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この後めっちゃお話し(意味深)した/Novel by からっぽ

この後めっちゃお話し(意味深)した

2,299 character(s)4 mins

最終決戦後、日車さんが高専で呪術師やってる世界線の篤寛短文です。
基本的になんでもハイスペの日車さんが世間の流行には疎いと私が嬉しい。対して日下部あちゅやはなんだかんだ若者の話がわかる程度には色々知ってるとまた私が嬉しい。そういう話です。
若者に囲まれて困ってる日車さんはなんぼあってもいいですからね。

書けそうならこの後のえちちな篤寛も書きたいなぁ…なんて…

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「君は、学生達と感性が近そうだ」

 補助監督達や学生もいない夜の高専の一室。書類仕事を並んだデスクで片付けていると日車がポツリと溢した。脈絡のないそれに日下部は隣の日車に視線だけを向ける。日車は相変わらず書類から目を離さず手も止まらない。
「いやいやあんたね、こちとら四捨五入したら40よ? 10代のあいつらと近いわけないでしょうよ」
 隣の天才先生がこのように突拍子もなく話を降ってくる時は大概何かあった時だと経験上わかっている。そして顔を見ればそれが思い詰めた故の悩みか、そうでないかも。今回は後者だ。なので日下部は深刻に考える必要はないと判断し、おどけた調子でそう返した。
「君はそう思っているかもしれないが、俺からすれば彼らと上手くコミュニケーションを取っていると思う。教職歴の長さと関係しているのかもしれないが、いつも感心している」
「……不意打ちで褒めるのやめてくれませんかね?」
 賞賛の言葉が流れるようにストンと落とされるせいで、こちらの照れ臭さが時間差でやってくる。誤魔化したくて口の中の飴を噛み砕きたくなる衝動を日下部はなんとか抑えた。手持ちはこれが最後なので無駄にしたくない。
「テキトーに合わせてんの。三輪に至っては俺のこと完全に舐めてやがるし」
「適当、か。適当には〝適切〟の意味合いも含まれるんだぞ、知っていると思うが。それに俺は事実を述べたまでだ」
 むいむいと唇でプラスチックの棒を遊ばせる。気恥ずかしさで目線を明後日の方向に向けていると隣の日車がかすかに笑った気配がした。
「俺は流行りなどにも疎いし、彼らが喜ぶような気の利いた返しもできない。いつも虎杖や他の学生達を内心がっかりさせていると思う」
 そういえば朝に廊下で虎杖や綺羅羅達、複数の生徒に囲まれていたのを日下部は思い出した。察しのいい日下部が今までその光景を思い出さなかったのは、日車が感じているようなマイナスな印象を受けなかったからだ。
「今朝のあれか? 何話してたかは知らねーけど、あいつら普通に盛り上がってたじゃん」
「いや、あまりにも俺がものを知らないから、一生懸命教えてくれていたんだ」
 なるほど、バズってるスイーツとか動画とかか? たしかにこいつはそういうの一切知らねぇからなぁ。
「ほーん、何について?」
「〝メロい〟という言葉についてだ」
 およそ日車の口から出ることはないだろう単語に吹き出しそうになる。
「俺の言動が一々メロい、と言われた。俺は普通にしてるつもりなんだが、それがメロいらしい。言葉の概念はなんとなく理解したが、それと俺がどう繋がるのかわからん」
 日車に何教えてんだあいつら。分かるけど。こいつの仕草がメロいのはめっちゃ分かるけど。メロいっちゅーか、エロいっちゅーか……色々ツッコミたい気持ちをポーカーフェイスの下に押し込み、息を深く吐く。そして肩を落とす日車の頭を日下部はわしわしと雑に撫でた。
「なんだ急に。やめろ日下部」
 眉根を寄せながらも手は払われない。それに気を良くしてセットされた黒髪を撫で続ける。
「俺の寛見ちゃんが愛しくってしゃーねぇな〜って話」
「……今までの流れでどうしてそうなる」
「えぇーわかんねぇ?」
「全く」
 くつくつ肩を揺らして笑うと日車の眉間の皺が深くなった。そんな顔も可愛い〜って思っちまうんだから本当に俺もしゃーねぇよな。
 だってよ、この前まで「俺はここが死に場所です〜俺の命を使ってください〜」みたいな事ばっか言ってた死にたがりが、「学生の話が分からない」って真剣に悩んでんだぜ? そりゃあ胸にぎゅっとクルもんがあるだろ。
「平和だなぁ〜」
「……意味がわからない。はぁ、今日はわからない事ばかりだ」
 むす、と不服そうな恋人の尖った唇に喰らいつきてぇなんて思いながら口の中の飴をついに噛み砕く。これ以上揶揄うと本当に機嫌を損ねかねないので髪を撫でていた手を少し降ろし、白い頬に手の甲でさらりと触れてやる。
「んっ……」
 ちらりと寄越された視線。ここではダメだぞと咎めるように鋭いが、少しだけ甘さを孕んでいる。もちろん日下部も二人きりとはいえ誰が来るとも知れない校内でここから先に事を進める気はない。
 というわけで、さっさとこの天才先生の悩みにケリをつけてやることにする。
「あんたの正直で飾らない反応があいつらは好きなんだから、無理して合わさんでいーの。そのまんまでいい」
「そうだろうか……」
「ガキどもは箸が転んでも笑う年頃だぜ? 俺らおっさんが気を遣わんでも勝手に楽しんでらぁ」
「そう、いうものか……」
「そ。だから気張りなさんな。さーて、」
 よっこいせと日下部は処理の終わった書類を持って立ち上がる。日車も話しながら手元の処理は終えていたようで、日下部につられて立ち上がる。
「もう帰れそうか?」
「あぁ」
 日下部の問いに日車はこくりと頷く。
「よし、そんじゃあ」
 日下部は咥えていた棒をゴミ箱に捨て、すいと日車の耳元に口を寄せる。ふわりと甘い苺のにおいがした。
「この後、俺ん家で言葉のいらねぇコミュニケーション、取ります?」
「っき、みというやつは……! たまにすごくやらしい言い方をするな……!」
「真っ赤になっちゃって可愛い〜♡」
 うるさいっと背中を拳で叩かれるが、これが彼なりの照れ隠しなのは理解しているのでニヤけるのが止まらない。
「言っただろ? きらきらしたガキどもと感性が近いわけねぇって」

小難しいことなんか考える必要のない
どろっどろの肉体言語でお話ししましょうや♡


Comments

  • Natukaze
    May 14th
  • ミッキー
    May 11th
  • 小夜双☆スカィWeb
    May 11th
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