医療法人の事業譲渡持ちかけ3.5億円返さずか 2容疑者を逮捕

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 医療業務の譲渡を巡り、医療業界への参入を目指していた会社に、一時的に支出させた3億5000万円の返還を断念させたとして、警視庁捜査2課は19日、住居・職業不詳の小林昌人(54)と東京都目黒区の職業不詳、古野間昭彦(59)の両容疑者を詐欺容疑で逮捕したと発表した。この会社は千葉県で病院を運営している医療法人の倒産に伴い、都内の一部事業を引き継ごうとしたが、結果的に預けた資金をだまし取られる形になったとみられる。

 捜査関係者や信用調査会社「東京商工リサーチ」によると、倒産したのは、八千代病院(千葉県八千代市)を運営している医療法人社団「心和会」。病院や介護施設など複数事業を手掛けていた。

 しかし、前理事長の不動産投資トラブルなどから多額の資金が流出し、2023年に民事再生法の適用を東京地裁に申請し倒産。負債総額は132億円に上った。ただ、倒産後も地域医療を崩壊させないため、診療体制を維持したまま、医療事業を引き継げる新たな運営元を探していた。

警視庁戸塚署から東京地検に送られる小林昌人容疑者=東京都新宿区で2026年6月19日午前8時18分、松本ゆう雅撮影(画像の一部を加工しています) 拡大
警視庁戸塚署から東京地検に送られる小林昌人容疑者=東京都新宿区で2026年6月19日午前8時18分、松本ゆう雅撮影(画像の一部を加工しています)

 小林容疑者らは、医療事業への参入を考えていた大阪市の衣料品輸入販売会社に、心和会との仲介を提案。「事業譲渡のための資金証明として必要。後で返す」と持ちかけ、3億5000万円を預かった。

 その後、小林容疑者らは、この資金を心和会に振り込んだとする偽の受付書を会社側にLINE(ライン)で送信。実際には、3億5000万円は心和会に振り込まれず、2億円以上が両容疑者によって引き出されたり、クレジットカードの支払いに充てられたりしたという。

 逮捕容疑は24年1~3月、この会社の役員に「心和会から事業譲渡を受ける内諾をもらい、既に3億5000万円を振り込んだ」とうそを言い、一時的に支出させた資金の返還を断念させたとしている。2人の認否を明らかにしなかった。

 24年3月下旬にも「残金を払わないとこれまでの分が無駄になる」と言い、会社から追加で1億7500万円を受け取っていたという。【長屋美乃里】

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