横浜中華街の名店「重慶飯店」とのコラボメニューが初登場! 横浜市中学校給食
中学校での全員給食が本格的にスタートした横浜市。日替わりで提供される献立の中に、この日、特別な一品が加わりました。横浜中華街の名店「重慶飯店」とコラボレーションしたメニューの初登場です。横浜ガストロノミ協議会と連携し、試行錯誤を重ねて生まれたこの献立が、いよいよ生徒たちのもとへ届けられる――その瞬間を取材しました。
シェフと教育長が、給食時間に中学校へ
南が丘中学校を訪れたのは、「重慶飯店」の木暮浩三シェフと下田教育長。生徒との意見交流のためです。
この日の献立には、木暮シェフが開発に携わった三絲湯*(サンスータン)が登場しました。
*三絲湯(サンスータン)… 細切りした油揚げや筍、春雨など3種類の食材が入った中華スープ
開発のきっかけは2年前、横浜ガストロノミ協議会からの提案を受け、横浜市とともにメニュー開発が始まりました。開発の過程では、実際に生徒が試食し、感想や「もっとこうだったらいいな」といった率直な意見を集め、具材の量や彩りなど細かな調整を重ねてきました。
そして迎えた提供当日。食缶のふたが開くと、ふわりと立ちのぼる湯気とともに、あたたかな香りが教室へ広がります。
配膳が終わり、生徒たちも着席。教育長の「みんなの意見を聴いてできた給食です。これからさらにいいものを作っていきたいと思っています。今日もたくさん感想を聴かせてください。」という言葉から、給食の時間が始まりました。
また、この日は学校にとっても少し特別な日。視察があることを知った学級担任・生徒からの発案で、みんなで話しやすくなるようにと、コロナ禍以降、初めて向かい合わせのグループでの喫食を再開しました。教育長やシェフもグループに加わります。最初は少し緊張した面持ちだった生徒たちも、2年前に南が丘中学校で撮影された汁物食缶試行時の動画が流れると、徐々に表情もやわらぎ、教室には笑顔と会話が広がっていきます。
食事は、ただ栄養をとるだけの時間ではない——そんな当たり前だけれど大切なことも、改めて感じさせてくれる時間でした。
↓2年前に南が丘中学校でも撮影された、汁物食缶試行の動画
つくり手が聴く、生徒のまっすぐな思い
「おいしい」
「スープがあったかくてうれしい」
「ふたを開けたときの湯気が好き」
生徒たちの率直な感想に、木暮シェフは一人ひとり丁寧に耳を傾けます。
一方で、「具材はもう少し大きいほうがいい」といった提案も。シェフは笑顔でうなずきながら、大量調理の工夫を丁寧に説明します。「どうすればもっと良くなるか、一緒に考えていきたいですね」シェフと同じ目線で向き合う時間は、生徒たちにとっても貴重な体験です。
『これから、もっとおいしくなる』
給食の終わりに、木暮シェフは生徒たちにこう語りかけました。「みんなの意見が重なって、5年後、10年後には、もっとおいしい給食になっていくと思います」その言葉に、教育長もうなずきます。給食は完成されたものではなく、これからも進化し続けていくもの。子どもたちと一緒に、その未来をつくっていきます。
思い出に残る給食の時間を
「大人になったとき、給食の時間が思い出になると思うんです」シェフの言葉どおり、この日の記憶は、きっと生徒たちの中に残り続けていきます。
自分たちの意見が生かされた給食のメニュー。みんなと同じ食卓を囲み、言葉を交わす時間。そのすべてが、日常の中にありながら、かけがえのない体験として積み重なっていく。
始まったばかりの中学校での全員給食。子どもたちの思いに耳を傾けながら、よりよい形へと育てていく取組は、まだまだ始まったばかりです。
<この記事を書いた人>
ヨコエデュ編集部 吉田
食べることが大好き。週1回のヨガで心身ともにリフレッシュしています。

