「中ノ沢こけし」の魅力発信、猪苗代町が伝承館整備へ 28年度開館目指す

2026/06/10 08:15

中ノ沢こけし伝承館として生まれ変わる旧中の沢保育所 =猪苗代町

 猪苗代町は、町発祥の「中ノ沢こけし」の魅力を発信する「中ノ沢こけし伝承館」を町内に整備する。こけしの展示や絵付け体験などを通じ、技術と文化を次世代に継承する情報発信拠点にしたい考えで、2028年度の開館を目指す。9日の6月議会一般質問で明らかにした。

 構想では、閉所して使われなくなった「旧中の沢保育所」の建物を活用。改装した上で、こけしの展示や販売だけでなく、絵付けなどを楽しめる体験型施設にする。伝承館や中ノ沢温泉街を中心とした周遊観光への効果も期待される。

 中ノ沢こけしは県内外で根強い人気を誇る一方、町内の展示場所は町図書歴史情報館や町歴史民俗資料館のほか、一部の温泉旅館にとどまる。販売場所も小西食堂前に置かれた自動販売機と道の駅猪苗代の2カ所に限られ、観光客や町民からは、中ノ沢こけしの発祥地をアピールするような場所を求める声があった。

 町は今年、中ノ沢こけしに特化した伝承館の整備に向けたワーキンググループを組織。町や中ノ沢こけしプロジェクト実行委員会、中ノ沢温泉旅館組合、町商工会中ノ沢支部、DMC Aizuなどの関係者が協議を進めている。町商工観光課の担当者は「観光客や子どもたちに中ノ沢こけしを知ってもらうきっかけをつくり、にぎわい創出につなげたい」としている。

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 中ノ沢こけし 1922年、猪苗代町の中ノ沢温泉街に移り住んだ工人岩本善吉が生み出したとされる。大きく見開いた目に赤い化粧を施したデザインから「たこ坊主」の愛称で親しまれている。2023年に県の伝統的工芸品に指定された。長年、福島市の土湯温泉を本拠とする「土湯系」の亜流とされてきたが、24年の全日本こけしコンクールで「中ノ沢系」として独立が認められた。

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