内に収まる絶妙な価格設定でありながら、店舗当たり最低でも20品へとアイテム数を拡大。これが朝食や昼食需要を捉え、客数増を牽引している。 さらに重要なのは、その「補充の柔軟性」だ。オリジンでは、おにぎりを朝から並べるだけでなく、売れ行きを見ながら少量ずつ追加製造し、時間帯に応じて品ぞろえを維持している。 ちなみに、一見シンプルに思えるこの店内調理と補充のオペレーションは、実は一般的なスーパーでは再現しにくい。現在、多くのスーパーは深刻な人手不足で効率を重視するため、一度に複数食をまとめて製造するケースが多く、売れ行きに応じてこまめに追加製造する体制を組みにくいからだ。 ● コンビニ、スーパー、専門店の「死角」を突く 「キッチンオリジン」や、イオンの食品売り場などで展開する「オリジンデリカ」に足を運ぶと、売り場中央に商品がぎっしりと並ぶ光景が目に飛び込んでくる。 一見すると、スーパーのような作り置き売り場にも見える。しかし、その本質は異なる。 商品は店内調理によって継続的に補充されており、売れた分だけ追加製造される。その結果、売り場には独特の鮮度感と活気が生まれているのだ。
この「こまめな店内調理」と「ボリューム感のある即食売り場」の両立は、オリジンの大きな強みである。特に直営主体の運営体制は、売り場づくりや製造オペレーションの統一を容易にしている。 他社チェーンがツーオーダー中心のビジネスモデルを維持するなか、オリジンは「並んでいる商品をすぐ購入できる利便性」と「店内調理による鮮度感」を両立させることで、現代の即食需要を取り込んでいるのである。 ● 独自のポジションを確立したオリジン東秀 オリジン東秀は、「コンビニ」「弁当専門店」「スーパー」「ドラッグストア」のいずれとも異なる立ち位置を築いている。 2024年9月からは全店でモバイルオーダーを導入し、従来のツーオーダー型が抱えていた待ち時間の課題にも対応した。さらに今後は自社加工センターの稼働によって内製化を進めるなど、次の成長に向けた投資も続けている。 昭和の時代に成功したツーオーダーモデルが転換点を迎えるなか、オリジンは量り売りからパック販売へ、さらに「出来立て」と「即食」の両立へと自らの姿を変えてきた。 その結果、コンビニの利便性、スーパーの品ぞろえ、専門店の店内調理という、それぞれの強みを取り込みながら独自のポジションを確立しているのである。 オリジン東秀の成長は、単なる弁当チェーンの成功ではない。時代の変化に合わせてビジネスモデルそのものを組み替えてきたことが生み出した成果と言えるだろう。
池田恵里