江別市・大学生暴行事件、6人の被告の人物相関図
「被害者は将来を考えられないんですよ…」
事件に至るまでの川村被告の半生についても聞かれた。
高校時代は、いじめにあっていた。「キモい」「死ね」「空気読め」などの悪口を言われ、靴をゴミ箱に捨てられ、階段から落とされたこともあった。しかし、いじめの発端はわからなかった。人に合わせないといけないという思いや、苦手な人でも誘われたら断れない気持ちが形成されていったという。
教員を目指し進学した大学ではすぐに友だちができた。しかし、その友だちは気付いたら離れていった。理由は本人にはわからないという。事件時、大学に友だちと呼べる人物はいなかった。バイト中にたまたま客として再会した八木原被告と、彼氏のA被告経由で知り合った川口被告、地元の顔見知り以外に友人と呼べる人物はいなかったという。ただ、川口被告が一度キレた場面を目にしてから気を遣い、雰囲気を壊さないように意識していた。
A被告とは事件の約1年半前から交際していた。しばらくすると口喧嘩の際に、顔や腹などを殴ったり、蹴られたりするようになる。それにより、アルバイトや学校を1~2週間休むこともあった。別れを切り出せば殴られ、「父親に相談したら、お前も父親も殺す」などと言われ、父親にも相談できなかったという。
そのような思考や人間関係が形成される中で事件が起こった。
事件後、川村被告は八木原被告に対して「警察来ても(私たちの)名前出さないでね」などと、口止めを示唆するLINEを送った。これは事件後、共犯者らとラーメンを食べに行っている際に、川口被告から「あいつ(八木原被告)、絶対に警察行かせるな」と命令され、従わなければならないと思ったからだという。
しかし八木原被告は警察への出頭をほのめかす。さらに電話で「だから、私やめてって言ったじゃん。男性陣とハオ(川村被告)が暴力して。私、暴行していないし、私、関係ないからね」などと言われる。
その言いざまに、八木原被告以外の共犯者とのグループLINEで「(八木原被告を)ボッコボコにする」などと書き込む。最終的には、「Xさんを死なせてしまったモヤモヤがあった」といった理由からA被告、瀧澤被告と出頭を決めた。
弁護人が最後に聞く。
弁護人「今の拘置所の生活で、自分を変えようと試みていることはありますか」
川村被告「証拠を見て、言葉遣いが悪いと思っているのと、行動についても1つ1つ刑務官さんに聞きながら行うようにしています」
弁護人「将来、どう生きていくなど考えはありますか」
川村被告「事件のことは絶対に忘れず、事件と一緒向き合っていきます」
弁護人「犯罪をしない、また犯罪に巻き込まれないためにどうしていきますか」
川村被告「何が犯罪かを学んで、二度と繰り返さないよう学んでいきたいです」
裁判の場ということもあろうが、確かに川村被告は言葉遣いを丁寧にし、事件にも出来る限り向き合おうとする姿勢が見えなかったわけではない。
しかし、起こした犯罪事実はあまりにも悪かった。検察官は質問冒頭に「どこから聞こうか困ってるんですが…」と心底困ったように呟き、
検察官「弁護人からの質問で『これから犯罪に巻き込まれないために』とありましたが、今回巻き込まれた認識なんですか?」
川村被告「いいえ、違います」
検察官「『将来、どう生きていく』という質問もありました。ただ、Xさんは将来を考えられないんですよ…」
検察官は弁護人が主張する情状事実を一つ一つ潰すように質問を続けた。