立花孝志氏、逮捕から5月で半年に 「まだ勾留されてるのやばいな」疑問の声も 弁護士が考察
配信
●「逃亡のおそれ」は、条文上、保釈を拒む理由にならない
89条の6つの除外事由には「逃亡のおそれ」が入っていません。 一方で、勾留できる場合を定めた刑訴法60条には「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき」と書かれています。 つまり「最初に勾留するときは逃亡のおそれを理由にできるが、起訴後に保釈を請求されたら、逃亡のおそれを理由に断れない」ことになります。 これは、保釈という制度が「保釈保証金」を預けて身柄を解放するものであることによるといわれます。 保釈に際しては、「被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額」の保釈保証金を定めなければなりません(刑訴法93条)。 つまり、逃亡のリスクはお金で担保するというのが制度の発想です。 「執行猶予中で実刑が見込まれる」ことが保釈拒否の根拠として使われることがあります。 実刑が見込まれるから身柄解放されたら証拠を隠滅するおそれがある、というのでは、あまりにも抽象的なおそれにすぎません。 実質的には、被告人が実刑になるのを恐れて逃亡するリスクを理由として保釈を認めない運用ではないかと思います。 本来であれば、そのリスクも保釈金の額を上乗せすることで対応すべき問題であって、保釈そのものを拒む理由にはならないはずです。
●「人質司法」と呼ばれる問題
長年にわたり、多くの専門家が、抽象的な罪証隠滅のおそれで身柄拘束を続ける運用が、「自白しなければ保釈されない」という構図を作り出していると批判してきました。 保釈率は1960年代には50%前後だったものが、1990年代には10%台にまで落ち込みました。裁判員制度(2009年)以降は改善傾向にあり、令和5年(2023年)には31.9%まで回復しています(法務省「令和6年版犯罪白書」)。 しかし、条文が「原則として許さなければならない」としている制度の実態としては、なお低い水準だと思います。 ここで問われているのは人質司法という制度的問題です。立花氏の言動に対する賛否とは関係がありません。 身柄拘束を続けなくても裁判ができるのであれば、身柄拘束を続けるべきではないと考えます。 抽象的な「おそれ」を理由として長期の身柄拘束が続く運用は、問い直されるべきだと思います。 小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士) (※訂正のお知らせ)2026年5月11日11時15分:参考資料情報に誤りがあったため削除しました。
弁護士ドットコムニュース編集部
- 58
- 89
- 44