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オクシモロンの証明(上)/Novel by ちちゅう

オクシモロンの証明(上)

14,890 character(s)29 mins

篤寛(日下部さん×日車さん)の小説です。
捏造あります。登場人物の口調等、違っていたら申し訳ありません。適宜文章を直す可能性があります。何でも許せる方向けです。それでも良ければ、よろしくお願いします。
感想が糧です→https://wavebox.me/wave/3wltx83khlg2lqut/

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(日下部視点)

日車寛見という男は、全てが異端である、と俺は認識している。一般人が死滅回游を生き残っている、十分奇跡的な話だが、日車は術式を発現した。ほんの少し前には一般人だった人間が、だ。それだけでも「は?」って話だが、こっからさらに話はイカれてくる。なんと奴は、発現した術式を分析することで並みの術師なら生き残ることすら難しい、この蠱毒みてぇなゲームの中で100点を保有する強者の側に立ったのだ。つまり、ほぼ素人に毛の生えたやつに返り討ちにされた術師が山ほどいる、ということだ。ほんと訳分からねぇ。何がどうなればそんなことになるのか。
実際に戦った虎杖に話を聞いても、「ちょっとグレて着衣風呂してたけど、たぶん良いやつだよ!!!」って全く参考にすらならねえ情報しかねぇし。何だよ着衣風呂って。てかお前殺されかけたとか、あのままだったらちょっとヤバかったとか言ってなかったか?そんな奴のどこを見て良いやつってぬかしてんの、とか言いたいことはそれこそ山ほどあった。あったが、悲しいことに万年人手不足の呪術界、日本どころか世界の危機なこの状況ではそんなことは言ってもいられない。
苛立ちで煙草が吸いたくなるのを、飴で宥めながら、日車の顔を知ってる虎杖と共に、相棒を片手に男を探す。いざとなったら、これで男を。ほんの少し前までは、守るべきはずだった人間を。
そんな俺の苦悩を全く知らない虎杖は、きょろきょろと周囲を探している。時にはかなりでけぇ声をだしつつ。おいそんなでけぇ声を出すなよ………。ここには呪霊もまだいるかもしれねぇんだぞ。俺は面倒くさいことはごめんなんだ、と拳骨の一つでも喰らわせてやろうとした瞬間、虎杖の顔がパッと輝いた。
「あ、日車!」
虎杖の目線を追う。刀を然り気無く抜刀しやすい位置に正しながら。
目線の先には、スーツを着た男が立っていた。

夏みてぇな男。それが、俺が奴に最初に抱いた印象だ。
蝉の声が耳にやけに煩く、滲んだ汗は体にベッタリと張りついて不快で、晴れているくせに次第に呼吸すらも重苦しくなるような、そんな夏。
強い光のせいで濃くなってしまった影が、そのまま人の形をとったような、そんな嫌な夏の空気を纏った男がそこにはいた。

Comments

  • 1
    September 28, 2024
  • 705
    September 23, 2024
  • トシ
    June 19, 2024
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