ライブTシャツアレンジがしたい③完
スタフォニ4th、3日間お疲れ様でした! 最高の連続で本当に楽しかったです。
ライブ後になってしまいましたが、今回はスタフォニライブTシャツアレンジ最終回です。切らないアレンジのご紹介と、実際にアレンジしたTシャツのお披露目をしつつどんな加工をしたかレポートしていきます。
技術的に突っ込んだ話も少し解説していますので、興味がある方はそちらもよろしくお願いします!
前回の記事はこちら
余談:襟ぐりのチクチク
届いた実物を試着して、もしかしたら同様の違和感を感じた方がいるのではないでしょうか。首回りなどがなんだかチクチクしませんでしたか?
憶測ですが、切り口が所々黒く焦げていたのでレーザーカットの熱で溶かした部分が硬化したものかなぁと。
大量生産の裁断には様々な方法があるのですが、レーザーカットは名前の通りレーザーで布を切り出していく方法です。特に合成繊維は相性が良く、レーザーの熱で裁ち切りが溶けてくれるのでほつれにくくなります。
今回のフラワリーTシャツの素材も合成繊維であるポリエステル100%なので、あえてこの方法が取られたものと思われます。
ただ、出力の強さによっては焦げが発生したり、溶けた部分がパリパリになって皮膚に触れると刺激を感じることも。今回のチクチクの原因はこれかな? 首回りの他、袖口や裾にも同様のものが見られました。
下に長袖ハイネックやシャツなどを重ね着して直に触れないようにすればチクチクは感じなくなると思いますが、網目の細かいニットだとか透けるような薄物はパリパリに引っかかって傷付いてしまう可能性があるので要注意。
私はリメイクついでに襟ぐりのパリパリをどうにかします。
身幅詰めで出た残布でパイピングしようと思っていましたが、ロックミシンでパリパリを切り落とすだけで改善できたのでそれで済ませました。装飾の方に時間を使いたいですしね。
切らないアレンジ①:ギャザー寄せ
Tシャツの裾に紐を通してシルエットを変えるアレンジ。ギュッと絞った感じが可愛いです。
やり方は、ギャザーを寄せたい部分の裏に紐を通すための帯を叩きつけるだけ。帯の両端と中央をミシンでダーッと縫います。
縦の長さはお好みで、幅は通すリボンが余裕を持って動けるくらいあると良いです。
あまり分厚かったり固い生地でやるとギャザーが綺麗に寄らないので薄手の生地にしましょう。100均にも売っている裏地のハギレや、幅広のサテンリボンなどがおすすめ。
裏地などを使う場合は端がほつれてこないように1センチずつ縫い代をつけて折り込んだ状態で縫うと綺麗です。どこか一ヶ所に布の耳を使ってもOK。
ギャザーを寄せる位置や量を変えたり、肩から袖口にかけて寄せたりと自由自在。
通すリボンや紐の色や太さによっても見栄えが変わってきますし、推しのカラーを取り入れても楽しいですね。
Tシャツ本体を切らないので安心してアレンジできます。ぜひ試してみてください。
切らないアレンジ②:刺繍で装飾
襟ぐりやロゴの周りなど、任意の場所にお好きな素材で刺繍をすると可愛くなります。
今回私も自分のTシャツアレンジにガッツリ取り入れてみました。
まず、肩幅身幅つめで出た端切れやレースを1センチくらいの細切れにします。切らない場合は市販の柔らかめのリボンやレースでやってみてください。
中央にギャザー寄せミシン(手縫いでも可)をかけてクシュクシュにしたら好きな形に成形し縫い付けていきます。
ここからは写真でご覧ください。
さらにパールビーズで面を埋めたり、ラインストーンでロゴ周りをキラキラにしたり、スパンコールの花も咲かせたりと色々手を加えまして……完成系がこちら!
今回のようにTシャツ本体をカットしたものを使う利点は、色合いと質感が同じなので馴染みが非常に良いこと。ピンクグラデーションのお花、我ながら可愛くできました。
市販の素材を使う場合は元のTシャツと同系色で装飾していくとまとまりが良くなりますし、シルバー・ゴールド系は万能に使える優れもの、あえて反対色を入れて目立たせるのも素敵です。
ミシンが無くてもできますし、ラインストーンなどに素材を限定すれば布用ボンドのみでアレンジが可能です。試してみてください。
没案
これはYouTubeで見かけてやってみたくなり試したお袖リボンアレンジ。
肩のところだけ袖を外して、真ん中でキュッと縛ると肩出し&リボン風に。
可愛い、めちゃくちゃ可愛い。色も形も可愛すぎる。
ただし私は可愛すぎると着るのを躊躇してしまうので今回は無しにしました……。可愛いなぁ……。
以上、切らないアレンジのご紹介とマイTシャツのお披露目でした!
初めて挑戦したアレンジTシャツで現場に入れたのもとても良い思い出になりました。
このTシャツはしばらくは思い出と共に飾ったあと、部屋着として使おうかなと思います。
拙いレポートではございますが、この記事が皆様の推し活の参考になれば幸いです。
このあと少しだけ肩幅・身幅つめの解説が続きます。
興味がありましたらどうぞお付き合いくださいませ。
幅つめ加工レポート
では、ちょこっと専門知識を交えた加工レポートをお送りします。
フラワリーTシャツ、わかってはいたけど横幅がすごい。
くわPスタジオ スタフォニ4th直前特番では男性声優陣が着用している姿が見られました。男性の肩幅+筋肉のため人によってはパツパツ気味でしたが、下に長袖Tシャツやトレーナーなどを着た上でも着用できるゆとり感。
……でもやっぱりジャストサイズで着たい!
ので容赦なくバッサリ切り落としていきます。
まずは前回サイズの近いTシャツを使って事前に試した寸法で問題ないか、ロゴの位置が大丈夫かなどを改めて実物で確かめます。
バッチリだったので予定通り肩幅と身幅をつめていきましょう。衿ぐりは予想よりも詰まっていたのでそのままで。
またまた余談になりますが、こういうふうにビッグシルエットで服の袖ぐりが着る人間の脇から大きく離れていたり、カマ底(※)があまりに深かったりするとと着心地に違和感が出てきます。(※袖ぐりの下部分のU字を指す専門用語。炊飯器とかのお釜の形をご想像ください)
腕をあげると服全体がついてきて、引っ張られるようなつっぱるような……そんな重たい感覚。モモンガ袖タイプのシャツなんかをお持ちの方は経験があるかもしれません。必ずしも「ゆったり=動きやすさ」ではないのです。
見た目を取るか動きやすさを取るかはお好みとなります。
私はあまり得意でないので、肩幅身幅にプラスしてカマ底も浅くしていきます。
形を見ていくと肩傾斜が緩やかです。私の急勾配撫で肩にラインを近づけるため、肩幅つめをする位置で新しい肩先を1.5センチほど下げます。大体現在の肩先をそのままスライドしたような位置になりました。
ちなみに、袖を外してフレンチスリーブ風に着る場合などもちょっと肩先を下げてあげた方が綺麗かもしれません。意外と生地にハリがあり、外した状態で着ると肩先がハネます。
寸法は肩幅全体12センチつめ、身幅はバストをぐるりで32センチつめ(左右8センチつまみずつ)で裾にかけて0にします。
元の肩先から6センチ内側・1.5センチ下げた位置を肩先として、元の袖ぐりの形状に近くなるように線を引いていきます。寸法も本来は元の袖ぐりと同じにするべきなのですが、上記の理由から釜底を浅く+肩先を下げたため元寸法より小さくなります。
AHが小さくなった分は袖を小さくして対応します。タックを入れて遊んでみても良いのですが、今回はシンプルに袖下で幅をつめて袖つけのラインをちょこっと修正します。(写真を撮るのを忘れてしまいました……)
裁断で気を使うのは左右対称にラインを引くこと。Tシャツそのものに左右差があることは珍しくないので、事前にTシャツを半分に折りたたんで肩の長さが対称かを確認しておきます。もし差があれば、最終的な寸法が揃うようにつめ寸法を加減して左右で変えます。
ちなみにカットソーに関しては生産現場にいたことがないので大した知識がないのですが……このTシャツ、衿ぐり以外は前後のパターンがほぼ同一でした。袖ぐりだけ5ミリくらいカーブの形が違ったかな……でも誤差と言える範囲なのであえてなのかは不明……。
人間の体はバスト・ウエスト・ヒップとでこぼこがあり前後対称ではありません。基本的には前後で違ったパターンになるものですが、Tシャツはストレッチが効きますし今回は特にビッグシルエットなこともあって差をつけなくても着用に問題がないのですね。
私のTシャツも、ジャストサイズに〜と言いつつ少しゆったり感を残した仕上がりに設定しています。
というわけで、前後の脇を重ねて袖ぐり〜裾を同じ形状に切ってしまいます。
切った生地をさらに反対側の脇に乗っけて、それをガイドに左右対象にカット。
カットラインはフリクションで引いちゃってます。実はあまり良くない。普段はチャコを使いますが白くて見えなかったので……。
フリクション、便利ではあるんですが色素が残ってしまったりで時々問題になることがあるんですよね……綿素材とか、あとポリエステルサテンは絶対にNG。断固使用拒否の職人さんもいます。
私も仕事ではあまり好まない派ですが、私物だしカットラインならまぁいいかと。
切り終えたら脇肩を縫って袖を付けて終わりです。
個人的にこの縫い合わせが一番怖いところで……一度仕事でTシャツの幅つめをやった時に縫う位置をしくじってしまい、ほどいたら針が地糸を切ってしまっていてミシン目状に穴がポツポツポツ……なんてことをやってしまったんですよね。
Tシャツってニットですから、糸が切れて力がかかれば伝線し穴は大きくなっていってしまいます。それはもう半泣きで一個一個穴をかがるという始末をやった記憶……ちょっとトラウマです。
なので趣味でされる方もできれば糸や針は細めのもの、よく裁縫をするのであればボールポイント芯などニットに適したものを用意できると良いと思います。
以上で完成となります! お疲れ様でした。
細かいところでは、元々は袖下入れが最後だったのですが、様子見で試着をするために脇を先に縫ってしまったため最後に袖を付けています。
また裾や袖口の処理も二本針だったのですが、無いのでロックでほつれどめ+ステッチで代用しました。スキニーのようなタイトなものでは無いので、特に支障なく着ることができています。
この度初めてTシャツアレンジに挑戦してみて新たな学びが多く得られました。
断念した袖リボンのアレンジも、縫い代始末はどうすればいいんだろう……割ってステッチか? とか、普段考えないことを考えるきっかけにもなりました。
仕事でライブTシャツアレンジが持ち込まれることも時々ありますし、またそんなお客様がいらした時に使える知識が増えたのも大収穫。挑戦って大事。なんでもやってみるものですね。
一度しか着る機会のないものだからこそ、素敵なものにしたいという想いがあると思います。それに応えられるように、これからも日々お直しの研究を積極的にやっていきたいです。
それでは、ここまで読んでくださりありがとうございました!
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