兵庫県のドクターヘリ2機、整備士不足で3か月間運休の恐れ…大阪府は今年度の運航会社見つからず
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兵庫県内の病院を拠点とするドクターヘリ2機が、7~9月の3か月間、運休する恐れがある。運航を担う事業者が、ヘリに同乗する整備士を確保できないためだ。県は運休回避や代替手段の確保に向けた検討会を設置し、対応を議論する方針。(荒田憲助)
「県として重く受け止めている。山間部が広く、広大な県域があり、運航停止が地域医療に影響を及ぼすことを懸念している」。県が1日に県庁で開いた緊急連絡会議で、斎藤知事は危機感を強調した。
ドクターヘリは、医師や看護師を乗せて患者の元へ向かい、必要に応じて医療機関に搬送する。道路事情にかかわらず、山間部や辺地でも速やかに対応できる利点がある。
県医務課によると、県内では、関西広域連合が主体となり学校法人「ヒラタ学園」(堺市)に運航を委託し、計2機が活動する。公立豊岡病院(豊岡市)を拠点に兵庫、鳥取、京都の3府県をカバーする1機と、県立加古川医療センター(加古川市)を拠点に県内を中心に対応する1機で、2機の運航実績は2024年度で計2081件、25年度で計1571件に上る。
5月中旬、同学園から県に対し、「整備士不足により、現状のままでは7~9月の運休が避けられない」との報告があった。これを受け、県は5月下旬、同学園に運航継続と再発防止を申し入れた。今月も2機がいずれも断続的に2週間程度運休する見通しという。
厚生労働科学研究で作成された基準では、ドクターヘリの運航要員として、操縦士1人と整備士1人の確保を求めている。また、一般社団法人「全日本航空事業連合会」の指針では、整備士は5年以上の実務経験が要件とされる。
整備士の確保は各地で課題となっており、大阪府は今年度の運航会社が見つからない事態となっている。
県内の2機も昨年度、それぞれ約50日間運休し、この間は救急車などに医師を乗せて現場に向かう「ドクターカー」などを代替手段として活用した。これまでに治療の遅れなどの重大事案は確認されていないという。
1日の緊急連絡会議には、県の関連部局のほか、豊岡市の門間雄司市長、朝来市の藤岡勇市長、病院関係者らが参加。「但馬地域はドクターヘリで地域住民の命が守られている。地域医療確保の責任に関わる問題で県は主体的に関与を」「ドクターヘリが止まると専門医の輸送や患者の搬送に時間がかかり、予後が悪くなることが心配だ」などの声が上がった。代替のドクターカー確保のための財政支援を求める声もあった。
県医務課の担当者は、「3か月間の運休は確定事項ではない」と説明。運休回避や代替手段の確保に向け、実務者レベルで議論する検討会を今月中にも設置する方針だ。
厚生労働省は3月、「都道府県が必要と認める場合には、整備士に代わって操縦士を同乗者とすることは差し支えない」とする事務連絡を発出。県は、関西広域連合を通じて国に明確な基準を示すよう求め、このルールの運用についても検討するとしている。