yoshikame’s blog

世界のサーフポイントを復活させよう

造波船を作ろうとして、逆に自然の波の尊さを知った話

こんにちは、よしカメです。

 

僕はここしばらく、本気で造波船を作ろうとしていました。

 

世界のサーフポイントを復活させたい。

 

失われた波をもう一度取り戻したい。

 

そんな思いから、仕事終わりや休日の時間を使って、数値シミュレーションを続けてきました。

 

 

最初は簡単に考えていた

 

正直に言うと、最初はこう思っていました。

 

「船で海面を動かせば波くらい起こせるだろう」

 

実際、水面に物体を落とせば波紋はできます。

 

船が走れば引き波もできます。

 

だから、十分大きなエネルギーを与えればサーフィンできる波も作れるのではないか。

 

そんな考えでした。

 

 

現実は甘くなかった

 

僕はOpenFOAMやDualSPHysicsを使いながら検証を始めました。

 

円柱を上下させる

 

速度を変える

 

周期を変える

 

振幅を変える

 

メッシュを細かくする

 

重ね合わせ格子(Overset Mesh)も試す

 

計算条件も何度も見直す

 

でも、思ったようにはいきませんでした。

 

波は起きる。

 

しかし砕波しない。

 

波高は出る。

 

しかしサーフィンできる波にならない。

 

 

一番驚いたこと

 

やればやるほど分かってきたことがあります。

 

自然の波は異常なくらい複雑だということです。

 

海底地形

 

水深変化

 

波の周期

 

波長

 

流れ

 

 

反射

 

屈折

 

回折

 

そのすべてが組み合わさって、初めてサーフィンできる波になる。

 

僕は最初、

 

「波を作ること」

 

を目標にしていました。

 

でも途中から気付きました。

 

本当に難しいのは

 

「サーフィンできる波を作ること」

 

だったのです。

 

 

造波船断念という結論

 

少なくとも今の僕の知識と設備では、

 

造波船によって理想的なサーフィン波を作れる未来は見えませんでした。

 

もちろん未来永劫不可能と言いたいわけではありません。

 

ただ、僕自身は一度立ち止まることにしました。

 

なぜなら、

 

「作れない理由」

 

ばかりが見えるようになったからです。

 

 

でも得たものは大きかった

 

不思議なことに、落胆だけではありませんでした。

 

むしろ逆です。

 

僕はサーフポイントを見る目が変わりました。

 

今まで当たり前だと思っていた波。

 

毎日そこにある波。

 

自然に割れている波。

 

それがどれだけ奇跡的な条件の上に成り立っているか。

 

少しだけ理解できた気がします。

 

 

サーフポイントは発明できない

 

少なくとも簡単には。

 

何百万年という地形形成。

 

潮流。

 

砂の移動。

 

自然環境。

 

その積み重ねがサーフポイントを作っている。

 

人間が後から真似しようとしても、そう簡単ではありません。

 

 

それでも挑戦して良かった

 

もし最初から無理だと思っていたら、

 

僕はこの事実を知ることはありませんでした。

 

OpenFOAMと格闘した日々。

 

DualSPHysicsが落ちた日々。

 

Ubuntuのエラーと戦った日々。

 

重ね合わせ格子に期待した日々。

 

全部無駄だったとは思いません。

 

むしろ、その失敗があったからこそ、

 

自然の波の価値を知ることができました。

 

 

最後に

 

僕は造波船を作ろうとしていました。

 

でも最後に辿り着いた答えは、

 

「自然の波は思っていたよりずっと凄い」

 

という、ごくシンプルなものでした。

 

もし今、素晴らしいサーフポイントで波に乗れる人がいるなら

 

その波は当たり前ではありません。

 

本当に特別な場所なのだと思います。

 

そして僕は、そのことを知れただけでも、この挑戦には意味があったと思っています。