埼玉県立小児医療センター(さいたま市)で白血病患者5人が抗がん剤の髄腔内注射後に神経症状を発症し、1人が死亡し、2人が重体となっている問題で、センターの医療事故調査委員会は12日、調査報告書の概要を公表した。本来使われるはずのない劇薬「ビンクリスチン」が混入した原因は特定できなかったとする一方、調剤時に混入した可能性を否定できないとした。再発防止策として、調剤を行う無菌調製室や監査台への監視カメラ設置などを提言した。
事故調は報告書で、ビンクリスチンの混入原因について、「混入経路を直接特定し得る客観的証拠は確認されず、具体的な混入工程の特定には至らなかった」とした。
一方で、無菌調製室での調剤工程では、注射薬とビンクリスチンとの空間的分離がなされていない工程があったと指摘。複数人によるリアルタイムの相互確認体制も整備されておらず「作業環境として十分とはいいがたい状況だった」とし、調剤時の混入の可能性が否定できないとした。
再発防止に向け、調剤工程での薬剤師2人によるダブルチェック体制の導入、監視カメラ設置などの対応策を示した。
事故調は先月27日に報告書を取りまとめたことを明かしたが、患者遺族や家族などへの説明を経て正式に公表された。