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トランプ米大統領、相互関税の適用を7日後に再開する大統領令発表
(米国、世界)
ニューヨーク発
2025年08月01日
米国のドナルド・トランプ大統領は7月31日、4月に発表した相互関税を修正する大統領令を発表した。ファクトシートも同日発表
した。
トランプ氏は4月に全世界からの輸入に対して10%のベースライン関税を、貿易赤字額の大きい国・地域に対しては、個別に設定した相互関税を課す大統領令を発表した。その後、相互関税の適用を8月1日まで停止し(2025年7月8日記事参照)、日本を含む各国・地域はその間、米国と協議を重ねていた。
大統領令では、2国間貿易関係における相互主義の継続的な欠如や貿易相手国の関税率と非関税障壁が米国の製造業基盤、重要サプライチェーン、防衛産業基盤に与える影響が懸念されるとし、各国・地域との協議の経緯を記した。その上で、米国と通商・安全保障協定に合意したか、または合意間近な国・地域を付属書Iに列挙し、協議の実態に合わせて個別に相互関税率を定めた(注1)。相互関税率は一般税率(MFN税率)に上乗せして課される。日本については15%とした(注2)。なお、EUのみ相互関税率は一律ではなく、MFN税率が15%未満の場合は相互関税率を含めて15%となり、MFN税率が15%を超える場合、相互関税率はゼロとなる(MFN税率のみが課される)。
新しい相互関税率は、大統領令の発令日から7日後の米国東部時間午前0時1分以降に通関した貨物に適用される。ただし、それまでに船舶に積載され最終輸送手段で輸送中で、同10月5日午前0時1分までに通関した場合は適用されず、ベースライン関税10%のみが課される。付属書Iに記載されていない国・地域に対しても、引き続きベースライン関税10%が適用される。
1962年通商拡大法232条に基づく追加関税の対象となっている鉄鋼・アルミニウム製品や自動車・同部品など、4月に発表された相互関税の適用対象外品目は(2025年4月3日記事参照)、引き続き対象外となる。日本やEU、韓国などに対しては、自動車・同部品関税が25%から15%に引き下げられると発表されていたが、今回の大統領令で言及はなかった。
相互関税を回避するために迂回輸出されたと米国税関・国境警備局(CBP)が判定した場合、相互関税に代わって40%の追加関税が課され、さらに罰金なども科される。トランプ政権は各国との交渉の中で「積み替え品」への対策を進めており、例えば、インドネシアとの共同声明では、「協定の利益が主に両国にもたらされるような原産地規則」を交渉すると記載されていた(2025年7月23日記事参照)。大統領令では、CBPによる具体的な判定基準は示されていないものの、商務長官、国土安全保障長官がCBP局長、米国通商代表部(USTR)代表と協力しながら、迂回スキームに利用された国・地域や施設の一覧を6カ月ごとに公表することを定めた。
そのほか、商務長官とUSTR代表は、相手国が報復措置を取った場合などに追加の措置を大統領に提案できるとも記した。
大統領令は、中国に対する相互関税には影響しないと規定している。中国に対する相互関税の適用は8月12日まで停止されている。米中は7月28~29日に適用停止の延長について協議したが、中国側が90日間の延長を発表する一方、米国側は延長は確定していないと述べており、双方の見解は異なっている(2025年7月31日記事参照)。
カナダとメキシコに関しては、4月の大統領令で、不法移民や合成麻薬フェンタニルの流入を理由とした国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく追加関税を課している間は、12%の相互関税は課さないと定められていた。今回の大統領令で、両国への言及はなかったが、トランプ氏は同日、カナダに対する原則25%のIEEPA関税を8月1日から35%に引き上げる大統領令に署名した。ただし、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の原産地規則を満たした品目は追加関税を引き続き免除される。メキシコに対する追加関税に関する公式発表はないものの、トランプ氏は現在と同じ条件のままで90日間延長されると自身のSNSで明らかにしている。
相互関税などに関する詳細な実務上のガイダンスは、追ってCBPから公表されるとみられる。
(注1)付属書Iに記載された国・地域に対する相互関税率は、米国と締結する通商・安全保障協定に基づく条項をトランプ氏が定めるまで適用されると記された。
(注2)大統領令に関し、日本の林芳正官房長官は8月1日の会見で「発表がなされたばかりであり、措置の詳細を精査する必要がある」と述べている。
(赤平大寿)
(米国、世界)
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