我が青春のインディーズバンド『BEADS』
電撃PlayStationという雑誌があった。
ファミ通とはまた違った味わいを持つゲーム雑誌として、25年もの活躍を続けた。過去形であるように、2020年03月28日に最終号を出して、今ではwebページでのみ運営を続けている。
その電撃PlayStationに『電撃PlayStation D』という増刊号があった。
この増刊号の特徴として、付録のCD-ROMが付いてきた。ゲームの体験版や、特殊なセーブデータが収録されているという代物だ。大丈夫、安心して企業公式のものだよ。
当時、学生だった私は、なんとなしに本屋で見かけて、セーブデータ特集号というのに惹かれて購入した。1000円ちょいと、ちょっと子供には高い買い物だったが、100タイトルぐらいのデータが入っていて、なんかお得感があったのだ。
そこで出会ったのは、多数のセーブデータ……ではなく、歌だった。
いや、セーブデータも使ったけど、とにかく惹かれたのは歌だった。
何処の誰が歌っているかもわからない歌が、CDのタイトル画面に流れていたのだ。
後に知ることになるのだが、電撃PlayStationDの編集の中の人たちが曲を作ったという。リンクは、当時の編集に携わっていた「魔王くん」さんのチャンネル。
この曲が、私の青春だ。
何にこんなに惹かれたのかも分からないけれども、繰り返し、繰り返し、収録された歌を聞いていた。素朴な歌声が好き。なんか背伸びをしたような歌詞が好き。うるさすぎないサウンドが心の安らぎになった。
そして、ある年。
電撃MANIAXという特別誌が発売された。
これはとても大きい衝撃が走った。
(もうプレミア価格がついて、手に入らないものだけど商品リンクだけ置く)
中身は、当時の読者が投稿したハガキをまとめたり、マンガがあったり……そして、電撃PSDで歌っていた、あの歌をまとめたCDが付いてきたり。そう、実質アルバムだ!
あの歌を聞くためだけに付録CDを再生してきた私には、これ以上のない僥倖であった。もちろん買った。それからは、もう虜だった。
ひたすら聞いていた。テンションが上がれば部屋で口ずさんでいた。つらい時に寄り添ってもらっていた。MP3データをプレイヤーに入れて、進学先のバス電車のなかで、毎日のように聞いていた。一人で歩いた帰り道でも聞いていた。真っ暗な部屋の中でも励ましてもらっていた。
変わらずに、大事に大事にデータを持ち越して、大人になった現在になっても聞いている。
間違いなく、私の青春だ。
電撃MANIAXの傍らに書かれていた『BEADS』としか情報のなかったバンドが、心の支えとして長年そばにいてくれた。
ただ、ひたすらにありがとうとしか言えない。
ありがとう以外の言葉が見つからない。
しがないゲーム好きの少年を救ってくれたのだから。



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