裁くことへの欲望をもつ人ほどおべっかもうまい。なぜなら真理よりも審級を見ているから。誰が評価権を持っているか、どの言葉を使えば上位者に好かれるか、どこで反抗し、どこで従順に振る舞えば得かをよく知っている。下には厳しく、上には柔らかい。これはアカデミズムのかなり嫌な側面。
大学院には、人を裁くことを知の名で正当化したい者たちも集まってくる。他人を判定する快楽が、研究意欲に混入しやすい。後輩を裁く。投稿論文を裁く。道徳的に問題のある発言を裁く。そうした場面が大量にあるので、裁きたい人間ほど居場所を見つけやすい。