「障害が残った娘も被害者として認めて」遺族の訴え 妊婦死亡事故で被告の女に禁錮2年6カ月の実刑判決

2026年6月18日 19:46
愛知県一宮市で、妊娠中の女性が車にはねられ死亡した事故で、被告の女に実刑判決。 「障害が残った娘も、被害者として認めてほしい」遺族の訴えについて、裁判所の判断は。
 妊娠9カ月だった、研谷沙也香さん(当時31歳)。去年5月、一宮市の路上で車にはねられ亡くなりました。

 沙也香さんが運ばれた病院で帝王切開によって生まれたのが、娘の日七未(ひなみ)ちゃんです。

 事故で脳に重い障害が残り、1歳になった今も意識は戻っていません。

 当時、車を運転していた児野尚子被告(50)が、過失運転致死の罪で起訴されました。ただ、日七未ちゃんに対する罪は、 「胎児は人ではなく、母体の一部とみなされる」という刑法の原則に基づき、問われませんでした。
 

被告に禁錮2年6カ月の実刑判決

「我が子を抱くこともできずにこの世を去る無念」
「重度の障害を持って生まれた娘・日七未が被害者として扱われない現状は到底受け入れられるものではありません」(沙也香さんの夫 研谷友太さん)

 日七未ちゃんが受けた被害が、量刑判断にどれほど影響するのか注目される中、下された判決は…。

「夫婦で誕生を心待ちにしていた我が子を抱くこともできずにこの世を去る無念は計り知れない」(鳥居俊一裁判長)

 名古屋地裁一宮支部は「胎児に循環不全などの傷害を負わせた」などと日七未ちゃんが受けた具体的な被害についても触れ、禁錮3年の求刑に対し、禁錮2年6カ月の実刑判決を言い渡しました。

「児野被告は、終始うつむいた様子で聞いていましたが、判決が言い渡された後、遺族に涙ながらに謝罪しました」(記者リポート)
 

娘の日七未ちゃんも「1人の被害者と認めてほしい」と訴え続けてきた研谷友太さん

思いは叶わなかったものの…
 沙也香さんの夫・友太さんは、判決をうけて会見を開きました。

「刑が重いからと言って健康な娘が戻ってくるわけではなく、妻が生き返ることもないが、妻と娘には『頑張ったよ』と報告はできると思う」(研谷友太さん)

 娘の日七未ちゃんも 「1人の被害者と認めてほしい」と訴え続けてきた友太さん。

 その思いは叶いませんでしたが…。

「98%が執行猶予がつくとされる交通事故の中で、その2%に入り実刑を受けられたことについては、娘の分は立件はされていないが、量刑の酌量の部分で裁判官もしっかり考慮をしてくれた。ある意味これは大きなことだと思う」(研谷さん)
 

三輪記子弁護士

専門家「他の同種事案と比べると重い」
 今回の判決について、三輪記子弁護士に聞きました。

「今回の判決は他の同種事案と比べると重い。(胎児への被害を)考慮した結果重くなってるのかなっていうふうに私は見てます」(三輪弁護士) 

 判決で、裁判長が日七未ちゃんに言及したことについては…。

「裁判官は訴えられた罪名の中で判断するのが職責なので、それを超えて言及したってところに関しては、結果の重大さに対して見過ごすことができないっていう裁判所のメッセージだと思います」(三輪弁護士)

 お腹の中の子も人として認めてほしい。友太さんら家族は今後も、署名活動などを続け、法改正を訴えていくといいます。

「判決がおりたところで、今後の悲しみがなくなるわけではない。一生大きな傷は背負って生きていかないとならない。まだまだ闘いは続いていく。家族全員一丸となって今後も闘っていきたい」(研谷さん)
 

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