最大の違いは「社会的地位」
とはいえ、李白さんは「本質的な違いは給料ではない」と話す。
「最大の違いは社会的地位です」
欧州では博士課程学生を大学や研究機関の職員として雇用する制度が広く定着している。
李白さんもオーストリアでは「大学研究プロジェクトアシスタント」として採用されており、雇用契約の下で研究を行っている。
当然ながら社会保険にも加入できる。職歴として履歴書にも記載できるため、その後のキャリア形成にも有利だ。
一方、日本の博士課程学生の多くはあくまで学生であり、授業料を支払いながら研究を続ける。
研究が仕事として認められるのか、それとも教育の延長として扱われるのか。
その発想の違いが待遇格差の根本にあるという。
さらに欧州では博士号そのものの社会的評価も高い。
住民登録や銀行口座の名義などに「Dr.」の肩書が記載される国もあり、博士号保持者への社会的信用は日本よりはるかに高い。
企業でも博士号取得者が評価されやすく、昇進に必要と言われる会社もあるんだとか。