◆阪神5―0巨人(24日・甲子園)
今季限りで現役引退する決断を下した巨人の阿部慎之助捕手(40)が、25日に都内で引退会見することが24日、明らかになった。5年ぶりリーグ制覇達成からの数日間で、阿部は何を思い、どのような心境の変化があったのか。本人の口から語られる。また、レギュラーシーズンの本拠地最終戦となる27日のDeNA戦(東京D)では、阿部からファンへメッセージを送るセレモニーが開かれる見込みだ。
敵も味方も関係ない。甲子園全体から巻き起こった「慎之助コール」が気持ちよかった。5点を追う9回先頭。代打で登場すると、巨人ファンも阪神ファンも総立ちで背番号10を迎えた。マウンドには藤川。初球の高め148キロを豪快に空振りすると、ボルテージがさらに上がる。4球目の内角149キロは完璧に捉えたかに見えたが、わずかに右翼ポールをそれてファウル。盛り上がりは最高潮だ。そして5球目。外の146キロに、バットは空を切った。
最後の伝統の一戦。最後の甲子園。ライバル球団でともに一時代を築いたスター同士の戦いは、見応えあふれるものだった。大歓声と拍手に包まれながらベンチに戻る阿部は、ヘルメットを取り、スタンドに向かって一礼した。「コールしてくれて、巨人ファンもだけど、球場全体でやっていただいて感激です。(甲子園は)憧れの地。高校生は出ることを誇りにやるんだろうけど、それをプロになって感じているよ」。原監督は「(球場が)これだけ一つになって慎之助を応援している姿というのは、愛された選手だな、と。(選手)冥利に尽きると思いますよ」とうなった。
引退を決断した翌日、23日のヤクルト戦(神宮)では、1点を追う8回に右翼席へ同点ソロを叩き込んだ。試合後のクラブハウス。阿部は、原監督が集めてくれたナインや裏方の前に立った。涙を浮かべ、言葉に詰まりながら、思いを吐き出した。
「今年でユニホームを脱ぐことになりました。最高の仲間、指導者に出会えて本当に感謝しています。今年で選手としては終わりますけど、野球人生は死ぬまで終わらないと思っています。今日のホームランで、もう1年できるかなと思いながら走ったけれど、もう心を決めていたから、すごく気持ちいいホームランでした。これからもっと大事なゲームがある。僕も一員として最後まで必死で頑張るので、一緒に日本一になって、僕の有終の美を飾らせてください」
25日は午前中に帰京し、午後には都内で引退会見に臨む。本人の口から、決断に至った思いが語られる。そして、本拠地最終戦となる27日のDeNA戦では、阿部がファンに向けてメッセージを送るセレモニーを開催する方向で球団は調整中だ。その後のCSや日本シリーズでも戦力として期待されるが、最後の戦いに向かう前に、長年支えてくれたG党に感謝の思いを直接伝える。(尾形 圭亮)
◆阪神・藤川球児、オール直球で敬意示す
藤川が阿部にオール直球勝負を挑んだ。9回の先頭打者として対戦し、最後は外角の146キロで空振り三振。2学年上の先輩捕手とは08年の北京五輪、09年のWBCでチームメート。「(対戦は)怖かった。この15年ぐらいの中で一番の選手。巨人の選手としてのすごみやエキスを、ちゃんと残している。尊敬以上の念に値します」と敬意を払い、試合後は「対戦がなくなるのは寂しい。ウチがCSに行くことがあれば、また対戦できる」と気持ちを新たにしていた。









