茨城県古河市の介護老人保健施設で2020年、入所者2人の点滴に空気を注入して殺害したとして、殺人罪などに問われた元施設職員、赤間恵美被告(40)の裁判員裁判の公判が18日、水戸地裁(山崎威裁判長)で開かれた。検察側は無期懲役を求刑し、弁護側は無罪を主張した。判決は7月7日。
公判では、死亡した2人が他殺か病死かなどを争う「事件性」や、他殺だった場合に赤間被告の犯行と言えるかどうかの「犯人性」が争点となっている。
検察側は論告で、状況証拠をもとに「被告が殺害したとしか考えられない」と指摘。入所する要介護者の中から殺害しやすい人を無作為に選んだ「無差別的な犯行だ」と強調した。空気を注入すれば死亡する危険性があることなど、看護師としての知識を悪用した、とも述べた。
弁護側は「2人は病気が原因で亡くなった可能性がある」と主張し、いずれも被告の関与はないとしている。最終弁論では「事件の経緯や動機が何も証明されていない」と指摘。「全く立証されていない動機を被告に不利に評価し、不確かなことで処罰することは許されない」と訴えた。
起訴状などによると、被告は勤務していた古河市の施設「けやきの舎(いえ)」で20年5月30日、鈴木喜作さん(当時84歳)の点滴用チューブに注射筒(シリンジ)で空気を注入し、血液が循環しない状態にして殺害したほか、同年7月6日には吉田節次さん(当時76歳)を同じ方法で殺害したとされる。
検察側はこれまでの公判で、容体が急変する前に鈴木さんの居室に入ったのは被告だけだったと指摘。吉田さんの容体急変前に、そばでシリンジを動かしていたとする同僚職員の目撃証言などから「犯人であることは明らか」としている。【井手一樹】
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