ナプキン広告から“青い液”が消えた理由 ~変わりつつある「生理の見せ方」~【婦人科医が伝えたい「生理」との正しい付き合い方】
◇「リアルに見せる」はなぜ大切か
では、生理のリアルな描写にはどんな意味があるのでしょうか。それは、正しい理解と共感を生むことです。 例えば、生理の出血量や不快感、日常生活への影響は、実際に経験していない人にはなかなか伝わりにくいものです。しかし、より現実に近い表現を通して実態を共有すれば、周囲の理解が進みやすくなります。 また、女性自身にとっても「自分の体は普通なんだ」と安心できるきっかけになる場合があります。「こんなに大変なのは私だけ?」と不安を抱えている方にとって、リアルな情報は支えとなるでしょう。
◇それでも不快感抱く人も
一方で、赤い液体やリアルな描写に対して「見たくない」「不快」と感じる人がいるのも事実です。これは決して間違いではありません。感じ方は人それぞれであり、どちらか一方が正しいという問題ではないのです。 大切なのは、見せるか見せないかの二択ではありません。他の選択肢があり、そしてもっと自由に生理について話したり知ったりできる環境をつくることです。
◇社会の価値観映す
ナプキン広告の青い液は長い間、生理を「見えないもの」にしてきました。その表現が変わり始めていることは、社会の価値観が変わりつつある証しでもあります。生理は、女性の体にとって自然で大切な機能の一つで、決して隠さなければならないものではありません。 「話してもいい」「知ってもいい」「理解してもらっていい」。そんな空気が少しずつ広がっていくことで、女性がもっと自分らしく過ごせる社会に近づいていくはずです。 広告の中の小さな変化は、社会の大きな変化の入り口です。これからの「生理の見せ方」が、誰にとっても優しいものになっていくよう願っています。(了)