巨大ホース、見物客続々 志賀・西海風無 「撤去前に」県外から 道の駅に波及効果
●よじ登る人も、地元から懸念の声 志賀町西海風無(さいかいかざなし)の海岸に漂着した「巨大ホース」が、県外からの見物客を吸い寄せている。本紙が11日付朝刊で報じてから最初の休日となった13日、再び現地を訪れると「撤去作業が始まる前に一目見たい」と大勢が記念撮影に興じていた。地元では気味悪がる声が上がる一方、周辺の道の駅には波及効果も。中には直径2メートルのホースによじ登る人もいて危なっかしい。周辺をウオッチしてみた。 新潟、長野、岐阜…。漂着現場の近くには、県外ナンバーの車がずらりと並んでいた。 「これ目当てで5時間かけて来ました」。そう話すのは、兵庫県から車を走らせてきた会社役員の中尾新さん(61)だ。志賀町に来たのは初めて。富来漁港内にある回転すし店「西海丸」で地魚を堪能し、観光名所「世界一長いベンチ」では目の前に広がる絶景を満喫した。 ホースの正体は、海底の土砂撤去に用いられる中国製の浚渫(しゅんせつ)パイプ。長さは約150メートル、重さは推定300トンで、海岸にうねるように横たわる姿は異様だ。正午から約1時間ウオッチしただけでも十数人が訪れていた。 ●県、15日から作業 県は15日から撤去作業に入る予定。今後は規制線が張られる可能性もあり、「今のうちに」と駆け付けたのだろう。 風無はクロダイなどを狙う釣り人も多い。金沢から通っている男性は「とにかく不気味。早くどかしてほしい」と気にしていた。 漂着現場から車で約10分の場所にある道の駅「とぎ海街道」(富来領家町)にも、「ホースを見に来た」という客が相次いだ。営業課長の小網康嗣さん(61)によると、震災から2年がたち、少しずつ立ち寄る人が増えているといい「これを機にリピーターになってくれたらうれしい」と淡い期待を寄せた。 ●「危険な岩場」 一方で、地元ではトラブルを懸念する声が上がる。「西海がまさかこんな形で全国に知れ渡るとは思わなかった」。西海風無の大正路哲郎区長(73)は困惑の表情を浮かべた。漂着場所に近づくにはゴツゴツとした岩場を歩く必要があり、ホースの上に登って写真を撮る人もいる。大正路区長は「ただでさえ足を取られやすい場所。けがをする可能性もあり注意喚起したい」と話す。 海岸に突如現れた「厄介者」は、SNS上でも格好の話題だ。撤去費用は約5千万円に上ると県は見込んでおり、「日本が支払わなきゃいけないの?」「1億円かけてでも中国に送りかえせ」といった投稿が見られた。普段は穏やかな港町である西海風無も、しばらくは「無風」とはいかないようだ。