伊勢本街道巡り、町を知る 相可高1年 神社や寺、道標など探究学習 三重・多気
三重県多気郡多気町相可の県立相可高校(杉谷悟校長、572人)の1年生約200人は20日午後1時半から、4月からスタートした探究学習の一環で、同校前を通る伊勢本街道沿いの神社や寺、道標などを巡るフィールドワーク(屋外調査)に取り組んだ。 総合的な探究の時間として、地域のことを深く理解し、そこにある課題の解決方法などを考える授業。担当の鈴木舞教諭によると本年度は、生徒たちは4月に町商工観光課職員から「多気町を知る」と「自分を知る」の二つをテーマに説明を受けた。それを基に実地調査を行い、1学期中に自分が関心を持ったことを整理し、2学期以降は学科をまたいだ4人のグループで、それぞれの視点を生かしながらグループワークを重ねて、1年目の最終目標の学習成果発表に向けて準備を進める。 この日は「多気語り部の会」の奥村清司会長(69)=多気町五桂=が講師に招かれ「伊勢本街道相可宿と旅の変遷について」のテーマで語った。奥村会長は「多気町は伊勢本街道と和歌山別街道、熊野街道が交差する町。道は文化を運んだ」と切り出し、「旅人や商人がさまざまな思いで伊勢神楽や伊勢白粉、備中ぐわなどの文物や産品を運んだ」ことを紹介。その後、話題は式年遷宮、伊勢神宮と斎宮、お伊勢参り、旅籠「車屋」(後の鹿水亭)の外観の特徴、西行歌碑のそばにあったムクノキ、豪商「大和屋」、鉄道開通などに及び、同町の歴史を伝えた。最後に、街道の名残をとどめている「まつかさ餅」やアユの甘露煮などの名物を列挙して、この町の特徴とした。 生徒たちは予備知識を得たところで、同校前を通る伊勢本街道を歩いて現地調査へ。4人1組で九つのポイント(浄土寺、おんばさん、鹿水亭、相鹿上神社、道標広場、西行歌碑、常夜燈〈とう〉、歓喜寺、歯痛地蔵)を順に回った。 このうち永松憲昌君、東山青君、前川仁美さん、西村玲さんのグループは学校正門を出て、西行歌碑へ。4人は平安時代に西行法師が、伊勢参りの途中にここに立ち寄り、「疲れぬる我を友呼ぶ千鳥ヶ瀬越えて相可に旅寝こそすれ」と詠んだことを確認。4人は「日頃見慣れたものでも、探究の時間でそのいわれを知るとまったく見え方が違います」などと見入っていた。 フィールドワークを終えて学校へ戻った生徒たちは、教師らが出す郷土の歴史に関するクイズに回答してさらに知識を深めた。