洗脳された日車を迎えに行く日下部
初の篤寛です、わーい。初めてがこれでいいのか。
呪詛師に洗脳されて自分を呪詛師と思い込んだ日車を日下部が迎えに行くだけの話です、呪詛師要素はほぼありませんすみません。
書きたかったのはケツ叩かれた衝撃で洗脳が解けるくだりです、そうです私がスパンキングが好きなだけです。
篤寛(寛篤)はずっと書きたかったけどタイミングが無くて、Xで素敵なイベントをやっていたのでそれきっかけで書けました、感謝。
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日車が呪詛師に洗脳されたと知らせを聞いた時の俺の第一声は、「何でそうなるんだ」だった。
今日の任務は術式も持たないしょぼい呪詛師の捕縛。それがどうしたら日車が洗脳されて、自分を呪詛師と思いこむなんて事になるんだ。
日車の足取りを追って車で移動する間に、同行していた補助監督に電話で詳細を聞く。どうやら今回のターゲットがたまたま洗脳系の術式持ちの呪詛師と会っていたらしく、日車はそこに出くわして補助監督を逃がす為に戦闘になり、その結果洗脳されたのだと。
幸いにも当初のターゲットと日車を洗脳した奴は他の術師がすでに捕縛済み。その術師の元へ日車を連れて行き術式を解かせるか、肉体か精神に強い衝撃を与えれば洗脳は解けるらしい。
電話の向こうで自分のせいでと狼狽える補助監督に「誰のせいでもねーよ。俺が連れ戻すから家入の待機手配しといてくれ」と告げて通話を切る。
スマホのGPS(俺が入れさせたアプリだから俺しか確認出来ねえが)と防犯カメラの映像なんかから、日車は郊外の空きビルに逃げ込んだらしい事が分かった。車を急がせ現場に到着すると、補助監督が帳を下ろした事を確認して壊れてる入り口から中へ入る。
電気は通っていないので暗くなる前にケリをつけたい。強襲を警戒しながらフロアを端から確認していく。
一階、二階と空ぶって、最上階の三階へ。最初の部屋へ踏み込んだ瞬間__物陰から巨大なガベルが振り下ろされた。
ドンッ
「ッ!!っぶね!!」
横っ飛びに避けながら抜刀して構える。ガベルのサイズを小さくしながら、薄闇から日車が現れた。
何の感情も無い顔。どうやら記憶も無いらしい。
「一人か。今のを避けられるとは、1級か?」
「ご名答。覚えててくれて嬉しいよ」
「?何を言ってる、お前とは初対面だ。そして…さよならだ」
「!!」
ビュッ
ほぼノーモーションで伸びてきたガベルを刀で弾く。距離を詰めて連打を繰り出す日車
を、後退しながら何とか受け流す。
「ちょ、っと…待て!お前なあ…!!」
こっちは日車を切る訳にはいかないのに、日車はこちらを殺す気で攻めてくる。さすがに冷や汗流しながら、さてどうしたものかと考える。
洗脳を解くには術師の元へ連れて行くのが確実だが、日車相手に生け捕りは難しいだろう。だとすると肉体か精神に強い衝撃を与えてみるしか無いが、自分の得物で日車相手に肉体的衝撃は腕の一本も飛びそうだ。
通常時ならいざ知れず、洗脳されてる今それをしたら事態は悪化するだろう。となれば、精神に何らかの強い衝撃を与えるしかないか。
そんな考えを見透かしたように、日車がガベルを振りながら首を傾げる。
「何だ、俺を殺しに来たんじゃないのか?」
「バカ言え、迎えに来たんだよ」
そう言うと、心底意味が分からないと眉を顰める。
「…揺動か?意図が分からない」
「お前が洗脳されたのも驚きだけどな、俺を忘れるってのはちょっと酷くねえか?昨日もお前を抱いた男の顔をよ」
「……はあ?」
奇妙な物を見たような顔で日車がフリーズした。その顔にありありと嫌悪が溢れてて、思わず吹き出しそうになる。
こいつ、記憶が無えと俺への対応ってこうなんのか。つくづく今の関係が奇跡みたいなもんだなと噛み締めた。
「…高専の術師かと思ったが、通りすがりの変態だったか?悪いが付き合ってられん。お前は殺すには時間がかかりそうだし、もう行く」
「おっと、行かせる訳が__ッ!?おいバカやめろ!!!!」
逃がすものかと言いかけて、再度ガベルを巨大化した日車がそれを両手で振り上げて思わず焦った。目線は床。
まさか、それはやめろ。止めようと踏み込んだが間に合わず、日車はその巨大なガベルを思いっきり床に叩き付けた。
ドゴンッ!!!!!!
まるで大地震が起きたようにビル全体が揺れ、足元が崩れた。
「まじかよッ…!始末書で済まねえぞ!?」
ビル全体が崩落するような惨事にはならず、二階までぶち抜いただけ。二人とも難なく瓦礫の上に着地して、窓から逃走しようと背を向けた日車にひと飛びで距離を詰めた。
フェイントを挟んで上手く背後に回り、昨日も散々愛でた尻を___力一杯引っ叩いた。
「目ェ覚ませ寛見ッ!!!!」
バチンッ!!
「ッ!?!?」
想定外の場所へ与えられた力に、思わず日車が片膝をついた。信じられないという表情でこちらを睨んで固まっている。
頼む、これで目を覚ましてくれ。後々治るからといってお前を斬るなんて事は出来る限りしたくない。かといって精神をえぐるような口撃も、お前相手じゃ難しい。
ほら、何か思い出すだろう。ケツに違和感を感じないか?昨夜の事だ、思い出せ!!
お前は認めたがらないが、ケツ叩かれると締まるだろう!!!!
「…どうだ、寛見」
「気安く名前を呼ぶな。…正気か?お前」
くそ、ダメか…いや、明らかに動揺してる。片膝ついたまま構えもせず固まってるし、精神を揺さぶれてるんだ。
「おかしいと思わねえか」
「お前が、ど変態で、異常者だという話か?」
「違ぇ!俺が何でお前の名前を知ってるかとか、そもそもお前今までの記憶ちゃんとあるか?」
「それ、は…当然…いや、……何だ?何かおかしい」
混乱しながら立ち上がった日車の手からガベルが消えた。よし!いける!
「思い出せ寛見!俺は日下部篤也、お前は日車寛見、信じられねえかもしれねえが俺とお前は…」
「俺と、お前は…?」
「つ…」
「つ?」
「あの、あれだよほら。えーっと」
「何だ」
付き合ってる。それがどうしても気恥ずかしくて言葉に出来ず口ごもる。
「だから、ほら、何ていうんだ。大人のよ、あの…関係だよ」
「………」
言葉尻が小さくなると、表情を引き締めた日車が再度ガベルを出したので慌てて声を張り上げる。恥じらってる場合じゃ無え。
「だーっ!!俺達は付き合ってんの!!」
「つき……は?」
「何度も言わねえぞ小っ恥ずかしい!やる事やってる仲なんだよ!昨日だって散々抱いただろーがッ!!」
「何を気持ちの悪い事を…」
そうは言うが顔に戸惑いを浮かべ、ガベルを握る手が下がっていく。
「俺の顔に見覚え無えか。俺の声は、俺の手は、俺の匂いは?」
「知らんッ…お前なんか、知らない…!」
日車が苦痛に顔を歪めて頭を押さえる。洗脳が解けかけているのかもしれない。ガベルがするりと手から落ち、床に当たる前に消えた。
もう大丈夫だろうと納刀し瓦礫の上を慎重に進んで近付くが、もう抗戦する気は無いようで苦悶の表情で見上げてくる。腰に手を回して引き寄せても、動揺はするが拒絶はしない。
「やめろ…離せ…」
「なあ、寛見。本当に思い出せねえか?…これも?」
「やめ…!」
顎を掴んで顔を寄せても、言葉だけで体は逃げない。怯えるような表情に、少しだけ罪悪感と苛立ち、それに興奮。
冷えた唇に自分のそれを重ねると、あっけなく開いた。わざと荒々しく舌をねじ込むとさすがに日車の腰が引けそうになったが、強く掴んでそれを許さない。
昨夜を思い出させるように、同じように口内を荒らす。上顎をなぞり、舌先を吸い、下唇を噛む。唾液が二人の顎を伝い、息が続かなくなった様子の日車が胸を何度か叩くので一度解放してやるが、距離は変えない。
「はっ…!はぁ…!」
「どうだ、覚えがあるだろ?」
顎を上げて必死に呼吸しつつ、手は俺の胸元を緩く掴んでいる。手応えを感じて腰の手を下げて尻を撫でると、多少息の整った日車が肩に頭を預けてきた。
「はあ……。手間をかけたと詫びるべきか、次からは別の方法にしろと文句を言うべきか」
「よし、戻ったな」
「おい、尻を揉むな」
「いいだろこれくらい、役得役得」
「何が役得だ。今ので解けなかったらどうしてたんだ」
「そうだなあ…手荒なマネしたく無えし、とりあえずこのまま抱いてみたかもな」
「同意のない性行為は十分手荒なマネだと思うが?…何で勃たせてるんだ」
「俺は悪くない」
口では文句ばかり言いつつ甘えるように体をすり寄せるお前が悪い。そう言うと不満そうに口を尖らせるからもう一度重ねる。今度は優しく。
うなじを撫でながら何度か繰り返してやると、ようやく日車の肩から力が抜けた。平気そうに見せて、洗脳されて呪詛師と思い込んでた事に少なからずダメージがあったんだろう。
名残惜しくて最後に頬に口付けてから体を離した。
「さーて、このままおっぱじめたい所だが帰って始末書書くかあ」
「…すまん」
「ま、事故だろこんなん。俺と違ってお前は普段の行いがいいから何とでもなる」
何とでもしてやる。そう付け加えて手を差し出す。何せ床は瓦礫だらけだからな。普段なら「必要無い」と無視されるだろうが、今日は大人しく手を重ねてきた。
「何か礼をしないとな」
「…そ、れは〜えっちな事も可能ですか寛見さん?」
「ふ、えっちな事だけ可能だ篤也さん」
「まじか!!!!」