第75回全日本大学野球選手権最終日(14日・神宮球場)決勝が行われ、関大(関西学生)が慶大(東京六)を2―1で破り、54年ぶり3度目の優勝を果たした。5回無失点、被安打2で勝利を呼んだ最速149㌔のエース米沢友翔(ゆうと)(珠洲市出身、金沢高OB)はプロ注目の投手。入学後、けがで苦しんできた遅咲きの左腕は、今大会でさらに評価を上げ、スカウト陣からは「1位指名が有力」の声が上がった。
決勝は慶大との「東西対決」となった。重責を果たした米沢は「ユニホームも似ているし、負けたくない気持ちもあった。すごくうれしい」と口にした。
前日の準決勝でも77球を投げ、さらには発熱もあったという中、「ここまで来たら自分が投げるしかない」と先発を直訴した。140キロ台の直球やスプリットを武器に、5回無失点。「一番ギアを入れた」という五回2死二塁のピンチでは、1番打者を渾身(こんしん)の直球で見逃し三振に抑えた。
4試合に先発して計2点しか失わず、最高殊勲選手に輝いた。プロのスカウトからの注目も集め、試合後は「ドラフト1位で行きたい。良い結果を出せるよう、しっかり練習する」と述べ、タイトルに満足せず、さらなる成長を決意した。
●県内関係者喜び
米沢の好投に、県内の関係者にも喜びの声が広がった。金沢高野球部時代に米沢を指導した武部佳太監督(45)は「すべてにおいて高校時代より成長したが、特にマウンドでの立ち姿と表情が、堂々としているのがいい」と目を細めた。
珠洲市野球協会の前順二理事長(73)は、市内に小学生と中学生の野球チームが一つずつしかないとし、「米沢選手がドラフト上位で指名されれば、珠洲の子どもに夢を与えられる。野球する子が増えるかもしれない」と期待を寄せた。