財務が「ショート」して事業が一時停止に?
国際卓越研究大学の第1号に認定され、政府による10兆円大学ファンドの運用益から2025年度に154億円、2026年度に169億円が交付されている東北大。その裏で、大学院博士課程の学生に対する生活支援や研究費の削減が2026年2月に突然発表され、4月から実施されている。留学生については、これまで受けられていた授業料免除が対象外に変更。前回の記事では、突然の変更に対する院生たちの怒りの声を伝えている。
博士課程の学生への支援が削られたことは、東北大の教員に広く周知されていたわけでなかった。4月になってから、ある教員に聞くと「初めて聞きました」と驚きを隠さなかったほどだ。
一方でこの教員は、国際卓越研究大学をめぐって「教員の側にも混乱が起きている」と明かした。
「実は2025年の秋以降、大学の本部事務機構が『財務がショートした』と学内の会議などでたびたび主張しているのです。実際に、国際卓越研究大学に関する事業は一時的にストップしています。本部は、国家公務員の給与を増額するという人事院勧告を受けて『教職員の給与を賃上げすること』と、『電力料やガス代が上昇したこと』、この2つの要因によって財務が逼迫したと説明しています。ただし具体的な説明がないので、何がどのように逼迫しているのか、細かい部分まで教員たちもわかっていません。
しかし、人事院勧告に対応した『人件費の増額』については、当初予算編成時点で予見できたはずです。しかも、2025年度の補正予算では国立大学法人に対して増額対応分が計上され、東北大には約16億円が配分されています。なので、大学の運営が立ち行かないほど資金が枯渇しているわけではないはず。だから、どのくらい財務が逼迫しているのかも本当のところわかりません。国際卓越研究大学に関する事業の一時停止の理由は、別のところにあるのではないでしょうか」
しかも、教職員たちには「財務がショートした」と言いながら、2025年度の大学ファンドからの助成金154億円の使い道は学内の教職員には示されていないという。教員はこの現状に首を傾げている。
「この助成金の使い方に不都合な状態が起きていることを隠すために、『財務のショート』という曖昧模糊な言葉を使っているのかもしれません。そう考えざるを得ないほど、助成金の使い方や、財務運営が不透明な状態が続いているのです」