【DQM3】シナリオが何故酷いか超分析して得た発見の数々【ドラゴンクエストモンスターズ3】
はじめに
はじめに書いておくが、この文章はモンスターズ3のシナリオを酷い寄りで評価するための文章だ。中身は怪文書の類である。
モンスターズ3のシナリオが好きな人は読まないことをお勧めする。
ただし、最初に書く項目の事だけはほとんどの人が知らないと思われるので、さわりだけ目を通してもいいかもしれない。
何でもいいから罵倒してる所だけ見たい!という方は、最後の方にまとめたつもりなので目次から飛んで読まれることをお勧めする。
ドラゴンクエストモンスターズ3発売から約1年が経った。
1年前の当時、私はこのゲームのシナリオのあまりの酷さに衝撃を受けた。
私は別にドラクエ4の6章アンチとかではなく、ピサロとロザリーの大ファンとかでもない。
しかしドラクエシリーズは好きだ。安定した品質が売りだったはずの人気ゲームシリーズであるドラクエに、なぜあまりにも低クオリティなシナリオが登場してしまったのか、その答えを知りたくなった。
ついでに言うとマスターズ版に1万円近いお金を払って買ったゲームなのだから、せめてシナリオの粗をねちねちと探して楽しむ位はさせてくれないと割に合わない。
幸いなことに叩けばいくらでもホコリが出るのでそういう意味では楽しめるシナリオだ。
当時の私はシナリオのどこが具体的に酷いのか、シナリオを各パートに区切って詳細に分析した上で言語化しようと思い立った。
常識的な苦情なら既に沢山の人が表明していたので、何がおかしいのかをより正確に把握するために、やり玉に挙がっていない部分も含めて探そうとしたのだ。
上級編初めのあたりまでは頑張って書いた。このゲームのシナリオは本当に恐ろしく、叩けば叩いただけおかしな部分を発見できる。
しかもその場しのぎで設定を使い捨てるので後になるほど矛盾が酷い。
その作業の結果、書いた部分だけで20万文字を超え、このまま完遂すれば30万文字とミステリー小説級の長さになってしまう事が予見された。
(ちなみにこの怪文書も最終的に約17万文字ほどの長さになってしまった)
単にそのまま書き上げるだけなら出来なくもないのだが、書いた後の添削作業を想像したら心が折れた。そのころドラクエ10でりゅうおうやデルメゼ4が実装されてそちらに逮捕・監禁されてしまったこともあり、要するにエターなってしまった。
私はたかだかゲームのシナリオがクソだっただけで異常な長文を書くという、厄介なマニアそのまま行動をしていたわけだが、ただ眠らせるのも惜しいと感じる発見をいくつかしてしまっていた。
どうにか再編して世に出せないか悶々とする日々を送っていたが、モンスターズ3発売一周年という記念日に出すのが相応しいと思い、再び筆を執るに至った。
ちなみに上級編にツッコミを入れる前に諦めたので、上級編にもおかしい部分がわんさかあるはずなのだが、そこに対する指摘は甘いと思われる。
また、ドラクエ4のイベントシーン以外のセリフ(仲間会話や村人のセリフなど)やモンスターズ3の村人のセリフなど、気軽に確認できない部分もチェックしきれていない。
モンスターズ3の特定の場面はドラクエ4のそれと同じ
このゲームのシナリオに対する大きな不満の一つに、『ピサロが喋らないせいで話が理解できない』という問題がある。
ドラクエの主人公はプレイヤーの分身としてふるまうため、自らセリフを発することが無い。それはモンスターズ3のピサロも例外ではなく、物語中に彼が直接言葉を話すことは無い。
しかしその一方で、プレイヤーには全く理解できない流れでピサロが暴走し始める事が多々あるため、『本当に話の意味が分からないから、ピサロの口からどう思ってるか説明してほしい』という趣旨の不満点を述べるプレイヤーが、様々なサイトやSNS等で多かったように感じる。
そもそもプレイヤーの意思を無視して主人公が暴走し始めるのは、たとえ主人公が喋って状況説明してくれたとしてもドラクエの主人公にふさわしくない気がする。
だがこのゲームのシナリオに突っ込み始めるといくらでもおかしなことが出てきて、話がそれまくるので一旦やめておこう。
実はこの不満点の答えはシナリオ側から解答が用意されている、と言ったらどう思うだろう。
なんと、ドラクエ4のピサロとロザリーのイベントシーンと全く同じ意図で描写されるシーンがモンスターズ3にも存在しているのだ。
私がそれに気づいたのは、物語の中盤にロザリーヒルの塔でピサロがロザリーに対してDV男化するシーンへの難癖を書いていた時の事だった。そういえば、このシーンはドラクエ4でも同じシーンがあったな、と気づいたのだ。
気づいてから両作品のイベントを見返してみると、モンスターズ3でピサロとロザリーが会話していたシーンに、ピサロ側が本来喋っているセリフとしてドラクエ4でのセリフを当てはめると、意味がぴったりとはまるのである。
こういうと、ロザリーヒルの塔のシーンやピサロとの出会いのシーンなんかはドラクエ4でもあったし、そんなの知ってるよと思われる方もいるかもしれない。
しかしここで強調したいのは、該当シーンが全く同じ内容なことだ。それがどういう意味なのかを書き始めると早速長文のシナリオ批判が始まってしまうので、先にシーンの確認をしたい。
ここからはモンスターズ3のピサロとロザリーのシーンを、ドラクエ4の該当シーンという『解答』を元に読み解いてみたいと思う。時系列順に掲載していく。
なおエンドール武術大会からのサントハイム誘拐、勇者の村襲撃など、ドラクエ4とかかわりがあるシーンは他にもあるのだが、全部書こうとするとヤバイ長さになるので、ドラクエ4でピサロとロザリーのセリフがあるシーンと特に重要な天空城の件に絞らせていただく。
1:ピサロとロザリー、出会いのシーン
*本来なら比較するイベントの動画URLを張りたいのだが、様々な事情を考慮して控えさせていただく。ご自身でyoutubeを探してみてほしい。
一番目のイベントは、モンスターズ3側で初回の闘技場クリア後に挿入されるピサロとロザリーの出会いのシーンだ。
これに対応するドラクエ4側のシーンは、PS版ドラクエ4の6章でロザリーを蘇生してデスピサロに引き合わせた際に流れる回想シーンだ。大本であるFC版には存在せず、PS版から追加されたシーンとなる。
PS版の出会いのシーンの内容は、FC版から存在した設定である『ロザリーはルビーの涙を流すので、いつも人間たちにいじめられて涙を流していた。それをピサロに助け出された。ピサロが助けなければロザリーは人間たちに虐め殺されていた。』という話を元に考えられたと思われる。
そろそろ内容を分析していこう。二つを見比べてモンスターズ3のシナリオが意味不明な理由を解読をするという趣旨なので、モンスターズ3側のプレイヤーの視点や感想を含めて書いていきたい。
しょっぱなから前置きが長くなって申し訳ないのだが、この出会いのシーンを語る場合、この場面だけ切り取った感想を述べることはできない。
何故なら、プレイヤーはこのイベントの前にモンスターズ3のクソシナリオの洗礼を既に浴びている形なので、どんな印象を持った状態で出会いのシーンに繋がったのか、という前提を無視できないのだ。
こうなる流れのおさらい
どういう流れで二人の出会いが始まったのか軽く説明しよう。
OPでピサロの生い立ちが説明される。その後モンスターズ感を期待させるチュートリアルが始まる。ここまでもおかしい要素がいくつかあるが、まだ序盤で矛盾と説明不足が積み重なっていないので、このゲームで最もシナリオがまともな部分である。
チュートリアルの最後にピサロはエンドールの闘技場をクリアする。
すると突然、何の前触れもなく闘技場の余興が始まる。(なぜか観客が何人か舞台上にワープしているが演出上の問題なので気にしてはいけない。)
人間の商人が無理やり捕まえたと思われるエルフのロザリーを闘技場に連れてくる。商人の手下の悪漢がロザリーを棒でブッ叩くと、ロザリーはルビーの涙を流す。商人はその涙を観客に売ろうとするも、涙は触れると崩れ去るので売れず、興行側と客がモメ始める。
(泣けばいくらでも出てくるものを、隠して売るのではなく直接流通させて値段がつくのか非常に疑問だが、この場の人間は知能と倫理観が終わっているっぽい描写をしたいだけなので深く考えてはいけない。)
ロザリーは人間たちの騒ぎの隙をついて闘技場から抜け出す。一連の様子を控室側から見ていたピサロは、どこかへ移動する。
これで余興のシーンは終わりで、次が出会いのシーンとなる。
とにかく、普通のチュートリアルから突如として人間側の倫理観が終わってる描写を特に事前の説明もなくぶちこまれたのがプレイヤーの主観という事を認知していただきたい。
モンスターズ3のシナリオ初体験の人に念押ししておくと、
『人間の倫理観が終わってる説明が事前にあったんでしょ?』
『その辺のNPCが人間の倫理観や興業の事情を説明してるんでしょ?』
『魔族の視点で描かれてるから別におかしくないって話なんじゃないの?』
など、常識的な疑問を持っても無駄かつ無意味である。
人間の倫理観の説明は無いし魔族の倫理観とかそんな大層な物は無いんですよ。
この倫理観が終わってる興行シーンにツッコミを入れ始めると紙面がいくらあっても足りないが、気になるところだけ触れていく。
シーンに関係ある部分から一例をあげると、『ドラクエ4の世界でモンスターマスター業が成立している理由』の説明が全くない。
ドラクエ4の1章のホイミンの扱いを見るに、善良な魔物の存在は人間から認知されておらず迫害の対象になっていたはずなのだが、それに対する説明が全くないのだ。
本来のドラクエ4では自身が強いピサロがわざわざモンスターマスターをする理由に魔物に攻撃できない呪いという便利設定を使って、魔物を使役して戦うことにしたという説明はしたのに、人間がモンスターマスターをするのは世界観と矛盾する問題はスルーである。
そのせいで人間に使役される魔物にはそれなりの権利がありそうなのに、一応亜人種であるエルフの方が魔物より人権が無い感じになってしまっている。どうなってんだ人間の倫理観。
また、ピサロは魔族なのがバレたら人間から迫害を受けて酷い目にあったとOPで語られるのだが、闘技大会には普通に出場できる。これはピサロがぱっと見では人間と判別されるためらしい。
しかし村を襲撃してきた魔物には臭いで魔族だと見破られたり、そう思えばジンマー将軍とチマには人間にしか見えなかったけど顔でランディオルの息子だから魔族だと識別されたりする。
もしかして意外と考えてるのか?と思ったけど、ベネットには特に理由もなく魔族だと即バレする。ちなみにロザリーからはピサロ様は魔族だとかの種族に関する言及は一切ない。あと人間同士の闘技大会の時はピサロが直接戦ったはずだが、戦い方で魔族だとはバレなかったようだ。
他にも魔界の魔物に会うたびににあんた人間か!?魔族か!?みたいなやりとりはいちいちされない。まあ話が進むと第二王子が人間とのハーフなことが魔界で周知されるのだろう。
思いつきで考えた設定がめんどくさくなってフェードアウトしていってないか?ならそういう設定考えるのやめにしない?
そういえばジンマー将軍は行き倒れたピサロの顔を前に見たことがあるからわかったということは、ピサロが当時6歳として幼児は顔が激変すると思うので、1~2年以内くらいにピサロを見た事になる。人間界の魔物は魔界の魔物と戦争をしているはずで、その状況で警備の厳重なはずの王子の顔を見られるということは、この時点ではまだ戦争が始まっておらず、ピサロが大人になるまでの推定10年ほどの間に戦争が始まったことになる。それともしピサロが6歳ではなくもっと幼い3歳位で魔界を追放されていた場合、現在のピサロの顔を知る魔物は誰もいないはずだが……?
この位にして次に進もう。
出会いのシーンの解説
ここからがシーンを解説していく。なるべく解説重視で行きたいが、どうしても話がおかしいのでツッコミが合間に大量に入ってしまうのをお許しいただきたい。
そしてピサロとロザリーの出会いのシーン。
逃げ出したロザリーは、森の中で追手の悪漢に追い付かれてしまう。
ドラクエ4で最も人口が多い都市であるエンドールの中心部にある城の中にある闘技場に人が大量に集まっている状態から騒ぎがあった程度で脱走できて通行人に見つかれば闘技場での反応を見る限りエルフというだけで大騒ぎ間違いなしなのに見つからずにどこか近くの森まで逃げおおせるほどの高い隠密スキルをロザリーは持つことになるが、流石にロケーションはシナリオの問題ではなくゲーム都合だろう。
ピサロは一連の騒ぎの様子を見ていたのでひそかにロザリーを追いかけており、追手に捕まりそうになったロザリーを助ける。
ピサロは悪漢の頭頂部に火をつけて追い払う(結構重要な描写)。悪漢に襲われる少女を主人公が助けるというのは実に王道で、ここまでは普通だ。
ちなみにピサロはOPで”まものに攻撃できない呪い”という回りくどい縛りを父親にかけられており、それを解除することを目的の一つにしている。
魔物は攻撃できないけど人間は攻撃できるとんちのような設定だから、この場面で人間を攻撃して追い払えたんだ、という印象をプレイヤーに与えている。
この呪いはピサロをモンスターマスターにしないといけないけどピサロが弱い事にはしたく無いし、ドラクエ4の場面再現をしたい、といったメタ的な事情が複合した結果生まれたご都合設定だろう。
問題なのは次だ。助けられたロザリーは「あんなに苦しませて、人間に酷いことするなんてかわいそう」みたいな事を言い出し、あろうことかピサロにお礼も言わず悪漢の方に肩入れするのである。
この場面、はい・いいえの選択肢が出て、いいえを選ぶと「見え透いたウソを」というロザリーっぽくない結構強い言葉で非難され、どちらの選択肢を選んでも結局「なんて酷いことを」と言われてしまう。
ピサロはこんなこと言う奴にかかわらないでロザリーヒルに帰った方がいいんじゃないか?
強調しておくが、ロザリーはこの場面では助けられたお礼を一言も口に出していない。
これはシナリオ展開に矛盾を発生させるわけではないが、実は他のイベントでもキャラ全般が本来いうべき感情のセリフを言わないまま進むことが多く、それがシナリオ全体の粗雑さに繋がっていると思う。
おそらく、口に出して言わなくてもそれ以外の態度や前後の文脈で伝わると思って書かれていないのだろう。
しかし、「ひどい」「ごめんよ」等の負の方面の感情はきっちり口に出して表現されることが多い。そのせいでこの場の印象だけでもロザリーは文句しか言わないサイコキャラになるし、後半になるにつれてマイナス表現が積み重なってロザリーにはウザイ印象しかなくなってくる。
ちなみにこの次のシーン(ロザリーヒルにピサロを追いかけてくる)でロザリーは感謝していると述べる。お礼言ってなかったらどうしようかと思ったよ。
なので出会いのシーンに関してはドラクエ4の場面の再現を優先した結果、必要なセリフをカットしてしまっていると思われる。
プレイヤー視点だと、悪党に追われてた少女を助けるとか超善行であり、滅茶苦茶感謝されてしかるべきだ。しかし何故か「あんなに苦しませて」と責められてしまう。
ピサロは悪漢を殺さずに追い返しただけな一方で、ロザリーも同レベルの虐待を悪漢から受けていたわけで、このやり取りを見たプレイヤーの頭には???という疑問符しか浮かばない。
現実で考えてみてほしいのだが、道端で人がチンピラに殴られていて、助けが現れてチンピラを殴り返して被害者を助けたら、被害者が助けてくれた人に「酷い……」と言っているのと大体同じ状況である。被害者側、つまりロザリーは恩知らずと言ってもいいと思う。
え!?殴り返すんじゃなくて頭に火をつけたら流石に酷いだろって?!
確かに人間同士なら酷いのだが、相手はエルフを非人扱いしている人間族である。例えるなら今どきの創作で言うゴブリン、ドラクエで言うならモンスターに襲われてる人間、現実で言うなら街に出たヒグマレベルの存在だ。しかも悪人側は何も考えていないから追いかけてきてるので、ピサロが助けなければロザリーは死ぬまで人間に虐められるだろう。
改めて想像してみてほしいのだが、自分が道端でモンスターやヒグマに遭遇して、それを冒険者か猟師さんが殺すなり火をつけて追い払うなりで助けてくれたら、まず自分の命が助かったことをありがたく思い、助けてくれた相手に感謝するのが礼儀ではないだろうか?
もしかしたら、ピサロは強いのに人間に手加減しなかったことに文句をつけている可能性もあるが、今回はピサロが悪人に対して圧倒的に格上だったから火をつけなくても助けられたように見えるだけで、もし力量が互角だったら助ける手段を選んでなどいられない。やり方にケチをつけるのは贅沢である。
どちらにせよ、「あんなに苦しめて酷い」ではなく、「助けていただきありがとうございます。でも火をつけて苦しめるのはたとえ人間でも見ていて苦しい」とか、そういう言い方にしないとプレイヤーにはロザリーの心の優しさが伝わらないのだ。
まあ優しさが伝わってもこの後の描写に一貫性が無いから余計酷いかもしれない。変に心優しいのをピサロの為に変えるような描写とか無いからな。
このエルフの独特の倫理観に何か意味があるのかというと、無い。しいて言うならドラクエ4と同じセリフを喋っているだけである。解説を続けよう。
ピサロは喋らないので、このサイコ発言を返されたピサロのリアクションは無い。ツッコミ役の不在によりプレイヤーは『どういうことなの……』『人間がやばいのは分かるけどロザリーの倫理観もおかしくない?この世界どうなってんの?』と首をひねって場面を解釈することとなる。
ちなみにロザリーが独特の倫理観を発揮して人間を庇うのはこのシーンと、他はせいぜいピサロが人間を滅ぼすのを止めようとするところくらいである。別にロザリーは万物に対して優しいとか遵法精神がすごいとかではでは全くないので、ピサロが悪い魔物を退治してても何も言わないし、盗みを働く人間を見ても何も言わないどころか心の清い人認定する。なんか酷い人間ばっかり庇ってるな…?
次の場面では、ピサロは何故か少女の名前を聞き、ロザリーは「”私たち”森に暮らす者に名などない」と、なぜか後ろを向いてキメ気味で答える。
この時、演出としてロザリーの目から上が隠れるのだが、これはその人物の不安を表すサインらしい。
ピサロから後ろを向いて目を隠すという事は、名前は無いですとか言ってるロザリーは何かに不安を感じていることになる。名前が無いことに負い目があるという解釈はよくわからないので、ピサロに対して不安を感じていると考えるのが自然ではないだろうか。
元々のドラクエ4のシーンではピサロが悪漢を殺しているので、それなら悪漢よりピサロの方が怖いというのはギリギリ成立する。
つまり、ドラクエ4のシーンと前提が違うのにセリフと描写は同じにしてしまったせいで、余計に意味不明になっていると思われる。
この場面にはピサロとロザリーしかいないのに”私たち”という謎の一人称複数形を使うのはすごく意味深だが、それに対する説明はありとあらゆる場所で無い。ドラクエ4でそう言ってたから私たちと言っているに過ぎない。
ものすごく深読みするなら、森に暮らす者という存在がロザリー以外にもいることになるのだが、ロザリーの親族は話に一切顔を出さない。
この『森に暮らす者には名前が無い』設定はPS版リメイク以降に追加されたものだ。
何のための設定かというと、ロザリーヒルという村が先にあったからエルフの名前がロザリーになったというこじつけの為である。普通はエルフのロザリーと出会ったから村の名前をロザリーヒルにするとか、そういう方向にすると思うのだが……。
ちなみにドラクエ4には普通に名前の有るエルフがいっぱい登場するため、作品内で設定の矛盾が生じている。
その名前の有るエルフとロザリーは違う存在ですよという言い訳の為に”森に暮らす者”(森のエルフ)という区分を作ったと思われる。
天空城には本来名前のあるエルフ(さえずりの搭にいたリースなど)がいるはずだが、紛らわしいからか、ライターが自分の考えた設定を優先したいのか、モンスターズ3には出てこない。どう考えても名前が無い設定の方に無理があるし、他のライターにとってはめんどくさかっただろうなと思う。
この名前が無い設定は言語を操る文明種としては甚だありえない設定であり、現実で名前が無い人がどういう扱いなのかを考えると、何気にものすごく酷い事をしていると思う。だが深く考えると紙面がいくらあっても足りないのでそういうものだと呑み込もう。
次の場面、エルフに名前がないと言われたピサロは、自分が世話になっている村から取ってロザリーという名前をエルフに名付ける。ピサロは喋れないのでロザリー側から「ロザリー?それを私の名前に?」とリアクションさせている。
エルフは名前が無い文化圏ですとか言っていた割に、ピサロから名付けられたことに対するロザリーのコメントは無い。ちょっとびっくりしたみたいな反応はある。
そこにロザリーのお供のベビーサタン(ミンミ)が現れ「助けられなくてごめん」とロザリーを心配し、ロザリーは「心配かけてごめん」と普通の反応。
このミンミもロザリーを助けてくれたお礼を口に出してピサロに言わない。
さっきのサイコ発言の時にツッコミが無くて困ったが、ミンミが近くにいるなら早々に追い付かせてこいつにロザリーの性格を解説してもらえば多少マシだったのでは?と思った。
しかしこのシーンはドラクエ4の場面をトレースすることしか考えられていないので、そういう親切な説明がされることは今後一切無い。
ちなみにミンミはドラクエ4のこのシーンにはそもそも出てこない。本来いないオリキャラを出していいならもうちょっと説明とか入れられるだろ??
このロザリー、人名の無い文化圏で過ごしてきた割に人名を介したコミュニケーションを一般レベルで行う。この先の煉獄峠・中級シナリオで、名前に関する特大に変なロザリーの発言「誰だか知らんが人に名を訊ねる前に自分から名乗れ」がある。名前云々以前にロザリーのキャラと違うだろ。ロザリーのセリフはほとんどが虚無かオウム返しなのだが、それに当てはまらない貴重なセリフがこのザマである。「あなたは誰なんですか?」とかの無難なセリフに出来なかったのだろうか?
そもそも名前があるミンミと付き合いがあるのにミンミ側から見てロザリーには名前が無いとか超不便そうだ。ミンミはロザリーに駆け寄る際に「ねえ」などの呼びかけを使わない。ずっとこの調子で会話するのはかなり変だと思う。この設定を考えた人は書いていて設定のおかしさに気が付かなかったのか、不思議でならない。
ピサロはロザリーとミンミの様子にコメントせず、無言で立ち去ろうとする。そこに今度はロザリーがピサロに名を訊ねる。
かなりの邪推だが、今まで名前が無かったエルフがピサロに名前を訊ねるやり取りができるのは非常に不自然である。もしかしてピサロが名前を付けたから、ロザリーも名前を訊ねたという対比だったりするのだろうか?
不正解だ。そんなわけない。正解は後程。
名を訊ねられたピサロはスルーしてルーラで帰っていく。ロザリーは「不思議な方」と心に何かがヒットしてしまった様子だ。
いや不思議なのはお前の方だよ!!!!
ここでイベントは終わる。
この後のシナリオの流れも重要なので本当に軽く触れる。
ロザリーはこの後なぜかピサロの住むロザリーヒルに来る。ピサロが住所を明かしたから来ちゃったらしい。
ちなみにこのロザリーが来た時のイベントは私的モンスターズ3酷いイベントシーンランキングで4位に格付けされている。理由を箇条書きにした。
押しかけてくるのがシンプルに唐突。知らない人の所に居候しに行くって一大事なんだけど、家族になんて話してきたの?美味しい木の実もってきたとか言ってる場合か?助けられたから恩に感じるのはいいけど、あなたの為に命を使うまで行くと異常に重くないか?
無意味な訛り設定という最初だけのキャラ付け。訛り=恥ずかしいという古くて安直で失礼な価値観
ロザリーは呪いを解けるという重要そうな設定がシナリオ的に全く無意味
ロザリーが料理掃除洗濯でアピールしてくる古い男女感の描写。海外のレビュアーからも苦言
その後の搭が建つ描写がゲーム中トップクラスに雑でひどい。序盤のシーンほどプレイする人が多いので作りこんでおくのが鉄則だと思うが、そういう気配りが無いということは……?
搭が建つシーンは、前後のシーンから『ロザリーが外をうろつくと人間に襲われて危険なので塔を建ててそこから出さないことでロザリーを守る』という文脈で立っていることは分かる。
問題なのはそういう理由の説明が一つもないことだ。説明を放棄したまま、「私の為に搭を……。私はあなたの命令があるまで一歩もこの塔を出ません!」と、ロザリーに極端な価値観のセリフを言わせることをライターは優先したいようだ。
ちなみにロザリーは村の外で人間に見つかりそうになったのだが、村には人間よけの結界があるから、搭にこもるまでしなくてもいいんじゃないの?という疑問はスルーである。というかこの結界の話は二度と出てこないので忘れていい。
2人の出会ったシーンなのにピサロ側の目的や生い立ちがロザリーに共有されない
まだ序盤も序盤だが、このシーンを初見で見たプレイヤーは唐突さと違和感ばかり感じだことだろう。
主人公とヒロインの出会いだし多少強引でも仕方ないか、と呑み込んで読み進めていくことになる。
そこに何の説明もなく突然塔が建つシーンが挟まってきて、エンドール闘技場からこれではもしかしてシナリオやばいんじゃこのゲーム?という不安を隠せなくなるだろう。
普通ならシナリオが進んで情報が増えると、プレイヤーが世界観を理解したりロザリーを気に入ったりしてマシになっていくものだが、モンスターズ3の場合は……。
ドラクエ4のシーンとの比較
まだシナリオ序盤で、矛盾や説明不足が積み重なっていない状況のシーンですら、軽く解説しようとしただけでこのツッコミの量になってしまった。
いかにモンスターズ3のシナリオがやばいか、すべてを真面目に分析すると30万文字以上になってしまうかがお分かりいただけたかと思う。
分析の前に、初見のプレイヤーがこの出会いのシーンでどういう印象を抱くものか書いてみよう。
『王道な展開から一転してのサイコ発言、ヤバイ女に何故か名前を聞くピサロ』
……つまり、ピサロはロザリーを『おもしれー女』と思ったってコト!?
恐らくそんな解釈をすると思う。
実はそれは当たっている。というわけでドラクエ4のシーンを見て答え合わせをしてみよう。
ドラクエ4の回想シーンも、森に逃げてきたロザリーが悪漢に追い付かれるところから始まる。
この時悪漢が「ルビーの涙で大金持ちに」みたいなことを口走るが、モンスターズ3ではこのセリフはカットされている。
おそらくエンドール闘技場の興行という形で事情が表現されたことで説明が不要になったからだろう。逆にドラクエ4ではエンドール闘技場の前フリが無くこのシーン単体で始まるため、なぜロザリーが追われているのかを説明する必要があったのだろう。
よく考えるとルビーの涙の表現をエンドール闘技場の興行で先にしてしまったせいでおかしな点が生じていることに気づいた。
メタ的にこの悪漢は、ドラクエ4でのセリフ通りルビーの涙で金もうけをするためにロザリーを追いかけてきたはずだ。セリフが消されてもそれは変わらないと思われる。
しかし闘技場で見た通り、ルビーの涙は触ると砕けてしまって売り物にならない。悪漢はロザリーを追いかけても金にならない事が分かってしまっているはずだ。ルビーの涙の説明を先にしたせいで、わざわざ追いかける理論的な理由が消滅してしまったのである。
それでも追いかけてくるということは、つまりシナリオをそのままにするために追いかけてきた悪漢、ということになってしまう。
悪漢側もそもそも悪人だから深く考えずに金目の物を追いまわしているだけだと思われるし、プレイヤーも悪人ならそうするだろうと疑問を持たずにこのシーンを見る人がほとんどだと思う。なので致命的な問題点とは言えない。
しかし突き詰めて考えていくと、やっぱり闘技場であんなことをしてしまったのがシナリオ的に非常にまずい。人間の倫理観が終わってるけどこれは普通の事なの?という疑問へ行きつくのが避けられない。
そしてシナリオ側はそれに今後も一切答えてくれない。変な場面が終わったら他の人間たちは概ね普通、というよりめんどくさくなる事は口に出さないことで説明を避けようとする。まるでノルマは達成したから後はどうでもいいとでも言いたげだ。
こうして疑問を置き去りにしたまま、次の疑問を無理やりねじ込むシーンが流れる。モンスターズ3はこういった粗雑な流れが積み重なってシナリオの意味不明さが深くなっていく。
人間側の倫理観を一切説明してくれない理由はなんとなく推測できる。
シナリオ側はどうもこれはピサロとロザリーの物語だと思って書いているらしい。だからピサロザ側から見た人間はこんなひどい奴らですよ、という魔族側のリアルをそのまま書けば、読み手はそれに順応してくれるとでも思っているのでは?
しかしこのゲームのプレイヤーは魔族ではなく普通の人間である。そしてドラクエというのは概ね人間優位の物語なので、人間が特に説明もなく世界観的に悪いということは無い。ファンに向けた作品ならなおさら説明が必要だ。
というかドラクエに限らずほとんどの創作作品で特に理由もなく人間が悪いなんて描写をおっぱじめない。
もっと厳しい事を言えば、普通のプレイヤーはこんなまともな説明もできない作品ではなく、面白くてちゃんと説明してくれる創作作品を楽しんでいることがほとんどだ。このようなあまりにも乱暴で唐突な展開にはついてこれない。
この描写不足の答えは最後の方にもっと深く邪推している。解説に戻ろう。
その後の悪漢のセリフはモンスターズ3とほぼ同じだ。悪漢がロザリーに迫って今やという瞬間、上の方に隠れていたピサロが悪漢の全身を炎上させて殺害する。
ドラクエ4のピサロがなぜこんなところに都合よくいたのか説明はなく、その点はモンスターズの方が自然かもしれない。
そして大きく違う点が、こちらではピサロが悪漢を殺害している事だろう。魔族の王であるピサロが人間に慈悲を与える理由など何一つ無いのだから当然である。逆に言うと、モンスターズ3のピサロは人間のハーフだから少し良心があり、悪人でも追い払うにとどめたのだろう。
追い払うのと殺害ではさすがに全く同じセリフにはできなかったのか、殺された悪漢の悲鳴があったり、ロザリーのセリフが「あんなに苦しめて」ではなく「何も殺さなくても」となっている。
そしてここからがいよいよ重要なのだが、ピサロ何を喋っていたかやっとわかる。
ロザリーの「あなたが(悪漢を)やったのか?」というセリフへの返答。このやり取り、モンスターズ3では”はい・いいえ”のどちらを選んでも非難される無駄な選択肢が出ていた場面だ。
はいと答えた場合のセリフの中身がドラクエ4のピサロが言った「欲深い人間のエルフ狩りが目に余ったから」ということなのだろう。その結果もちろんロザリーからひどいと非難されてしまう。
改めて強調するが、ドラクエ4のロザリーが助けてくれたピサロに難癖をつけている場面は、流石に殺すのは酷いかもと理解できる部分もあった。
しかしモンスターズ3は状況と人格の違いを考慮せずに場面を限りなく忠実に再現しているせいで、ロザリーが恩知らずにしか見えない意味不明なやり取りになってしまっている。
酷いと非難されたピサロ。流石に面食らっており「助けたのに酷いとはなんだ」と非常に当たり前の反応をしている。モンスターズ3でもこのセリフ出してよ。
それに対しロザリーは「人間も私たちと同じ、生きとし生ける者なのに」というお花畑発言をする。それに対しピサロは「エルフは妙な生き物、おもしれー気に入った」らしい。
まあこんなこと言われたら、「おもしれー」か「頭おかしいんか?」の二択しかないよな。
初見のプレイヤーがひねって導き出した答え『ピサロはロザリーをおもしれーと思った』は当たっていたというか、やり取り的にそう思うしかないからこういう展開になったように見える。
でもロザリーが元々人間を憐れむような設定があるから、「人間を虐めて酷い」みたいなセリフを入れなきゃいけなくて、仕方がなかったんじゃない?とドラクエ4のファンの方なら考えるかもしれない。
よく思い出してみてほしい。FC版のドラクエ4のロザリーは人勇者のような目が清い人を除いて 人間は悪い奴だと思っている描写はあるが、『人間を虐めるのは酷い』みたいなことを言う場面は無い。
つまりロザリーのサイコなセリフは、PS版6章の出会いのシーンが初出のはずである。わざわざこんな訳の分からないセリフでなくても済むはずなのに後付けした結果、生まれたのが6章で、ソレをモンスターズ3はなぜかトレースしたってワケ。
つまり、よくよく考えなくても6章の時点で話がおかしいんだな。ちなみに6章のライターとモンスターズ3のライターは同じ人らしいです。
ピサロは「おもしろいエルフを気に入った」ので名前を訊ねる。気に入ったから名前を訊ねるの、創作でよく見る展開ですよね。
エルフに「私たち森に暮らす者に名前は無い」と返され、ピサロは「呼ぶのが不便だから」「今日からロザリーと名乗れ、自分が人間界で世話になってる村の名前から取った」と名前を付ける。
この名付けの理屈だと人間界で世話になってるのがエンドールだったらエンドールになったり、デスパレスだったらデスになったり、恩人がいたらそれから取ってモンジーとかザガンギーとか、知ってる人名からだったらミオレとかになったりしちゃわないか?あとロザリーヒルがドワーフわくわくランドみたいな村名だったらわくわくになるのか?世界観に凝ってたらドワーフ語の村名だったのが標準語だと変な響きになるとかありえるよな?どう考えても村の名前をロザリーから取る方が自然なんだよなあ。(脱線)
このくだりはモンスターズ3では、ロザリーがピサロのセリフを代弁する腹話術方式で説明されている。ピサロが名前を付ける都合上どうしてもロザリー側から話す感じに出来ず、腹話術という最初からピサロに喋らせたらと言いたくなる奥の手を使ったのだろう。
そのリアクションとしてロザリーは「今まで人に名前で呼ばれたことない」とモンスターズ3の方ではなぜかカットされた感想を述べている。
このセリフが何故カットされたのかよくわからないが、モンスターズ3の方ではイベントシーンでロザリーが驚きのような表情をしていたので、そこにこのセリフが反映されている。
何故カットされたのか推測するに、この後のピサロのセリフが大幅に違うっぽいので、ピサロとロザリーの関係が実はドラクエ4から大幅に変わった事になっているのかもしれない。
このやり取りでも本来ドラクエ4ではピサロから惚れてるように見えるのが、モンスターズ3ではロザリーが惚れた感じに改変されている。またシナリオ後半でロザリーが名付けられたことに特別な意味を感じているみたいな描写もある。
名付けられた瞬間に特別な意味を持たせるために、セリフをカットしてロザリーの反応だけで表現したのかもしれない。いや口で説明してくれないと分かんねえから。
モンスターズ3ではこの後ミンミが出てくるが、ドラクエ4では出てこない。じゃあモンスターズ3でもミンミいらなくない?と言いたいが、ドラクエ4でちょくちょく出ていたミニデーモンがミンミだったということにしたいのでそれはできないらしい。
次のセリフからピサロが凄い勢いでロザリーに詰め寄り始める。
曰く、「いつか村にお前を招待する。それまで人間に捕まるな。また会いに来る、私はピサロ」また会いに来るってことはここがエルフの森なのだろうか。深く考え出すと収拾がつかなくなるのでやめよう。
モンスターズ3ではこの後ロザリーをスルーして帰宅したピサロだが、ドラクエ4では村に自分から招待するつもりだった、というのはかなり大きな違いだ。最初に全く同じ場面になるように意図されているとか豪語したが、ごめんちょっと違ったわ。
ロザリーの最後のセリフは、「不思議な人……」だったものが「ピサロ様……」とあこがれを示すような内容に変わっている。
正直ドラクエ4のピサロはロザリーの目の前で人間を殺している以上割と怖いので、ロザリーのひどいという反応もサイコではなく一定の納得ができるラインだと思う。そんな人物に惹かれるとは、モンスターズ3よりドラクエ4のロザリーの方がやばい気がする。
ドラクエ4ではピサロが勝手に名乗って去っていったが、モンスターズ3ではピサロが喋らないのでそれはできない。
流れを再現するためにロザリー側からピサロに名前を聞くやり取りに変更されたわけだ。しかしピサロにスルーされて去って行かれたので、ドラクエ4のように「ピサロ様」とは呼べず不思議な人呼ばわりするしかなかった。
逆に考えるとドラクエ4のロザリーも不思議な人だと思ってピサロに惚れ始めたのかもしれない。
お互いおもしれー女&おもしれー男としか思っていないのは、なんというか恋愛感情のパターンが貧弱なのでは……?
ん?ちょっと待ってくれ。モンスターズ3では最後のロザリーのセリフが「ピサロ様」ではなくなっているということは、ロザリーはどこでピサロの名前を知ったんだ???
素直に考えたらプレイヤーにはわからなかっただけで(わかるように描写しろや!)ピサロが去り際に「私はピサロ」とか名乗っていたのだろう。
だがそれならロザリーの最後のセリフを変更する必要が無いはずだ。「ピサロ様」のままにしておけば、ピサロは名乗ってから去ったんだな、とプレイヤーが推測できる。セリフの尺も余ってるので「ピサロ様、不思議な方」にしてもいい。
そうなっていないということは、ロザリーは名前を知らないはずである。だが次の村に押しかけてくるシーンではピサロの名前を呼んでいる。
このしょうもない謎の答えは『名乗ってから立ち去った』以外にもいくつか候補がある。いやこんなどうでもいいことでパターンを考えさせるな。
ロザリーは村の人にピサロの事を聞き込みしてから言えに来たので、そこで情報を聞き出したのかもしれない。ドワーフたちの個人情報リテラシーがガバガバである。村にピサロを狙う魔物が来てたのにこれはひどい。ピサロが呪われてることは確実にしゃべってるので、ピサロに損しかさせてないぞ。
もう一つは、ピサロとスラプルの会話を盗み聞きした説だ。ロザリーが来る直前にスラプルが「でねっ!ピサロ!」と雑談セリフを喋り、露骨に名前を喋った後にロザリーとミンミが入室してくる。だからスラプラがピサロを呼んだのを聞いて名前を知った可能性もある。村人から呪いのことは聞いたのに名前を聞いたとは言ってないしな。
そうする意味は全く分からないが、ライターはこういう無意味な伏線をまき散らすことに喜びを感じていそうなので邪推してしまう。
他にも、最後の場面でピサロからロザリーを誘うシーンだったものがモンスターズ3では何故変更されたのかも考察してみよう。
結論を先にってしまえば、ロザリーからピサロの方に押しかけて来る形にしたかったから、としか考えられないだろう。そしてこの変更に伴う描写のすりあわせが雑なせいで、やっぱり不自然な点は出てきてしまっている。
モンスターズ3の場合、ロザリーは人間に一度捕まって闘技場から森に逃げ込んだという流れだ。そんなロザリーをピサロは善意から助けた上におもしれー女認定して、わざわざ呼ぶのに不便だからと自分の村の名前を付けるまでやった。なのにその後何故かスルーして置いてきてしまう。
これでは、もう会うつもりがない人物にわざわざ名前を付けたことになり、とても不自然だ。
ドラクエ4のピサロの場合はロザリーに名前を付けたのはこの後自分の村に招待するつもりがあったからだし、会いに来る発言からここがロザリーの住む森だから一旦置いて帰ったのかもしれないと納得できる。
それに、ロザリーが人間にさらわれて無理やりエンドールに連れてこられたという流れを考えれば、自分の家の場所まで帰れない可能性が非常に高い。モンスターズ3のピサロはドラクエ4のピサロより善性がある設定のはずだ。ロザリーを置いていけばまた人間達に見つかる可能性も高く、危険だと判断してピサロのほうからロザリーを村に連れて帰る流れの方が自然だ。
まあピサロは馬鹿なのでそんな事まで頭が回らなかったのかもしれない。馬鹿というのは冗談で言っているのではなく、この後のシナリオを見ると本気でそうとしか見えないのだ。
モンスターズ3がドラクエ4と同じ展開でなければ、なんか雑だけどそういうもんかでギリギリ納得できたかもしれない。しかし二つのシーンが意図的に似せられてしまっている以上、照らし合わせるとおかしな点が山のように出てきてしまう。
そうまでして二人の出会いの展開を変えたかった理由は何だろうか?それはおそらくロジック的な問題ではなく、好みの問題ではないだろうか。
この次のシーンでロザリーがロザリーヒルに押しかけてくる。村の名前だけ聞いたから頑張ってきたらしい。
ちなみになんですけど、エンドールは世界一の都会な一方で、ロザリーヒルはド田舎というか人間がなかなか近寄れないような秘境にある。
エンドールからロザリーヒルまでは地図上の直線距離でもかなり離れており、徒歩で行く場合は間に高い山地帯が大量にある。そしてロザリーヒルのある大陸は水で隔離されているため、そもそも徒歩で訪れることはできない。ルーラや旅の扉、船などの交通手段を使えばたどり着けると思われるが、ロザリーがルーラを使ってるシーンを見たことがないし、人間に見つかったら終わりのロザリーには船や旅の扉は使えないはずだ。それにメタ的な移動手段のはずの旅の扉をシナリオに組み込むと、人間と関係性が悪いロザリーヒルがエンドールと直通なのどういうこと?
とか色々おかしくなっちゃう。
だが名前を聞いたから命がけで来た以外の移動手段の説明はない。NPCがどうやって移動したか謎なのはドラクエシリーズではよくあることなのでお約束として無視することにしても、ピサロが村に招待してルーラで連れてった展開の方がずっと自然だったのは間違いない。
地理関係を考えると、ピサロがロザリーヒル周辺を散歩しているときにロザリーと悪漢に遭遇したことにすればよかったのでは?という疑問もある。
だがシナリオ的に”イムルの村の東の森”に何故かこだわっている描写があるので、ロザリーヒルの近くでロザリーを見つけたという事にはできず、エンドール闘技場とくっつけたらこんな感じになったのだろう。ロザリーヒルの近くにエルフがいるなら、なんでドワーフと一緒に住んでないの?みたいな話にもなるし。
村に押しかけて来たロザリーがあれやこれやと痛いやり取りをするのだが、そういうシーンにするためにはロザリー側から押しかける必要がある。押しかけシーンは恐るべきことにシナリオ的に全く無意味なので、そうするロジック的な理由が全くない。こうなるとライターの好みで変わったとしか考えられない。
その好みの正体が何なのか私には説明できないのだが、昔こんな話を聞いたことがある。
有名なギャルゲー『ときめきメモリアル』シリーズでは、おしなべて攻略対象の女の側から男というかプレイヤーに告白してくる構造になっている。
唯一の例外でプレイヤーが自分から女に告白できるのがセガサターン版のときメモ1だそうだが、これ以降のシリーズには基本的に自分から告白システムは搭載されなくなったらしい。
何故かというと、プレイヤー側から女側に告白するのは何か屈辱的でつまらなかったらしい。言われてみれば、世の中の創作物って相手の方から主人公側にキャラが集まってくるような展開が多い気がする。なんかそういうのがあるのだろう。
つまりこう、モンスターズ3もピサロがロザリーを招待する展開だと面白くないから、ロザリー側から押しかけてくる展開に変えたのかもしれない。
逆に何故ドラクエ4ではピサロ側が招待する展開だったのかと言えば、4ピサロは主人公でも何でもないから展開に気を使う必要が無く、ピサロから招待する方が話が早い。それに女を自分から連れて帰る方が悪の大将っぽさがある。そんな理由かもしれない。
解説がものすごく長くなってしまったが、ドラクエ4のシーンでモンスターズ3のセリフを補完すると、意味不明さが多少和らぐという事は分かってもらえたと思う。
それと同時に、シーンをなるべく同じにしようとしたせいでいろいろおかしくなってしまったことも解説しまくってしまった。
無理やりドラクエ4のシーンを持ってきたことで生まれた歪み
本来ならドラクエ4とモンスターズ3は別の世界だ。ピサロは魔族から人間と魔族のハーフに設定が変わっており、それに伴って様々な設定や人物描写に違いが生じるはず。
ならば、ピサロが魔族という設定であるはずのドラクエ4とはイベントシーンも細部が変わるのが自然なはずだ。
ドラクエ4のピサロが残忍な魔族だから意味が通るシーンは、人間とのハーフで実は心優しいみたいな人物描写がされているモンスターズ3のピサロには演じることが出来ないはずである。
それに、普通にモンスターズ3をプレイしてピサロとロザリーのシーンを見るプレイヤーは、前後のピサロとロザリーの行動を元に二人の感情を推測しながらイベントシーン見る。
しかし演じられているのはモンスターズ3のシナリオではなく、ドラクエ4の再現シーンだ。ロザリーはともかくピサロの人格は別人だし、ドラクエ4のピサロとロザリーのイベントシーンはダイジェストなので、二人の視点での話の前後がそもそも存在しなかったりする。
その結果、プレイヤー側の認識とシナリオがやりたいことが全くズレているのである。
事実、該当シーンを見たプレイヤーの感想を探ると、大抵は意味不明・ピサロが酷い・ロザリーは何を考えているかわからない、みたいな意見がほとんどで、『これドラクエ4のシーンとセリフ全く同じなんじゃね?すげえ!』という感想は私が探った限りでは発見できなかった。
ちなみに、もしかしたらライターはドラクエ4では説明されなかっただけでピサロは元から人間とのハーフ、みたいな理論が通ると思ってシナリオを書いている可能性もあると思う。
というか確実にそういうことにしても矛盾しないように話を書いている。
『ピサロは人間とのハーフなんだったら〇×△◇……』というドラクエ4と別のシナリオはいくらでも考えられるはず。だが現実に出てきたシナリオは、元からドラクエ4にあったシーンを改変せずになぞり、酒を2リットルくらい飲んだ後に超薄目で読めばドラクエ4と違いや矛盾が発生しないようにシナリオが組まれている。
つまりモンスターズ3はドラクエ4のピサロ視点のシナリオだから、当然同じイベントが起こるし同じシーンになると。まあ今更再確認しなくてもそんなことはみんな分かってると思うけど、それがシナリオ的に意図してそうしているとなると、少し事情が違ってくる。
言わなかっただけで実はハーフですと設定を上書きして悪事をあれこれ漂白するのが目的としか思えないシナリオ書くのはifとはちょっと違くない?……というツッコミも散々されていると思う。もう延々書きなぐりそうになるので今はこの辺にしておく。
怪文書もまだ序盤だが、『再現しても設定が違うから話がおかしくなるだけですよ』というクリティカルなツッコミを入れてしまった。
私の方もこれを書くにつれ、段々どうしてこういう話になったのか理解を深めたり、公式文書の方から見解を入手したりしていくので、結論が気になる人は全部読んでみてほしい(威圧)。
2:初級全クリア後、天空城でのマスタードラゴンとのやり取り
モンスターズ3での天空城のやり取りといえば、このゲームの酷いシーンランキング堂々の1位に輝く、最も意味不明なシーンだ。
1行1言すべてがおかしいのでまともにツッコミを入れると一日では足りないかもしれない。ここから物語が急激にプレイヤーに理解できない方向に進み始める。
話にあまり関係ない部分で軽いジャブをいれておこう。
このイベントの開始時にピサロザベネの3人は村のロザリーヒルの搭の前にいて、なぜかドワーフの子供が親に「父ちゃん!」とじゃれる場面を見る。子供出してお父さんって言わせるのが本当に好きなようだ。
その後、親子つながりでベネットが俺親居ないんだよなーとか重めの自分語りを初めて、悲しき過去によってピサロとベネットの中が深まり、そこに唐突にドランが3人というかピサロを天空城に呼びに来る。
そして伝説の対談へ……。というのが天空城でのやり取りの前フリだ。
みなさんはこの説明をみておかしなことに気づいただろうか?
そう、何の説明もなくロザリーがロザリーヒルの搭の外に出ているのだ。
「私はあなたの命令が無い限り、搭から一歩も外に出ません」とか無暗に極端なセリフを言ってたくせに、画面外でピサロに許可をもらって外に出ているのである。無論、ちょっとしたイベントシーンを構成する演出の都合なのは分かるが、3人がなぜ何となく塔の外に出たか分からないから雑なわけで、描写がめんどくさくなるだけの設定考えるのやめたら?
まあモンスターズ3では画面外でキャラクターがやり取りをしているなんて些細な事だ。忘れよう。
ドラクエ4に詳しい方なら、ピサロが天空城でマスタードラゴンと会話するシーンなんかドラクエ4にはねえぞ!何を解説するんだ?と思われる事だろう。
そうです。ドラクエ4にこんなシーン無いので、モンスターズ3で一番おかしいシーンがどういう意味なのか解答を得る方法は残念ながらありません。
ただし一つ、だけドラクエ4の要素がモンスターズ3のこの場面に影響を与えたと推測できることがある。
ドラクエ4のピサロは天空城に入ろうとすると「自分は魔族の王だから天空城には入れない」的なことを言い出してついてこない。モンスターズ3のピサロも天空城イベント後は天空城の入り口までしか入れなくなる。
ドラクエ4でピサロが天空城に入れない要素をモンスターズ3は再現しているのだ。ということは、その理由が魔族の王であることも共通しているということになる。
つまり、天空城での一連の意味不明なシーンも、魔族の王というキーワードを使えばある程度理解できる可能性がある。
テーマ解釈で読み解くマスドラの態度とピサロの心変わり
私が考えた説はこうだ。
ピサロは災厄の魔宮・初級でエスタークについて知ったことで、心の中に『エスタークを使えば世界征服できるんじゃね?』みたいな”野心”が芽生え始める。
マスタードラゴンはピサロを勇者に協力させる(というシナリオ上の建前)ために天空城に呼ぶ。
ピサロはマスドラとの会話の中でエスタークの名を聞いたことで、自分がそれを従えたいのに勇者に倒されるのは困る、という”野心”を抑えられなくなる。
ピサロに野心が芽生えた結果、マスタードラゴンとピサロの対談は決裂する。
マスタードラゴンはなぜかピサロの野心を尊重した。なので人間界の魔族の王でありエスタークへ至る鍵でもあるザガンギエルの元へとピサロを送り届ける。マスドラがザガンギエルの元にピサロを誘導しているようにしか見えない会話だったが、実際に誘導していたというわけだ。
これが表向きの話の流れで、実際にはモンスターズ3のテーマを前提とした根本的な解釈が無ければ話は全く理解できない。それは野心というキーワードから読み取っていくことが可能かも。
ちなみに、ザガンギエル達の視点からするとピサロが訪れたのは突然の事だったはずだが、全員が芝居を打ってピサロを出迎えている。
ここのデスパレスの話は極めて都合のいいシナリオだけど一見すると特別破綻している点がなく、何故これほど違和感があるのだろうと首をひねっていた。
だってマスタードラゴンが意味不明な言動をしたらザガンギエルの所に行くことになったわけで、疑問しかない。
多分デスパレス側の準備があまりにも良すぎるからすごい違和感を感じるのかもしれない。
一応ザガンギエル達はOPでピサロと出会っているし、ロザリーヒルに迷惑な魔物を送り付けてピサロを探したりしている。なおその魔物の主がザガンギエルだとは一生説明されない模様。
おそらく設定的にはピサロを発見済みだったから、もしピサロが来たらこうしようとずっと打ち合わせしていたのだろう。
この天空城のやり取りのシーンは災厄の魔宮・初級をクリアしたことで『ピサロがエスターク達の記憶を見たからマスタードラゴンが呼んだ』という文脈で展開される。
のだが、そういった経緯の説明はゲーム中では一切ない。
プレイヤー目線での、『マスドラがエスターク復活するとか言ってるけど、マスドラはピサロが災厄の魔宮でなんかしてたことを知ってて呼びつけたのかな?』という疑問に一切答えてくれないのだ
しかし話の見せ方としては確実に『エスタークでましたね、マスドラはエスターク倒してほしいみたいだけど、ピサロは真逆の考えみたいです!大変!』みたいな空気で進む。
この説明不足のせいで、プレイヤーからするとよくわからない流れで突然自分から呼びつけておいてマスドラはブチぎれるし、ピサロは頭おかしくなるし、ベネットは急に手のひら返すしで、話の意味が全く分からないのである。極めて粗雑だ。
あと地味なツッコミ所として、本来マスタードラゴンに会うためには天空の武具を4つ揃えて身に着けた者を連れて天空への搭を登らなければならないはずである。
ところがモンスターズ3では旅の扉で天空城まで直通である。ドラクエ4の設定はどうした。
無論マスドラとピサロを直接会話させるためには、こうするしかなかったのだろう。ピサロがダークサイドに落ちる転換点なこともあり、マスドラと会話させたかったのも何となくわかる。いやマスドラが悪いみたいになってるから最悪なんだけどさ。
問題なのは、そもそもマスドラをシナリオに介入させる必要があったのか?という根本的な疑問である。
マスドラはランディオルの攻撃から直接ピサロを救い出した。だけどぶっちゃけそうするシナリオ的な必然性が無いと思う。
ピサロが助かる方法にしてもすごい潜在パワーで助かるとか、そもそもランディオルはピサロを殺すつもりがないっぽいので、殺すふりして地上に追放し直すとか、そういう理由でいいはずだ。
ではマスドラが介入する理由というのは、シナリオ的な必然性で考えればマスドラ側の理由ということになるが、そんな大層な物は全く語られない。
マスドラが何を基準に行動しているとか、マスドラの心情とか、そういう説明されて当然の情報は一切耳に入ってこない。
強いて理由があるとすれば、今後の会話シーンにマスドラを関わらせたいというライター側の都合だけだ。ここで意味不明な会話をピサロとするとか、例の場面でマスドラに煽らせてプレイヤーをイラつかせるとか、エンディングで何となく登場させてドラクエ4っぽくするとか、それしか理由が無いのである。
ドラクエ4の勇者でも天空への搭を上った時とエンディングの2回しかまともに対談してないのに、なぜピサロはこんなにマスドラをライターからあてがわれているんだろうね?
嫌がらせか?いや実際嫌がらせしかされてないぞ?
少なくともプレイヤー目線だとマスドラは不快な言動しかしていない。不快じゃないつもりでマスドラを動かしてたらやばすぎるし、不快にするつもりでワザとマスドラの印象を悪化させるセリフを書いているなら、二度とドラクエのシナリオを書かないでほしいというのが正直な感想だ。
ピサロの野心とは
先ほどの解説で何度か出したキーワード”野心”。
野心という単語は、ロザリーがこの後ロザリーヒルの塔でピサロと話す際に述べるキーワードだ。多分そこが初出である。
ピサロの心変わりは野心の芽生えによるものであり、野心とは具体的には魔族の王として人間を滅ぼしてえみたいな魔族的な心の事を示しているのだろう。
魔族の心という単語も出てきた。これはエンディングでマスタードラゴンが「お前は人間と魔族のハーフだけどお前らしく生きる事にしたんだね」みたいなことを言い出したことから設定を察した設定である。
マスタードラゴンの弁はつまり、ピサロは人間と魔族のハーフであり、それゆえ心も人間と魔族の二面性を持つ。そのために様々な運命に立ち向かってきたということを言いたいのだろう。
天空城でのやり取りのあたりでピサロの魔族の心が膨れ上がり始めたので、それを抑えるためにこの時マスタードラゴンは『魔族の血を捨てろ』(=魔族の心を捨てて人間の心を取り戻せ)とか言い出したのかもしれない。
ではピサロのもう一つの心である人間の心は何かを指すのか、というのもこの場面で示されている。
それは勇者の仲間になってエスタークを倒すという、導かれし者の使命の事ではないだろうか。
ピサロは導かれし者ではないはずなのに勝手に仲間に入れんなよと思うが、当のマスタードラゴンがそう指示しているのだから、暗にピサロも導かれし者であるということにしたいのかもしれない。というかマスタードラゴンに導かれた、というのが導かれし者の意味なのかも。ドラクエ4の導かれし者はマスドラに直接話しかけられたりはしていないが、マスドラが運命を導いたとかだろう。
お前の母の最期の願いという突然の遺言推しも、ミオレはピサロの人間性の象徴であることから、『魔族の心ではなく人間としての心を持ち続けろと言う意味合いの呼びかけ』ということになる。
そして敬愛する母の最期の願いを聞き入れなかったピサロは、もはや後戻りが出来なくなる。
ちなみにピサロは「この世界で人間として生きて」と言い残して気絶した母を放置して父に会いに行ってなんやかんやしてる間に母は死んでたので遺言は聞けてないのだが、マスドラが言ってるのは遺言ではなく最後の願いとのことなので、一応矛盾はしない。
ミオレはどう考えてもこれを言い残して死ぬ流れだったが、死ぬとピサロが魔界に行く理由が無くなるのでこの場では気絶したことにしたのだろう。その結果母親が息子に看取られずに一人で野垂れ時ぬ酷いストーリーになってしまった。あ、一応スラプルが見てたのか?それで済む話じゃない。
別に母親が死んでから父の元に乗り込んでもそこまでおかしくないと思うのだが、母親を助けなかった父ランディオルというのを強調したかったのだろう。
ちなみに、母ミオレは「人間として生きて」とは言ったが、「魔族の血を捨てて」とは言ってない。だがマスドラは勝手に「魔族の血を捨てて」を遺言に付け加えている。これはどういうことなのか。私文書偽造に当たるのではないのか。
そもそも論として、ミオレはランディオルと進んで愛し合っていたらしく、ランディオルの方も実はミオレを愛しているらしい。ピサロの事も別に疎んでいないようだ。それはそうと、自分から魔族なんぞと子供を作ったミオレがピサロには「魔族の血を捨てて」と思っているとしたら、話が大分おかしいと思わないだろうか?
もしそうなら酷い毒親としか言いようがないが、シナリオ的にミオレは素晴らしい母みたいな描写をされているので、そういうつもりではないのだろう。いや子供を酷い境遇にしておいて特に理由も言わずに父を恨むなとか言うのは普通に毒な気がするが、この辺の事情の説明は最後までよくわからないので終わるので忘れよう。
とにかくミオレ自身はピサロが「魔族の血を捨てる」事は望んでいないはずだ。だから何らかの理由で「魔族の血を捨てる」というワードが紛れ込んでしまったことになる。
これには二つの解釈ができる。一つ目はそのまんまマスドラが勝手に意味を付け足した説だ。マスドラ的にはピサロに魔族の血をめっちゃ捨ててほしいっぽいので、ミオレの遺言を過大解釈して自分の願望をくっつけた。もしくは「人間として生きろ」は遺言だけど「魔族の血を捨てて」の部分は遺言ではない、という文法的なトリック。
この説ならマスドラがややこしいだけでそこまで問題はない気もする。というか多分ライターもこの意図で書いてると思う。自分で書いたテキストの事忘れないでほしい。
そしてもう一つの説は、ミオレの言う「この世界で人間として生きる」には、書いてないだけでシナリオ的に「魔族の血を捨てる」の意味が含まれており、マスドラは書いてない部分を解凍して出してきただけ、という説。
なに言ってんだお前は、と思われた方。
このゲームではプレイヤーに意味をきちんと説明してないけどそういうことになってるシーンが稀によく出てくるのだ。直近だとエスタークに関する話の流れがそうである。これについては後で説明する。
さて人間としての心を選ばなかった結果、魔族として生きるしかなくなったピサロは、その野心を増大させて破滅への道をたどることとなる。
天空城に入れなくなる理由
対談後、急に人間を滅ぼすとか言い出したのはこの時からピサロは魔族の王になったからというわけだ。
魔族の王を自認したことで、ここからしばらくの間ドラクエ4のピサロと同じように「私は魔族の王だから天空城には入れない」という理由で天空城に入れなくなる。
そのあとの解釈にも軽く触れておこう。まあ色々あってピサロはロザリーを選ぶ選択をする。
この選択がドラクエ4のピサロとモンスターズ3のピサロで異なる事が、モンスターズ3が差す『もう一つの可能性』の意味であると思われる。これも後で説明する。
そしてピサロは魔族の心を捨てて人間の心を取り戻し、最終的に勇者と和解(?)してディオロスとランディオルという魔王を打ち倒す人間的な活躍をすることになる。ついでみたいに残った2体のエスタークも倒して、導かれし者の使命とされた役目を果たし、人間の心のテーマを完遂する。
こうしてピサロの物語は、魔族と人間の両方の側面があったけど、最終的にお前はハーフとして自分らしく生きていく、みたいなことを最後にマスタードラゴンが言って〆る事と相成った。
……正直私はそのセリフを聞いてサガフロのアセルス編の半妖エンドしか思い浮かばず、どっかで見たような話だなとしか思わなかった。
本編の意味不明な言動のせいで何を考えているのかよくわからないが、マスタードラゴンは全てを見通しているからピサロがこういう結末を迎えうる事も予期していたはずだ。
だから天空城のやり取りでピサロにブチギレているのにピサロを無理やりどうにかしたりはせず、魔族の心を尊重してザガンギエルの元に送り届けるとかいう意味不明な言動をしたわけだ。
物語のテーマ性を前面に出して文章に書き起こして解釈することで、なんかそれっぽい話になってしまったように思える。
もちろんこの考察があっている確証は全くない。自分でいうのもなんだけど、モンスターズ3のシナリオを普通に読んでこの考えにたどり着けたらエスパーレベルだと思う。
もしこの解釈があっているなら、そうと説明をすればいいのに、全く説明がないせいで意味不明なストーリーになっている。
特に重要な役割のはずのマスタードラゴンの言動が意味不明なのは致命的だ。話のテーマ性そのものをキャラクターにしゃべらせているけど、プレイヤーの目線と価値観から全くかけ離れているから理解できない話になってしまったのだと思う。
マスタードラゴンと対になるキャラクター
マスドラのようにテーマを語るキャラは他にもいる。それはホイミンだ。
彼も恐らくテーマ性、人間と魔族の調和的なものに言及するだけのキャラクターだと思われる。
ホイミンがちょい役なのに専用デザインをもらって、急にデスパレスに乗り込んでそれっぽいことを語るけど以後表に出てこないのは、テーマを説明するためだけの役割だからだろう。
ライアンそっちのけでホイミンの宝物をピサロに渡すのはあんまり嬉しくないです。まあ話の文脈を見るに、ピサロが研究を進めた進化の秘法のおかげでホイミンは人間になれたから、お礼にライアンからもらった宝物をくれる。ということっぽい。その文脈が全く説明されないからホイミンの心理が解らなかったんですが。
あとライターはドラクエ10でも妙に少年キャラが好きなのか、重要キャラに何故か子供を起用するクセが見られた。
重要なNPCであるエルジュがなぜか子供だったり、出番も役割もほぼ無い少年キャラ(フィーロ)に専用デザインを用意させたりしている。フィーロはともかくエルジュは子供である意味が別になかったし、普通こういう場面で主人公と共闘するならかっこいい青年にして人気を狙うと思うのだが……。元々ドラクエ4のホイミンの人間姿も少年ではなく詩人タイプだったのになぜか子供キャラになってるし。
ドラクエ8の時は子供キャラはいなかったのにドラクエ10でこうなってるってことは、まあこの間にお子さんが生まれたんでしょうね。
もう少しホイミンの解釈を増やそう。
ホイミンは人間と魔族の戦争の末どちらかが滅びることをなぜか知っている。この話題を直前にしていたのはマスタードラゴンなことを鑑みれば、ホイミンはテーマの語り部の二人目ということになる。
勝敗については、マスタードラゴンは勇者がいる以上魔族に勝ち目はないと言っていた。だがホイミンは「人間と魔族は共に生きていける」と感じているようだ。これはホイミンがライアンと一緒に過ごした体験からくる希望の様なもので、マスドラには人間と魔族のような視点で物を見ていないから勇者が勝つと思うとしか言わなかった、みたいな解釈かなあ。
そしてホイミンは「ピサロは人間と魔族の懸け橋」というそれっぽいことを言ってさっさと魔界に帰っていく。
初見だとそれっぽいだけで意味はよくわからず、ストーリーをすべて読み終わってからも、そもそも話が意味不明すぎてこれがテーマを語ってる話だったとかどうでもよいため、ホイミンちょっとしか出てこなかったけど何だったの?という感想しか持ちようがない。
私の解釈でホイミンのセリフを読み解いてみよう。
人間の心が表すものはマスタードラゴンが語ったエスタークを倒す役割と、人間の心が最も強い人物が勇者であることを思えば、悪を打ち倒す勇気のことだろう。
魔族の心とは野心だ。そのまま解釈すると人間を滅ぼすことになるが、そうではなく別の何かだろう。だが魔族の心としてプラスの面が語られている場面が分からない。無理やり当てはめるとすれば「愛」だろうか。
ロザリーを失ったら怒りに飲まれたピサロ。理由は知らないけどなぜかミオレの事を愛しており、魔界の行く末と虐げられる弱者を案じて回りくどいことをしていたランディオル。二人に共通するものは愛(?)しかない。
その二つを併せ持つ者は人間と魔族を調和させるものであり、多分調和っていうのは物語上ではベネットとの和解の事で、テーマ的には人間と魔族のどちらかが滅び去る運命を変える者ということかもしれない。
それっぽい解説をしたけど、ホイミンはテーマしか喋っていないということは、実際にプレイすると抽象的な事しか言わないわけで、何のことか全くわからない、と思うプレイヤーが大半だろう。
そして普通はこういうテーマを抽象的に語るキャラを出したら最後にもう一度登場させて答え合わせをすると思うのだが、そんなものは無かった。マスドラだけ出てきて、また抽象的なことを言って、よくわからない描写を増やして終わった。
これでは『どういう事?ライアンはどうしたの?』という感想を持つのが普通だし、『ホイミンの出番これだけ?』と苦情を入れられるのは残念でもなく当然である。というか私もなんでホイミンがこうなのかわからんし。
なお、ホイミンがピサロにこのテーマを話すのは当然ピサロが人間と魔族のハーフだからと考えられるが、ホイミンがピサロが人間とのハーフであることに言及するセリフはない。多分画面外でピサロがハーフなのを知ったことになってる。
そんなの魔界では常識だからいちいち説明しなくていいだろって、そういうことじゃなくて、ピサロが人間と魔族の懸け橋になれる理由はハーフだからという事をプレイヤーに説明しないといけないのよ。あとホイミンも初対面の時はピサロにわざわざ名前を聞いてるので素性は知らないようだったし。
そしてもう一つ問題なのが、ピサロだけでなくホイミン自身も人魔の要素を併せ持つ存在であるという事。ホイミン自身もライアンと冒険してましたと説明していたり、ホイミスライムから人間になるシーンがあるから、そのことはプレイヤーに説明できている。
だからテーマを説明するのはいいのだが、根本的になぜホイミンの方は懸け橋になるつもりが無いのかという事に触れていない。進化の秘法が直ぐ解けちゃうとか(なんでデスピサロの進化の秘法は解けないんだろうね?)大それたことが出来る地位じゃないとか、理由も容易に想像できるものの、それを当然のように説明する気が無いのがダメ。
というか、ホイミンが人間になった理由自体もこのテーマに結びつけてしまえばいいのに、方法だけ提示してその後はスルーというのは粗末である。
マスタードラゴンが人間、ホイミンが人間と魔族とすれば、もう一人魔族についてテーマを語ってる偉そうな奴がいるはずなのだが、ディオロス・ランディオル・リュノのどれなのかわからない。
ピサロの魔族ムーブの時の言動が魔族の心とすると、自分の欲望の為にすべてを犠牲にしようとしたリュノと共通するので、リュノが魔族のテーマ担当ということになる。
正直私はリュノをメアリスーだと思っているのでそんな大層な設定だから好き放題やってました、とは色々酷すぎるから考えたくない。
しかしランディオルはなんか違うし、ディオロスはスケープゴート後ポイ捨てされててテーマを語るには力不足。リュノは言動が意味不明な点もマスタードラゴンと共通するしそれっぽい事になってしまう。
こういう痛いキャラはいい年したら卒業してほしい。
ピサロが人間を滅ぼしたがる理由
ピサロは天空城でマスドラと話した後、急に人間を滅ぼすとか言い始める。これがまた酷い。作中でも最も意味不明な言動だろう。あまりにも理解できない言動なので、ありとあらゆる感想でマイナス方向の感想を書かれている。
どうしてそうなるのかというと……ピサロが人間を滅ぼしたがる動機は正直よくわからない。本当によくわからないのだ。
何故かというと、ピサロがどうして急に人間を滅ぼしたくなったのか、作中で誰も直接的な動機を教えてくれないからだ。
人間を滅ぼしたい理由も説明してくれないからわからないし、”急に”そうなったのはもっと理解できない。
というわけで、なぜピサロが人間を滅ぼしたくなったのか、動機を考察していこう。
まず思い浮かぶのは、人間への恨みだ。というか普通これしか思いつかない。
母を殺した人間に対する恨みや、エルフやドワーフを迫害する欲深い人間を許せないという、ピサロの中に燻っていた気持ちが、マスタードラゴンの話を切っ掛けに抑えきれなくなり、滅ぼすことにした。というのが、大半のプレイヤーがどうにか想像できる動機だろう。
そのためにOPでピサロ親子が人間に迫害される様子を写したはずだし、突然人間の倫理観を終わらせるというかなり極端なことをしたはずだ。プレイヤーに熾烈にアピールする描写だったのだから、これが動機だと想像するのが自然だろう。
しかしこの動機は現代人であるプレイヤー目線から見ると、いくら人間が嫌いでもちょっと極端じゃない?としか思えない。なのでピサロの動機が意味不明であると感じるプレイヤーが続出したのだと思う。
ピサロの感情をたった一言だけでいい、人間が憎いと誰かにを代弁してもらえば済む話なのに。なぜ簡単かつ重要なはずの描写に悩まなければいけないのだろう。もうやだ。
しかも困ったことにピサロが何故人間を滅ぼしたがっているのか、実はドラクエ4でもはっきりとした言及がないのでわからない。ドラクエ4でこの回想があれば場面がトレースされていただろうからわかったかもしれないのに。無いからわからないんだね~~。そんな分けねえだろ説明くらいちゃんとしろ。
唯一わかるのは魔族の王だから人間を滅ぼすという事なので、つまりモンスターズ3でも魔族の王を志したから人間を滅ぼそうとしているだけ、というのが正解という解釈もある。本項では『魔族の王だから』説を採用して話を進めていこうと思う。
人間を滅ぼす理由は魔族の王だからとメタ的に解釈できた。メタ解釈をしないと意味が分からない時点でもうだめな気もするが、もう少し頑張ってみよう。
しかしシナリオの構造としてはまだまだ意味不明だ。
何故かというとこの後中級開始から上級まで最初に語られたピサロの目的である『ランディオルを倒す』を完璧に置いてけぼりにして話が進行するからだ。
天空城から村に戻ると、仲間二人というか主にベネットに人間と戦うなんてやめろと責められる。ここでプレイヤーはさっきまで『ピサロはエスタークを従える』程度の話だと思っていたものが、いつの間にか『ピサロが人間を滅ぼそうとしている』話になってる事を初めて知り、混乱し始める。
ここのやり取りはベネットがピサロと仲たがいしました!という描写をすること以外何も考えてないので、説明不足以外にもいろいろツッコミどころがある。
例えば、
『おまえの母ちゃんも人間なんだけど母親と同族を滅ぼすの?』
『ピサロ自身も半分人間だけど何様?』
『なんでここでベネット殺しておかないの?人間滅ぼす気ある?』
『ランディオルの名前が一言も出てこないのなんで?』
『人間ってピンポイントに言ってるけどエルフとドワーフは?』
『エスターク使ったら世界中巻き添えにならない?災厄の魔宮の記憶見たよね?そんなもん使ったらヤバくねって止め方はしないの?』
『ロザリーはなんで話に入ってこないの?』
『ベネットのセリフよく見ると「オレを殺したくないなら人間と戦うのをやめろ」というのを分かりにくくした言い方だから、もしかしなくてもワザと話を分かりにくくしてプレイヤーを引っかけてるの?』
等々。当然沸いてくるような疑問は全部スルーされている。
ベネットが一方的に仲たがいしてきた後、勝手に仲間になったベネットは勝手にどっかに消える。
ピサロはピサロの手先(ムジャラーとメダリカ)を呼びつけて勇者を探させる。「エスタークを倒す勇者が人間界に生まれた」以外の説明がないので、勇者にエスタークを倒させない為らしい。セコいシナリオなので勇者を見つけたら具体的にどうするのかは説明しないことで誤魔化している。
ちなみに魔物であるピサロの手先が人間界で人探しが出来る理由はこの時点では全く説明されない。まあプレイヤーの知らない所でムジャラーはモシャスが使えるから諜報できるよ!という情報共有でもされていたのだろう。それを言ってくれないのでなんでこいつらが?と微細な疑問を抱くことにはなってしまう。
ここの理論展開もなんだか不自然に感じる。エスタークの話をしてたのに勇者の名前が出てくるのがよくわからない。一応、ザガンギエル達がエスタークを探してるよって話をしてたので、手先にはエスターク捜索を命じなかったのだろう。
それ以外にも漠然とした違和感がある。
なんというか、ピサロはエスタークを結局勇者より先に見つけられないとか、エスタークは目覚めた直後は弱いので簡単に倒されるとか、そういうピサロが知らないはずの先の展開から逆算してシナリオを展開しているように感じるのだ。
だって、エスタークをパパっと見つけてしまえば全部勝ち!みたいな強引な理屈でピサロがおかしくなったように見えるのだから、勇者なんて放置してエスタークの捜索に全力を注いだ方がよくないか?
それに、まだザガンギエルが仲間になると決まったわけじゃないので、失敗した場合ピサロが捜索に使える唯一の駒であるピサロの手先を主目的ではない勇者捜索に割り振ったことになる。ザガンギエルを従えると確信してないと出来ない行為で、つまりまるでこの後デスパレスが手に入ることを知っててやってるみたいだ。ピサロにはそれほど自身があったという事なのかもしれないが、あまりにも強引すぎる。まあピサロは馬鹿だから後先考えてないのだろう。
一応ランディオルと同格みたいな説明をされている相手にそれなら、今すぐランディオルの所に乗り込むことを考えるべきでは?あれ?もしかしてランディオルを何時でも倒せるようになったから人間と戦い始めたの?でもザガンギエルはランディオルを倒せって言ってて……もうやめようこのシナリオシナリオ書いた人その場の都合以外何も考えてないから。
このあたりからまるでドラクエ4の原作再現をするためだけに話が動いているような無理やり感が出始める。
ピサロがランディオルを討つ理由
ムジャメダにお使いを言いつけたピサロは、早速デスパレスに乗り込んでいく。そこで寒い芝居を見てすごい都合よくデスパレスがピサロの傘下に入る。
ちなみに人間界で魔物を送り付けてきたのはどう考えても人間界の魔物を統べておりピサロを探している三界魔王ザガンギエルなのだが、そのことについての説明は一切ない。三界魔王ってなんなの?という説明もない。三界(さんかい)って読んでるけど仏教用語から取ってるなら三界(さんがい)じゃないの?というツッコミが虚しく響く。
マスドラとベネットとデスパレス勢が散々脅しをかけてきたのは、ここでザガンギエルが都合よく仲間になる展開と落差をつける為だったのだろう。テレビ番組でクイズの結果発表の前に散々脅して盛り上げようとする演出みたいなものである。そう考えると、本当に何も考えずにシナリオを書いている訳ではなく、ある程度盛り上げることを狙って書いているはずだ。わかっててこれなのだ。
ピサロの手下になったザガンギエルからは、『ランディオル打倒の為、この城とエスタークをピサロに託す』と言われる。一方で人間もほろぼします!みたいな話はされない。
さっきまでエスタークで人間を滅ぼす話だけしてたのに、エスタークでランディオルを打倒するみたいな話が急に混ざってくるのである。
なんだピサロ目的わすれてないじゃん!と思った方。ちゃんとモンスターズ3はプレイしましたか?この後上級編に入るまでピサロがランディオルを倒すために活動しているようには全く見えないのが問題なのだ。
メタ的にはモンスターズ3のピサロがエスタークを従える理由はドラクエ4のピサロがエスタークで人間を滅ぼしたいからである。急に訳の分からんことを言い出したのはドラクエ4の再現をするためなのだ。
だがモンスターズ3のピサロは『ランディオルを倒す』という建前の為に活動しているので、流石にシナリオ側もガン無視することはできなかった。
だから、ザガンギエル達デスパレス勢を打倒ランディオルの正義の魔物ということにして、目的を忘れてないアピールをする必要があったんですね。プレイヤーを誤魔化すためにとりあえず取ってつけた設定ってことです。
この場ではそれよくても、この後ピサロはエスタークで人間を滅ぼす為の行動しかしてないように見えるので、徐々にランディオルは?というプレイヤーの疑問が深まっていく。
もちろん、エスタークでランディオルと戦いながら人間も滅ぼすという説明がちゃんとあれば理解はできた。
そういう理解にならない理由の一つが、デスパレス勢がピサロの人間を滅ぼす目的に同調している場面も、ランディオルの打倒に燃えている場面もこの後無い事だろう。
つまり、説明されないだけでデスパレスの魔物もピサロの人間を滅ぼす目的を手伝ってるようにしか見えず、ランディオルとかどうでもよさそうなのだ。
デスパレスの魔物の中級の間のセリフは基本的にドラクエ4のそれを使いまわされている。なのでランディオルを倒すぞ!みたいなことは全然言ってこない。
デスパレスの勢力は別に人間の味方だとは一言も言われていないので、普通に人間とは仲が悪いけど人聞きが悪いので説明してないだけっぽいのだ。紛らわしいというか説明しないで誤魔化そうとするのはシナリオがセコい。無論、ピサロが人間を滅ぼすことをデスパレス勢に伝えてるシーンも書かないことで誤魔化している。
事実として牢屋にサントハイムの人間を閉じ込めたり、その人間は食われる心配をしてたり、ジンマー将軍が勇者を見た時に「人間ごときが」と言っていたりする。
とにかく、中級の展開を決定的に意味不明にしている理由は、プレイヤー目線で見てザガンギエルがランディオルを倒すという話をしていたのに、実際のピサロはそれをガン無視して人間を滅ぼす話ばかりしていることだろうか。
そもそもこの後のピサロはエスターク自体を全然探してなくて、進化の秘法とか言うよくわからない物を使って自分が人間を滅ぼします!とか言い始める。
『エスタークで人間を滅ぼすんじゃないの?』
『魔族の為にランディオルを討てとジンマー将軍が言ってて、そのためのエスタークって文脈だったよね?なんでそのエスタークで人間を滅ぼすの?その話はデスパレスには通してあるの?』
(ちなみにザガンギエルはランディオルの後継者としてディオロスが生まれたけど統治者の才能がなかったから戦争を始めた、とジンマー将軍の口から語られる。この時、「ディオロスが王になると魔界がめちゃくちゃになる。そうなる前にヤツ(ディオロス)を倒し」という言葉で、打倒すべき相手として差している部分がディオロスになっている。
つまりジンマー将軍がザガンギエルの想いを語っているときはランディオルも倒す事が忘れられてしまっている。多分ディオロスの紹介をしようとしたらランディオルの事を忘れたんでしょうねきっと。それか、ライター的にランディオルは実は悪い奴じゃないんです!という気持ちを仄めかそうとランディオルの事をワザと伏せたか。どちらにせよ、デスパレスの魔物も何を目的にしているのか意味不明な描写が多い。
ちなみに、ランディオルの目的は魔界の混乱を避けることで、特に指導者が不在になって荒れることを避けたいから息子を用意して育てているという事情が一応説明される。一方でザガンギエルはランディオルと戦争をするという直球で魔界を荒れさせる手段を取っており、ランディオルの思想とは真逆である。こんなのが一応後継者扱いになってるのはどういうことなのか。
ライター的に実はランディオルは悪くないよ、という設定を隠すためにディオロスが原因ということにされていると思われる。しかしそのディオロス自身は暴虐とか言われてるくせにランディオルを暗殺するなどの極端な手段を取らず、父が寿命で死ぬのを待っているように見えるため、後継者として極めてまともな継承方法を取っていることになってしまう。
ザガンギエル自身もランディオルが悪いとは一言も言ってないくせに、なぜかランディオルを討つのが目的になってるのもおかしい。それにディオロスが後継者になって実際に魔界が荒れてから討つ方が大儀が得られていいのでは?という普通の方法も全く無視している。まあライターがそういう政治・軍事の描写が全然できないから、悪のディオロスを倒す正義の味方ザガンギエル位のノリでしか書けなかったのだろう。
また、長きにわたる戦争とか言ってるが、ディオロスの年齢次第で実は何十年何百年とかではなく10年位の戦争である可能性がある。ピサロに献上するために城を用意したと言っているので、デスパレスが出来たのは幼少ピサロ(6歳くらい)を魔界で発見してから現在のピサロ(16歳位だと思う)が来るまでの10年位の間で確定している。何が言いたいかというと、時系列の中身を考えずにふんいきで書いている可能性が高い)
『というか進化の秘法で人間滅ぼしますってどういうこと?エスタークで滅ぼすんじゃなかったの?』
と、状況がよくわからないまま新しい謎が増えていく。
なんもかんも説明してないだけな可能性があるが、一応説明されてるけど建前かその場しのぎの誤魔化しでしかないので意味がなかったわけで、どうしようもないのである。
というわけでなんというかこう、ランディオル討伐という建前とドラクエ4の再現がぐちゃぐちゃになってて何が何だかよくわからないのである。
先ほどからサラっとランディオル討伐は建前と述べているが、どういう意味かというとシナリオ的にランディオルを倒すのは重要な目的ではないのだ。ストレートに言うと書き手がやりたいことじゃないから無視されている。
では何をやりたいのかというと、ドラクエ4の再現である。それ以外のすべてがこの後の展開のために敷設されたレールと言っても良い。ランディオルは再現だけではゴールを作れないからなし崩しに用意されたボスである。なのでシナリオ的にはどうでもよい。
無論モンスターズ3のシナリオが酷いのは、ドラクエ4のシナリオをなぞるのが目的といういびつな構成のせいで生じた酷い齟齬の為である。そしてそうまでして再現した部分は、酷いというかプレイヤーから大きすぎる反感を買う内容である。
マスドラの小言で説明されたことになってる人間を滅ぼす動機
天空城のやりとりが意味不明すぎるので、何度も見返していたらあることに気づいた。
ここら辺はゲーム中の流れがほんまに意味不明なんですけど、マスタードラゴン曰く、ピサロには『父を倒して魔族の王になる意思』が存在するらしい。
書いてて初めて気が付いた箇所なのでオープニングを確認してみると、確かにピサロとマスドラのそういう会話がある。
ピサロは子供の時に既に魔族の王になるつもりがあったし、それは天空城の会話からの文脈として、子供の時点で人間を滅ぼすつもりがあったということになる。
しかしOP時点のマスドラは好きにするがいいと言ってピサロを咎めないので、人間を滅ぼすみたいな物騒さは感じられない。
そしてさらにプレイヤーを混乱させているのが、モンじいとのチュートリアル会話の一幕だ。
ここでピサロは『父親であるランディオルを倒して母親の敵討ちをする』のが目的であるとはっきり確認される。
どうも、プレイヤーが知らないうちにピサロの目的である魔族の王になることの要件に、「人間を滅ぼす」が追加されているらしい。
シナリオ的には目的が二つあるから、中級からはその片方である人間撲滅が優先されているだけ、という理屈なのだろう。わからんわ。
最大の意味不明シーンである天空城対談の解説はここまでだ。何もかもよくわからないので、自分でも意味が通る説明ができているのかよくわからなくなってきた。
これを見てモンスターズ3の話しが少し理解できた気になってくれたなら、私がクソシナリオを血眼になって読み進めてツッコミを書きなぐった無駄な時間が少しは報われる。
そして安心してほしい。この解釈を元に天空城の一連のシーンを見ても、やっぱり意味不明だから。
そして最後にお伝えしておかないといけないことがある。
この項目で考えた『ピサロが人間を滅ぼす動機』は全て間違っている。正解はモンスターズ3だけ見てるとまずわからないと思う。
後の方で正解と思われることについて書いたので、気になったらそこまで読んでね(威圧)。
説明不足は情報を意図的にはぐらかした結果?
おぼろげな記憶の中に、『シナリオの最初の部分だけ説明多めで作り直した』みたいな情報を見た気がした。
それで前半と後半ですごい食い違っているのかと思ってインタビュー記事を改めて読んだがソースを見つけられなかった。
あげピピが最初しか出てこないのは何らかのシナリオ変更の余波っぽいのだが……。
堀井雄二さん×藤澤仁さん×横田賢人さんが語る! 『DQⅣ』の世界観で描く『ドラゴンクエストモンスターズ3』誕生秘話
https://www.ndw.jp/dqm3-interview-231217/
しかしインタビュー記事を読むと、人間の倫理観が終わっていたり、人間を滅ぼしたくなった理由が説明されず、ここら辺の善悪の説明が異常にはぐらかされている理由が何となくわかった。
インタビュー中では『人間(特に勇者)を悪者にしたくない』『敵側に深く感情移入するシナリオを作ると傷つく人がいるのでしたくない』『誰も下げない物語にしたい』のような事が語られている。
つまり『エンドール市民は何でいきなりエルフを虐待するの?どうしてピサロは人間を滅ぼそうとするの?』を説明すると人間が悪いことになるので説明されないのである。
そして『魔族はどうして人間や他の魔族と敵対しているの?』も詳しく説明するとヘイトが生まれるのでされないのだろう。
ザガンギエル達が普通に人間と敵対しててピサロの人間滅亡の目的に手を貸している事がはっきり説明されない理由を「心証が悪くなるから」と解釈したが、インタビューを見るに本当にそうなのかもしれない。
そんな中できっちり超便利な悪役としてヘイトのすべてを押し付けられるディオロスとエビルプリーストの哀れさは涙無くして語れない。
すべてをはぐらかすことでシナリオに課せられた課題を回避しようとした結果、意味不明なストーリーが出来上がった。というのが話が意味不明な理由の一因かもしれない。
こう書くと偉い人が押し付けてくる制約がきつくて話がおかしくなったように読めるし、他のドラクエシリーズの悪役も同じ理由で悲しき過去を持つことが許されていないっぽいのは実感としてある。
しかし説明を省いたら成立しない話を提出してしまう時点でライター側の実力も大いに疑問である。
3:中級2回目クリア時、ロザリーヒルの夢1回目のシーン
ロザリーヒルの夢(一回目)は皆さんお馴染み、ドラクエ4の5章のイムルの村の宿屋で寝た時に見られる変な夢の事である。
このシーンはファミコン版とPS版で若干の差異があるようだが、モンスターズ3はPS版が元になっている。
PS版は情報の補完が増えていたり、セリフの細部が違ったりする。
これはファミコン版では容量の都合で盛り込めなかった部分を増やしたり、「ぐふっ」や「ひきあげじゃあ」のようなレトロなセリフを修正した余波と解釈できるが、そこ以外にも大きな違いが一つある。
ロザリーの今際がファミコン版では「やぼうをすててわたしと……ぐふっ」なのが、PS版では「野望を捨てて私と二人きりでずっと……(しぬ)」と、ロザリーの望みが「二人きりでずっと」とPS版の方がかなり具体的になっている。
モンスターズ3で中盤ロザリーが急に「人間滅ぼすとかそんなことやめて(わかる)一緒に暮らしましょ(理論の飛躍)」みたいなことを言い出すのは、PS版のこの部分を踏襲したのかもしれない。
さてドラクエ4とモンスターズ3の場面を比較すると、ロザリーのセリフがドラクエ4とモンスターズ3でほぼ同じである。
(*ピサロの「巨大な存在」というセリフがモンスターズ3では「強大な存在」に変わってたりはする。)
ロザリー自身の口から「いい子にしていた」なんて普通自分で言うと痛い発言が飛び出していたのは、ドラクエ4のピサロが「いい子にしていたか?ロザリー」みたいなことを言ったのをロザリーの口から説明させたからだったのだ。
しかし言葉というのは発する人物の立場が変われば、聞いている側の受け取り方も変わる。
ロザリー側が「いい子にしてた」とドラクエ4のピサロのセリフを伝えようとしても、プレイヤーはモンスターズ3のピサロがそんなキザったらしい言い回しをするなんて思い至らず、ピサロの人格が分からないままだ。
モンスターズ3だけプレイしているとピサロが喋っている場面なんて見たことが無い。
ましてロザリーはプレイヤー目線では今まで訳の分からないキャラで通してきているので、彼女に対してピサロが「いい子にしていろ」とか言う関係だと気付けるシーンはない。
ドラクエ4にもこういうシーンあったな、とドラクエ4をプレイ済みの人ならみんな気づくと思うが、まさかイベントがほぼトレースした内容だからピサロがこの場面でとんでもないことを本来口走っているとは、意外と気づかないのではないだろうか。
プレイヤーとしては、ドラクエ4の場面のトレースなんて求めていなくて、モンスターズ3のシナリオとしての説明をしてほしい。
事実、配信等の該当部分の反応を見ても、『なんで急に人間を滅ぼすことにしたの?なんでロザリーの願いを無視して急に訳の分かんないことをし始めたの?』みたいな反応が大半で、やっぱり意味不明なのである。
人間を滅ぼす宣言(二回目)
さらに問題な事がある。この場面はドラクエ4ではピサロが人間を滅ぼすつもりだということをプレイヤーが初めて知るシーンだ。
しかしモンスターズ3のピサロは、天空城の一幕の際に既に人間を滅ぼすと宣言済みである。
なのにこの場面でまたロザリーにそのことを語っている。
そしてロザリーも一度聞いた話のはずなのに、まるで初めて聞いたかのように「なんですって!?」と驚く。
シナリオ中に同じ事を二回説明しており、シンプルに酷い。ソースの二度つけならぬシナリオの二度付けである。
一応、ピサロが急に人間を滅ぼしたくなった理由はモンスターズ3内で説明されている。いや天空城の時はどうだったか結局わからないんだけど、この場面については説明がある。
この場面の前のイベントが、あの悪名高い(シナリオ的に二重の意味で)ディオロスが勇者の村を襲撃するイベントだ。
そこで物陰に隠れて襲撃を見ていたピサロは、襲撃されている村人というよりなぜかシンシアだけを助けようとするのだが、同行していたムジャラー達に「飛び出したらディオロスに殺される」と止められる。
ムジャラー達からしたら勇者を殺すなり攫うなりで無力化にきたはずの主が、なぜか敵だし目標の勇者でもない人間を助けようとするのだから、まるで意味不明だっただろうな。
すべてが終わってディオロス達が去った後、エビルプリーストが現れて「人間同士の絆ってやばいですね」みたいなことをピサロに吹き込む。
エビルプリーストはモンスターズ3における最大の詐欺師役なのだが、ここの語りは『確かに魔族から見ると人間やばいかも…』という内容に聞こえる。
このライターの作品、詐欺師の方が一般人より発言がそれっぽいのである。少なくとも私にはロザリーやベネットの言動よりエビプリの言動の方が分かりやすい。
ピサロはエビプリの発言をなぜか真に受けたのか、『人間の絆やばいから人間を滅ぼさなきゃ』という思考になったらしい。
だから改めてロザリーに人間を滅ぼす決意を語った、というわけなのだ。
うん、ピサロは馬鹿だからずっとエビプリに騙されてるんだ。
プレイヤーはピサロが人間を滅ぼすことにした動機を
『ロザリーの件からエルフやドワーフのような異種族を虐げる人間を駆除する目的』
『魔族なのがバレて人間に家を焼き討ちされた経験から、人間が魔族を襲ってくるのだから魔族が人間を滅ぼすのも道理』
みたいな内容だと無理やり納得して話を読んでいる。
だが村襲撃事件では『魔族側が罪のない人間を襲うという現実』『人間にも他人を助ける良識や絆のある者がいる』という、ピサロの動機と真逆の結果が待ち受けていた。
シンシアを助けようとしたのも、ピサロのやさしい人間性を表しているとプレイヤーは受け取る。
シンシア以外の村人はスルーなのでそんな人間性なんて大層なものではなく、『シンシアんほぉ~』というメタ的な事情でシンシアだけ助けようとしたようにしか見えないが。
だからシナリオがまともな普通の作品なら、ロザリーの所に来たピサロは
『魔族もヤバイからよくわかんなくなってきた』
『人間にもシンシアの様な自己犠牲ができるいい奴はいるんだな』
『人間って本当に滅ぼしたほうがいいのかな?』
等と葛藤し始めるはずだ。
しかしこのゲームはモンスターズ3であり、そもそもピサロが人間を滅ぼす目的自体、ピサロがやめようと思えばやめられる程度の軽い行事である。実際後で気軽にやめてるし。
これはドラクエ4のピサロは人間を滅ぼすのをやめていなかったはずだが、モンスターズ3ではサッとやめるのでドラクエ4が原因でもない。
なのでまともな展開をしてしまうと、プレイヤーから見たら悩む位ならやめなよという感想にしかならない。
それにこの時点で人間を滅ぼすのをやめられると、ドラクエ4の原作再現に差し支える。
だから、エビプリが全部悪いことにしてシナリオ的に面倒な事をすべて解決して、ピサロはそれに全く抵抗できず人間を滅ぼしたがる必要があったんですね。
あまりにもエビプリの思い通りすぎてピサロが馬鹿としか考えられなくなったが、ライターはドラクエ4の元々の流れを完遂すること以外には興味が無い。
それこそリュノとベネットへの熱量と比べたら、ピサロとロザリーの描写はおざなりでどうでもいいと思っているようにしか見えない事もあり、このバカピサロ化へのフォローはシナリオのどこを探しても無い。
騙してきた相手であるエビプリへのリベンジは、ただ力で黙らせるだけで、意趣返しとか何もない。これだけ騙された分を挽回できるほどのカタルシスは得られない。
そしてプレイヤー視点で見ると
『ディオロスの方がやばいじゃん』
『なんかピサロはシンシア助けようとしてたのに何で人間を滅ぼすことになるの?』
『ランディオルを倒す最終目的のために人間を滅ぼすってどういうこと?』
という疑問で頭がいっぱいである。
だからピサロが人間を滅ぼすとかロザリーに改めて言いだすやり取りはプレイヤー目線だと完全に意味不明に感じられ、ドラクエ4でこういうシーンあったから再現してるファンサービス、というシナリオが本来想定しているであろう読み方にはたどり着けなくなる。
何気にエビプリがシンシアが勇者を庇ったことを知っているからこういう事をピサロに吹き込める。しかしこれは非常に問題のある描写だ。
だってつまり、ピサロ・ディオロス・エビプリの勇者の敵側3名がドラクエ4最大のトリックであるシンシアのモシャスを見破っているという、もはや冒涜レベルの酷い筋書きになってしまうからだ。
プレイヤーにはバレバレだけど敵にはバレてないから成立する話なわけで、敵側にバラしたらダメだろ!!
なんでそんなことが気軽にできるのかというと、プレイヤーにはバレバレというプレイヤー目線の話を、なぜかキャラクター自身の目線に適用することに躊躇を感じてないからでしょうね。
これまで理論展開とか説明とか倫理観とかが既に滅茶苦茶だったけど、どうも後の描写から見るに、プレイヤーにだけ提示された情報をいつの間にかキャラクター全員が把握していることになっていたり、そのキャラクターしか知らない情報でキャラ主観のセリフを構築できていなかったり、多角的な視点での描写ができていないように思われるのだ。
ミンミがピサロを呼びに行く時に「エルフのロザリー」と言ったり、エルフの女王が「古代エルゼト王国」と古代を自称したりね。デスパレス勢が人間を滅ぼそうとしてるのもそうだし、ピサロから見てディオロスが悪いことになってるのもかなり怪しい。デスピサロが村を襲撃したと思っているはずの勇者がなぜか襲撃犯をディオロスだと正しく認識しているのもそう。
探せば似たようなクセはもっと出てきそうだ。
この村襲撃イベントへの指摘は本当に酷いせいで話し出すと長いので割愛させていただく。
エスタークの設定変更が引き起こした描写のボロ
最後にもう一つ気になった個所がある。
それは人間を滅ぼすとか言われたロザリーが最後に「このままでは世界が滅んでしまう」とか言い出すことだ。
これはドラクエ4ではピサロが「進化の秘法で最強になって世界を焼き尽くす」旨を発言したことを受けて、文字通りそのまま世界が焼き尽くされて終わることをロザリーが嘆いた言葉なので、ドラクエ4の時点ではそこまでおかしくない。
だがモンスターズ3の状況で考えるとおかしいのである。まあここの流れ全部おかしいのだが。
ピサロの視点では進化の秘法がどういう物なのかこの時点ではよくわからないので、世界を焼き尽くすほど強大な存在になれる、みたいなエビデンス(根拠)を得られるシーンが無いのである。
ドラクエ4のピサロはバルザックを通じて人間に使うと魔物になってすごいという実験結果をある程度知っていた。
それにドラクエ4では、じごくの帝王であるエスタークは進化の秘法を使って進化した存在だからピサロも進化の秘法を探している、みたいな話なのでピサロが結論を把握していてもおかしくはなかった。
しかしモンスターズ3のピサロがこの時点で知っている進化の秘法の情報は、エビプリに吹き込まれた「なんかすごくなれる」という話と、アグルカ博士という進化の秘法研究担当が語る無害な情報だけである。
モンスターズ3でもエスタークは進化の秘法を使ったんじゃないの?と思われるかもしれないが、その設定が改変されたせいで話がおかしくなっている。
モンスターズ3のピサロ視点だと、災厄の魔宮・初級がエスタークの情報を得た最初のシーンだ。
ここでは進化の秘法という単語は一切出てこず、エスタークは天地創造の秘術をイシュカという天空人の女が盗んで、世界を滅ぼすために作り出した怪物ということになっている。
いきなり話がそれるが、ここのイベントを見返しているときに気が付いたことがある。
ポエム看守ことリュノは 「ここの記憶にあなたの旅に必要な情報があるはず」とか言っている。
『ここの記憶を見たことでピサロはエスタークが必要になると感じた』的な事を言いたいのかもしれない。
……なんで世界を滅ぼす情報が旅に必要なんだよ。「悪い話じゃない」とか言って進めてくるのはいかにも詐欺師らしいセリフだ。
この後のピサロの暴走の原因がここの記憶の情報であろうことを思えば、この時点から既にリュノはクソ野郎だ。しかしリュノは作者のお気に入りなので、この点にツッコミを入れて非難するキャラは出てこない。
さて、ここの回想によると、エスタークはモーハの火矢とか言う謎のオリジナル技でわずか数日で地上の半分を焼き尽くす。ちなみにゲームシステム上モーハの火矢とか言う技をピサロが戦うことになるエスタークは使ってこない。
まあイシュカの望みである滅びを比喩した言葉か、イスナのモデルの輸入元であるドラクエ10の災厄の王がインドラの矢を放つことから影響を受けた何かなのだろう。特に意味はなく無駄にかっこつけてるだけである。
エスタークが地上を全部焼き尽くしていないということは、生まれて数日後にはマスタードラゴンに封印されたのだろう。しょぼ。
ちなみにこの回想中、唐突に「お母さんどこ!?お母さん!」という謎の女の子の悲鳴が聞こえる。
世界を滅ぼすキチガイVSマスドラの構図なのに急に話のレベルが下がるが、どうしてもかわいそうな子供の描写を入れたかったのだろう。
エスターク誕生時点では人間も魔族もいなかったらしいので、滅ぼされてる地上に住んでいるこの女の子はエルフということになる。そこまで考えてセリフを書いてるとは思えないし、そうだったとしても何の意味もないけど。
ところで地上にエルフや多分ドワーフしかいないのに世界を滅ぼすって、いったいどんな世界なら納得するんだろう。
こういう破壊者のよくある動機は人間と魔族が戦争と他種族の迫害ばっかりしてて醜いから、とかだけど、ただただ滅ぼすとしか言われないのでイシュカは本当に頭がおかしいだけである。だって頭のおかしい破壊者にやりたい放題やらせれば話が簡単に進んで便利だからね。
話を災厄の魔宮・初級のイベントの説明に戻そう。
ここでエスタークが地上を焼き尽くすイメージをピサロに見せているのは、一応この後ピサロが地獄の業火で地上を焼き尽くすとか言い出す事に配慮したのかもしれない。
しかしここのイベントで半端にエスタークの情報を与えたせいで、ピサロは頭のおかしい天空人の女が生み出したヤバイ兵器を自分で従えられると思ったおバカさんということになり、プレイヤーはこの後『何でそんなやばいもので地上を滅ぼすの?ピサロいつの間にそんな凶悪な性格になったの?』と疑問が沸き続ける。
しかもこの後、災厄の魔宮・上級まで行くと2体目のエスタークが現れるのだが、その時のピサロ達の会話の様子からすると、ここで回想シーンを見たのにエスタークが3体いることを知らなかったようなのである。
となると、多分ピサロ達が知った情報はここでプレイヤーが見た映像と恐らく同じものであり、そうなるとおなじみのエスタークの姿すら目に入らなかったわけで、なおさらピサロがエスタークを従えようとする理由が分からなくなってくる。
まあ単純にザガンギエルを従えるのと同じノリでエスタークも従えようとしてるだけで、災厄の魔宮の情報が実はピサロの動機には全く関与していない可能性も一応ある。でもリュノはピサロに役立つ情報って言ってたから関係ないわけないわ。
しかしどちらにせよ、ピサロがエスタークを従えられると思える根拠がなんなのかプレイヤーには全くわからないし、エスタークの中身がわからないなら役に立つかもわからないし、勇者に倒される運命程度の存在に関わる必要性も不明だ。
設定が元のエスタークのままなら、ピサロも進化の秘法を研究してるからそれでエスタークを制御するとかそれっぽい理屈がつけられたかもしれないが、実際のピサロはノープランである。魔物は倒せば仲間になるわけじゃないのは今まで散々描写された気がするんですが。あとピサロが倒せる程度の強さのただの化け物って、部下として使えそうなザガンギエル等普通の魔物と違って全く利用価値がないのでは。
とにかく、何もかも先の展開ありきでいきなり進めるせいで、プレイヤーの視線への配慮ができていないのである。
作中で提示されていない情報をもとに話を進めまくりなのに、プレイヤーは言わなくても知ってるからいいだろという態度がまかり通っている。これはまさしく説明不足という奴である。
ちなみに、エスタークという名前は災厄の魔宮・初級時点では一言も出てこない。
次のエスタークの情報は天空城で、ここにある任意閲覧の書物には『天地創造の秘術とイシュカについて書かれた本』と、『進化の秘法は災いの元で、地中深く閉じ込めよと書かれた本』が置いてある。
流れから言えばどう考えても天地創造の秘術=進化の秘法なのだが、そう明言されるシーンはモンスターズ3の作中で多分一度もない。
おそらく明言するとそんなものを生み出した上に盗まれたマスタードラゴンが悪いことになるから言わないで誤魔化しているのだろう。
しかもこの書物は読まないこともできるので、ピサロがここでエスタークと進化の秘法の関係を知った事にはできない。
エスタークの名と地獄の帝王という呼称はマスタードラゴンとの対談中に初めて出される。
災厄の魔宮でのエスタークの呼び方はあらゆる場面でコロコロ変わり、エスタークごとに名前が違うとか、そもそもエスタークという名前も本名ではないとか、とにかくいろいろ設定が出てくる。
正直プレイヤーからするとどうでもいい部分にばかり無駄にこだわっているように見える。オリジナルのエスタークの名前がクークでクソださくて不快だし、話の分かりやすさへの配慮や原点の”エスターク”を尊重する気が感じられない。
この表記ゆれのせいで、マスタードラゴンが言っているエスタークがさっき災厄の魔宮で見た存在と同一と若干分かりにくくなっている。
さらにプレイヤー視点だと災厄の魔宮での回想中には一切エスタークの姿が出てこないので、マスタードラゴンが見せたイメージ映像がさっきの奴らだというのは、ドラクエ4を知らない人だともしかしたらわからないのではないだろうか。
エスタークを知らない人だと、なんか変な魔王みたいなの出てきて倒せって言われた!?となってもおかしくない。
さらに読解力も0にして話を聞くと、初めて出てきた存在であるエスタークを突然ピサロが従えるとか言い出したように聞こえてしまう可能性もある。
流石に地獄の帝王エスタークとだけ言われて仲間にすると言い出すのは理外の発想だ。なので災厄の魔宮で情報を見たからそういう話が始まった、という文脈なのは間違いない。でもマスドラはその事に触れないで話を進めるからプレイヤーだけ文脈を理解できないんですけどね。
天空城対談が意味不明なのはこの辺の無駄なエスタークの呼称の安定しなさ、設定変更の煽りでもあるだろう。
流石にあの流れでエスタークがよくわからないとか言い出すのは文盲過ぎる、と思われた方もいるかもしれないが、それはとてつもない勘違いだと切り替えしておこう。
何故なら、エスタークは3匹いてそれぞれ姿形が違うからだ。3匹がどういう役割だとかどの順番で復活するとかの詳しい設定は無いので、やろうと思えば最初に復活するのがお馴染みの奴ではない可能性も存在できる。
もしマスタードラゴンが見せてきたエスタークがクークではなくジュマだったら、特にドラクエ4既プレイ者ほど大混乱するのではないだろうか?
エスタークについて明言せずに、言わなくてもわかってるだろうという前提だけで話を進めるのは、とても乱暴であり説明を放棄している。
ついでに言うと、エスタークが3匹になったせいで発生した問題はもっととんでもない部分にまで及んでいる。
モンスターズ3では導かれし者たちはエスタークを倒すのが使命みたいになっているのだが、いつもの奴は原作通り倒すものの、彼らは残りの2匹をなんとスルーする。
ジュマはめんどくさい所に封印されているのでまだわかるが、イスナはエスターク神殿内のクークよりも少し奥の場所に封印されているため、勇者たちはそれに気づかずに帰ったことになってしまっている。
しかもマスタードラゴンもクーク以外のエスタークについては全く言及せず、シナリオの流れから完全に忘れ去られている。一応直接話しかけに行くとなんか言うが、直接呼びつけるほどの業務だったのにこの後ピサロにシナリオ上で説明しないのだ。
結果として、ほっといたら2匹とも勝手にピサロが倒したみたいになっている。いや倒せって言えよ、あまりにも粗雑すぎる。設定を変更してエスタークを増やしたけど、それの余波は全く考慮されていないのである。
とにかくロザリーヒルの夢一回目の会話まで、ゲーム中でエスタークが進化の秘法を使って生み出されたと明言されたシーンは無い。
ドラクエ4のエスタークは元魔族の王らしいのでピサロはそれを復活させて擁立することで人間を滅ぼそうとしていた話でもあった。
しかしモンスターズ3では魔族の王でもないし、進化の秘法も使ってないし、世界を数日で滅ぼしてるやばい化け物だしで、ぶっちゃけピサロがエスタークを従えようとする動機がよくわからないのである。
モンスターマスターだから捕まえたくなったとでも言われれば逆に納得するが、そんなこと一言も言われてないし。
話がエスタークの矛盾の指摘にズレたが、この時点のピサロは進化の秘法で強大な存在になって世界を滅ぼすとか突然言い出せる根拠がほぼ無いのである。
さらには人間を滅ぼすのが目的のはずで、人間界を滅ぼすのはそこにいる人間以外に影響が出るから目的じゃないはずなんだけど、その目的による効果の違いを説明する様子もなく、余計に混乱する。
世界は魔界と人間界の二つがあるのに、人間界が滅ぼされることに対してロザリーが”世界が滅ぶ”とまるで世界が一つしかないかのような表現するのも不自然だ。
ドラクエ4のロザリーはずっと人間界にいたことになるけど、モンスターズ3のロザリーは今まで散々魔界にいってたわけで、その違いも考慮されていない。
何でこんな突拍子もない理論展開が出来るのかと言えば、そうです。
あらゆる設定の変更を無視してドラクエ4の会話をそのまま持ってきたからです。
モンスターズ3の進化の秘法周りの設定がおかしいのは、身もふたもない言い方をすればピサロが進化の秘法でデスピサロになって破滅するという結末から逆算して書いているとしか思えないからである。
一方で、何故かエスタークの設定にもよくわからない変更を加えてしまったから、プレイヤーはつじつまを合わせるのに風速100m位で都合の悪い部分を読み飛ばさないといけなくなってしまった。
大抵の人は風速0mで都合の悪い部分を全部目に入れてるので話が全く理解できない。
さてロザリーヒルのシーンを分析してみた結果、『改めて人間を滅ぼす決意をするピサロ』というちょっとどころではなくおかしい話の流れと、『今までまともに説明されてない進化の秘法が、いつの間にか世界を滅ぼしたりエスタークになれたりすることになっている』事が分かった。
それもこれも、ドラクエ4のシーンをそのまま持ってきてしまったせいだ。
そうまでしてこれはドラクエ4と同じ話ですよ、という流れを作りたかったのだろう。
そして最後、「お願い誰かピサロ様を止めて、誰か受け止めて私の願い!」とさめざめ泣いてルビーの涙を排出し、悲しみの感情をあらわするロザリー。無論ドラクエ4のシーンの再現である。
なお、ロザリーはこの後進化の秘法を作るためにあれこれするピサロに普通について行く。
4:中級4回目クリア時、勇者がロザリーヒルを訪れた後のシーン
この場面はモンスターズ3のオリジナルで、ドラクエ4には無いシーンだが、セリフからドラクエ4の影響が感じられるので分析していこう。
ピサロがデスパレスに出かけてホイミンによくわからない話をされている間に、勇者がロザリーの元を訪れていたらしい。
ピサロナイト関連の描写が酷い
ロザリーの身辺警護をしていたはずのピサロナイトことパーシヴァルは普通に勇者にボコられており、村の警護の役目を果たしていない。
ちなみに、パーシヴァルがピサロナイトと名乗り始めた(ピサロが名付けた)のは鋼鉄砦・上級からなので時系列の矛盾が生じる、という感想をネットで見かけた。
その通りである。ライターは感動っぽい話が出来れば設定とかどうでもいいから気軽に矛盾する。
一応言い訳としては勇者から見るとピサロナイトに見えたかのかもしれない。まあパーシヴァルの性格的に自分から名前を名乗ってそうだし、わざわざ上級で名前を付けてしまったせいで変になったのは確かだ。
まともな魔王ならここでロザリーヒルのセキュリティに疑問を持つと思う。
ドラクエ4のピサロはおそらくロザリーに頻繁に会いに来なかった結果、ピサロナイトが勇者に殺された後にセキュリティを更新することが出来ず、後に搭への悪漢の侵入を許してしまったのだろう。
モンスターズ3のピサロは作中の描写を見る限り本当に馬鹿としか考えられないので、人間に搭に侵入されたことを知っていても何もしない。ちなみにあやかしの笛のセキュリティが無いのはさすがにゲーム都合だろう。
まあピサロナイトはこの後侵入者に負けるとか以前の酷い失態を晒すのだが……。
ちなみに、ピサロナイトはロザリーの目の前で勇者にボコられて酷い目にあったはずだが、そのことに関するロザリーからのコメントは一切ない。まあ原作にそういうセリフないし、何か言うと勇者が悪いみたいになるもんね。
それよりも自分の身辺警護をしてくれているパーシヴァルを近くを通ったから程度の特に必然性の無い理由(*ドラクエ4はピサロナイトを倒してロザリーに会わなくてもシナリオが進行できるから、ピサロナイトを倒すのは必須ではない)で傷つけた勇者は、ロザリーの基準では酷い人にはならないらしい。目が清いからね。ピサロは酷い認定したのにね。ロザリーの倫理観は全く意味不明である。
本来ドラクエ4には存在しないシーンの再現
念押ししておくが、このシーンはドラクエ4には本来存在しない。ドラクエ4では勇者視点でしかなかったイベントを、何故かピサロ視点に再翻訳してまで再現しているのだ。
まあエンドール武術大会とかも存在しないシーンだったが、この塔での会話シーンが特殊なのはオリジナルシーンではなくセリフを引っ張ってきている点だろう。なので照らし合わせて分析というか難癖をつける対象に選んだ。
それはさておき、ドラクエ4で勇者がロザリーヒルのロザリーに話しかけた時のセリフはFC版とPS版で少し異なる。
FC版ではロザリーがいきなり「世界がまものたちに滅ぼされようとしている」と語りだす。
PS版では少し違いがあり、「あなたは人間だけど澄んだ目をしている、私はロザリー」とエルフは人間に抵抗がある事に触れつつ、ロザリーの自己紹介をしてから語り始める。
FC版だとこのエルフがロザリーなのか周りの様子から推測するしかないので、はっきりさせるために自己紹介が追加されたのだろう。エスタークが何なのかはっきりしないまま話を進めたモンスターズ3とは説明力に雲泥の違いがある。
その後のセリフはFC版・PS版で同じだ。
モンスターズ3のこの場面は、ドラクエ4でのロザリーと勇者の会話を受けての展開となっている。
ロザリーはピサロに「勇者いい人だったけえ人間も卑劣な者ばかりではね」と伝える。
重ね重ね繰り返すが、プレイヤー視点ではピサロが何故人間を滅ぼしたいのかはっきりしなかった。それがロザリーのこの言葉からからようやく「人間卑劣だから滅ぼす」みたいなことをピサロが周りに触れ回っていたと推測できるようになる。まあ相変わらず明言はしないから話がふわふわするのだが。
しかしこれはピサロの動機として正解ではない。いやシナリオ内でもピサロの動機が二転三転してるのおかしいだろ。
この原因ももうお分かりですね、ドラクエ4のセリフをそのまま持ってきているから、モンスターズ3のピサロのオリジナル設定には対応できないのだ。
言ってしまえば、ロザリーはずっとドラクエ4のピサロとベネットとしか会話していない。モンスターズ3のピサロの事とは1ミリも会話していないのだ。そりゃそうだ。だってピサロがドラクエ4のピサロと基本的に同じ存在ってことになってるんだもん。
シナリオが破綻してる以外の描写が違う理由を考えると、単にロザリーがピサロの事をよくわかってなくて、自分が想像した動機を話してるだけの可能性もある。プレイヤーにはわからんわそんなこと。
そしてロザリーは「人間を滅ぼす”野心”はもう捨ててください」とピサロに懇願する。天空城について語った前項では、この場面の”野心”というキーワードから色々な解釈をした。
ピサロ側の人間を滅ぼす動機は正解を知っていると野心ではない。……はず。
だからピサロはロザリーにやたら人間を滅ぼす決意を語っていたはずなのだが、ロザリー側からは完全に拗らせてるとしか思われてない。
こいつら一応お互いが大事な存在のはずなのに、全くコミュニケーションが取れていないのである。
モンスターズ3はロザリーの描写が酷い
ちなみにロザリー本人は実際に人間に酷い目にあわされた立場だが、それでも人間を庇うバックストーリーみたいなのは全く語られない。
そもそもロザリーがエルフの集落で暮らしていたとすれば、そこに住むエルフの仲間も人間に酷い目にあわされまくっているはずで、エルフに酷いことをする人間をロザリーが庇う理由がわからない。
ちなみに、ロザリーの作中の人間関係は『ピサロとベネットとミンミ』だけで、それ以外の人間関係があるのか不明だ。
だって、彼女がどういう生まれ育ちなのか全く説明されないんだもん。
おばあちゃんという単語が後半出てくるので、ロザリーはエルフの集落で家族と暮らしていたはずなのだが、彼女の人生を感じさせる情報は本当に一切出てこない。ベネットの生い立ちには熱を入れて描写してるのにね。
一応ドラクエ4では世界樹の根元にエルフの里があるので、この世界のエルフが非常に希少というわけではないはずなのだが、その話題に触れられることも全くない。
ちなみにリメイク版以降のドラクエ4ではピサロはエルフの里を焼き払おうと思っていたらしい。エルフの里に連れていくとそういう仲間会話が聞けるらしい。
ピサロはロザリーの為に人間を滅ぼそうとしていたはずなのに、エルフも普通に抹殺対象となると話が大分おかしくなってくる。
ドラクエ4でそうだった部分は自動的にモンスターズ3にも適応されるので、こっちのピサロ様はそんなひどいこと考えてない!などという言い訳は通用しない。そうじゃないと特にエスターク関連とデスパレス関連の説明がつかない。
魔族とロザリー以外滅ぼすつもりだとしても、ロザリーヒルのドワーフは何故対象外なのだろうか?普通にロザリーの仲間も手にかけるのはひどくないか?理由あるのか?
実はPS版ドラクエ4で追加されたセリフの時点で、ピサロの行動原理がかなりおかしくなってしまっている。
ピサロの仲間会話が聞けるのは6章以降で、仲間会話由来の天空城に入れない設定が拾われていることを考えれば、6章ピサロの仲間会話のキャラ付けにも同じライターが多少なりともかかわっている気がする。
モンスターズ3のピサロが中級編では基本的にドラクエ4のピサロと同じ思考回路と描写されていることを考えると、エスタークで地上を丸ごと焼くってことはこの里のエルフも滅ぼすつもりなことになる。もうピサロが”何のために”、”何を”滅ぼそうとしているのか、プレイヤーには全くわからなくなってきちゃった。考えないことにしよう。
まあ、ロザリーが非常にうすっぺいらいキャラクターなのは元の設定がファミコンで貧弱な描写だから、しかたないと言えなくもない。でもリメイクするなら普通そういうところを強化していくと思うのだが、どんどんひどくなっていくばかりだ。
勇者は生きている、と伝えたせいで生じた激しい破綻
それはそうと、ピサロはちょっと前まで頑張って勇者を探してたはずだ。
天空城の対談の後、ムジャラーとメダリカを呼びつけて『エスタークが復活するんだけどそれを倒せる勇者が現れた』から勇者を探すように伝えている。
つまりピサロは『勇者にエスタークを倒されないように勇者を確保する』つもりだったっぽいのだ。
そのためにピサロ自らが(強いものが出場するから勇者も出場するかもという謎の理由で)勇者を探すためにエンドール武術大会に出場した。
それなら試合観戦するだけでいいんじゃないっすかね?と思うが、原作だとピサロは相手を殺しているので、試合に見せかけて暗殺するつもりだったのかもしれない。勇者の方が強くても殺されないだろうし。もしかしてニャーゼル賢い……?なおピサロはそもそも勇者を暗殺する気が無い模様。
結果としてニャーゼルが持ってきた
『じごくの帝王のうわさが人間たちに広まると、人間にエスタークを見つけられる(と勇者に見つかって倒される)』
という情報からサントハイムの人間を全員デスパレスに連れていくという、かなり意味不明な経緯でサントハイム誘拐事件を決行することになった。
ちなみに、サントハイムの人間はデスパレスの牢屋にいることになっており、ドラクエ4で同じ牢屋にいる人間と同じセリフを喋る。しかしドラクエ4でアリーナをここに連れていっても何もないので、誘拐事件のデスピサロ側の視点での補完はできても、ドラクエ4側の視点での補完はできていないことになる。
地味な疑問だが、ニャーゼルがエビプリの手下ということはこのサントハイム誘拐示唆も何かエビプリの有利になる内容だったのかもしれない。
しかしそういう理由付けは全くされておらず、単にドラクエ4で詳細不明だった誘拐事件をなんとなくピサロの仕業にしたかっただけだろう
いざ部下に丸投げしてた勇者が見つかると山奥の村に乗り込んでいく。ピサロが勇者をどうするつもりだったかは、宿屋でようやく説明される。誘拐するつもりだったらしい。そういえばピサロの手先も子供を殺害ではなく誘拐してたな。
結果としてディオロスの手で勇者が死んだことでエスタークを害するものはいなくなった。ピサロの勇者捜索の目的は達成されたわけだ。
前置きが長くなったが、さてここで問題です。
Q.ピサロ君はエスターク入手の障害になる勇者を排除出来ました。
しかしロザリーから「勇者は生きている」ことを告げられます。
ピサロ君はどうすればいいでしょうか?
答えは……
A.山奥の村の時点で勇者が逃げ延びたのを知っているのに、勇者を放置して帰ってきた。
勇者は見逃したけど、シンシアの献身を見て人間が脅威になるからと、人間を滅ぼす決意をその後ロザリーに語った。
エスタークを倒させないために勇者を探していた、という建前は勇者の村イベント完了でフラグが消えたので、その後話題に触れなくなった。
でした。
シンシアが勇者にモシャスしたのを知ってるなら、勇者は助かったこともさすがに理解してるはず。というかピサロは村襲撃シーンを全部見てるからディオロスが本物の勇者を殺さずに帰ったのも見てるじゃん。
ロザリーの話で勇者が生きていることを知ったのでこれから何かするとか、そういう次元の話ではなく、すこし前の時点でシナリオが既に破綻しているんですね~~~。
いや最初のOPの時点からか。原作通り魔族はだれもモシャスに気が付かなかったことにすればこの場は破綻しなかったと思うんですけどね。
ちなみにこのシーンでの本当の答えは『何も言わずにロザリーの前から去る』でした。
バグで参照先が無くなったプログラムみたいな挙動だ。どうしてそうなるのか、続きを書いていく。
セリフをパッチワークしてまで原作再現にこだわる
ロザリーは「勇者が来ました。人間も卑劣な者ばかりじゃない」の次のセリフで「どうか野心を捨ててください。そしてここで私と二人で……」と、そしてが何を意図するのかよくわからない、唐突な同棲発言をする。
モンスターズ3のプレイヤー視点だと、ピサロは既にロザリーとロザリーヒルで暮らしてる感じだったし、一緒に魔界で冒険しまくっている。なんで人間界ではおかしなことになってるのに魔界では普通なの?TPO弁えすぎじゃない?
なので急にロザリーから「親密になりましょう❤」みたいなことを言われてもピンとこない。お前今ピサロの事を人間滅ぼすなって拒絶してるんじゃないのか?
それにピサロとロザリーのイベントは出会いの流れと中級から始まったピサロのDVくらいで、お互いに助け合って絆を深めたみたいな描写は全然無い。
ベネットはそういうイベントが一応あったのにね。
お前らいつの間にそんなに親しくなってたの?というかロザリーってそういうキャラだったの?と突拍子がない描写に見えてしまう。
ロザリーの告白が唐突なのは、この後のドラクエ4のロザリーのセリフをトレース出来ないから、別のそれっぽい場面からトレースしてきたのだろう。
セリフのトレース元は勇者との会話シーンではなく、ロザリー死亡時の自身の発言「野望を捨てて私と一緒に暮らしてほしい」からとなっている。野望を捨てさせるというキーワードが共通するセリフから持ってきたのだろう。
それっぽいと言っても、色仕掛けで解決を図ってるようにしか見えなくて、何というか頭のいい会話ではない。
ちなみにこのセリフはモンスターズ3では後でもう一度言う。ロザリーはただでさえ中身のあるセリフ少ないのに、同じセリフ二回言ってるじゃねえか、もうちょっと違うセリフにしてあげようよ。
何故同じセリフを二回言わせてることになってまで、ここにコピペしてきたのかはよくわからない。
元の勇者との会話でロザリーは「ピサロとか言う魔物の親玉をぶっころしてくんなしぇ」みたいなことを依頼している。
しかしそれをピサロに言うのはさすがにおかしいため、珍しくセリフの論理性を考えたのか、ピサロの悪事を引き留める流れに変えたのだろう。
何気に今までロザリーは「ピサロさまどおして……」みたいなことを言うだけで、明確にピサロの行いをやめさせようとしたことは無かったし。
ピサロはロザリーと会話しに来たくせに、自分の事だけ言って逃げるから会話にならないし。
そしてロザリーの枕営業を聞いたピサロは、何も言わずに去っていく。
これは元となるピサロのセリフが無いので、本当に何も言わずに去っていったと思われる。
だからさっき参照元の無いプログラムみたいな反応だと例えた。
つまり、ロザリーの渾身の告白を無言でスルーしたわけである。両方やばすぎてお似合いのカップルだなあ。
勇者の生存に対しても当然何のコメントもない。
常識的な魔王の行動をシミュレートすると、ロザリーの話を聞いて殺したはずの勇者が生きていたと知ったなら、各地に追手を配置するとか、エスタークの捜索を急ぐとか、何かしら追撃のアクションを見せるはず。
しかしこのイベントのピサロ君は何も言わずに去っていくし、実は対策してたとかもなくエスタークはこの後予言通り勇者に倒されてしまう。
なんかこう、倒されちゃったのは仕方ないと思うけど、じゃあエスタークを確実に確保するために勇者を探してたのは何か意味あったの?誘拐なんてする必要あった?って思いますよね。
無いんですね。ドラクエ4がそうだったからそうしてるだけなんですよ。
『エスタークを確保するためにその障害となる勇者を探す』という目的は、勇者の村襲撃イベントにピサロを鉢合わせる為の建前に過ぎないから、ノルマ達成したらシナリオから忘れ去られるわけですね。設定だけでなく目的もその場で使い捨てるんですね。
ロザリーが口走った不穏な発言の意味
ピサロが去って行ったあと、ロザリーは「あなたに罪を重ねさせたくない。たとえそのためにあなたを失うとしても」と何かものすごく不吉なことを口走る。
これを聞いたプレイヤーは、『なんかロザリーがピサロを殺そうとしている!』みたいな印象を受けるようだ。
私の場合は『この後ピサロは破滅するわけだから、ロザリーがメタ的な未来を暗示しているのかな?』と解釈した。
話をシンプルな主観の理解ではなく、超俯瞰的に見てロザリーが予言的な言動をすると認識しなければ話が呑み込めなかったのだ。
こう思わないとやってられない位、物語側の説明が飛びすぎてプレイヤー視点で話がまともに理解できない作りであることをご理解いただきたい。
もちろん、『ロザリーがピサロを殺そうとしている』『ロザリーの予言』どちらの解釈も盛大に間違っている。プレイヤーにはこの場面の意図が1ミリも伝わっていない。
このセリフは単に元になっている勇者との会話のシーンからトレースされているだけである。
つまり元々ロザリーは勇者にピサロを止めてと依頼し、ピサロと親しい自分がピサロの仇になるようなことを勇者に話す動機が『これでピサロが死んだとしても、これ以上罪を重ねてほしくないから仕方ない』という趣旨のセリフだったわけだ。なんだ元は分かりやすいね。
モンスターズ3は前後の流れを無視して動機だけ話させて、ロザリーの利敵行為の説明は全くない。だから、いきなり動機だけ話すロザリーに何の話!?とプレイヤーはびっくりしてしまう。
そうなると、ピサロが何も言わずに去っていくという嫌なものを目にした小学生レベルの反応で逃げて行った理由を少し深読みできる。
ロザリーの『勇者が来ました』のセリフは、『勇者が来ました(のでピサロをぶっ殺してほしいと依頼しました)』と、()内を省略したセリフだった可能性がある。
つまりピサロはロザリーに『勇者にあんたを止めてと言いました』と言われたから、『勇者が自分を狙ってくる?』と思って去って行った、という意図の演出だったのではないだろうか。
そういう話をしたときの各人の視点がものすごく複雑なので、このライターがキャラクターの主観を意識してセリフを書けてない前提を考えると、考えにくい解釈だ。だから『ピサロは勇者が自分の所に来る』と思ったという情報だけを得たということにして視点を簡略化し、ロザリーに対して悪印象は持っていない、という解釈をしている。
もう自分でも何を書いているかわからないが、ライターがドラクエ4の元の場面そのままの意味ですよという書き方をしているのだから、プレイヤーに全く説明されないままピサロは勇者が自分を狙っていると知っていたことになってもおかしくはない。
だっていつの間にか『魔族の王になる=人間を滅ぼす』という意味だったと、プレイヤーが知らない間になってたし。
幸いなのは今後のシーンを理解するのに、ピサロ側の勇者の認識を説明されなくても特に問題ないことだろうか。
勇者を探すとかいってたの放り投げてるし、この後エスターク復活のシーンまで勇者はかかわってこなくて、そこから先は原作再現しなくていいからね。
さてこの一連の会話をドラクエ4を元に読み解いてみたが、意味が分かっただろうか。
前のロザリーヒルのシーンは、会話内容をそのまま持ってくるのに無理がありすぎて意味が理解できなかった。
このシーンはそもそもドラクエ4ではピサロとロザリーの会話ではない部分を無理やり改変しているせいで、会話自体が成立しないレベルの酷さになってしまっていると思う。
これなら元と同じく勇者とロザリーの会話にした方がファンサービスとしても嬉しかったのでは?と思ってしまう。
しかしモンスターズ3ではピサロとロザリーが常に一緒にいる(ように見える)都合上、ロザリーが勇者と話したことをピサロに内緒にし続けるのは、それはそれで無理のある展開である。
他のイベントを見ても、ゲームのテンポを優先して会話を圧縮したせいで意味不明になってしまったのでは?と擁護したくなるほど酷いシーンが多く、ここも勇者との会話をカットしてピサロに報告するシーンだけで成立するやん?という節約術の一環でこうなってしまった説もなくはない。
だが破綻した会話を無視して単純な二人のイベントとして見ても酷い。
前回はピサロがロザリーに言いたいことを言って逃げるクソ野郎ムーブをしていたが、今回はピサロが何となくロザリーの所に来たら嫌なことを言われたので無言で逃げた、という流れになってしまっている。
人間同士の対話の描写がおかしいのである。
ハッキリ言って仲の良いカップルには見えないのだが、この後も魔界では二人は普通に、本当に普通にやり取りする。
無論、原作再現をすると元のドラクエ4がこうだから仕方ない面もあるが、普通は設定や描写を肉付けしてファミコンレベルの描写から現代的な目線での視聴に耐えうる話へとブラッシュアップすると思うんですよね。
5:デスパレスでの一連のシーン
ドラクエ4ではピサロが魔族の王としてデスパレスを率いて活動するシーンがいくつかある。そこの素材も当然モンスターズ3に輸入されている。
デスパレス内部のまものに話しかけた時のセリフもドラクエ4とモンスターズ3で大体同じだが、ここでは割愛させていただく。
デスパレスでの演説
まず、ドラクエ4で勇者がデスパレスに潜入してピサロの演説を聞いたシーン。
ここはモンスターズ3では中級クリア時のデスパレスのシーンと対応している。
ドラクエ4では魔物達にじごくの帝王の復活を告げてアッテムトにGO!みたいな事を述べ、FC版ではそのままルーラ、PS版ではわざわざテラスに移動してからルーラする。
モンスターズ3ではピサロは最初からテラスで魔物達に演説し、その後ルーラでアッテムトに移動する。
この時、ピサロが語ったことにされているテロップの内容『ピサロは集まった魔物達にじごくの帝王の復活を告げた』がドラクエ4の『聞いてくれ、諸君!』から始まる演説と同じ内容だと思われる。
ちなみに勇者一行は城の中から猫の姿でこの演説を盗み聞きしていたことになっている。
テロップで喋ったことに出来るんだったら他の説明不足のシーンでもそうしてくれませんか?
この演説、ドラクエ4と違う部分が大きくある。ガヤの魔物達から「今こそ人間を滅ぼす!」みたいなセリフが飛ぶのだ。このセリフはドラクエ4ではデスパレス内の魔物が話すのだが、それを何故かこの場面でガヤにしたらしい。
今までモンスターズ3では、デスパレス勢の目的はランディオル打倒で、そのためにエスターク探してる、みたいな事がザガンギエルとのシーンでプレイヤーに大きく印象付けられたはずだ。
実際はここの魔物もドラクエ4と同じく人間と敵対しているし、メタ的に人間界の魔物達はエスタークで人間と戦うつもりなことがはっきりと語られたわけだ。
あなたたち、ランディオルと戦うためにエスタークを探してるんじゃなかったんですか?
もしこの物騒なガヤが無ければ、『ピサロがエスタークで滅ぼそうとしてるのはランディオルとディオロスだけで、人間を滅ぼすなんて一言も言ってません。ピサロがエスタークで人間を滅ぼすなんてプレイヤーが勝手にカン違いしてるだけです』というシナリオ側のとんちレベルの言い訳が可能だったかもしれない。だがこの場面でデスパレスの魔物が今まで建前に使っていた魔界の戦争の事ではなく人間の事を口走ってしまったからには、デスパレス勢力がドラクエ4と同じスタンスなことをもはや言い訳出来ない。
一応『ピサロがランディオルそっちのけで人間を滅ぼそうとしてるけど、デスパレスの魔物はどう思ってるの?こいつら正義の味方なんだよね?』という純粋な気持ちを持っていたプレイヤーにそうじゃないと説明した事にはなった。
なぜこんな誤解を招く表現になっているのか大いに謎だが、それを悟らせない正義の味方ザガンギエルの大芝居はもはや詐欺師の所業である。
言い忘れていたが、このライターの描くシナリオは詐欺師がいっぱい出てくる。調子が良くて理屈が通っていて何より分かりやすい説明をする奴ほど詐欺師である。現実と一緒だね。
逆に詐欺師じゃない奴は……人に分かるような話をしてこない。設定ノートに書いてある筋書きをそのまま読み上げたみたいな話し方をする。説明すると隠したい伏線とかを理解されちゃって都合が悪いのだろう。
エスタークの討伐シーン
デスパレスのシーンの次はエスタークが勇者に討伐されるシーンである。
モンスターズ3視点だといきなりエスタークが真っ白になっててえっ……となるが、チマとジンマー将軍が「地獄の帝王が人間ごときに敗れた」「エスタークを倒せるのは伝説の勇者だけ」「まさか……」とモンスターズ3としては珍しくちゃんと状況を説明してくれる。
ドラクエ4を見るとこのセリフはデスピサロが喋っているので、元からあるセリフだからちゃんと説明できたようだ。
ちなみに、ドラクエ4のピサロは山奥の村で直接勇者をぶっ殺したので、この場面で再開するまで勇者は死んだと思っているはず。
「地獄の帝王を倒せるのは勇者だけのはず」というセリフは説明と共にピサロの認識も表している。それを表しておかないと、『なんでピサロは勇者をもう一回殺しに来ないの?』という部分がおかしくなっちゃうからね。
しかしモンスターズ3のピサロは勇者が生きていることも、勇者の見た目も知っているので、このセリフをロザリーとの会話シーンのようにピサロが言ったことにすると非常にお馬鹿さんということになってしまう。
そういった事情もあって部下が解説しているのだろう。まあ人間を滅ぼす目的は画面外で部下と共有してるのに、なんで勇者が生きてることは知らせてないんだよというダメ上司属性が生まれてしまったが。
……いや、ちょっと待ってほしい。
エスターク発見直前のデスパレスの魔物達の中にいるがいこつに話しかけると、「勇者にエスタークの情報がバレた?!いやサントハイムの人間は残らず連れてきたからそんなはずはない」と話してくる。
えーと、これはつまりプレイヤーが知らない所で勇者が生きていることがデスパレスの魔物達に共有されてるってコト!?
あのですね、ピサロが勇者が生きてることを知ってるのはまあいいんですよ。ロザリーに直接言われたから。でもプレイヤーが知らないうちにデスパレスの魔物もそれを知ってることになってるのはダメなんですよ。そんな会話は一言もなかったから。どうしてこうなってるんですか?
怒りを抑えて、ドラクエ4のがいこつのセリフを見にいってみよう。
このがいこつはドラクエ4では「まさか殺したはずの勇者が生きていたとか。いやそんなはずはない。勇者はあの時確かに死んだはず」と話す。
つまりドラクエ4のデスパレスの魔物達は、確かに勇者の村に乗り込んでいいって勇者をぶっ殺したし、実は生きていることもはっきりとはわかっていないようなのだ。
これは私の邪推だが、このセリフをこのまま持ってくると勇者の村襲撃という物騒な所業がモンスターズ3のピサロのせいになっていしまう。だからセリフを変えてサントハイムと絡めたら、いつの間にかプレイヤーの知らない所でデスパレスの魔物達が勇者が生きていることを知ってることになったと。
いやまさか、そもそもデスパレスの魔物は勇者が村をディオロスに襲われてどうのこうの、とかいう情報自体知らないのでは?魔物は村に乗り込んでないわけだし、ピサロが勇者をどうするのかデスパレス内で会議してるシーンないもん。
そこはもう百歩譲ってしょうがないとしよう。一緒に行動してるんだから勝手に知ってることになってるだろ、というあまりにも乱暴な理屈で話を通そうとしてるのは今に始まった事じゃないし。
まあちゃんとプレイヤーの前でそれを伝えないから話がなんか唐突だって思われてるんだけども。
しかしデスパレスの魔物はこれまでランディオル倒しますとしか言ってないから、勇者と敵対してることになってるのもおかしい。そもそも勇者と関係悪くないっぽいのがディオロスとの戦闘前の様子でわかる。
つまりその、「勇者にエスタークの情報がバレた!?」というのは、デスパレスの魔物は別に勇者と敵対してない(からそもそも勇者が生きてるのか死んでるのかもよく知らない)けど、隠密に事を運ぼうとしてるスタンスの現われ、ということになってしまう。
いやおかしいだろ、親玉が勇者を探してたし、エスターク復活で人間滅ぼすの待ち望んでました!とか言ってるし、それなら勇者とは絶対に敵対するのに敵視してないのも変。
デスパレスの魔物の変な所をまとめるとこんな感じだろうか。
『デスパレスの魔物はスタンスがドラクエ4から変わってないんだけど、なぜかピサロというかプレイヤーの目の前でアピールする時は、上辺だけランディオルを倒しますという態度をする』
『ランディオルを倒すだのディオロスがどうだのいう目的は最初に言ったっきりで、中級の間は触れてこないのはピサロと一緒』
『こいつらは普通に人間を滅ぼすつもりで、ピサロと違って個々人は人間に手加減する理由が無いのに、ピサロがサントハイムの人間の”誘拐”を指示したことに対する疑問とか持ってない』
『エスターク確保・人類滅亡の目的から言って、普通に勇者と敵対しているはずなのに、そのそぶりも見せない。むしろ勝手に仲良くなってるようにすら見える』
(シナリオ制作上の理由で勇者が悪いことに出来ないので、勇者が人間界の魔物を殺しまくっててもそれを咎める事はタブー。
ただ、人間界で暴れている魔物は魔界から人間界へと攻め込んできたランディオルの手下で、ザガンギエル配下の人間界の魔物勢力は人間と敵対しておらず、ドワーフやエルフ位の距離感。ということにしておけば、大体の問題は解決したような気もする。)
『ピサロがデスパレスで普段どうしてるかの説明が無く、ドラク4のイベント再現の時しか会話しないのに、ピサロの知った情報を画面外で共有してることになってる』
なんというか、こいつらはシナリオ的にひたすらその場しのぎの言動しかしてない。ということになる。もうやだ。
なおドラクエ4のイベントが終わると、特にエスタークがどうとか勇者がどうとか言われることも無く、打倒ランディオルの目的に勝手に切り替わっており、ピサロが覇王城に乗り込んだ時に応援に来る。
うーん、彼らが何を考えてるのかわかんない。しつこくセリフを聞きに行けば何かわかるのかな?誰かやってみてほしい。
なんでこんなことになってるのかっていうと、もちろんドラクエ4を執拗に再現しようとしてるせいなんですね。それ以外の事は本当に何にも考えてないです。
ちなみに勇者たちはデスパレスでの会議を盗み聞きしたことでエスタークがアッテムトで復活したことを知って乗り込んでいく。なのでがいこつのいう
「サントハイムの人間をさらったのにバレてる?」というのは話に関係ない。セリフがこの内容に改変されたのは、元のドラクエ4を意識してそれっぽいことを言ってるだけだと思われる。一応あの誘拐が意味あった事にしようとしてるのがこざかしい。
さてそんなこんなでアッテムトに乗り込んだ一同。しかし勇者が既に先回りしており、エスタークは倒された後である。勇者の進軍速度早すぎねえか?まあピサロはアッテムトに行ったことなかったから行くのに時間かかったんだよきっと。
そしてついにピサロと勇者一行が対峙する。
ドラクエ4の再現なことを重視して観賞すると、導かれし者たちが3Dで勢ぞろいして紹介が入るので、モンスターズ3で数少ない価値のあるイベントシーンだ。
ただし勇者の装備している剣がこの時点では入手できないはずの天空の剣になっているという大ポカはかなりマイナスである。
(本来はエスターク討伐後にガスのつぼが入手できるので、これで気球を作って世界樹に行き、世界樹の枝葉に刺さっている天空の剣(とルーシア)を入手して天空の塔へ入る権利を得る。という流れ。)
導かれし者たちとの因縁は再現されない
勇者一行の紹介の際、アリーナ一行だけサントハイム誘拐事件(ピサロがやったことになった)の因縁からか説明が入る。
デスパレスの地下に居る人達から話を聞いたのだろうけど、その説明は無いため初見の人からは『なんかピサロの誘拐がアリーナにバレてる!』と思われる可能性がある。まあ勇者一行はピサロの身内ではなく敵なので、視点や説明が無くプレイヤーが推測することになっても身内がおかしいよりはマシである。ピサロ側と違って勇者側は行動がほぼ改変されてないから分かりやすいし。
まあそもそも勇者たちが何故先回りできているのか、ドラクエ4を知らないと全く理解できない作りな為、エスターク探してたの何だったの?となってしまう人もいそうだ。気の利いたゲームなら「城に侵入されていたかのか……!?」とか魔物に言わせてもう少し説明を増やすと思うのだが。
ところで本来、導かれし者たちはアリーナだけでなく、トルネコ以外の全員がデスピサロとの因縁を持っているはずだ。
ライアンは誘拐事件の黒幕がデスピサロだ。
モンスターズ3ではムジャラーとメダリカがそれに該当する事件を起こしたはずなのだが、何の説明もない。誘拐事件が起こらないとライアンが旅立つ理由がないので、何らかのまものがその事件を起こしているはずだが、それに対する説明がモンスターズ3内でされていないのだ。
ライアンの目的は「勇者がまだ子供のうちに殺す」という魔族の計画から勇者を守る事。おそらくムジャラー達が「別の魔族に勇者が狙われているから、保護するために探している」とでも伝えたことになっていて、ピサロ側とは遺恨がないのだろう。そしてライアンはディオロスから勇者を守るために旅立つと。つまり多分ディオロスが悪いことになってる。
それっぽい理由を書いたが、これはかなり神の視点だ。1章の時点ではまだ村は襲われてないので、5章で勇者の村がディオロスに襲われることになってるのを知ってて逆算しないとこんな発想にはならない。
かといってムジャラーの目的も普通に勇者抹殺もしくは誘拐のはずなので、正直に説明したらライアンに許してもらえるはずがない。
これはもう、”説明してないからピサロは悪いことしてない”理論で罪を漂白しにかかったと考えるしかない。
いやわざわざピサロの手先を話に絡ませたってことは絶対ライアンと因縁が生まれてるはずなんだけど、現実問題として説明されてないのだから何もわからない。
アリーナはサントハイムの誘拐事件がピサロのせいになったことで明確に因縁がある。
元々この事件の黒幕が何なのかはずっと謎で、エスタークに触れたから消されたみたいなこと以外よくわからなかった。
それがモンスターズ3では無理やりすぎる流れでピサロが誘拐して何故か人間の敵しかいないデスパレスでなぜかかくまっていたことになった。
何人か食われてそうなセリフだったんですけど、ピサロが勇者たちから無罪放免みたいになってるのはなぜなんですか?
エスタークの事を拡散されると人間に先に発見されちゃってまずいからそうしたらしいが、人間を滅ぼすつもりのピサロが何故皆殺しではなく匿うという手間のかかる方法にしたのかの説明が全くない。
ここはピサロには実はまだ人間性があるからみたいな理由だと想像できるのだが、じゃあ何で人間滅ぼすんだよ等の無限の疑問につながっていくのでもうだめである。
なお、一国の人間を全員誘拐するとか普通に大騒動であり大犯罪なのに、ピサロ側がこの後処理をどうしたのかとかはまるで語られない。粗雑である。
誘拐された人たちはゲームをクリアするといなくなってるのでプレイヤーの知らない所で解放はしている。ドラクエ4でもゲームをクリアするとサントハイムの人達が戻ってくるから、それの再現だね。なおそのことを説明してくれる魔物とかはいない。
トルネコとピサロの因縁は……ない、ない、ありません。すごい武具が欲しいから勇者にくっ付いてきてるだけです。
一瞬エンドールとボンモールの戦争はまものが原因だったりする?と思ったし、ゲーム中ではまものが増えてきたから武器の需要が上がったとの説明もあるらしい。
しかし実際の所、両国の戦争の準備のためにトルネコが武具を用意すると死の商人のイメージがついてしまうから、それを誤魔化すためにまもの云々の理由をつけたのでは?と大辞典には書いてあった。
先のインタビューで『人間が悪い事にはしたくない』というドラクエのシナリオの方針が伺えたことからも納得できる解釈だと思う。
さて前置きはこれくらいで、一番問題なのはモンバーバラ姉妹とピサロの因縁が無くなった事だろう。
ミネアとマーニャは父である錬金術師エドガンをバルザックという父の弟子に殺され、父の仇討ちの為に旅に出る。
紆余曲折を経て勇者と合流してバルザックを倒し、その後導かれし者としてエスタークを倒した、という流れはドラクエ4と一緒だろう。
ドラクエ4ではバルザックはデスピサロに進化の秘法の実験に利用された哀れな人間みたいな末路をたどり、そのために姉妹とデスピサロの因縁が出来た。
しかしモンスターズ3ではバルザックは魔界に進化の秘法をもたらしたというセリフが唯一の露出で、デスピサロがバルザックといろいろやったんじゃないの?というシーンと設定は丸ごとカットされたように見える。
進化の秘法が最重要万能ワードになって魔族や天空人が悪用しまくっている事を考えればバルザックの掘り下げも当然あってしかるべきだと思うのだが、完全スルーである。
何故このようなことになったのかの事情も簡単に推測できる。
バルザックは完全な悪人なのでこれとピサロを搦めようとすると、ピサロ側を漂白するのがすごくめんどくさいからなかったことにしたんでしょう。
もしカットされた設定の中身がちゃんと考えられているなら、エビルプリーストがデスピサロを語って色々した事になってると思う。全部エビルプリーストに押し付けるのは中身考えてるって言わないよ。
そして勇者とピサロの因縁は語るまでもないだろう。
自分の住んでいた村をデスピサロに滅ぼされたんだよね!と答えた方、モンスターズ3をプレイしたことが無いなら一生しない方がいい。
勇者はディオロスが村を襲撃したのをデスピサロが襲撃したと勘違いしたことになっている。
と言いつつも、最後のディオロスと対決するシーンまで行くと、勇者はディオロスとだけ戦ってピサロの事は別に恨んでいない様子だ。ディオロスが濡れ衣きせて勘違いさせようとした、みたいな描写がまるっと無意味なのである。
真面目に考えてるなら多分どこかで誤解を解く機会があったのだろうけど、もちろん描写されていないのでわからない。
恨んでないならそれはそれで勇者とピサロの因縁も無くなっちゃって、よくわかんない他人同士でなんかやってたことになってしまうのだが。
まあピサロがエスタークを掘り返しているのは超悪事なので、エスタークと対峙するシーンで、純粋にデスピサロが悪党だから因縁が生まれたという事になっていたりするのかもしれない。
なら勇者が仇を勘違いしてるかも?なんて頭の悪い誤魔化しは対峙したシーンですぐに撤回したほうが良かったと思う。まあ原作にそんな描写無いから出来ないんですけど。
ちょっと脱線が長くなったが解説に戻ろう。
勇者とピサロが都合のいいバリア床を挟んでにらみ合ったところにミンミが現れ、「エルフのロザリーが人間たちの手に!」と告げる。
モンスターズ3のミンミの立場を考えると、ピサロに敬語だったり、ロザリーの前に”エルフの”をつけるのは不自然だと思うのだが、ロザリー”様”という敬称は無くなっている。そこ変えられるなら全部ミンミっぽくして、”エルフ”のもカットしたらどうなんだろう。
それを聞いたピサロは、ドラクエ4では「とにかく引き上げ!」と急いで帰っていく。モンスターズ3のピサロは無言で走っていき、ジンマー将軍たちも走ってついていく。
ここまでの一連の流れで、デスパレスの一同にロザリーが紹介されたシーンは一度も無い。
だってピサロが人間界にいるときはロザリーは搭から出ないことになってるから、魔界ではなく人間界にあるデスパレスにはロザリーはついてこないのだ。
魔物だらけの魔界にはついてくるのに何でデスパレスにはついてこないのかって、ピサロが自分の痴態をロザリーに見られたくないからと解釈すればそれなりに自然なのだが、そういった説明は一切ない。
デスパレスに初めて移動するシーンをみても、ロザリーに「わたしはいきませんからね」とか言うことは無い。特に説明もなくロザリーはついてこないのである。まあ一応設定が説明された上で無言で適用されてるだけまだましだ。
デスパレス勢が人間の敵という狂暴性を持っている事を考えると、エルフやホビットとも別に仲良くないと考えるのが自然だし、ロザリーが人間に異常な慈愛を注ぐことを考えてもこの二つは相性が悪いとしか思えない。
何が言いたいかというと、デスパレス勢にロザリーの事が一切紹介されていないのである。ミンミだけは知ってるのは分かるが、他の魔物に共有されているという描写が全くない。
つまりこの場面、ジンマー将軍の視点だと一度も見たことも話しに出てきたことも無いロザリーとか言う存在の為に、急に大将のデスピサロが狼狽して勇者たちから逃げ出したようにしか見えないはずなのだが、そこら辺の疑問が解消されることは一切ない。
いやね、ある程度描写がアレなのは尺の問題かなとうすうす思ってるんだけど、メインヒロインであり尺を割いて説明すべき存在のはずのロザリーが、ことあるごとに碌に説明されてないように見えるのはどうにかならないんでしょうか。
ちなみに、リメイク版以降のドラクエ4ではデスパレスの魔物が「エビルプリースト様がデスピサロ様の一番大切なものを奪うために人間を利用するらしい」「エビプリ様が我ら魔族の王となる日も近い」みたいな会話をするシーンが追加されている。
これは6章の存在を仄めかすものなのだが、この会話はなぜかモンスターズ3には輸入されていない。
デスパレスの魔物に裏切り者がいるとプレイヤー的に不快だからなのか、ピサロの耳に入ったらエビプリの計画というかプレイヤーを引っかける算段が台無しだからなのか、多分後者だろう。
それはいいとして、デスパレスの魔物視点だとロザリーは「デスピサロ様の一番大切なもの」という認識ではあるようだ。もちろんドラクエ4のこの会話をしてる魔物から見たら大切なものではないだろうが。
ついでに言うとデスパレス勢はこのあと覇王城・上級に突入したときと、ディオロスと戦うシーンに駆け付けるのが最後の出番だが、『人間と敵対してるってことは勇者たちとも敵対してるんじゃないの?』という疑問には一切触れられないまま、人間とまものが共闘してるっぽくなる。主であるピサロ様になれなれしくしているベネットに対しても当然何も言わない。画面外で恩人ですという情報が共有されているのだろう。
人間についてどう思ってるのか、なにか説明があるだろ……?と思ってデスパレスのまものに聞き込みをしてみたが、クリア後のデータだと「ランディオル様との約束を守ってくれてありがとう」みたいなことしか言われない。
ちなみにピサロはザガンギエルの願い通りランディオルを倒した。しかし倒す以外の事は何もしてない為、事後処理とかどうしたのかはすべてまるっとフルで説明されていない。
頭だけ倒して放置なんてしたら魔界はランディオルが居た時よりもっと滅茶苦茶になると思う。ライターは政治描写には興味が無いので何も書いてない。画面外でいい感じに処理されたことになっているのだろう。ディオロスだけはキャラ付けの為に何の描写も無しに統治能力など皆無とか書かれちゃったのでかわいそう。
ザガンギエルには『ピサロが次の王になって』とも言われていたのだが、それもならない。ピサロが魔王になったら勇者が殺しに来ることになったから、そっちの設定を優先したんでしょう。
ガヤで物騒なことを言っていたアームライオンの存在など知らぬと言わんばかりに、ザガンギエルが詐欺してきた『デスパレスの魔物は正義の存在』という描写を押し通してくるのだ。
一人だけ、「これからはピサロ軍の時代」とか言い出すので改心して人間と和解したとも思えない。
とにかくあらゆる状況や関係性は一切説明されず、イイ話っぽくして誤魔化すことにしかシナリオの労力は割かれない。
こういう、『勝手にそういうことになったシーン』はあらゆる場面にあるので、多分画面外でピサロが説明したことになってる。画面内では喋らないのにね。
6:中級全クリア時のシーン、ロザリーヒルの夢二回目
遂に最後のシーンを書く時が来た。長かった。
この項ではそれまでのありとあらゆる不満を詰め込みまくってしまった。それゆえ、説明がぶつ切りだったり、いろいろな話題が混ざり合ってかなり混沌とした文章になってしまっていると思う。
さて本題に入ろう。
ドラクエ4でのこの場面は、エスターク討伐後にイムルの村で寝ることで流れる二回目のロザリーヒルの夢イベントだ。
ロザリーが悪漢に襲われている場面にピサロが現れて助ける。
しかし既に手遅れで、ロザリーは「どうか野望を捨てて私と二人でずっと」と遺言を残して息絶えてしまう。
ピサロはロザリーを失ったことで人間への怒りが爆発し、破滅への道を突き進む。
モンスターズ3の場合は前後の流れが加筆されている。
勇者にエスタークが討伐されたシーンでミンミから知らせを受けたピサロは急いで村に戻る。何故か走って戻るが、ドラクエ4でもそうなのだから仕方ない。ダンジョンの中だしね。
帰る途中でマスドラが「ちゃんと選べよ、絶対だぞ」みたいなことを直接脳内に語り掛けてくる。
ロザリーヒルに到着すると、ミンミは「ロザリーは攫われたけど戻ってきた」という。
ロザリーの部屋には何事もなかったかのようにロザリーが居た。
だがなぜかベネットが現れて、このロザリーは偽物だとピサロに訴える。
ピサロはどちらが正しいか選択することを迫られ、ロザリーを選んだ結果……。
ここまでが前フリのイベントとして追加されている。
モンスターズ3の設定をよく読んでいる人なら、
『村にはピサロが張った人間よけの結界があるから勇者はともかく悪漢程度の人間は入れないはずじゃないの?』
『ドワーフたちが搭の周辺に住んでるんだけど誰も見て無いの?』
『ピサロナイトが警備をしてるから大丈夫じゃないの?』
等のセキュリティに関する疑問が湧いてくると思う。
安心してほしい。ピサロの結界がどうのという設定は最初以降一切触れられないし、ドワーフはピサロと十数年一緒にいるはずなんだけど人間関係が全然わからないし、ピサロナイトは丁度昼寝をしていてむざむざ誘拐されているので致命的に無能である。
まあ多分真面目に説明されても『エビルプリーストが全部やりました』で済ませられると思うので、聞くだけ無駄である。
この『前フリ~運命の選択』イベントも大分酷すぎるのだが、何が酷いか書くと大変な長文になってしまうため、この場では激しい長文ツッコミは控えさせていただく。
X(旧Twitter)で見かけた意見の紹介
発売当時にこのイベントの何がいけないのかをX(旧Twitter)で的確に分析された方がいらっしゃったので、まことに勝手だが無許可で引用させていただく。
書きました。DQM3のシナリオが構築、情報、描写の技術的におかしいという話。(注意! DQM3のネタバレを含みます)
https://fusetter.com/tw/rHpJzA92#all
*私はこの方の事は全く存じ上げない。
このふせったーに対して私の個人的な感想をいくつか述べさせていただきたい。
シナリオの様々な問題点に鋭い指摘をされている。
特にシナリオのキーマンであるベネットの倫理観がシナリオ的になぜいけないのかについて、非常に詳細かつ丁寧に述べられていると思う。
なるほど、私の難癖力だとベネットはそういうロジックのためだけのキャラだからで、頭がおかしいのは頭がおかしいから(進次郎構文)と理由付けしてしまい、それ以上の追求はできないでいた。
しかしベネットの倫理観を許していると、ピサロの『盗みが嫌い』というキャラ付けがピサロの善性からくるものではなくなるという指摘が非常に鋭い。おかげさまでまた一つ、モンスターズ3のその場しのぎの設定を発見することができた。
ピサロがミオレに盗みはダメと躾けられるシーンを見返してみると
『パン返してこい』
『あなたは半分魔族なので誰よりも人間らしくしないければいけない』
『盗みはするな』
と言われている。どっかのアニメで聞いたようなセリフだなあ。
ミオレはなにかおかしいけどその原因をいまいち掴みきれなかったが、それが分かった気がする。
普通のママなら「盗まれた人が困るでしょう」「相手の気持ちを考えなさい」のような、感情と常識に配慮した言葉でまず諭すだろう。
おそらくそれは普通っぽいセリフだからという理由でカットされて、ピサロが王族であることを意識したのか、いきなりプライド(誇り)の話を始めてしまった。
その結果、プレイヤーが共感できる要素が会話から消えてしまい、このママ……何かヘン!という印象が生まれてしまうのだろう。
一応『人間らしい』という言いつけはピサロの人間の心を象徴するはずの意味で、つまり『正義・慈愛・勇気・絆』等の人間の善性を持ちなさいという意味のはず。ライターがそこまで考えてるか不安になってきたけど。
なので当然、盗みがダメな理由は”人間らしく”という説明に含まれていることになる。そして盗まれた人への贖罪も一応言いつけに入っている事になる。実際パン返しに行かせてるし。
だが実際問題としてピサロはベネットには人間の心を求めない。
もしかしてピサロにだけ適用される設定だからベネットには適用されないのだろうか。そうでも考えないとライターの倫理観もベネットレベルということになってしまう。
ちなみに、ミオレとピサロはOPで『森の小屋に住み着いた』と言われている。この場面でミオレは『盗みダメゼッタイ。人間らしくしろ』とピサロを諭す。
盗みはダメだけど不法侵入と不法占拠はいいってことかな?
どういう設定表を作ったらいい人設定の母親がイカレた倫理観の持ち主になるほどの矛盾が発生するのか教えてほしい。話の頭からその場しのぎで書き続けていて、そもそも設定表なんてないのでは?という気さえしてくる。
私はこの矛盾を見つけた時に心の中でガッツポーズして『これがミオレがおかしい理由か!』と思ったけど、感情描写が無い事の方が更に致命的でしたね。
なお、ピサロは盗みは絶対ダメだけど、強盗はセーフという独特の倫理観の持ち主である。
煉獄峠・初級でトラベライトを持っているベネットに遭遇したとき、ピサロは盗みは咎めるが実力で物を奪うのは魔族の流儀に反しないとベネットから説明される。
(ちなみにベネットの持っているトラベライトは盗品だからこういうやり取りをしているのだが、元々の持ち主に返しに行くみたいな話は出てこない。自分が盗みをしなければ盗品でもOKらしい。つまり盗みがダメなのはママに言われたから以外の理由は無いようだ。もしかしてロザリーだけでなくピサロも中身空っぽなのでは?)
(関係ない話も付け食わえると、ロザリーは最初にベネットを見た時「なぜ人間が魔界に」と怯える様子を見せる。しかしやり取りが終わると「ベネットさん、不思議な方ですね」と人間への恐怖心は消え失せた様子だ。目の前で盗みを堂々と告白しまくった人間に対してさわりだけ恐怖してみせるのは、ロザリーが人間を怖がる設定の運用が相当適当だ。それに「不思議な人」ってロザリーお前それピサロに対しても言ってたじゃねえか。ボキャ貧というか女性の感情表現とキャラ付けがあまりにも粗末すぎる。)
まあ魔族の法律的に強盗はセーフなのかもしれない。しかし人間の法律ではNGだろうし、ピサロが盗みダメなのは人間の法律由来では?とか考えるから難癖をつけられるだけで。
あと流儀は知らんけど道理で言ったら、盗品を村人に返還させてから改めてピサロ自身がそれを譲ってもらえるように頼む、という態度を見せるべきでは?まあこの場では結局それに近い展開になったが。
……もしかして最初の頃は設定的にちょっと変な部分をいちいち説明する余裕があるから、盗みはダメって言ったけど強盗はOKとかわざわざ説明してくれたんだろうか?それならエンドール闘技場の件もどうにかしてくれよ~~。
ただそもそもゲームのルールとしてドロップアイテムのシステムが存在する以上、ピサロ的に強盗は大丈夫と言っておかないとまずかったのかもしれない。
……仲間モンスターに盗み的な特技があったらどうするつもりだったんだろう?いやあるわ、ぬすっと切りが。システム都合で説明してるわけじゃねえわ。
ん?盗みはダメとかわざわざ説明したから強盗はOKと言わないといけなくなってて、なんで盗みがダメとかいう描写を入れたかというとピサロとベネットがわかりあうため、もといベネットを使って選択肢のトリックをするため。
ということはベネットにイカれたキャラ付けをしなければ盗みはダメだけど強盗はOKとか変な説明をする必要もなかったし、仲間モンスターがぬすっと切りを使ってもなんの問題もなかったのでは?
そもそも論として人間をジェノサイドすることを志してたピサロが盗みを咎めるのも、罪の基準がどこにあるのかわからないのだが。ちなみにこの後リュノも平然とジェノサイドをしようとするため、この世界の法律では気に入らなかったら滅ぼしても罪ではないと書いてあるのかもしれない。
まあピサロにとっては母との約束が大事なだけで、盗みそれ自体は実はどうでもいいのかもしれない。
つまるところ、ミオレもピサロも変な自分ルールを相手に押し付けてるだけで、遵法精神がある訳ではないらしい。
プレイヤーがピサロの善性について勝手に「ミオレは法律を守るようにピサロに教えたんだ!」と勘違いしただけで、そもそも普通に想像するような善性をピサロは持ってないのかもしれない。
現代人のプレイヤーの倫理観をもてあそんだシナリオというわけだ。
ベネットはあえてプレイヤーに嫌われる造形にしてある?
読んでいてもう一つモンスターズ3に難癖をつける材料になったのが、『ベネットはプレイヤーを例の選択肢で引っかける為に、あえて嫌われるような造形にしてあるのでは?』という説だ。
この説を展開している人はネット上に何人かいらっしゃった。
ベネットの盗人がファインプレーであるかの様な描写を始め、どうもベネットの限度はプレイヤー側に何か悪いものを押し付けるような気持ち悪さがあった。
それはこの選択肢の場面で正解であるベネットを選ばせず、不正解のロザリーの方に誘導するための仕込みだったのでは?というわけだ。
確かに、そう考えるとしっくりくる描写がいくつかある。
まず一番変なのはこの後ロザリーが『ベネットはいい人だから人間を滅ぼすのをやめろ』と引き合いに出してくることだろう。
この言動は全部変なのでどこが問題かピンポイントで説明すると、『ベネットはいい人』という部分だ。
ベネットがいい人なら、ピサロを説得しないとロザリーを助けられない!という状況になった時に、あそこまで感情的に喚き散らすだろうか?
プレイヤーにベネットはいい人という印象を与えるのが目的なら、泣き脅しとかもうちょっと『実は本当にピサロとロザリーを助けようとしてるのかも?』と思わせる描写にするはずだ。
それが無いということは、ここで怒ってるのはピサロというかプレイヤーを引っかける為、ということになる。一回ときのすなで巻き戻した後はもうキレる必要が無いからおとなしくなるしな。
そしてもう一つおかしいのは、『ベネットがここに来るまでの禊』だ。
先ほどの方のふせったーで説明されていたが、そもそもベネットの盗み描写の扱いがおかしいのである。
普通に考えたら、『盗人が改心した結果、色々な善行を働いて善い人間になり、ピサロに報告するためにロザリーヒルに戻ってきたら、偶然ロザリーが誘拐される場所に遭遇する』話になりそうなものだ。
だが実際にはそんな細かい償いのことはガン無視して、よくわからない理由で喧嘩別れになった後に何故かロザリーヒルにいるという唐突な流れである。
その適当な描写の中でベネットにやらせたかっとことは何かというと、ときのすなで巻き戻すことしかないのだ。この場面のトリックの事以外は考えずに話を作っているのである。
それにロザリーがベネットを善人だからと引き合いに出す流れもおかしくなる。
普通に考えたら、『ピサロの人間の心による善性の結果、ベネットが良い人間として改心し、その結果ピサロもまたベネットに救われる』という流れの方が感動しそうなものだし、テーマにも沿っていると思う。
だけどライターが実際に書き出したのは『とにかくプレイヤーを一回引っかけてデスピサロの破滅のイベントを見せる』事である。
つまりプレイヤーを引っかけて胸糞悪くさせることを優先してて、感動させることは優先してないのだ。だから盗みの扱いが適当なわけだ。
正しい選択肢を選んだ後はもうベネットに不快な言動をさせる必要が無くなり、ベネットはロザリーよりはマシなガイドキャラ位の位置に落ち着いていく。
だが最後っ屁としてなぜか『俺の盗みのおかげで助かっただろ』と悪事を正当化してプレイヤーに不快感を押し付けてくる。この展開は甘味楼・初級で一回押し付けられたのに、同じ事を繰り返してくるのは、面白いと思ってやっているのだろうか?
何でこんな邪推をするかというと、胸糞悪くするのがライターの手癖だからである。この手癖問題については後で語ろうと思う。
モンスターズ3のシナリオを分析していると陥る罠
感想はこの位でおわり。だがもう一つ、感謝の気持ちも書きたい。
私はモンスターズ3のシナリオを分析しているうちに、ある罠にとらわれつつあった。
どう考えてもシナリオがおかしいのだが、テキストをネチネチとつつきまわしたり前後の文脈で補完したりすると、『そう推測できる材料』がどうにも必ず散らばっているように感じるのである。
だから話を真面目に分析すればするほど、『ここにこういう情報があるのだから、このシーンは暗に〇〇という意味だ』という脳内保管が極まっていき、だんだんと話のおかしな部分に抵抗できなくなっていくのである。
もちろん実際のゲームでの描写がどのようなものだったかは、散々書きなぐった通りだ。
もしかして伏線を見落としているプレイヤーが悪いのでは?とすら悩み始めた私だが、この方が言うには伏線だけまき散らしてまともな説明をしないのは、「プレイヤーの思考や想像力に依存している描写のなさ」とのこと。
つまりシナリオというのはきちんと説明して初めて成立する物であって、伏線(?)や文脈だけばらまいて推理しろというのは「制作側の甘え」であると切れる、切って良いのだと。そう指摘してもらえて救われたような思いがした。
今までのシナリオが伏線と称して張り巡らせてきた無意味な描写の数々は「伏線を書いたのに勝手に勘違いしてるプレイヤーが悪い」と言い訳するための予防線であり、もはや悪意にすら近い。そんなものに付き合わなくていいのだ。
前後の流れのセリフに細かいツッコミ
この後のロザリーが悪漢に殺されるシーンとデスピサロの破滅のシーンの説明に入る前に、それ以外の部分について先に少しツッコミを入れておきたい。
気になったのは、偽ロザリーが言う「あなたが名前を付けてくれたその日から私が生まれた」というセリフだ。
この描写はドラクエ4には無いが、デスピサロの元にロザリーを連れて行ったとき、自我が朦朧とするデスピサロに対してロザリーが「わかりませんか、あなたが授けたこの名前さえも」と呼びかけるシーンがある。多分これが元ネタだろう。
6章とモンスターズ3でライターが同じなので、昔からピサロがロザリーを名付けたことには強い意味合いがあることにしたかったようだ。
これを言ったのは偽ロザリーだが、どのシーンだったか失念したものの別の場面で本物のロザリーも言っていたような気がする。
まあこの場面の偽ロザリーの本物エミュは完璧で、ルビーの涙も流してくるレベルである。触ると砕けるのにどうやって流してるのかは全く説明が無いが、トリックだよ。ピサロはそれに引っかかってしまう。
先程のふせったーからは、『ピサロはシンシアのモシャスを特に理由もなく見破ったのに、モシャスと特に関係ない魔物なのにモシャスを使っているくらやみハーピーのそれは見破ることが出来ない』とのツッコミもいただいている。
とにかく変身のクオリティがあまりにも高すぎるらしく、初回はロザリーが偽物だと指摘することが出来ない。このありさまなので、偽物自身が白状しなければ収拾がつかないレベルだった。ここまでする必要ある?ここまでできるのに自分から白状する必要ある?
なので本物も同じように思っているはずだ。ただしその場合本物しか知らないはずの情報を平然と偽物が出してくることになるので、シナリオがヤバイ。まあロザリーをピサロが名付けたという情報を偽物が知ってる時点で何かがおかしいと思うのだが。
このセリフを真面目に解釈すると、ロザリーがピサロを異常に慕っている理由は名前を付けてくれたから、ということになる。
名前の無い文化のエルフなのに名前に価値を感じるのなんで?みたいなツッコミが無限に湧いてくるが、名前なしエルフ設定がそもそも狂っているので一旦置いておこう。
私が言いたいのはそういう設定の統合性ではなく、何かふた昔くらい前の創作物でそういう描写を見た気がするけど、それがエモいと思って何となく輸入しただけじゃないの?という、どっかで見た話だなという指摘である。
元の名前なし設定だけだと意味が弱かったものを、これをつけ加えることで意味のある設定になったとか思ってそうである。設定の開示じゃなくて描写とプレイヤー目線の説明で話を見せてほしいんですよね。
もう一つ気になるのがロザリーが攫われた位置である。
ベネット曰く、悪漢はロザリーヒルから『イムルの村の東の森』にロザリーを連れて行ったらしい。
ロザリーヒルは船が無いと入れないド田舎にあると説明したが、当然イムルの村とも離れている。もちろん説明されていないだけで悪漢はキメラの翼とかで連れて行ったのだろう。
問題は連れて言った方法の説明がない事ではなく、そこに連れて行った理由の説明がない事である。そもそもエンドール闘技場のイベントの時もどこの森だとか説明もなかったのを、なぜ今回だけわざわざ地名を出す必要があるのか。
深読みせずにシンプルに考えると、ベネットが場所を案内するという作劇の都合上、どこに案内するか言葉にする必要があったから、何となくイムルの村の東の森にしただけで、特に理由がないからどうしてそこなのかの説明も無いのかもしれない。
だが唐突に地名が出てきた理由が思い当たらないでもない。
PS版ドラクエ4からの設定ではイムルの村の近くには元々エルフが住んでいたとかで、その縁があってイムルの宿屋で寝るとロザリーヒルからの電波が届いて変な夢が見られるらしい。
おそらくロザリーもその辺に住んでいたと考えるのが自然だろう。なぜ今エルフの村がそこに無い(モンスターズ3ではそもそもいけないが、ドラクエ4ではそこに何もない)かを考えると、人間が住みついたら土地を追われたらしい。
つまり悪漢がエルフ狩りをする拠点がそこにあると考えるのが自然で、悪漢は自分たちの拠点までロザリーを連れ帰ってから暴行していた、という流れなのだろう。
理屈は分かったのだが、地名だけ出してそれについての説明をしない理由は全然わからない。毎度毎度説明しないのに設定だけぽこぽこ出して次に行くから話の意味も解らない。
そしてふと気づいてしまった。ロザリーを攫ってアジトに移動したまではいいとして、どうして森の中でロザリーを暴行しているのだろう。
もちろん元のシーンがそうだから以外の理由がないのはわかっている。ルビーの涙が地面に落ちてどっかに行かないように床にマットを敷いた室内とかで暴行した方がよくないだろうか。……森で暴行してる理由がなんとなくわかってしまった。察して欲しい。
ついでに言うとエルフが居なくなるくらいエルフ狩りをしたのに、ルビーの涙は砕けるから売り物にならないことが未だに知られていないのも謎だ。
まあ悪人が底抜けに愚かなだけだろう。その悪人がエンドール闘技場で幅を利かせる一方で、そういうのはもうやめようと啓蒙するいい人間は全然出てこない。出てくるいい人間はベネットと勇者だけ。シナリオが粗雑なのである。やっぱり人間滅ぼしたほうがよくない?
シナリオ大不評ポイントを稼いだクソ選択肢
ピサロはロザリーとベネットのどちらが正しい事を言っているか選択を迫られる。しかし初回はベネット(正解)を選んでも偽ロザリーの演技に騙されて勝手に選択肢を変えられてしまうため、確実に破滅の光景を見せられることになる。
いろいろなサイトでユーザーの反応を見ても、『選択肢で正解を選んだのに勝手に失敗を選んだことにされた』のはシナリオの不満点として多く挙げられている。
この選択肢が不快な物としてBAD評価される理由の一つを軽く書いておこう。
この選択肢の前にピサロというかプレイヤーはマスドラから「よく考えて正解を選ぶように」と偉そうな説教を食らっている。
マスドラお前事情知ってるならロザリーを自分で助けたらどうなの?とか、直接の干渉がダメなら(OPでピサロを直接助けたのは何なんだよ)ピサロにお前エビプリに騙されてるよって教えるとかしたら?という、小学生でも思いつくレベルのツッコミもでてくる。
これはそうしないマスドラ側の事情が作中で一切説明されれないので本当に意味が分からない。
いっそマスドラが本当にギリギリまで干渉しないのは仕方ないとあきらめよう。
しかしプレイヤーがマスドラの言う通り考えて正解を選んだとしても、勝手に不正解に修正されてしまう。
こうなるとマスドラが飛ばしてきた電波は『お前あれだけ言ったのに不正解を選ぶとか馬鹿じゃねえの』という失敗後の煽りの前フリでしかなかったことになる。
ゲーム側から煽られる体験というのは、大抵のゲームで不満点にあげられやすい。ピサロは馬鹿でもプレイヤーは馬鹿じゃないので、こういう人を馬鹿にした引っかけをシナリオ側からされるのは非常に不愉快である。
先ほど引用したふせったーにも書かれていたが、『プレイヤーの意思を尊重しないのはロールプレイングゲームの否定』だとも鋭く切られていた。プレイヤーが正解したなら、素直にそれを認めるべきであると。
この場面に限らずモンスターズ3では選んでも何の意味もない選択肢が大量に出てくる。プレイヤーは既にそれらにイライラさせられていたが、ここに来て特大の無意味な選択肢を浴びせられるという丁寧な嫌がらせを受けてしまっている。
もっと言えば、執拗にドラクエ4を再現したり、マスドラが急に煽ってきたり、急にベネットが再登場したりするのは、すべてのこの場面を結実させるための仕込みだった。
エスタークがどうのとか進化の秘法がどうのとか、意味ありげに説明されてプレイヤーがイベントをこなしていた要素は、これを機にぱたりと語られなくなり。忘れ去られる。何故やっていたのか、この場面の仕込み以外の意味がなかったからだ。
例えばロザリーの掘り下げを放棄するわりに、ベネットを頑張って掘り下げつつピサロと仲良くさせていた。
このような仕込みの甲斐あって、この場面のトリック演出への熱意だけは他の場面と比較して丁寧だと思う。
だがそうまでしてやりたかったことがプレイヤーをハメる事だった、という結果を見れば、この本当にどうしようもないシナリオは生まれるべくして生まれたのだと言わざるを得ない。
私の正直な感想としては、ここでピサロがデスピサロになり破滅するこのイベントはモンスターズ3で最も見ごたえのあるイベントというか、原作再現としてだけ見た場合に数少ない価値のあるイベントだと思う。モンスターズ3の終わってるシナリオの事は考えず、ドラクエ4の立体化だと思い込んでみるのが鑑賞のコツだ。
ストーリーが面白かったという意見を聞くと、大抵は原作再現のファンサービスが良かったという内容が多い。
それはここのシーンを指しているのではないかと思う。私も初見の時はここまでの流れを酷いと思いつつも、このイベント(デスピサロの破滅シーン)だけはなぜか楽しいと感じた。
ドラクエ4の再現を無視した純粋な話として見ても、ドラクエ4が関係ない部分は虚無で破綻してて内容が無くてつまらないだけだが、中級は良くも悪くも話がダイナミックに動くので、ここは結構面白かったと感じる層が多いのではないだろうか。
なので中級の一連のイベントはこのために破綻し続けていたとしても仕方がないと思える面があるし、このイベントを見せたいがためにピサロに間違った選択をさせるのも致し方ないと思う。
ただ、ピサロが間違うのはいいけどプレイヤーが間違わされる必要はない。
勝手な私見での分析を述べさせてもらうと、ライターはこういう手法でユーザーをハメて胸糞の悪い流れを見せる”手遅れ感”が好きなのではないだろうか。
そうでもなければ、そもそも選択肢など出さずに馬鹿なピサロが勝手に騙され、やり直したら自動的に正解になる形式で問題ないはずだ。
ライターの手癖、他作品との胸糞悪さの共通点
この項は手癖の指摘というか、ほぼほぼ私の考えた難癖に近い内容になっている。薄目で読んでほしい。
ライターがこういうの好きだからというのは、根拠なく決めつけている訳ではない。同じライターが書いた他の作品にもこういう引っかけが出てくるようなので、手癖がでてしまっているのでは?と考えている。
最も似たような手口が出てくるのは、2020年ごろから同じライターによって展開されていた『Project:;COLD』という作品だろう。
時期から見るにモンスターズ3の開発前にかかわった作品だと思われる。私はこの作品をプレイしていないし興味もないしので詳しく説明できない。
また『リアルタイム謎解き介入ミステリー』なる作品の性質上、後から内容を確認するのも難しいようだ。一度きりの特別な体験をうたって後任は楽しめない仕様なの、ドラクエ10の神話篇と似てますね。
それはそうと、どこが似ているのかというと、とあるサイトでこのようなコメントを見つけた。
『プレイヤー集団が事件を捜査して介入することで登場人物を救える謎解きゲーム』みたいな触れ込みだったものが、『初回は強制的に全滅エンドになって、その後未来人が出てきて過去を変える』みたいな巻き戻し展開になるらしい。
まあ話の詳細は分からないけど、『マスドラが選択をよく考えるように』言ってきたから頑張って考えたのに『実際はプレイヤーの意思を無視して強制失敗』『その後ベネットが時の砂で巻き戻す』という、選択させるくせに何を選択してもBAD直行になるの、モンスターズ3と一緒ですよね。
トリックを前面に出したのに時間の巻き戻しという裏技でちゃぶ台返しするというパターンを使い過ぎである。
モンスターズ3でときのすな巻き戻し展開を見たプレイヤーは唖然として「この話考えた人は安易な巻き戻しというか、ゲーム都合の便利アイテムをシナリオに持ち込むのは、お話作る時にやっちゃいけない事だって考えなかったのか?」と疑問に思ったはずだ。
しかしライター視点ではおそらくベストタイミングで伝家の宝刀を抜いたくらいの感覚で、多分ベネットはドヤ顔で時の砂を振りまいていたことだろう。書き手と読み手の温度差がすさまじいことになっている。
もっとメジャーな作品でも同じような手癖は見られる。ドラクエ8やドラクエ10でもプレイヤーが到着したけど間に合わなかった、手遅れだったという結果になり、その後胸糞展開になる事が結構あると思う。ドラクエ10にいたってはそれそのものが時間ネタである。
どこがどう似ているのか詳細を書いたらすごい長怪文書が出来上がってしまうのでここではなるべく省く。
軽く言うと、ドラクエ8の場合、ストーリー全体を見ると”賢者連続殺人事件”になってしまっているのが当時非常に叩かれた記憶がある。特にメルブばあさんが主人公の目の前でむざむざ殺されるシーンがここで指摘している”手遅れ感”を感じさせると思う。
ドラクエ10の場合それ自体が時間ものと書いたが、流石にときのすなを振りまいて巻き戻すレベルの都合のいい展開は出てこない。
主人公には時間を移動する能力があるものの、シナリオ的に使用が厳しく制限されており、ゲーム都合で過去の世界を舞台にするための便利設定程度の運用にとどまっている。多分他のライターがときのすなを振りまこうとするのを必死で止めたんだと思う。がけっぷち村をぶっこわすのはプレイヤーの想像ではなく本当に必死で止めたらしいけどダメだったらしい。
あとメギストリスのストーリーで願いの叶うノートとか言うときのすなレベルの超ご都合アイテムを出されるのも止められなかったみたいね。複数ライターで話作るのに自分だけそんなお話的にヤバイものを出して話書くのが許されるんだなあ。
ではドラクエ10の話にはライターの手癖は出ていないかというとそんなことは無く、神話篇がすごくそれっぽいエッセンスをもっている。
主人公は災厄の王というエスタークに似てるヤバイボスの復活を防ぐために、それを封印できる世告げの姫を助けに行くことになる。
この姫ちゃんが6人いるのだが、2人くらいもう殺されてました!という展開で助けられない。どことなく賢者連続殺人事件のエッセンスを感じませんか?
ちなみに神話篇の前半のクエストはもうプレイ不可能なので、姫が死ぬ展開は現在確認不可能だった記憶がある。
なぜ長編クエストを期間限定にしようとするのか非常に謎だったが、Project:;COLDが出てきたことを思えば、リアルタイム性とかその時だけの不可逆な体験みたいなのが無性に好きなのだろう。ゲームをプレイする方は取り返しのつかない不可逆性はかなり嫌いだと思うのだが。
そして姫が6人そろわないと、実は元いい人でかわいそうな存在である災厄の王を助けることが出来ない、みたいな筋書である。ダメかと思ったけど実は助けられますというどんでん返しに繋がるわけでもなく、普通にそのまま終わる。
正直、災厄の王を助けられない物語的な必然性は全くなかったと思う。姫は助けられていいし、災厄の王も幸せに成仏していい。全員助けてハッピーエンドの方がプレイヤーがすっきりしていい話になったとすら思う。
なのに助けられないということは、主人公が姫の元にたどり着いたときにはすでに手遅れで悲劇は避けられなくなりました!というのをライターがやりたかったのでは。手癖という事です。
プレイヤー目線だと『がんばれがんばれ』とはやし立てられていたのに、いざ頑張ったら『あなたのせいで手遅れでした、あーあ。』みたいな引っかけを食らっているようなものだから、全然面白くない。モンスターズ3でマスドラに煽られながら走ってる時とかこれと同じですよね。賢者を救うために旅してるのに全員死にぬのも同じ。
あと、神話篇の続きみたいな内容だったであろうエクゼリア王国は、後任のライターによって滅んだことにされてしまった。直球で言うと無かったことにされたという事。これを残念がっている人もドラクエ10ファンの中にはもしかしたらいると思う。だが私がモンスターズ3のシナリオを読み込んでからの考えとしては、この国の中身はリュノの設定みたいな本編そっちのけでぼくが考えたスゴイセッテイを盛られまくった、ひどく同人誌くさい内容だったのでは?と想像している。そうなると他のライターは処分に頭を抱えるばかりであり、滅んだことにしちゃったのだろう。
ちなみに当時災厄の王がエスタークにそっくりな理由は、『オマージュだけどエスタークではないので全く同じにはしなかった』的な事が述べられていた。へーなんかわからないけどエスタークを尊重しているんだ!と感心する意見が多かった。
でもモンスターズ3に出てくるエスターク・イスナは真・災厄の王のモデルの使いまわしであり、この時エスタークと一緒にしないといっていた気づかいは何だったんだよと思ってしまった。
このように同じライターの過去作品でも胸糞展開が多くみられるのだが、場合によってはこの胸糞展開がなぜかプレイヤーからは感動展開に見えるらしい。
ドラクエ10のメギストリスとセレドのシナリオはこの典型で、胸糞と感動が上手くマッチしたのかプレイヤーからは好評な意見が多い。
私はぶっちゃけた話、ドラクエ10は複数ライターなので、他のライターがダメな所を突っ込みまくったり、セレドはこのライターが書いたプロットを元に別人が話に仕立てたから、手癖の臭みが消えて見れる話になったのでは?と邪推しているが……。でも6章はどうしようもなかったんだな。
このライターが書くシナリオが好きだという人は、この感動展開が好きだから私が胸糞シナリオを手癖で書くような指摘をしているのはおかしいと思う人もいると思う。
私も変だとは思うのだが、実は感動をメインに書いている訳ではないと思う。”プレイヤーから見て感動に感じられる描写”が上手く付随せず、胸糞だけ描写されるシナリオが多いように見えるので、メインで書きたいのは感動ではなく胸糞のほうなのでは?と分析している。
例えば、ドラクエ7ならウッドパルナのエピソードが同じライターらしいが、マチルダさんが酷い目に合っていたけど別に感動の話ではなかった。
ドラクエ8なら賢者の末裔のチェルスがやたらひどい目に合っていたが、これも別に感動展開ではなかった記憶がある。
ドラクエ10なら、メギストリスの話はラグアス王子とアルウェ王妃の感動物語だったかもしれないが、一方でものすごく酷い目にあわされていたプーポッパン王に救いは無かったと思う。
モンスターズ3のオリジナル部分にもそういう話がある。
流神殿・中級の話はこのゲームでは比較的いい話だったなと感じる人が多いっぽいのだが、内容をよく思い返してみてほしい。
レメトの最後が献身的に感じられてイイ話っぽく見える。だがその一方で、エルフをストーンマン化して奴隷として無限に労働させるというのは、よく考えると手法として高度過ぎないだろうか?
疑似的に永遠の生命を与えるというのは、普通の物語なら話のキーやテーマになる位重大な設定であり、気軽に出すようなものではない。
それでやることが強制労働によるエビプリのお城の建設で、別に魔界の普通の魔物を労働させてもできるような内容である。設定の規模としてやばいことをしている割にやることがあまりにもしょぼい。
そんな回りくどいことを何故したかと言えば、最後の感動の為ではなく、エルフを苦しめる描写を作りたかっただけとしか思えない。
そこまでして胸糞にしたい理由、ライターはかわいそうなキャラを書くのが手癖だと私は分析した。
この話の本質はレメトを虐めることにあって、最後イイ話っぽく見えるのは、たまたまプレイヤーの目には感動っぽく映っただけだと私は思っている。
この調子でライターに虐められているキャラはモンスターズ3だけ見ても他にも何人かいるので、興味があるなら探してみてほしい。
レメトが最後ちゃんと説明せずに勝手に退場してるのも、ランディオルとかリュノとかの最後もそんな感じなので、そういう思わせぶりなのが好きな手癖なのかもしれない。
もちろんご都合だろうが話が面白ければかまわない。
しかし流神殿の一連のストーリーを一つの話として見た場合、中級はまあよかったとしても、肝心な最後のオチが
『上級のボスがエビプリだったのでぶっころしました!』
『実はここはエルフが変化して出来た世界でした!』
というすごい設定(皮肉)のネタバラしだけで、一連のストーリーとしてみると全くまとまっていない。中級が良くても何の意味も無いのである。
一番致命的なのが流神殿はエルフのストーリーとして語られているのに、肝心のロザリーに対して内容のある話が一切無い所だ。
ロザリーの心の成長とかバックボーンの説明とか、そういうのをするべきなのに、なんも無いのである。
ストーンマン達は呪いで姿を変えられたという設定と、エルフは呪いを解くのが得意という設定があるのに、ロザリーがストーンマンの呪いを解いてエビプリの野望を邪魔するとか、そういう普通有りそうな展開が驚くべきことに全くない。
ピサロとロザリーの話には全く不要な、新しく考えたエルフの設定を開示して喜んでいる場合ではない。
というかエビプリも別にエルフに酷いことをした外道とか言われているが、エルフを魔界に変化させたとかやってることの規模がおかしすぎる。あと部下とパターンが一緒。
また話が脱線してしまった。とにかく、そういう”手遅れ感”が好きなのか、手癖でこのような見せ方をしてしまったのだろうと勝手に分析している。
もう一つの可能性の物語が指している事
実はこのクソ不評選択肢には、それが必要な物語上の理由が存在する可能性がある。
この選択肢が物語の最初に示される『もう一つの可能性の物語』の可能性を指しているから、不快な選択肢を無くしてユーザーに配慮するという発想が出なかったのだろう。
どういうことか言うと、本来のピサロは『ベネットを信じない』もしくは『ロザリーが攫われたことを信じない』選択をした結果、ドラクエ4およびモンスターズ3の時の砂での巻き戻し前と同じ結末を迎える。
この後結局6章で助かるじゃんとか考えると面倒なので6章の事はとりあえず置いておこう。
あとベネットを信じなくても選択肢関係なく時の砂で無限ループしてくるんだから結局ロザリーは助かるんじゃないの?というのも、時の砂が無敵すぎるので一旦忘れよう。
というかロザリー(偽物)を連れて本物を探しに行けばいいだけじゃない?というのも普通の頭なら考えると思う。残念ながらピサロは馬鹿なのでそういうことはしないし、ライターはプレイヤーを説明しないことで騙す事しか考えていないので、そういう当然の作戦をしない理由をプレイヤーに説明したりもしない。
モンスターズ3は『もう一つの可能性の物語』らしい。それ素直にifのストーリーとして解釈しよう。
ifというのはもしもの意味であるらしい。
ここの選択肢はifの象徴であり、もしもピサロが『ベネットを信じたら』もしくは『ロザリーを助けることに成功したら』モンスターズ3の巻き戻し後ルートに進む、というif世界に分岐することになる。
ここまで盛大におかしな部分をモリモリに増やしながらもドラクエ4と同じ流れになるような描写を執拗に重ねてきたのは、ここで分岐するまでは基本的にドラクエ4と同じ話だったことにしたいからでは?と私は分析している。
しかし、そうまでしてドラクエ4のピサロの運命を上書きしたい理由までは分からない。
ちなみに、この選択肢まではifじゃないのかというと、そんなことは無いと思われる。
ピサロが半分人間だというのがそもそもドラクエ4と違う点なのだ。そして、モンスターズ3のピサロが助かったのも、半分人間だからベネットが助けられた、という事になると思う。
そういうことにしないと、途中までドラクエ4と同じ話ということは、ベネットもドラクエ4にいたはずなのに、どうしてドラクエ4のピサロは助からなかったのか、という差異の説明が出来ない。
まあドラクエ4と違う事にすると、結構な問題が大量発生する。
マスドラはピサロが人間だから助かる未来を見通しているはずなのに、何故無意味に介入してきてたの?という疑問がある。そこはまあ本当に全部わかるわけではないことにしよう。
もっと問題なのは、最初からifなら執拗にドラクエ4を再現する必要性自体ない事だろう。全く必然性のない再現で話を滅茶苦茶にしてきたことになる。人間も進化の秘法もエスタークも無視してランディオルとだけ戦ってればよかったんじゃ?
これに関してはもう、後の方で理由がライターの口から直接語られているので、考察を放棄したい。
結果としてモンスターズ3はピサロの悪事をディオロスに押し付けて漂白しただけの話になり、ピサロ自身の元あった魔族の王という魅力が無くなって、よくわかんない馬鹿な男だけが残った。
とまあ、流れだけ汲み取るとこうなるのだが、ここのイベントは本当に酷くて毎秒ツッコミ所しか出てこない。
観察してまとめる時間がなくて自分の言葉でツッコミしきれないのが悔やまれる。とにかくプレイヤーを引っかける事だけに心血を注いできた無駄なトリックを見せびらかしつつ、強引にプレイヤーを網にかけることで不快さが爆発するその様は酷いというほかない。
原作再現から解放されたらDV男描写は治るのか?感情描写から見る手癖
ピサロは間違った選択をした後何故か偽ロザリーとお茶をする。
本物より賢そうだからお茶するとたのしそう……じゃなくて、前二回の会話イベントで散々DV男ムーブをして、あわや誘拐という状況から助かった後で機嫌を取るかのようにお茶というのは、私にはDV男のハネムーン期にしか見えない。
真面目に考えるとその後「外れでした~残念」というシーンの落差を作るための安心感のある描写を考えたらお茶会になったのかもしれない。まあ偽ロザリーは本物と違って有能なので時間稼ぎの為にお茶会を提案したのだろう。
そしてロザリーを本当に助けた後の会話ではお茶会はしない。
これはもう、黒幕は分かってて襲われないのでロザリーの機嫌を取る必要がないからこうなった、というシナリオ主観の描写、もしくはピサロ視点ではループ前にお茶したから真ロザリーにはしなくていい、というDV男の発想なのではと思う。
お茶はいいとしても、ロザリーを怖い目に合わせて悪かったみたいなピサロ側からの謝罪は無い。
ここでとりあえずピサロがロザリーに謝罪しておかないのは、ピサロにとってロザリーは本当に大切な存在なのか?というシナリオの主題が大いに疑問視される、粗雑極まる感情描写だ。
エビプリが全部悪い事にしたいのは分かるけど、この状況で俺は悪くないからと謝らないのはロザリーの感情に配慮できておらず、コミュニケーションがDV男の文法になってしまっている。ピサロが喋れないならロザリーの方から「心配してくれてありがとう私は大丈夫」とでも言わせるだけで大分印象が違う。
え?そもそもロザリーの感情が設定されてないから謝罪のしようがない??それがおそらく正解なのがどうしようもないなあ。
今までのピサロがDV男なのは原作再現だからギリギリ言い訳できる面もあった。しかしここからはDVする必要が無いのにこれなので、もう素でやってるんだと思う。ロザリーが押しかけて来た時のイベントが今どき古典的過ぎる女性観だったけど、そこも多分素だろう。
私が何故謝罪描写にやたらこだわっているかというと、自分でも説明が難しいのだが、最近ドラゴンボールをアニメで見返しており、『こいつら自分がミスしたときにめっちゃ謝ってるな』と思ったのが大きい。
あのベジータですらセル編でやらかしにやらかしまくった後は悟飯に「俺がお荷物になるとは、すまなかったな、悟飯」と謝っている。しかも謝罪した後は悟飯を非常に認めたような感じの対応にベジータ側が成長する。ベネットと違ってちゃんと成長する。またやらかすんですけどね。
まあ、あのベジータが謝罪する位絶望的な状況という演出なのだが、そういう表現をして読者の心理を揺さぶるのが非常にうまい。さすがにもう40年前の漫画なので読んだことがある人も記憶が薄れていると思うが、この機会に改めて読んでみてほしい。脳筋インフレバトル漫画のイメージと違い、キャラクターのやり取りと心理描写がものすごく緻密なことに驚くと思う。
つまりその、キャラクターの感情を言葉できちんと説明するのはとても大事な事なんだろう。
このライターがキャラクターに謝罪させる描写を書くのが苦手っぽい部分は実はここ以外にもある。
気になる人は鉄鋼城・初級と中級のストーリーをなめるように鑑賞して見てほしい。
パーシヴァルは自分が悪かったことを自覚して改心したみたいなキャラなのに、自分が弾圧した村人へ一言も『イエティ達に申し訳ないことをした』と口に出して謝罪していない。終始自分と王の自分語りをするばかりである。
これが不思議なもので、一言も謝罪してないのにパーシヴァルはイエティ達の為に王と戦っているように見えるのだ。そう見えすぎてライター自身も一言も謝ってない事に気が付いてなさそう。
無論、話の流れ的に悪いと思ってる風な感じで進んでいるからそう見えるのだが、誠意というのは口に出すことで伝わるものであり、言わなくてもわかるでしょ?では済まされない。
こういう細かい部分の不備が説明の粗雑さや全体的に感じる唐突さを生み出していると思う。
OPからずっとそうなのだが、モンスターズ3はどうにも話が唐突に感じられる。
その原因の一つはご存知の通り説明不足だが、私はもう一つの原因は『キャラクターが本来するべき感情表現のやり取りが無い』せいだと考えている。
具体的にどうといわれても、当然あるべきものが無いという問題だから説明するのが難しい。
例えばミオレママがなんか毒親っぽいのは、そういう”筋書き”を読み上げるばかりで、感情表現が無いからではないだろうか。
そう思ってOPを見直すと、ミオレがピサロやランディオルに対してどう感じているか、という感情表現が一切ないことに気づいてしまった。
凡人の発想としては、今際(まだ死んでないが)に「愛していますよ、ピサロ、ランディオル」みたいな一言を言いそうなものだが、言わないのである。
このせいで何でミオレはランディオルとかいうクソジジイと相思相愛だったっぽいことになっているのか全く謎だし、ピサロもなんで毒親っぽい母親をそんなに慕っているのか、プレイヤーの視点だと首をひねってしまう。
まだミオレの描写はあるので念押ししておくと、甘味楼初級のミオレの回想では「パンを持ってきてくれてありがとう」というミオレからピサロへの感謝の感情があらわされている。
しかしこれはこの後の「ピサロお前パン盗んでんじゃねえよハゲ」というママからのお叱りのための前フリであり、どちらかというとバッドな表現だ。
純粋な感謝ではなくマイナスなお叱りの為に感情が饒舌になっている。リアルでも「ありがとう」を煽りや叱る前フリに使う人居ますよね?
ちなみに先ほど語った偽ロザリーのお茶会も、バッドの前のグッドという点でミオレの「ありがとう」と似た表現手法だと思う。
ピサロ以外で特に描写がおかしいキャラでパッと思いつくのがロザリー(筆頭)とミオレだが、逆に他と比較して感情描写がまともに感じる(あくまで感じるだけ)のはベネットとリュノ、あと甘味楼初級ボスのギルノだろうか。
単に女性の心理描写が壊滅的に下手なだけな可能性もあるが、後者は嘘つきとか後でプレイヤーを引っかける為とかの、シナリオ的な後ろめたい事情を感じるという共通点がある。
私は前にモンスターズ3では詐欺師ほどセリフがもっともらしく聞こえると言ったが、バッドな描写の前だけ感情表現が入る例を見ると、その理由が何となく説明できそうだ。
普段のキャラのセリフはパーシヴァルの自分語りやミオレママの圧の強い教えのように、筋書の読み上げだから理論的というか、感情の入ったセリフが無い。
詐欺師の時だけ、プレイヤーを騙そうとする心理が働くのか、理論ではなく感情や情緒に訴えかける感じになっているように見えるから、もっともらしく聞こえてしまうのだと思う。嘘つきは理論的に正しいことだけ言って会話を成立させることが出来ないから、感情論で誤魔化しているわけね。
例の選択肢の時のベネットとか滅茶苦茶感情的だし。覇王城中級のリュノもピサロをペテンにかけているわけだが、なんか感情の言葉を他のキャラより多く発している気がする。この辺は詳しく分析するとリュノだけで怪文書が一本出来上がってしまうのでカットさせていただく。
鉄鋼城のストーリーはまともな部類だと思っている人も多いと思うが、それをよく見たら『パーシヴァルは謝罪してないから弾圧を悪いと思ってないでしょ』というすごい落とし穴があるのだから、私が前に『たまたま胸糞展開が感動展開に見えた時だけ好評』と書いた理由が何となくお判りいただけたのではないだろうか。
この落とし穴が目に入らなければ、もしくは珍しく穴が開いていなければ、そして胸糞が度を越していなければ、感動の話として読了できるのだ。
謝罪謝罪って、私の考えすぎじゃないかと思ったので、他のドラクエシリーズからも謝罪してそうなイベントを調べてみることにした。
一番謝罪してそうなキャラクターといえば、ドラクエ8のチェルスとギャリングだろう。
さすがにチェルスが死んだときにギャリングはチェルスごめんとか言うのかな?と思ったけど、その後取り返しのつかない事をしたとかエイトたちに迷惑をかけたとか言うくらいで、チェルス自身にはギャリングから一言も謝罪してなかった。
んんん???なんか呪術がつよすぎてチェルスを守る呪いを消しかけたとか言ってるけど、そういう事じゃなくて今までチェルスに酷いことをした謝罪とか無いんでしょうか?
まあかわいそうな従者であるチェルスを特に物語的な必要性もないのに手癖で酷い目に合わせたいのと、取り返しのつかない事をしてどうしようもない感じになるハワードを手癖で作りたいだけで、他の部分まで気が回ってないのだろう。
それとおそらくライターは「取り返しのつかない事をした」が謝罪の意味になると思って書いているのだろう。私はそれは謝罪の表明であって、謝罪とは言えないと感じているが。
もしくはハワードは今までいびり倒していたチェルス本人には情が無くて申し訳ないと思ってないとかだろうか……?そっちの方が自然だけど普通に酷い。
そういえば、モンスターズ3でも確実に謝罪している奴が1人いた。クリア後にピサロに手紙を送ってくるエヴァンだ。
しかし手紙の内容を見ると「ずっと悔やんでいた」「直接謝りたかった」としか書いておらず、「ピサロすまなかった」という直接的な謝罪の言葉は一言もない。
エヴァンは確実にピサロに言葉で謝罪すべき人物なのにこうなのはもう、ライターは『謝りたいという意思の表明』、『後悔の感情』、『懺悔の告白』をそのキャラクターの謝罪だと考えて描写しているという事なのだろう。その先の一言を書く気が無いようだ。
まあキャラクターが謝罪すると『こいつが悪いんだ!』という方向にプレイヤーの目が向いてしまってノイズが入ることがある。劇としてのテンポの問題や、予算が少なくて尺が少ないとかあるのかもしれないし。
まあリュノが毎回ポエム詠んでる時点で話がおかしいのは尺のせいでは無いと思う。
ついでに言うとロザリーの描写が極端に少ない割には、ベネットの描写は毎回そこそこ挟まる(例えば煉獄峠クリア後のイベントで「俺は魔界に行くのすげえ苦労したんだぜ」とか、設定と関係してる部分をロザリーのそれとは違ってわざわざちゃんと説明してくる)ので、尺を入れようと思えば入れられるハズでもある。ライターがベネット・リュノと違ってロザリーの事は説明したいと思ってないからロザリーの描写が極端に少ないだけだと思う。
そういうゲーム制作上の都合で謝罪しないのかなと思って他のドラクエの謝罪しそうなキャラをもう一人探ってみた。
ドラクエ5のヘンリーは、大神殿のドレイ労働時に「お前の親父には申し訳なかった」と普通にあの世のパパスに謝罪してる。SFCのゲームだからモンスターズ3よりずっと尺がやばいのに謝ってるじゃないか。
プレイヤー視点だとこの直前にパパスが死んでいる訳で、『ヘンリーお前のせいでパパス死んだんだけど?』という気持ちな事にちゃんと配慮している。
これだけのことをしたら普通は謝るもんだよなあ。
主人公本人にはこの場では謝罪してないけど、10年は一緒にいるからとっくに済ませているのかもしれない。この描写によってプレイヤーはなんとなく『主人公とヘンリーはここで十年苦を共にして信頼し合う仲になったんだな』と察せる。
だがそれならヘンリーはパパスについても謝り倒しているはずで、今更ヘンリーが謝罪する方が2人のやり取りとして実は不自然な気もする。道理からくるやり取りよりも、プレイヤーに状況を説明することを重視したのだろう。
ちなみに、「ごめん」「すまない」「申し訳ない」等の謝罪の言葉は本当に見かけないが「ありがとう」「感謝する」等のお礼の言葉はきちんと直接的な単語で発せられる。
この感情描写に対する疑問に収拾をつけるには、もっと膨大な作品でのキャラクターの感情表現についてデータ収集が必要になる気がする。
とりあえず私の仮説として、このライターの話は基本的に胸糞を書いているはずなのに感動(ぶっちゃけかわいそうな描写を感動だと錯覚してるだけな気がする)に見えることが多いのは、
話の筋書きそのものが感動っぽい内容なことに加えて、感情の表現を廃することでノイズを抑制し、感動の筋書だけに集中させているからかもしれない、という説を残しておきたいと思う。
ロザリーの死亡シーンとデスピサロの末路、誘拐シーンからおかしい
どうやっても話がおかしいので脱線してしまったが、そろそろ本題のロザリー死亡シーンの分析に移ろう。
ピサロがベネットを信じなかった場合(そもそもなんでベネットが決定権を握ってるんだよという疑問は出る)ピサロはロザリーをすぐに助けに行かない。
しばらくすると偽ロザリーが正体を現すのでピサロは騙されたことを察し、ロザリーを探しに出かける。
ちなみに、この時ロザリーが襲われてる場所の地名は出ないので、どうやってピサロがそこまでたどり着いたのか全く不明である。ベネットは地名いうけど偽ロザリーは言わないの。ロザリーヒルの近郊ならともかく、イムルの村の東の森という特にかかわりもない遠隔地では、ピサロが自力で場所を探し当てるのは不可能に近いはずだ。
もしかしたらベネットに教えてもらえなかったせいでピサロが間に合わなかったからロザリーが死んだ、みたいな因果を強調したいのかもしれない。しかし正解のパターンでもかなりギリギリに到着してるので、失敗のパターンの時にまだロザリーが生きてる意味がよくわからない。そういうことにしたいってだけなのは分かるけどさあ……。
それと、偽ロザリーの目的はロザリーが死んだ場面をピサロに見せることでピサロを人間に対して激昂させ、何も考えずに進化の秘法を使わせて破滅させることにあると思われる。なので偽ロザリーは誘拐場所をちゃんと教えてから立ち去らないと目的は達成できない。
ときのすなで巻き戻した後も偽ロザリーとベネットを選ぶ選択肢が出るんだけど、ピサロは自分の目で偽ロザリーなことを確認してるわけで、もう選択肢出さなくていいでしょうに。
イムルの村の東の森とか、言わなくてもいい設定をわざわざ書いたせいでこうなってるんだけど、設定考えてたから出したくなったのかな?まあいいや。
あとそれと、そもそもまものが出てきた時点で人間が犯人ではないと考えるのが自然だと思われるのだが、ピサロは全くそのことに気づいていない。設定を忘れてるかもしれないので書いておくが、人間界の魔物は全員ピサロの手下である。ということはくらやみハーピーは魔界の魔物である可能性が高いし、そうでなくてもまずデスパレスに間者が居ないか尋問するべきである。
PS版ドラクエ4の時はデスパレスにエビプリの手先が居ることを考えると、本来はピサロが誘拐されたロザリーを探しているときにエビプリの手先がシレっと現れてロザリーの誘拐場所に誘導する、という流れだったのかもしれない。どうしてそうならないかというと、ベネットとロザリーという選択肢を出すためにあえて取り入れなかったと考えられる。ベネットがかかわらないと巻き戻せないからね。
そう言った魔物勢力の事情を全く考慮せず、なぜかノリでくらやみハーピーがモシャスを解いたせいで、ピサロがどうしようもないくらい馬鹿ということにしないと話が成立しなくなっている。
まあ、それっぽい場面にすること以外は本当に何も考えていないんでしょう。
とまあその結果、ロザリーはどこぞのイムルの村の東の森で人間達に襲われており、ドラクエ4と同じ流れで死んでしまう。
ここのイベントはピサロが喋らないこと以外はドラクエ4とモンスターズ3でほぼ一緒である。
特筆すべき点は、これまでモンスターズ3のピサロは人間を殺さなかったのが、この場面では謎ソードで容赦なく人間を切り殺してからロザリーに駆け寄っている。さすがに今際のロザリーは「人間に酷いことしないで」という定型文は出さない。
今までピサロは魔族の王になるとか言い出しながらも、わずかに人間としての良心が残っている風な設定だったらしい。サントハイムの住民を誘拐するとか、勇者を探してたけど結局何もしないとか、煮え切らない描写が多かった。
ここで完全にドラクエ4のピサロと状況が重なったから人を殺した、という描写なのだろう。
そしてロザリーは最後に「野望を捨てて私と一緒に」と言葉を残して死ぬ。
以前説明した通り、本来ここの遺言になるセリフを前回のイベントで先に言ってしまっているので、初めてロザリーの本心がピサロに伝わるみたいな感動のシーンではなく、これさっきも言わなかったっけ?という微妙さが漂ってきてしまう。まあよっぽどネチネチ見ている人じゃなければさらっと流すだろう。
ロザリーを失ったピサロは「許さんぞ人間ども」と人間への怒りを抑えきれなくなる。
一応突っ込まないといけないのは、ドラクエ4のピサロはロザリーを見つけたら既にこうなっていたので怒りが爆発したということだろう。
しかしモンスターズ3のピサロはベネットとやり取りをした結果ピサロ自身が間違った選択をしたわけだが、そのことに対する後悔とか真相の追及みたいなのは、さっきちらりと書いた通り無い。
まあロザリーを失ったから全てがどうでもよくなったのだろう。
デスピサロの破滅、進化の秘法って結局なんなの
ここから先はドラクエ4では描写されていないピサロ視点での彼の末路で、結構見ごたえがあるイベントシーンが流れる。
進化の秘法を使った結果、エスターク型の魔物に変身するピサロ。
設定が改変されたせいで話がかなりおかしなことになっていたが、進化の秘法=天地創造の秘術なのはやはり間違いなく、作中の人物は誰も明言しないのにみんなそのことを知っていて話をしていたようだ。
プレイヤーにもちゃんとそのことを説明しようね。
え?だれも進化の秘法で変身したピサロの魔物姿はエスタークだって言ってないから、天地創造の秘術=進化の秘法じゃなくても話が成立するって??私が変な思い込みをしてるだけだって???
姿が同じなのに違う術なわけないだろ紛らわしい設定を出すな。
ここでピサロが黄金の腕輪を使って変身するシーンは、背景が謎の洞窟になっている。ここはおそらくミオレと共に逃げ込んだ洞窟で、そこまでわざわざ移動してから変身したのだろう。何故ここに移動したのかは次のシーンから何となく想像できる。
そういえばピサロは進化の秘法が不完全なことを知っていたのだろうか?
ドラクエ4では進化の秘法を完成させるために必要なおうごんのうでわは魔族に奪われたはずで、デスピサロはちゃんと黄金の腕輪を用いて進化の秘法を使ったはずだ。
これは私が勘違いしていたことなのだが、リメイク版のエビルプリーストはデスピサロを暴走させることで、そのデータをもとに完全な進化の秘法を完成させたと思っていた。それは全く違うらしい。通りですげえ回りくどいなと思ってた。
ではエビプリの作戦とは何だったのかというと、単に『ロザリーを暗殺したらピサロは狂って不完全な進化の秘法を使って勝手に自滅するやろ!デスピサロが自滅すればあとはワイの天下や!進化の秘法もなんか完成しとる!』という事らしい。ドラクエ4もモンスターズ3も。
22年越しにようやく私も気が付いたんですが、そうはならんやろ。
なんというか、ロザリーが死んだらデスピサロが破滅するって大筋に無理やりエビプリを当てはめたらおかしくなって、それ以外の理由付けとか何も考えてないのは、当然だけど昔からだったんですね。
『デスピサロの進化の秘法が完成してたらどうすんの?』
『犯人がバレたらブチギレたデスピサロが乗り込んでくるんだけどいいの?』
『暴走したデスピサロはどうやって始末するの?』
『自分の進化の秘法で始末できるなら、そもそも暴走させる必要なくない?』
『魔界か人間界もボロボロになるんだけどいいの?』
『モンスターズ3ではランディオルとかも居るんだけど、そっちはどうやって始末するつもりだったの?え?デスピサロに始末させる?それかランディオルはピサロと違って馬鹿じゃないので酷い作戦は通用しないって?』
何というかこう、エビプリはライターの理想の筋書の為に動く以外の考えが何もないという事だけは分かった。こんな働き者の黒子なのに、モンスター図鑑の説明を読むと、ライターは真の敵みたいな扱いにしたいらしい。いや無理があるって。
エビプリのこと以外にもツッコミ所はまだまだいっぱいある。
モンスターズ3ではあきらかに『ピサロが進化の秘法で暴走する』事を前提にシナリオが進んでいくが、ピサロ自身にはこれ不完全なので使うと暴走しますよという説明はシナリオ上でされていなかったのでだまされた、という筋書きに見える。
それはそうなんだけど。実は進化の秘法の完成度と危険性って、ちゃんと説明されてたりしませんか?
直前のアグルカ博士のシーンを見ても、『黄金の腕輪で進化の秘法を完成させる』としか言っておらず、完成があるということはつまり今は未完成という事である。この後もなんか進化の秘法不完全だったわメンゴみたいな話がアグルカ博士からされることは無かった気がする。上級に入った後アグルカ博士の所に行けば何か喋ったりするんだろうか?誰か調べてきてほしい。
つまりここで使った進化の秘法は完全だったはずなのに暴走したのか、それともまだ未完成だったのを無理やり使ったから暴走したのか、イマイチはっきりしないのだ。後者だった場合、ピサロはアグルカ博士の忠告を聞かずに自爆したことになるので、やっぱり馬鹿である。
まあシナリオはピサロを暴走させること以外なんも考えてないし、ピサロもいっそ自分暴走しますよみたいなノリで動いてる気がするから、考えるだけ無駄だろう。
だって自我が無くなる事を知らないんだったらロザリーヒルか、進化の秘法と黄金の腕輪を受け取りに行ったアグルカ博士の研究所付近で変身しそうなものなのに、わざわざ昔住んでた村の周辺に移動してから変身してるし。
さらにもう少し情報を整理して考えてみよう。
ピサロは災厄の魔宮・初級の記憶を見たことで、進化の秘法=天地創造の秘術であり、それを使うとエスタークとかいうヤバイ存在になって頭のおかしい天空人の指示通り世界を滅ぼす、という情報を得ている。
そして進化の秘法すっげぇ!ほしい!と思ったから、エビプリの言う通り進化の秘法を頑張って作ってたわけだし、ロザリーに進化の秘法で強大な存在になって人間を滅ぼすとかイキりちらしてたわけだ。まあプレイヤー視点だと全く無意味な作業を見せられてただけってことになったんですけど。
だが、あの映像で進化の秘法が天地創造の秘術であることに気付けるほど賢いなら、エスターク達が自我の無い化け物であることもに気づいていそうなものだ。マスドラが必死になって封印したり、世界が滅んだ様子もピサロは見ている訳で、そんな都合のいい力ではないと考えるのが普通の発想だろう。
つまりピサロは進化の秘法を使うと自分もああなると何となくわかっていて、でもロザリーが居なくなったからあえて使って世界を滅ぼしたくなったのではないか?という雰囲気が感じられる気がする。
別にそれでも話がおかしいわけではないと思うのだが、一つだけ大変な問題がある。
それはそんなやばい代物を積極的に進めてきたエビルプリーストのことをピサロは一切疑っていないのである。
どういう考察をしても最終的に行きつく結論は、エビプリは無敵の詐欺師だけどやることが回りくどくて、ピサロはただひたすらに馬鹿というものになってしまう。
一応ピサロを漂白して株を上げるつもりで書いてるんですよねこれ?逆にどんどん馬鹿で魅力のないキャラになって行ってるんですけど?
そっちじゃないよ デスピサロ
デスピサロが変身した余波が、天空城でマスタードラゴンと会話する勇者の背後を貫いていく。
これはドラクエ4にもあったシーンだ。この攻撃の余波で天空城に空いた穴を降りていくとゴットサイドに付き、そこから魔界に降りていく流れになる。
この描写で序盤の謎が一つ氷解する。ピサロがミオレと住んでいた町はゴットサイドのどこかにあったのだろう。ピサロが変身してた洞窟の上が天空城という事なのでね。
私は考察の初期に『ピサロとミオレが住んでいた町はゴットサイドだったので、人間が魔族にやたら厳しいし、子供のピサロが多分徒歩で魔界までたどり着くことが出来た』という仮説を立てた。それは多分正しかったのかもしれない。作中では全く説明されなかったが。あと考察が当たってても別に嬉しくない。普通にちゃんとゲーム内で説明してくれた方が面白いよ。というか考察要素って後で説明すること前提で作るもんじゃないの?
神職が多いゴットサイドなのに、カズルの悪魔とか言う特に意味の無い固有名詞を持つ魔物に被害を受けたエヴァン(OPでピサロが焼き討ちされる原因を作ったクソガキ)が真っ先に助けを求める相手がピサロなのはなんなの?という疑問も深まった。
この件に関してはクリア後に本人から申し開きの手紙が届く。曰く、「ピサロがまものと戦っているのを見て大人に助けを求めに行ったらなぜかこうなった」らしい。そうじゃなくて、なんで大人より先にこの時点では魔族で強いとか知らないはずのピサロに助けを求めたのか聞いてるんだが。
変身したピサロはまず周囲の人間たちの村を焼き払う。つまり多分自分と母親を焼き討ちした村を焼き払っている。
変身して真っ先に滅ぼしたい人間たちはロザリーを迫害してたエンドール住民とかじゃないの?と思うが、意外とロザリーより自分の恨みを優先する位には、ここの住民の事も根に持っていたのだろう。
ここで一瞬、クリア後にエヴァンから手紙が届くのに、ここで殺したら届かなくね?と思ってしまったが、無かったことになるので大丈夫だ。安心して焼き払おう。
でも自分の恨みを優先するなら、元はと言えば母子を追放したランディオルが悪いのに、真っ先に人間の村を滅ぼすことになる位置で変身するのは逆恨みじゃないでしょうか。え?ピサロは今ランディオルの話してないって?そうだね……。
ここからは特にツッコミどころのあるシーンだ。人間を滅ぼすとか言っていたピサロは、この後明らかに魔界を破壊し始めるのだ。
おそらく、自我を失ったから周囲のものを無差別に破壊している描写なのだろう。
ゴットサイドから魔界に行けるっぽいので、変身後周りにあった最初の村を滅ぼした後は流れで魔界に入ってしまい、そのまま破壊しまくったということかもしれない。
他の魔界は滅んだのに何故か災厄の魔宮のパッゴイ教団だけ喜ぶ描写のみで滅ぼされないのが作者のお気に入り感がある。
ただ、プレイヤー視点だと最初に母を迫害した村を滅ぼしたのは描写がさらっとしすぎて全然気が付かない一方で、魔界を滅ぼしているのはすごくわかりやすい。
なので『ピサロはロザリーを殺されたことで人間に深い恨みを抱いているはずなのに、なんで魔界を滅ぼしてるの!?』という至極当然の疑問が湧いてきてしまう。
ドラクエ4のデスピサロとの戦闘前会話によると、デスピサロは自我を失っても『人間を根絶やしにする』事だけはおぼえていたはずなので、人間界をちょっと破壊した後に魔界に突入するのはやっぱり変なのである。お前それを憶えていられるくらいロザリーの事が好きなようには見えなかったんだけど(今更)。
進化の秘法が都合よくないものなのは分かるから、なんで魔界を破壊してるのか説明してくれれば理解できたかもしれないけど、『不完全な進化の秘法で暴走したんで、お前は終わりw!』以外の事を説明役のマスタードラゴンは教えてくれない。
なんでこんなおかしな行動をしているのかといえば、もちろんドラクエ4につなげる為だろう。
デスピサロ化ルート以降のモンスターズ3ピサロは、ドラクエ4のピサロと同じ存在のはずである。
ドラクエ4のデスピサロは、天空城の雲に穴をあけた後は魔界に籠って、4人の部下たちに4つの結界の祠を守らせ、自身はデスキャッスルの奥底で勇者を待ち受ける。
モンスターズ3ではこれにつなげるために、デスピサロは魔界を破壊しつくした、つまり魔界がデスピサロに従った状態ということにしたのだろう。これらの辻褄を合わせる為だけにデスピサロは変な破壊活動をしたとしか考えられない。
この後ドラクエ4と同じ展開になることを考慮すると、結界のほこらに四天王(ヘルバトラー・アンドレアル・ギガデーモン・エビルプリースト)が配置されるはずだ。
こいつらモンスターズ3ではデスピサロの部下じゃないのに何で集まってくるの?という疑問があるが、ピサロの視点に入らない出来事である以上、どうしてそうなるのかはわからない。
そうなる理屈をあれこれ考えたのだが、結界の守護者たちはデスピサロがヤバイから覇王城に封印していたと考えるのが一番しっくりくる。
というのも、ドラクエ4の結界の守護者たちのセリフを読むと、『進化したデスピサロ様が魔族の王として目覚めるのを待っている』みたいなセリフなので、ランディオルの遺言とかエビプリの差し金とかでそうなったとしてもギリギリつじつまが合うのかもしれない。まあこの辺の設定は話に不快感をもたらしているわけではないので深読みしなくてもいいだろう。
デスピサロは最後に玉座のようなものの前にたどり着く。これはランディオル大帝が座っていたものと同じっぽいので、デスピサロは大帝をも滅ぼしたということになる。
この時点ではわからない事だが、ランディオルは究極進化の秘法とか言う進化の秘法の上位互換(?)をすでに完成させている。どうやって完成させたのかは当然不明だ。何か設定を増やす度にそれが出来ないピサロが馬鹿ってことになっていくのすごいと思う。
使うときに黄金の腕輪を取り出したり「神代の秘術」と口走ったりする。エビプリが黄金の腕輪見せびらかしてたのを「必要ない」とか言って気にも留めていなかったのは、もう持ってるから要らないという事だったのだろうか?これがエビプリの持ってた腕輪だったら究極進化の秘法は完成してなかった事になって意味が分からない。
ちなみにエビプリは流神殿・上級でピサロに倒された後のイベントで、城を崩してどさくさに紛れて脱出し、ランディオル&ディオロスに謁見して進化の秘法を使わせて自爆させようとするが、看破されてディオロスに殺される。この時にエビプリが黄金の腕輪をランディオルに見せびらかすのだが、どうもこの腕輪は話の文脈的に城が崩れた際にエビプリがピサロから盗み取ったものらしいのだ。しかしイベントシーンを見ても取られている描写は無いし、そういう説明もないし、ピサロが腕輪が無くなったことに気づいたりもしないので、なぜエビプリが黄金の腕輪を持っているかはっきりしない。それを説明すべきパートで古代エルゼトの設定朗読会が行われる。
ランディオルが持ってるのが本物の腕輪だからピサロのは偽物で進化の秘法に失敗したという説もあるが、この後ピサロの進化の秘法には全く言及されないのにあれこれ考えてもむなしいだけである。
「神代の秘術」の方は、明らかに天地創造の秘術=進化の秘法であることを意識した発言だが、シナリオ側がなぜかもったいぶってそれをプレイヤーに明言しない意味をそろそろ教えてほしい。
設定の格で言えば究極進化の秘法を使っているランディオルの方が不完全な進化の秘法を使ったデスピサロより強いはずで、なぜデスピサロに負けたのか謎である。
さらに言うと、ランディオルの目的は自分の死後に魔界の統治者が不在になることによる魔界の動乱を防ぐことで、そのための後継者として王子たちを用意したっぽい。でも究極進化の秘法なんてあるならそれで寿命問題が解決して、自分がずっと魔王をすればよくて、つまりランディオルの目的が達成されてないか?
ランディオルが魔王だと人間との戦争を避ける気が無いのが問題だからピサロやマスドラと敵対するとしても、そもそもピサロをを追放する意味がよくわからなくなる。少なくとも究極進化の秘法では魔界の問題が解決しないことについては作中で絶対に触れるべきだった。
あと素直に考えるとデスピサロは魔物に攻撃できないを掛けられているからランディオルどころかすべての魔物に負けると思うのだが、変身したときに解けたことになっているのだろうか?
あれ?中級中盤くらいのピサロも進化の秘法で全部どうにかするつもりだったとして、変身後に呪いで父や兄に攻撃できない!ってなったら変身する意味が無いことになるんだけど、そのへんの後先は考えていたのだろうか?まあ呪いなんて都合がよくなったら勝手に解ける物だから、気にする必要ないよね。
今更だが、外伝でエスタークより強い究極進化の秘法とか実はエスタークは元魔族の王ではなく頭のおかしい天空人が生み出しましたとか、適当に付け加えて良い設定なのだろうか?それよりリメイクする度にピサロが馬鹿化することの方がもっと問題だから別にいいか。
さらに謎なのは、本編では究極進化の秘法の使用をなぜか拒否したディオロスも、いざデスピサロに殺されそうになったら多分使うはずである。どうしてデスピサロは魔界を滅ぼせたのだろうか?
これはもう単純に、デスピサロがこいつらより強かったんでしょう。
マスドラも既に進化の秘法を完成させているランディオルや、それを使う恐れのあるディオロスのことは全く心配していない。
デスピサロ以外なら地獄の三神と同レベルだから最悪封印できるのでいいやという認識なのだろう。
それでも変身されたら十分ヤバいと思うのだが、中盤の山場を越えた後の話の統合性なんて興味がなさそうだし。
……デスピサロ以外はどうにかできるんなら、OPでランディオルにピサロを始末させといたほうがマスドラにとって都合がよかったんじゃないですか?介入する必要ありましたか?
そうでなくともマスドラが一言『ピサロお前エビプリに騙されとるでえって』教えれば済むだけの話だった気がするんだけど、ああしないとピサロが会心しないからってことなのかな?でも根本的な話をするとピサロがおかしくなったのはマスドラのせいなんだけど、そこのフォローもしないしなあ。
頭おかしくなりそうなのでこれ以上マスドラの事を考えるのは辞めます。
そういえば、モンスターズ3では結界の守護者たちには前任者(守護四帝)が居たことになった。帝ってランディオルにだけ使われる位じゃないの?
デスピサロが覇王城に突入しているので、結界を破る際にその前結界の守護者たちは滅ぼされたのだろう。逆に言うと後任であるおなじみの4人は戦っていないので滅ばなかった。
今明かされるピサロから他キャラへの好感度
壊れた玉座にたたずむデスピサロの前に勇者と導かれし者たちが現れる。
なぜ勇者がここに来たかはドラクエ4のマスタードラゴンと勇者の会話で語られている。
エスターク討伐後にデスピサロと遭遇した勇者は、デスピサロが進化の秘法を使って強大な存在になって世界を滅ぼすのを止めるため、天空への搭を登ってマスタードラゴンに謁見していた。という流れらしい。この回想でも一瞬写っていたマスタードラゴンと勇者のシーンがそれだ。丁度その時にデスピサロが覚醒して天空城にまで攻撃を届かせたわけだ。
ドラクエ4のマスドラはここで『デスピサロが挑発してきたっぽくてウゼエ』みたいなことを言うので、モンスターズ3のマスドラも言ってたことになると思う。
しかし流石にピサロの覚醒を回りくどすぎるやり方で防ごうとして失敗しておいてその反応はカスすぎるのであまり考えたくない。
その後、『勇者に力を与えるからデスピサロ倒してきて、ここの下から魔界行けるから』みたいな流れになって勇者とマスドラの会話は終わる。
というわけで勇者一行はデスピサロを倒しにはるばる魔界まで来たわけだ。
勇者一行にボコボコにされるデスピサロ。その最中、自我を失う前のピサロの記憶が流れる。
プレイヤーの認識だとピサロはもうロザリーの事しか考えてなさそうなイメージがあるが実際はそうでは無いようだ。
ご丁寧なことに幼少期のOPのあたりから記憶が回想される。しかもなぜか幼少期の尺がすごい長い。他のイベントシーン少ないからだろうね。
ピサロ的に重要なはずのロザリーとの出会いのシーンやロザリーヒルの塔での会話のシーンは飛ばされるので、自我を失ったことで一番大事なはずのロザリーの記憶だけ無かったりするのか?と一瞬思うが、記憶の最後のカットがベネットとロザリーが写ってるシーンなのでちゃんと覚えているっぽい。
しかし一番強調されるシーンでベネットとロザリーが同時に映るということは、ピサロの中ではベネットとロザリーが同格の存在という風に見えてしまう。
ロザリーの死をきっかけにして破綻した男の記憶なのだから、最後はロザリーが1人で写っているシーンを持ってくるのが当然なのでは?
すごく今更だが、もしかしてモンスターズ3はピサロとロザリーの話ではなく、ピサロとベネットとロザリーの話のつもりで描写されてきた。という、うすうす感づいていた疑念は事実だったのだろう。
プレイヤーはずっとピサロとロザリーの話だと思っていたのに、シナリオ側はそうじゃなかったんだから、書き手と読み手の認識がズレているせいでお互いに話が通じないせいで何もかも意味不明なのは当然だったのかもしれない。
通りでベネットばっかり盛られて、ロザリーの描写はドラクエ4でやった部分があるからいいやとすごい適当だったわけだ。
まあピサロは進化の秘法を使うと頭がおかしくなって自我が死ぬ事を知らなかったことになっている。なのでピサロ的にロザリーが実はそこまで大事じゃなくて、これ使ってもパワーアップするだけだからいいやと軽い気持ちで使ったら、思ってたのと違くてこうなっちゃった。というだけだからロザリーとベネットが同格なのかもしれない。
でもプレイヤー目線だとピサロ=ロザリー位の認識なのでどう考えてもシナリオがズレていることになるのだが。
ちなみに、ピサロの記憶の回想では幼少期→母→村の面々→ザガンギエル→村襲撃時のモシャス形態(なんでこれ?)→リュノ→ベネットとロザリーと場面が移っていく。
単に時系列順に映しているのかもしれないが、ディオロス・ランディオル・アグルカ・ホイミン・ピサロナイト・マスドラ・エビプリといったそこそこピサロと会話したはずの人物は出てこない。さらに攻略順によっては村襲撃と覇王城・中級の順番は前後するので、時系列順だと矛盾が発生する。
ということは、回想で映った順番はピサロの中の好感度順という意味合いが強くあるはずだ。
村襲撃時があるということはピサロの手先は好きっぽいけど、記憶に残ってないピサロナイトかわいそう。まあピサロナイトが無能だからこんなことになってるわけで、忘れられてもしょうがないか。
それはそうと、ザガンギエルとリュノがわざわざ映っているということは、ピサロ的にはこの二人は重要な人物ということになる。
ザガンギエルは一応ピサロ的に大恩人ということでまだわかる。しかしリュノはシナリオ的にはピサロを利用するためにそそのかして破滅へのきっかけを作ったカスな上に、覇王城・中級でピサロを騙していたりポエマーだったり、プレイヤーにとっては終始不快な野郎だ。
しかしシナリオというかライター的にお気に入りのキャラだからか、ピサロとの絆がベネット・ロザリーの次に深いということにしたいらしい。なのでリュノはピサロを騙してきた相手なのに、ピサロからの好感度が高いという意味不明な状態が発生してしまっている。ライターとプレイヤーとで目線が全くズレていることがうかがえる。
反対に長兄のディオロスは回想に出てこない。ディオロスはピサロの敵役なので出てこないのは正しいのだが、客観的にみるとピサロ的にめんどくさい相手である勇者を勝手に始末してくれた(殺せてないけど)ありがたい存在である。ムジャラーもそういってた。
また、ピサロ自身も魔族の流儀は弁えて要るっぽいので、ディオロスが魔族の流儀に反しているようにはとても見えず、兄を否定するのは流儀とやらと矛盾しているのではないだろうか。
ついでにいうとディオロスは暴虐とか言われているくせに村襲撃以外の悪事をゲーム中で働いておらず、ピサロにはダメージを与えていないから、ピサロがディオロスを憎むポイントが実はない。
何でディオロスが悪いことにされてるのかって、ライターがシナリオ的に悪いことをしてるキャラとしてディオロスを設定してるからってだけだし、ピサロの罪のスケープゴートにして使い捨てること以外の興味が無いなんですね。ピサロはディオロスと違って村を襲撃してないから実はいい奴なんです、エスターク探して世界を滅ぼそうとしてるけど。まあ作中人物の主観での悪事の概念とか全く意識してないわけです。
え?ディオロスはピサロに勇者を擦り付ける嫌がらせ(桃鉄の貧乏神じゃねえんだぞ)をしてきたのがピサロ的にすごくいやだって!?村襲撃とモシャス周りのわけわかんない設定が成立すると思ってるのライターだけなので……
ピサロはそんなありがたい兄の事は勝手に逆恨みしている一方で、客観的に見てピサロの事をずっと騙し続けている詐欺師であるリュノの事は好きと。現実で詐欺師に騙されてる人みたいな悪い意味での生々しいリアルさがある。
こんな兄とピサロでも、ピサロとリュノが物心つかないほどの幼少期に、ディオロスの後ろにくっ付いて歩いたという話が前結界の守護者から語られる。
しかし最後の方に唐突に出てきたこの設定を生かした感動の話にする気は全く無いようだ。ディオロスに対して全くやる気がないのに、変な設定だけは付け足してちょっとでも後味を悪くしたいらしい。
以前『説明すると人間が悪いことになるから説明しなかった結果、エンドール闘技場の余興シーンができた』みたいな苦しい擁護(?)をした。
しかし『これピサロが悪くね?相手かわいそうじゃね?あーあ』みたいな雰囲気になる展開だけは、全力で説明したり設定を出したりしてプレイヤーに胸糞を味わわせてくるので、ライターの興味が向いていない部分に対してやる気がないから説明されないだけというのが真相だと思う。
明らかにプレイヤーを煽ってくるマスドラ
記憶の回想の最中、マスドラが煽ってくる。
曰く、「お前は選択を誤った。完全ではない進化の秘法は己の体を崩壊させる。自我を失って破滅する。哀れなピサロ。間違えなければ運命はこうならなかった」だそうだ。
勝手に不正解に誘導されたプレイヤーを煽り倒すシナリオ側の神経がすごいのはもちろん、普通に間違えたプレイヤーに対しても煽り過ぎである。マスドラの煽りに噛みついてると話が進まないので見なかったことにしよう。
気になるのは『お前の使った進化の秘法は不完全だからそうなりました』と解説してる部分だ。
ここで解説するということは、ピサロは進化の秘法を使うとこうなることをもちろん知らなかったのだろう。プレイヤーとシナリオ側はメタ的にこうなることを知ってた上で話が進んでるように見えるだけで、ピサロ自身はやはりそのことは知らない。
それはいいのだが、マスドラは何故先に説明しなかったくせに手遅れになってから言い出すのだろう。
前にすべてが終わってから解説もといネタバラシしつつ馬鹿にしてくるとか分析したが、見事にそういう手法だ。
普通の作品でもそういう展開は往々にしてあるとは思うが、問題なのはマスドラが何でも知ってていつでも介入できる万能キャラな事だろう。迂闊に話に絡めたのにそのフォローは一切しないで便利に使い倒すだけなので、不公平感と不信感と不快感がうなぎ上りになってしまっている。
全知のキャラを気軽に話に絡めてはいけない。扱いが下手だと不快なだけだから。
そしてもう一つ気になるのが、『不完全な進化の秘法』という点だ。進化の秘法が不完全なのよくわかんなくない?という説明はさっきした気がするので、もう一つの観点から触れたい。
プレイヤーが今までやってきた進化の秘法作成の作業は全部無意味だった。
今までピサロはエビプリにそそのかされて進化の秘法を完成させるためにあれこれやっていた。
ミンミが黄金の腕輪を強盗してきたのをよくやったとロザリーが褒めるという、序盤のピサロの盗み嫌いとロザリーの善性描写を完全に忘れ去って素の倫理観で評価してるイベントもあった。あ、ピサロは強盗はOKだったわ。
そういえばロザリーは人間いじめを咎めてたけどベネットの盗みには何も咎めないどころかリアクション自体してなかったな……頭が痛くなってきた。
とにかく、そうして手に入れた黄金の腕輪をアグルカ博士に預けて完成直前みたいになっていたはずだ。
それがこのイベントでは不完全な進化の秘法を使ってしまって破滅したことになっている。今まで進化の秘法をつくってた一連の話がまるで無意味だったね。プレイヤーを事を馬鹿にしてるのかな?
そういえば、『進化の秘法を使うとピサロは人間の血を捨て、完全な魔族になるという願いをかなえられる』みたいな説明が流神殿・初級の頃にアグルカ博士からされている。
これは一応、中級編でピサロが野心に走って完全な魔族になろうとすることを示唆した発言であり、進化の秘法を研究する理由付けでもあるはずだ。ただこの理由はこの後出てこない。
少し思い当たったのが、この後進化の秘法が出てくるときは、『世界を滅ぼす』『人間を滅ぼす』『強大な存在』になるとか、『魔族の血を消す』が別のワードに変換されている可能性がある。この手法には心当たりがある。エスタークと進化の秘法自体も、毎回違うワードであらわされている。
つまりライターは本来同じキーワードと目的を一貫して提示することでプレイヤーに説明すべき部分を、何故か勝手に別のワードに変えまくることで話を分かりにくくするクセがある可能性がある。
まあこのパートが終わるとピサロはロザリーに激詰めされて中級の展開をまるっとなかったことにするし、この後ピサロの進化の秘法をどうするとか一切説明されないんですけどね。
こんな危ない物持っててもしょうがないでしょ?ピサロを破滅させたからノルマ終わってもう出番ないし。ということで画面外に追いやったのかもしれないが、本当に無神経なシナリオだ。
ときのすなという禁じ手と、背後に見え隠れするそれを正当化するための設定
さて一通りデスピサロの末路シーンが終わると、デスピサロはおそらく勇者たちのミナディンによってトドメを刺される。その瞬間、今まで流れていたピサロの破滅のシーンが巻き戻されていく。
なんと、ベネットがときのすなをまいて”間違った選択”のその後をなかったことにしたのだ。シナリオを真面目に捉えようとするのそろそろやめていいでしょうか。つらいです。
とりあえず、イメージ映像だとピサロの上に砂が降り注いでるように見えるけど、ベネットは魔界まで行って砂を撒いたんだろうか?まあ勇者が魔界でデスピサロを討伐した後ならギリギリ行けるのかもしれない。
このベネットとロザリーどっちが正しいのか選択するシーンはドラクエ4には無いシーンで、なおかつ酷すぎてツッコミ始めると収拾がつかないので今回はコメントを控えさせていただく。
ただ、ときのすなだけは少し気になる点があるので考えてみたい。
ときのすなというのはドラクエ4から登場したアイテムで、戦闘中に使うと最初のターンまで戦闘を撒き戻せる。ゲーム的な事情で登場した便利アイテムであり、この時点ではシナリオで活用されるようなことは無かった。
その後のドラクエでは、4と同じように戦闘中のアイテムとして登場した他、シナリオ面でも主に主人公を阻むための巻き戻し系ギミックが時の砂でおこなわれていますよ、みたいな演出で使われるようになった。
もちろん直接時間を撒き戻して都合の悪い出来事をなかったことにするみたいな無敵すぎる使用方法では使われていない。ドラクエ11ではそれっぽいのあったけど1度きりだし都合も別に良くない。
モンスターズ3ではどういう経緯でときのすなが出てきたかも解説しよう。
ピサロはアグルカ博士から「進化の秘法を作るためには1000年分の魔力の錬成が必要だが、ときのすなで時を遡ることでそれを短縮できるから、材料となる”5次元の結晶”を取ってこい」という依頼を受け、流神殿・初級でそれを入手する。
ところでアグルカ博士は『時を遡るときのすな』で『1000年の時を一瞬で超える』って言ってるんですが、時を遡ったのに未来に行ってるのはおかしく無いですか??それとも過去に行くと魔力が増えるんですか????
ときのすなは時間を巻き戻すアイテムのはずなのに、どこぞのFateの切嗣の父親みたいな事(固有結界の中で時間を加速させることで宇宙の終焉を観測するのが目的とかなんとか。ときのすなはそれと似たようなことが出来るってこと?)を平然とやろうとしているのは、何か設定とかあるんでしょうか?
魔力だけ1000年前に送るタイムカプセル方式ってことですか?それだとこの研究所自体も1000年前からあるってことになって、猶更おかしいですよね?マジンガーゼロのおじいちゃんみたいな研究方法(研究結果を過去に送って圧縮し続ける)でもしてるんですか?そこまでできるなら完成しないのはどうしてなんですか?
何気に他のドラクエ作品では時間移動が可能でも未来に行く展開は厳しく制限されており、ドラクエ11は過去への巻き戻しオンリー、ドラクエ10も未来にいけたのはキュルルのサポートのおかげということになっている。過去干渉はまだしも未来干渉は本当に収拾がつかなくなるから気軽にしてはいけない。
あれっ?そもそもエビプリが進化の秘法をピサロに研究させてるのは、その過程でピサロ(とランディオルとディオロス、つまりエビプリより強い魔族全員)を自滅させるのが目的のはずだ。勇者とかどうするつもりなんだろうね。最初はランディオルだけだったろうけど、子供が生まれる度に自爆させないといけない対象が増えたよね。あとリュノは魔界のみんなから居ないものとして扱われてるのはどうしてなの?パッゴイ教団も誰も触れてこないのなんで?
だけど自滅させられるのはトリガーとなるロザリーがいるピサロだけだし、ピサロが生まれたのはつい最近のはず。まあピサロを魔界で自滅させればランディオルとディオロスも自動的に始末できる。
暴走したデスピサロが人間界で暴れずに魔界で暴れたのはエビプリの策ではなくただの偶然なんだけど、人間界で暴れられたら手口がばれちゃうからもうランディオルとディオロスを自爆されるのは不可能。それどころか進化の秘法を流出させた容疑でランディオルが乗り込んできて詰む可能性すらある。それどうするつもりだったんだろうね?
あと魔界を巻き添えにしたらエビプリは支配する場所が無くなって何のために活動してたの?人間界の支配が目的だったの?
等々、エビプリの目的が意味不明すぎ&作戦がガバガバすぎて、疑問が無限に湧いてきちゃう。でも魔界にいるエスタークを魔界勢力がみんなスルーしてるのは、厄ネタすぎて触っちゃダメなのを理解してるのかもしれない。ザガンギエルとピサロが情弱すぎるのでは?
つまりエビプリは今まで何十年もランディオルとディオロスの自爆案は保留にしてたくせに、ピサロに会ったときは初手で『進化の秘法研究させてからこいつの女殺せば自爆するやろなあ……w』と策を思いつき、自爆対象を油断させるために今までアグルカ博士の研究を停滞させていたことになる。自分が先に秘法を完成させちゃえば勝ちで、そのためのときのすなの採掘権も自分が握ったってことになるはずなのにね。
それで実際に1回成功してるんだからエビプリの頭脳はすごい。まるで自分の計画に都合のいいピサロが生まれてきて、しかもエルフの彼女とかいうこれまた都合のいい存在とくっつくことを予知してたみたいだ。
ご託はいい。先の展開から逆算を超えて未来予知レベルでやりたいことだけやらせる酷いシナリオと無敵の詐欺師を作るのをやめろ。
個人的には流神殿の話はロザリーとまるで関係ないエビプリの無意味に手が込んだゲス描写とエルゼトの設定朗読で終わらせるよりは、この辺のエビプリの計画に焦点を当てた話にして、最終的にピサロの器とロザリーの優しさでエビプリが会心して和解するみたいな展開の方が見たかった。モンスターズなのに魔物が嫌いになる話とか嫌だし、FC版ドラクエ4のエビプリ忠臣説を採用してほしかったわけだ。
でもエビプリの図鑑の説明を見る限り、ライターは冗談ではなく本気でエビプリが全部悪いと思ってるっぽいので、これからもそういう度量のある話は書けないでしょうね。作家自身が悪く書いてるキャラの事を本当に嫌いっぽいのは……ちょっと引くかも。
それと真面目な話、進化の秘法を作るのに最低1000年かかるということは、それを既に完成させているランディオル大帝もときのすなを使ったか1000年前から生きている事になる。前者だとお前が時間を巻き戻してピサロ救えよって話になるし、後者だと『魔界は何時も荒れてるからすごい後継者つくるべ』というランディオルの動機の根幹が『ずっとお前が統治してるから魔界荒れて無くね?』ということでおかしくなる。それとも魔族の時間間隔だと1000年は人間でいう100年位だったりするのだろうか?
話を戻そう。ピサロ視点では5次元の結晶がときのすなになったシーンを見た後は時に音沙汰なかったが、ベネットは中級開始時に離脱した後、いつの間にかアグルカ博士の研究所でそれを盗んでいたらしい。
ベネットの盗みをわざわざピサロが咎める事に尺を割いたのに、後でそれに救われたんだから仕方ないじゃんみたいな流れにして抵抗の余地を無くすの、ライターは本当にプレイヤーに不快感を与えるのが好きなようだ。
それはそうと、設定の背後関係を考察していくと、おそらくこのときのすなはただの便利アイテムではなく、ライター的にはちゃんと設定を考えて使ったから正当性のあるシナリオということになっている可能性がある。
ときのすなの原料は流神殿で取れた5次元の結晶という、何の意味があるのか全く説明されない固有名詞のアイテムだ。モンスターズ3にはこういう無意味な固有名詞がいっぱい出てくる。
グーグル先生に五次元の意味を問いただしてみると、五次元というのは無数の時間軸を持ったパラレルワールドが存在する世界、という説明を入手することが出来た。
パラレルというとモンスターズ3そのものが『もう一つの可能性の物語』という言い分なので、五次元の結晶はパラレル展開を内包した結晶、つまりときのすなによる巻き戻しでifの選択を可能にする道具、という意味合いだと考えるのが一番簡単な解釈だろう。
私はちょっと前に『モンスターズ3がifなのは、ベネットの選択で正しい答えを選んでから』みたいなことを書いた。ときのすなが無ければ強制的に誤った選択へと進んで、正しい選択(if)にはならないわけだから、五次元の結晶が使われたことでそれ以降はパラレル世界になったという解釈は割と正しいように思える。
逆に言うと普通のときのすなは五次元の結晶で出来ているわけではないので、使っても単純に時間が巻き戻るだけでifに分岐したりはしない。だから他のドラクエシリーズではときのすなでシナリオをいたずらに巻き戻せないという言い訳にもなる。
次にシナリオ側が設定を詰め込んでいそうなのは、これの採取地が流神殿という事だ。
流神殿は実は古代エルフにエビルプリーストが呪いをかけてることで出来上がった異界で、古代エルフは時と位置を操る能力があり、その力でトラベライト(ピサロが魔界の移動に使っているよくわかんない石)とクロノライト(詳細不明)という二つの魔石を作ったらしい。
まともに活用する気のない設定が物語の後半でモリモリ増えるのだからたまらない。
要するにこの時を操る力を持つとか言うクロノライトが五次元の結晶と近いものなのではないだろうか。つまりモンスターズ3のときのすなは古代エルフ王国由来の力であるというわけだ。
ちなみに、序盤ニャーゼルに初めてトラベライトを渡される際にこれが「大昔にエルフが作った魔石」だという説明はされており、その後ロザリーにトラベライトを見せた時も「太古のエルフが作った魔界への扉を開く伝説の魔石」という説明が聞ける。
その後ロザリーが「エルフに代々伝わる舞い」でトラベライトの力を引き出すことで「(エルフの)故郷の伝承の通り」ピサロは魔界に行けるようになる。
序盤から一応伏線っぽいものは張られているのだが、これ以降ロザリーの描写自体が中級の原作再現以外ぱたりと無くなるし、古代エルフ王国とロザリーに何の関係があったのかも結局分からずに終わる。ロザリーには故郷があるけどそれにどう説明をつけてピサロの所に来たのか一切説明してないこともハッキリした。
流神殿・上級のイベントを見返してみると、なんとエルフの女王も「流神殿の魔界が無くならないようにする」とか言って巻き戻し能力を使っているではないか。これで魔界を残したのだとすれば、とんでもない規模の力を行使したことになる。
ときのすな展開の大きなツッコミどころの一つとして、
『デスピサロの討伐から間違った選択まで巻き戻せるとか、性能強すぎじゃね?』
『あと何があったのかベネットとピサロだけ何が起こったか覚えてるの都合よくね?どういう理屈?』
『というかベネットはなんでデスピサロが完璧に破滅したベストタイミングでときのすなを撒けるの?巻き戻しきれなかったらどうするの?』
『ベネットはロザリーの居場所知ってるんだからそれ見張っとけばそのうちピサロが来るからそこで巻き戻したほうがよくない?わざわざピサロが破滅するまで待つ必要なくない?』
『マスドラと違って神の視点を持ってないベネットがロザリー誘拐前まで時間を巻き戻さないの何で?』
という物がある。一つじゃすまなかったわ。
ロザリーも記憶が維持されてたら、死んだ記憶残ってることになるから悲惨だよなあ。でもエビプリはときのすなの事記憶してるよな。撒いた場面を見たってことにしてもその後の事は知らないわけで、なんで破滅したのにやり直しやがったみたいな顔してるんだろう。頭おかしくなるから記憶関連を真面目に考えるのやめよう。
アイテムとしてのときのすなが巻き戻せる時間は戦闘を開始時に戻す程度のわずかな時間のはずだ。しかしデスピサロが魔界を滅ぼしてから勇者に討伐されるまでの時間がわずかだったとはとても考えられない。
災厄の魔宮・初級の回想によれば、エスターク3体が世界の半分を滅ぼすのに数日かかっている。魔界を滅ぼしていたデスピサロも同様の日数はかかったはずで、討伐されるまでには最低でも数日たっている事になる。倒すまでのスピード感すごいけどドラクエ4の再現の日数もそんな感じにみえるからね。
だが、エルフの女王が世界を丸ごと巻き戻すレベルのすごいこと(ドラクエ4の話のスケール感と比べて規模がやりすぎなことを考慮しないでノリで設定してそう)をやっているとなれば、その力の一部であるときのすなも数日まき戻すくらいなら出来そうな気がしてくる。
もしそうだったとしてゲーム中でその説明が無いほうがむしろ話がマシな気がするのは何故だろうか。
『なんでエルフの女王はそんなすごいことが出来るのにエビルプリーストごときに負けてるの?』
『なんでエビプリがまだ生きてるのにエルフの女王にかけられた呪いが解けてるの?』
『エビプリはそんなすごいものを手に入れたのに、どうして目的がしょぼいというか回りくどいの?』
『ピサロがときのすなを手に入れないとアグルカ博士の研究が進まなくてエビプリ的に困るはずなんだけど、ゴーレムは流神殿の黒幕の指示を受けてそれを妨害してたわけで、つまりなんでエビプリに邪魔されてるの?実は指示してるのがエビプリじゃないならどうしてそれをシナリオで説明しないの?』
『太古の昔からエルフの王国を手中に収めてるのになんでエビプリはまだ進化の秘法を完成させられてないの?』
ついツッコミどころが溢れちゃた。
流神殿・上級の設定朗読を聞くと、実はロザリーがつけているネックレスがエルフの魔石と同じだとか、エルフの女王の謎踊りがロザリーのトラベライト開通踊りと同じだとか、さらに意味深な描写もある。
普通に考えれば古代エルフの王国(エルゼト)がロザリー達森のエルフのルーツであり、ロザリーは古代エルフの末裔、ロザリーのネックレスはクロノライトで出来ている、という事情の説明なのは分かる。
ノリ的にロザリーが女王の末裔だと考えるとしっくりくるが、女王が何も言わないことを見ると特に血縁ではないのだろう。
古代エルゼトが後の森のエルフなのは、後にリュノが裏ダンで「僕らの始祖、エルゼト」と勝手にロザリーを巻き込んだ言い方をしていたので、ほぼ確定だろう。
ところで、リュノは森のエルフの末裔という自覚があるのに何で名前があるんでしょうね。まあランディオル大帝がつけたんだろう。エルフに名前無い設定普通に邪魔なだけだよね?エルフの女王も巫女も名前は無かったけど役職はあるので、自然と役職が事実上の名前に変化していくから名前は無いんですって言い張るのは無理があると思うのだが。
だがこれらの古代エルゼト云々の設定が物語的に何の意味があるのか分からないのだ。それが分かったから何が起こるの?というシナリオ的なつながりが無い。単に設定を説明しただけで、それすらも明言せずにあやふやなまま。
ロザリーという存在がシナリオ的に最初から最後まで意味がないし、ロザリーのネックレスとか言う単語も私の記憶が正しければこの場で初めて登場した位なので、じゃあロザリーがこれを持っていたからピサロとなんやかんやできたのか?という想像をしようにも全く材料がなくお手上げなのである。
何らかの理由でカットされてしまっただけで、ロザリーのネックレスの力でラスボスか裏ボスの野望を防げます!みたいな展開に繋がっていた可能性はある。
しかしそれがあったとしても、本編のロザリーがドラクエ4再現のフラグ程度の描写しかない問題の解決にはならず、ロザリーがヒロインなのにエピソードや心理描写がほぼ無いという粗雑なシナリオを名誉を回復する材料にはなれない。
エルフ関連の伏線がカットされたからこのゲームの話はクソなんだな、という勘違いをもしかしたらする人がいるかもしれないので説得しておこう。
ロザリーのネックレスからビームがででラスボスのリュノを倒すみたいな展開と、ドラクエ4の面々が3Dで出てきて原作ファンサービスが行われる展開、どっちがマシだろう。私は後者の方がマシだと思う。最後勇者がベジータ化するのだけアレだったけど。
とにかく、分析できた範囲だけでもときのすなは五次元(パラレルワールド)を生み出すものだとか、エルフの女王が凄いからなんかすごいとか、ロザリーも実はすごいとか、そういう理由付けがされていそうなことは分かった。
人間を滅ぼさない理由も意味不明
これでドラクエ4とモンスターズが交わる部分の解説は終わり。ピサロは野望をあっさり捨てたので破滅しなくなりました。めでたしめでたし。
別にピサロが悪いせいで破滅したわけじゃなくてエビプリにハメられてただけ&進化の秘法をよく考えずに使っただけだから、愚かな人間を滅ぼさないエビデンスにはなりませんよねこれ?
え?ロザリーが怖いからやめる?順調だったころはロザリーの言うことに耳を貸さないDV野郎だったのに、ちょっと詐欺師に騙されて自分のバカさ加減を自覚したら取りやめますって、ピサロは凡愚ではないですか?こんなのが魔族の王になったら魔族は終わりなので逆に話の統合性が取れますね。
まあ全部エビプリのせいにしたせいでピサロがただの馬鹿になったのはPS版ドラクエ4の6章から続く流れなのでモンスターズ3のせいではない。同じライターが話をリメイクしてもそこが改善されないどころか悪化するのは残念でもないし当然かもしれない。
それと全部エビプリのせいという理論展開にも実は無理がある。
なぜなら、進化の秘法を作る選択をしたのも、それで魔族になるでもなくランディオルを倒すでもなく人間を滅ぼす選択をしたのも、エビプリではなくピサロ自身の意思だからだ。これが本当にうまく運んでいたら普通に人間を滅ぼしてるわけで、ピサロにも悪意は当然認められる。無罪放免になるわけがない。
それに、ロザリーヒルの警備は何時でもガバガバなわけで、エビプリが騙すとかじゃなく嫌がらせの為に村を襲うとかしたら普通に壊滅してる可能性がある。え?モンじい?搭の出入り口をドワーフの誰も見張ってないのにドワーフたちの何が役に立つんですか?
警備はともかく、ピサロ自身も進化の秘法でいろいろ企てたにもかかわらず、全部エビプリのせいにしてるように見えるのは、やっぱりピサロの格が下がり続けてしまう。
ただ警備がガバガバな問題を考え出すと、一つだけロザリーの言動に納得できた点がある。「私とずっと一緒に……」という望みを二回位述べていたロザリーだが、確かにピサロがずっと一緒にいてロザリーを守っていればエビプリも手出しできず、こんなひどすぎる展開にはならなかっただろう。そうしたほうがよかったねみたいな説明が作中で一切ないから困ってるんですが。
人間を滅ぼすのをやめる理由についても、ロザリーが「これからはずっと一緒にいて私を守ってください」みたいなことを言えば話として結構キマったはずだ。それが書けるライターならば、これまでの二人の親睦描写が皆無という事態にもなってないだろう。
……守ってるのピサロじゃなくて仲間モンスターだな。ピサロってこいつらに謀反されたら終わりなのどうやって防いでるんだろう?
それと、ピサロが人間を滅ぼす理由が単なる野心ではなく、もうすこし後の分で分析したような『運命』だった場合、滅ぼすのをやめる理由が本当にない。
運命という動機は無茶苦茶なことをさせるのには非常に便利だが、その反面、一度使ってしまったら気軽に後戻りすることはできない。
ピサロが魔族が生き残る運命の為に戦い始めたなら、ここで人間を滅ぼすのをやめたら魔族は滅びることになるのだが、それを解決するような方法は提示されただろうか?
え?ベネット?清い人がいたから運命を覆せる???
それってピサロ達の感想ですよね?
リュノの行動原理もそうだが、
『(作中にもっとかわいそうな奴いっぱいいるけど)ママに会いたいから世界を滅ぼす!ワザと封印を解いてイシュカを復活させないと世界を本当には救えないから仕方ないよね(ノーガードにして不快を押し付けてくる)』
『よく考えると、イシュカがいると世界が滅ぶので(マスドラへの根回しなしとかネグルを殺すとか勇者蚊帳の外とかを)10000歩譲ってこちらから封印を破ってイシュカを倒すという行動自体は仕方ないとしても、その後リュノが(ママにお願いして)新世界を作ってそのせいで今のDQ4世界が滅ぶというのはイシュカとは全く関係ない事象な上に、母親に会いたかったという理由とも直接関係なく、話の運び方があまりにも乱暴で書きたかったシーンに向けてふんいきでそれっぽく進めているだけだと分かる。』
『ついでに言うとママが世界創造というマスドラレベルの権能がある理由とか、今の世界が滅びるのを知っててそれができる動機とかも全く説明されない。』
『リュノは「この世界は神が作った失敗作」とかいってるけど、それってDQ4の事を侮辱してるの?それとも6章は失敗だったから作り直すねって意味?恐ろしいことに後者だと思われる。「今から生まれるのは争いの無い美しい世界」のセリフを邪推すると、6章の展開について散々非難されたのをモンスターズ3で盛り返す』と言っている風に取れなくもないからだ』
『かわいそうな境遇に生まれたから今まで盗みまくってきたけど、やめろって言われたからやめる!でも盗む!』
『運命だから魔族が生き残るために人間を滅ぼす!』
『清い人間がいたから運命やめる!』
『魔族の弱肉強食を変えるために母と子を追放する!』
『理由は●●だから絶対に譲れない!聞く耳も持たない!』
『お前辞めろって言ったのに、あーあやっちゃった(煽りドラゴンズ)』
と作中のキャラクター達が極端なことをする基準がゆるすぎて、プレイヤーからは全く理解できない。作中の描写がどうとかではなくプレイヤーが共感できない。
ベネット程度でいいなら、変な小言でピサロを暴走させたマスドラは本当に場を滅茶苦茶にしただけなんですが……。
心の清い人間代表・ベネット
あと100万回突っ込まれてると思うけど、ベネットがいい人間代表になってるのは大分無理があると思う。
どうして変な価値観をプレイヤーにごり押ししてくるんだろう。
ここだけじゃなくて最後のリュノの話(母親に会うためなら世界を滅ぼしてもしょうがないよね?等)もそう。
人間の善性で考えるなら勇者を引き合いに出すべきでは?と思うが、魔族視点だと勇者はいい人間であっても完全な敵なので、それの人間性を認めるようなストーリーを作るのは技量的に難しかったのだろう。
ところで、察するのが上手い人なら、『ピサロが人間を滅ぼすのをやめたのは、ロザリーを危険な目に合わせたことを悔やんだから』という文脈が存在している話だ!と理解(?)して話を勝手に読んだ結果、感動的で面白いと感じたりするのかもしれない。
確かに、
『ロザリーが人間に攫われて危険な目にあった』
『それはエビプリの仕業だった』
『ロザリーが(人間にさらわれて殺されかけたけどエビプリの仕業だから人間は責めずに)ピサロを問い詰めて人間を滅ぼす野心を捨てさせる』
という流れを順に追っていくと、ピサロがこの流れで野心を捨てるならロザリーの為だと解釈するのが自然に思える。
そもそもピサロが人間を滅ぼそうとしてるのは、エルフを虐げる人間がクソだから、みたいな理由で読んでいる人もまだいるはずだ。ピサロがロザリーを思う心に胸を打たれるなあ。
でもそんなわけないんですね。エルフを守るために人間滅ぼさないなんて理論的におかしい。
エビプリの仕業でも誘拐犯は心神喪失状態でもないなら普通に悪人だから人間が悪いのは変わって無くない?と思ったあなた。話をよく読んでいないね。そうならない理由も当然説明されました。
では実際の描写がどうだったかというと、ロザリーは『人間にもベネットさんのようにいい人はいるから、人間がすべて悪いわけではないので、(ピサロが人間を悪いと断じてすべて滅ぼそうとする)野心を捨ててください。』とのことだ。
ピサロがロザリーを危険な目に合わせて後悔したから滅ぼすのをやめるなんて話は一切してない。
一貫してストレートに人間は悪くないから滅ぼしちゃだめだからダメとしか言ってない。
ピサロが人間を滅ぼすことのロジックが人間は悪だからなので、心の清い悪ではない人間(ベネット)を人間集団の中に混入すると、そのロジックが不成立になるのでピサロは滅ぼせなくなる、ということだろう。
要するにベネットを殺せないなら人間をジェノサイド(絶滅)出来ねえんだからあきらめろ、ってことだな。
そういえば、天空城のやり取りの後にベネットが激おこでピサロを問い詰めていた。その時すでに『人間を滅ぼそうとすればベネットと敵対する』というエッセンスは示されていたようだ。ロザリーは人間を酷い目に合わせたときは何か言ってたのに、この場では「ピサロ様どうして」としか言わなかったです。
その時はピサロからベネットへの好感度が低かったのか、ベネットからの説得は失敗している。逆にロザリーがこのタイミングでようやく説得に成功したのは、ピサロはロザリーを助けてくれたベネットには本当に感謝しているのかもしれない。そこはまあおかしくない。
いい人間は滅ぼしたくないのは分かるけど、悪い人間だけ滅ぼすのはダメなんでしょうか?
ピサロ様がそんなデスノートのキラみたいな歪んだ倫理観の持ち主なわけないでしょ。全員滅ぼすか滅ぼさないかの二通りしか選択肢はない。
解釈が機械的過ぎるが、そういうことだと考えないと『急に人間を滅ぼすのをやめた』『ベネットはいい人だからやめた』という動機を理解できない。
無論ゲームのテキストでは最初からそうとしか言ってないのだが、意味不明すぎて再翻訳しないと呑み込めない。
客観的にみると『エビプリぶっ殺してから人間滅ぼすの再開したら?』としか思えなかったし、『なんでベネットがそんなにキーマンみたいになってるの?』という強引さもあったが、ロザリーがピサロのロジックを崩壊させて論破したから説得成功した話だったわけだ。
うん意味わからんな。
ちなみにドラクエ4のピサロは元に戻った時、ロザリーにエビプリが黒幕といわれて『エビプリぶっ殺す』的な事しか言っておらず、人間を滅ぼすのをやめるとは明言していない。
このころはピサロに人間を滅ぼすのをやめさせて漂白を考えるプロットではなかったのだろう。
絵本でみる描写の補完と雰囲気の差
ちなみに、堀井雄二氏がモンスターズ3に寄せて作ったらしい絵本の動画がある。
私はドラクエ10を12年位プレイしているが、堀井氏がドラクエ10に何かのストーリーを寄稿したのを見たことが無い。まあドラクエ4は元々堀井氏のシナリオだからなんだろう。
絵本『ピサロとロザリー』【ドラゴンクエストモンスターズ3】
https://www.youtube.com/watch?v=6Sqg-BICGSk
これめっっっっっっっっっっっっっっちゃ話が分かりやすい。
本編がどうしようもなくクソという肝心な部分ははぐらかしつつも、ピサロとロザリーの生活、そして勇者に視点を当てて、各自の心情をキチンと説明してくれる。
モンスターズ3の本編は説明不足で意味不明なものになっているが、こちらは本編とは比較するのも失礼なほどプレイヤーが気になることをさりげなく説明しており、本編がアレなのがとても信じられないほど面白そうな話に見える。
上では『勇者との和解がピサロが人間を滅ぼすのをやめる理由にすることは難しい』みたいなことを書いたが、この絵本の流れなら和解してもおかしくなさそうに見える。
このようなあまりにも分かりやすい絵本を見てしまうと、堀井氏と藤澤氏とで特にキャラクターの心情を説明する力量、それをプレイヤー目線で書くことに残酷な差があることが一発でわかってしまうほどの出来だ。
今までのドラクエも、レトロハード故に制約が多い中、ちょっとしたセリフでプレイヤーに状況を説明するのが抜群に上手かったからヒットタイトルになれたわけで、その手腕を感じられる。
これは私が漠然と思っていたことだが、このゲームのシナリオは『どこかの作品で見たような”それっぽい”シーン』を再現することを優先しすぎているように見える。
その結果『そういう演劇に見える為の手順書』のように感じられて、『それっぽいからわざわざ言わなくてもわかるだろ?』と、そもそもプレイヤーに登場人物の心情や世界観の説明をまともにする気が無いようにすら見える。
まあ根拠は薄いのでこれ以上は控える。
そして堀井氏の話題を持ち出したからには、『どうして堀井氏が監修してるはずなのにこんな話になっているの?』という不都合な事実にも触れなければならない。
本人が書いた作品はまともに見えるのに外注したらこうなるのはどういうことなのか。
インタビューの断片的な情報や「おもしろければなんでもいいよ」という言、ドラクエ10スタッフの雰囲気、似たような評判のユアストから察するに、おそらく堀井氏は『人間と勇者を悪者にしてはいけない』など、いくつかクリティカルな指摘はするが、『自分がやろうとは思わないストーリーを面白く感じてしまう』『他人の書いたものにあまり口出ししない』タイプなのではないだろうか?
つまり話を見てはいるけどいいよいいよと通してしまっていそう。
多分モンスターズ3のストーリー評判がすごい(悪い意味)のも『プレイヤーはそういう反応なんだ』位の受け止め方だったりしそう。私は正直堀井氏がシナリオ監修役として機能しているのか怪しいと思っている。出来上がったのがこれじゃね……。
こう言うと、『ピサロの話は悪役側の視点なのに、人間をピサロから見て悪役にするのを禁止されたら話がうまく作れるわけがない』という見解でライターの責任から目をそむけたくなる人が現れるかもしれない。
よくよく思い返してみると、堀井氏がメインで話を作っていたであろうドラクエ1~6では悪人はほとんど出てこない。もしいても大体まものが原因だったりすることが多い。
こういう方針から見ると、ドラクエは勧善懲悪の話であり、人間を悪者にする展開の難易度は非常に高いのは確かだろう。
だが私はモンスターズ3の場合はシナリオの制約とかそれ以前の問題だと思っている。
なぜなら、人間が種族として悪いわけでは無くて悪人だから悪い、というロジックまで禁止されている訳ではないと思うからだ。
まずそもそも、魔物のせいではなく素で悪い人間がエンドールで出てきているから、悪人自体は普通に許可されていることになる。
こいつらの興行までエビプリのせいでした!とか言いはじめると、ピサロとロザリーの出会い自体がエビプリのおかげになってしまうぞ?
他にも、作中ロザリーが『人間にもいい奴がいる』という理屈を話すし、魔物にだって悪人と善人がいる風で話が進んだし、人間にも善悪があるという理屈で話が成り立っている。
では何がいけなかったのかと言えば、やはりこいつらは悪人だから悪いことをしていますよ、という前提の説明が一切無かった事だろう。
勧善懲悪のルールはそれを禁止していないのに。シナリオ側がプレイヤーに説明する努力を怠ったから話が意味不明なのだ。
更に私の邪推を付け加えておくと、もしこの勧善懲悪のルールがえらい人から指定されていなかった場合、もっとひどい話が出来上がっていると思う。
このシナリオのクオリティでは、誰でも悪いことにして良いなら、一番悪いのはマスタードラゴンという結論に行きつくに決まっている。
だって既に、エスタークが天地創造の秘術で生まれたなんて設定に勝手に改変して、『じゃあその術を作ったマスタードラゴンがすべての原因じゃない?』という状況を作り出してしまっている。これほんと酷い。原作の設定と世界観に対してデリカシーが無さ過ぎる。
あと最初から頭がおかしいっぽいイシュカが天地創造の秘術を何の理由付けもなく盗み出して好き放題やってるの、地味にベネットと同じDNAを感じる描写である。
だから自由に書かせたら最終的に勇者とピサロが協力してマスドラを倒す話にしだすのはもはや決定事項だ。
安易な神殺しのシナリオというのは3昔くらい前の発想であり、ものすごく陳腐なストーリーが出来上がると約束しよう。
そしてもしそうなった場合、汚染はドラクエ4だけではなく天空シリーズ全体に及んでしまう。というかマスドラの株は確実に下がったので既にちょっとだめかもしれない。
天空シリーズの”ドラゴン”クエストはマスタードラゴンの事を指していると言われている。そのドラクエの世界観の象徴である神を安易に貶めることは許されない。
こういうと、でもマスドラむかつくから死んでほしい!という意見をいただけると思う。それはそうだ。
そうならないように、マスドラの好感度が下がらないように話を作らないといけないのに、それを放棄してあまつさえプレイヤーを煽らせる始末なのだから、私はこのようにキレちらかしている。
ようするにマスドラがむかつくのは、マスドラが悪いわけではなく、それをやっちゃいけないのに安易に話にかかわらせて株を下げまくったライターが悪いのである。
まあこんなひどい想定はあくまで私の想像だから本気にしないでほしい。
遂に明かされたピサロが人間を滅ぼす理由
そして絵本を見て一つ気になったのが、ピサロが人間を滅ぼそうとする理由だ。
なんとこの動画ではそれが読む人に理解できるように説明されている。
ピサロ曰く、『人間と魔族はどちらかが滅び去る運命だから、今更引き下がることはできない』それに加えて最後のシーンのスラプル曰く、『みんな大切なものを守りたいだけ、なのに分かり合えない』だそうだ。
これは運命だから魔族が滅びるのが嫌なら戦うしかないという悲痛な決意が伝わってくる。
本編で同じような話が出てきたのは、ピサロとマスドラの対談のシーンだろう。つまり天空城からピサロが急におかしくなったように見えるのは、実際にマスドラが「人間と魔族はどちらかが滅ぶ運命」と言ってたのがピサロの心に刺さってしまったから、ということになる。
マスドラに同じセリフがあるってことは、ほんとにこれが動機じゃないか!
一応説明してたのはいいのだが、そのことがモンスターズ3をプレイしたプレイヤーに1ミリでも伝わっていただろうか?
大方のプレイヤーが想像した『ピサロは人間を恨んでるから』『エルフのロザリーを救うため』というのは動機としてまるっきり外れていたことになるし、『魔族の王だから』というのは半分合っているが、『野心が生まれたから』というのはちょっと違うことになる。
動機がはっきりしたことで生まれたいくつかの疑問に答えたり、考察を書いたりしていこう。
基本的なことだが、中級でピサロが人間を滅ぼすって暴れまわってたのは、全部『そういう運命から魔族が勝ち残るため』ということになった。
だから一応、急にエスタークで人間を滅ぼしたくなったわけではなく、ピサロなりに魔族の救世を思っての行動だったので、ロザリーの「人間滅ぼすのやめろ」というお願いに気軽に応じることが出来なかった、っぽい。
まあ逆に運命なのになんで人間を滅ぼすのをやめられたの?という疑問も生まれてしまったが。シナリオでバラまかれてる要素から無理やりパッチワークして事情を想像すると、ピサロも内心辞めたいと思ってたので、ランディオルを倒して人間との懸け橋になってみる気にしたとかだろうか。急に最初の目的を思い出すな!
次に、人間への恨みがピサロの行動原理じゃないなら、なんでOPで人間に迫害される描写を入れる必要があったの?ということについて。
これはピサロは人間ではなくランディオルを恨んでいる(少なくともOPの時点では)ということだったのだろう。
OPの描写を見ると、ピサロは最終的にこのような境遇を作ったランディオルへの復讐しか誓っておらず、人間の事は放置している。
そしてミオレも『父の事を恨んではいけません』と、人間に焼き討ちされたことへの恨みを漏らしていない。それどころか、人間として生きろとすら言っている。プレイヤーの「人間やばくね?」という疑問に答える事じゃなくてテーマの説明しか考えてないからミオレの言動がおかしく感じるのだろう。
ミオレがやたらと『決して父を恨むな』と父は悪くないことを念押ししてくる理由も、実は想像できる材料がある。ゲーム外の情報からだが。
インタビューによると、堀井氏は『人間や勇者が悪い事にはしない』藤澤氏は『誰も下げない物語を書く』と語っている。
その考えで生まれた設定が、『人間と魔族はどちらかが滅び去る運命』というピサロが人間を滅ぼす動機なのではないだろうか。
二つの種族が争うのは運命だから、人間も勇者も悪くないし、運命なので魔族が下がる事にもならない、という理屈である。
ちなみに、この運命論はドラクエ4のマスドラの口からは確認できないので、モンスターズ3で初めて考え出された概念である可能性が高い。
これによって、OPでピサロが人間ではなく魔族を恨む描写をしている理屈が分かる。人間を悪いことにしてはいけないので、魔族である父を恨んでいるのだ。
だが、ピサロがランディオルを恨んでいるとランディオルが悪いことになってしまい、『誰も下げない物語』という方針に反してしまう。
だから、母に『父を恨むな』と言わせることで、父を下げない物語にする必要があったんですね。うーん、ピサロにもプレイヤーにも一ミリもその意図が伝わってなかった気がする。
……この考察があってるかは知らないが、少なくともシナリオの序盤は色々気にして設定や描写に気を使っている感じがするので、最初の目標もできるだけ守ろうとして書いているのではないだろうか。話が進むともう全部滅茶苦茶になってるけど。
そしてこの考察通り、『誰も下げない』という設定を考慮してOPを書いたのなら、設定だけ見ていてプレイヤー視点での説明は考慮していないという、今まで感じてきた違和感にも説明がついてしまうだろう。
プレイヤーの疑問である『父親じゃなくて人間に焼き討ちされたんだけど?』『この親子がお互いをどう思っているのか知りたい』などについて説明せずに、”誰も下げない”為のとんちの様な描写にばかり力を入れていたことになってしまうからだ。
そして最後の疑問は、『プレイヤーの誰もピサロの動機が運命なことに気づいてないのに、なんで堀井氏はその設定で絵本が書けたの?藤澤氏じゃなくて堀井氏が考えた設定じゃないの?』というものだ。
これについては、インタビューによると『物語の設定は自分が考えた』との藤澤氏の言がある。つまりこの運命論も当然藤澤氏が考えたと思われる。
問題はそれがなぜ堀井氏に伝わっているかという事だが、簡単な話、口頭で直接こういう話ですよと説明したのだと思われる。
ゲームのシナリオになった後が意味不明なだけで、書き出す前の藤澤氏の構想を口から直接聞けば、どういうシナリオなのか少なくとも今よりずっと分かりやすいはずである。
堀井氏はあれこれ説明を直接聞いたから、プレイヤーが全く理解できなかったような事象もどういうことか理解できて、それを絵本の形に落とし込めたということかもしれない。
6章と交わらない世界、ドラクエ4の否定
ん?何か忘れている気がする。
あれ?モンスターズ3って、6章にはどうやってつながるんだ?
PS版以降のドラクエ4がどういう流れであの23年間ネットで叩かれ続けている6章に繋がるのか、おさらいしてみよう。
●6章に入るまでの”ゲーム上の”流れ
デスピサロを普通に倒してゲームクリア
1度ゲームをクリアしたことで、隠しダンジョンに入れるようになる
隠しダンジョンの奥でボス(エッグラとチキーラ)を倒すと世界樹の花を入手
世界樹の花をなぜかロザリーヒルのロザリーに使うとロザリーが蘇る
ロザリーをデスピサロの元に連れていく
すると、ロザリーのルビーの涙がデスピサロの進化の秘法を打ち消し(唐突な新設定)、デスピサロが元の魔族の姿に戻る
ロザリーから「魔族に操られた人間に襲われました」という話を聞いたピサロは、真の的はエビルプリーストみたいな共通認識になったらしく、なぜか勇者と共闘する流れになる
6章の内容に対する追及は私よりもっと執念深い人が散々やっていると思うので私は遠慮しておきます。
ちなみにロザリーは蘇生された際に「心優しき人間もいると私が信じていた通りでした」と蘇生された感謝を述べる。人間にやたら甘かったのはその信じていた想いからの言動だったようだ。
画面外で人間と関わっていたとか、ロザリー自身が優しいという設定故の言動って感じではないので、現実で例えると熊の駆除酷いって市役所に電話を掛ける人並の距離感の遠さを感じてしまう。
また、ロザリーがデスピサロに語り掛けるシーンでは「あなたが授けてくださったこの名前」とまた名前ネタを擦るので、リメイク時からお気に入りの設定だったようだ。
あと隠しダンジョンで出てきたエッグラ&チキーラとグランピサロはモンスターズ3では全く触れられていない。
エグチキは鳥山デザインの隠しボスで、他の隠しボスであるかみさま・しんりゅう・ダークドレアムなんかがゲームに出てることを考えたら、当の4リメイクのボスなのに出ない方がおかしい。
グランピサロにも何でピサロって名前なの?という疑問がずっとあったんだけど、それを回収するファンサービスはする気が無いらしい。
さて、モンスターズ3はなぜ6章に入らなかったのだろう。
ものすごく素直な人なら『勇者たちはまだクリア前でデスピサロを倒してないから隠しダンジョンに行けなくて、世界樹の花を入手していないから』と答えるだろう。
正解です。勇者たちは世界樹の花を持ってないからロザリーは生き返ってないのでデスピサロの前に現れなかった。
しかしその理論展開はゲーム脳だ。もうちょっとよく考えてみてほしい。
『デスピサロを倒すとエンディングに到達して隠しダンジョンに……』という流れはあくまでプレイヤー視点の話であって、ゲーム内の登場人物視点ではデスピサロと勇者が対決するのは常に一度きりである。
つまり、6章に突入するルートのピサロ視点では、最初から勇者がロザリーを連れて目の前に現れるはずだし、勇者たちもデスピサロと戦う前にロザリーを蘇生させているはずである。
だが実際のモンスターズ3では勇者はロザリーを連れてこない。
これはそもそもロザリーを蘇生するルートが無い事を意味し、つまりモンスターズ3は6章につながることが無いのである。
念入りな解釈も付け足しておこう。
この後も選択肢を間違えればピサロは何度でも破滅の運命を身をもって体験し(あれだけやってまだ選択肢を間違えられるようにしてる意味ある??)、ベネットはその度に「予備のときのすなも盗んどいてよかったぜ!」ともはやギャグ描写でそれを助ける。
6章に繋がる可能性があるなら2回目のループで勇者がロザリーを連れてくるはずだが、そんなゲーム脳展開は発生しない。これはさすがに6章ルート自体が無くなったと解釈せざるを得ない。
モンスターズ3が6章に繋がらない事は分かったが、私はそれのどこに難癖をつけようとしているのか。
一つは、ピサロが破滅するのはマスドラ曰く『間違った選択』だそうだが、それを回避して無かった事にするのはドラクエ4本編を否定することになるのでは?という問題だ。
この問題はよくよく考えると根が深い。
素直に考えれば、ピサロが馬鹿なことをやめたらみんなハッピーなんだからいいじゃん。としか思えない。
ピサロは破滅しない、ロザリーは死なない、勇者たちの役目は別にデスピサロを倒す事ではない。後は悪人を押し付けられたディオロスとゲームのラスボスを押し付けられたランディオルを倒せば済む話だ。
残ったエスタークまでピサロが片付けるのはよくわからないが、まあボスがエスタークな方が楽しいから仕方ないか。
だが、たらればでハッピーな展開が許されるなら、そもそも勇者の村を回りくどい方法で滅ぼす必要性があったのだろうか?
私はディオロスが勇者の村を襲撃するのは致し方ない事だと思っていた。
まず、ドラクエ4というのは勇者の物語で、そのキモとなる要素が襲撃である。勇者の村が滅ばないとドラクエ4ではないのだ。
ドラクエ4をある程度再現したいなら、勇者の村が滅ぶのは回避できない要素なのである。だからといってシンシアの扱いがアレなのは全く擁護できないが。
しかしながらこれはゲームである。
ピサロが原作通り勇者の村を滅ぼしてしまうと、プレイヤーはその後よくわからない理由で村人を虐殺したクソ野郎を操作しないといけなくなって、ゲームを素直に楽しめなくなってしまう。
だから、ディオロスにピサロの罪を全部押し付ける必要があったんですね。
そうして本編を再現した結果、ピサロも勇者にしたことのしっぺ返しを受けるかのようにロザリーを失う。
このピサロの破滅要素もまた、ドラクエ4に不可避なのではないかと私は思う。ここで今更言うまでもなく6章が叩かれてるのはピサロ側にだけ都合が良すぎるせいだし。
しかしモンスターズ3ではまたピサロ側だけ都合よく助かってしまっている。
ピサロとロザリーが助かるのはいいんだけど、じゃあ勇者とシンシアも助けないとだめじゃない?というロジックがおかしい部分が、22年たってもそのままなのである。結局ただの6章の再生産になってしまっている。
例えばの話、勇者も救わないといけないことに気が回っていたら、こんなシナリオもあり得ただろう。
ときのすなをシナリオで使っちゃったり、エルゼトの女王やリュノの母のやってることの規模感がおかしいのだから、もういっそ開き直ってフル活用してみよう。まずベネットがときのすなを入手できた理由に勇者が手助けしたからというエッセンスを加えておく。
そしてリュノとリュノ母の力添えとクロノライトパワーで村襲撃まで時間を巻き戻してピサロがディオロスを追い払って勇者を救う話にする。この時、導かれし者たちの記憶はときのすなで巻き戻ったピサロと同じように保たれている。
その後、ディオロスが究極進化の秘宝を使ってランディオルを殺して魔王になったので勇者とピサロが今度こそ一緒に倒し、2人は和解しておしまい。
リュノがなんかメアリスーで世界観から浮いてるのも、これで許されるでしょ。でもロザリーは結局何の役にも立ってねえな……。
何というかこう、痛い二次創作みたいな話になっちゃった。
それと自分で書いておいてなんだけどドラクエ11と同じ話になってる。でも、ときのすな使っておいてこうならない方がどうかしてると思う。というかときのすな使ってる時点でモンスターズ3もドラクエ11と大体同じでは?
まあ私がシナリオを考えてもなんの意味もないのでこの辺にしておこう。
6章はピサロが己の野心の末路を受けて反省した結果、ロザリーに許される話と受け取れないことも無いが、モンスターズ3では過ち自体が巻き戻されて無かったことになってしまった。
そうして致命的な罪をピサロが犯さない未来が正しいと言われても、なんというかこう、あまりにも都合が良すぎる。
何で勇者の村は焼いたのにピサロだけ都合よく助かる話が書けてしまうのかといえば、『人間滅ぼすとかロザリーが死ぬとか、ピサロが気をつけてればいいだけの話じゃん』という軽い問題に見えるのに解決できなかったもどかしさがそうさせてしまうのではないだろうか。
それは6章の頃から変わってないからエビプリに全部押し付ければいいという発想が出てきて、ピサロがすごい馬鹿になってしまったわけだし。
悪人が悪いことをやめれば済む話なら警察は要らねえし名作は生まれないんだよ。
そこはもうどうしようもないので流すにしても、マスドラに本来の未来を間違った選択扱いさせてしまったのも、よく考えると心証が悪い。
まるでドラクエ4が、6章が、間違ってるみたいに聞こえないか?
私が一番疑問なのは、同じライター自分で書いたはずの6章を事実上なかった事にしたことである。
これまでモンスターズ3を散々読み解こうとした結果、一見支離滅裂で矛盾だらけに見えても、ドラクエ4本編を無理やり輸入した場面以外は一応説明がつくような設定があるように感じるのである。
例えばピサロが人間を滅ぼしたがっている理由は作中で一番意味不明で、この解説note中ですら理由が二転三転してしまっている。
しかし最終的には絵本の言から『魔族と人間はどちらかが滅び去る運命だから』というのが動機ということになった。
そしてそのことはモンスターズ3の作中でもマスドラの口からそう語られているから設定自体はちゃん存在していると考えられる。プレイヤーに理解できるよう説明されないだけで。
細かい設定も結構考えられている。
『ドラクエ4でピサロが天空城に入れない理由』とか、考えた当人以外にとっては明らかに邪魔であろう『ロザリーの名付け設定』とか、幼年ピサロがゴットサイドにいたっぽい事とか、ドラクエ4の各所で活躍していた魔物達が登場するのも、考えて話を組み立てていないと出てこない。
そもそもベネットというドラクエ5の登場人物が何故か出てくるのも、裏の設定を一応考えた上でそうなっていると思いたい。
他にも、ベネットとリュノという作者の二大お気に入りキャラは他のキャラに比べて設定や描写が多い。特にリュノは設定ノートをめくったら黒歴史みたいな設定がびっしり書いてそうな厨設定っぷりである。熱が入っている部分は話をちゃんと考えているのだ。
パッと思いついた分でもこれだけドラクエ4の要素を拾っている中で、22年前はライターの一番のお気に入りだったであろう6章だけ、存在を忘れられるなどというまぬけな理由で無かったことにされるだろうか?ありえないと思う。
そもそもピサロが助かるというプロット自体が6章ありきなわけで、モンスターズ3それ自体が6章が無ければ存在しないゲームだ。
つまるところ、忘れたのではなく、あえてなかったことにしたから、モンスターズ3は6章に繋がらない話になったはずだ。
これは完全に私の邪推だが、ライターは当然6章は頑張って書いたはずで、しかし評判が最悪なのも当然理解しているはずだ。
そこになぜか当時をやり直す機会が与えられたとしたら、6章以上の物語にしようとするはずである。
プレイヤーから見たらある意味6章以上に酷い物語が出来上がったが、ライター目線で見れば6章以上のハッピーエンド&散々叩かれた勇者との共闘展開を無難な内容に出来たように見えるし、6章のリベンジとして会心の筆だったりするのではないだろうか。
というわけで、モンスターズ3で6章以上の良い未来になったわけだから、もう6章は必要ないので繋がらなくなった。そういうことかもしれない。
22年の年月を経てやり直してもこれなわけで、ピサロを救おうとすると魔王としてのキャラクター性が損なわれるよとか、エビプリに全部押し付けるとピサロが馬鹿って事になるからやめたほうがいいよとか、そういう部分の挽回は今後も全く期待しない方がいいだろう。
これで本編の解説(というよりただの難癖)は終わりだ。モンスターズ3のシナリオはこの後も続くが、それにツッコミを入れてると永遠に書き終わらないので控える。
ただ、特に覇王城突入~ランディオル戦のイベントがばりばりにひどくて適当でツッコミ所多すぎるし、その後の世界~リュノ戦までいくと本編と違ってドラクエ4とほぼ関係ないのにかなり終わってるクオリティだということは記しておきたい。
次の項からは、シナリオ以外のモンスターズ3の疑問について考えたり、難癖をどうにかしてまとめたり書けなかった部分を追加したりしたいと思う。
おまけ:このゲームの酷いシーンランキング
本分で2個位紹介したが、全部書けそうもなかったのでここにまとめて載せる。
天空城での対談(ベネットとの会話→天空城→ロザリーヒル→デスパレス)
とにかくすべてが意味不明。何でこうなったのか全く理解できないまま話が進む。
ベネットお前ピサロの事をプレイヤーに説明しないで自分だけキレてる場合じゃないぞ!!
一応この文書の研究結果である、『人間と魔族はどちらかが滅びる』からピサロが色々やり始めたと思うと、動機だけはわか…る…?
ただ動機が分かっても、中級で原作再現にいそしむピサロはここで設定された動機で動いてるわけじゃないっぽい(ロザリーの言う野心、人間の絆がどうって理由が増えたよね)ので、結局おかしいのは変わらない。ディオロスによる勇者の村襲撃(ピサロ側の襲撃準備~勇者の村~ロザリーヒルの搭一回目)
全部酷い。
ディオロスが村を襲ったことになったのが、ライター側がピサロを漂白したいだけにしか見えないのがまず酷い。
それを1万歩譲ってこの後不快なゲームにしないためと納得しても、他の情報が全部矛盾だらけなのがどうしようもなく酷い。
ピサロが村に言って何をするつもりだったのか言わないのセコい。
最後ピサロの人間を滅ぼす宣言(二回目)があるのもプレイヤーからすると意味不明。ベネットのシーン全般
●甘味楼・初級のイベントシーンの一幕
(ベネットがパクってきた道具で助かる展開を押し付けられるピサロ)
「なのにまだ盗みを許せないっていうつもりなのか?」
「いったいどうしてそんなに盗みを憎むんだ?」
(盗みに何もコメントせず、後ろで🥺って顔してるロザリー)
不快感をプレイヤーに押し付けまくる解説係、ベネットが全体的に酷いので3位です。
ベネットのエキセントリック具合は海外のレビュワーからも特筆してあげられるほど目立つ部分な模様。
ちなみに5のベネットじいさんは実験で大雪を降らせたことがあるらしいが、モンスターズ3でベネットが唐突に蜂蜜を凍らせるのは、これを意識しての事だろうか。ロザリーとの出会い(エンドール闘技場~ロザリーヒル~搭建設)
プレイヤーにいきなり唐突過ぎる情報を浴びせまくる前後のイベントのヤバさに加えて、ロザリーの自己紹介(呪い解ける・訛り)に一切何の意味もないというシナリオ上の酷さを評価して4位です。リュノ関連のイベント全般
リュノは描写を客観的に見てると痛いカオル君でライターの主観で見るとお気に入りのキャラって感じなのだが、作中の誰もそれにまともなツッコミを入れてくれないのが辛い。
関連する設定も本筋というか本来のドラクエ4とほぼ関係無いのに異常なスケールで好き放題盛られており、2~3昔位前の二次創作に出てくるオリキャラ、メアリースー感が出てしまっている。
また時系列の矛盾が酷く、誰が見ても気づくレベルで誕生の経緯がおかしいのに、その説明を放り投げたまま終わる。何も面白くないのにもったいぶるな。
ひたすらピサロに「兄さん…ぼくってかわいそうだし母さんと合いたいから、世界を滅ぼしてもしょうがないよね?」と押し付けてくるのがまず不快。あと理論展開が全体的に詐欺師のそれなのも不快。そしてピサロは黙ってリュノの言う事を聞き続けるしずっと騙されてる。
誰もツッコミを入れないのに、「またリュノに騙されてない?何でついていくの?」と思ってるプレイヤーが何故かネグルに怒られるのも、マスドラに煽らせてたのと同じノリを感じて酷い。
痛い設定の数々はいっそ無視する手もあるが、リュノもピサロの呪いが解けます!とか言い出したのは無視できない。ロザリーの存在意義をないがしろにしすぎでは?
あと解呪を口に出してピサロを釣ってるくせに結局何もしないのは、リュノもロザリーもその場しのぎで喋りすぎなのでは?
追記:一般的な解釈の解説動画で見えた天空城のやり取りの中身
この怪文書を一旦書き上げたあと、Youtubeでストーリーを解説している動画を探して見てみたら、新たな発見があった。
【DQM3】魔族の王子とエルフの旅 ストーリー【完全解説】
https://www.youtube.com/watch?v=Ezbd21tqHbQ&list=PLTD8QzIdBvFhJEPX2HUdwBFCnCbJFN2Dh&index=8
完全解説と謳うだけあって、提示された作中の要素をきちんと拾いながら説明している。
その内容も、私が書いたような邪推と難癖にまみれたアクのある解説ではなく、『書いた人多分そういうつもりのストーリーだったんだろうな』というのが非常に分かりやすい内容となっている。ライターから直に話を聞かないとこういう解釈にはならないのでは?と思ってしまうほど理解力が高い。
私自身、えっこれそういう話だったの?!でも確かにそういう説明だった気もするな……と思ってしまうほどだ。
とても説明が上手くて素晴らしい動画だった。ライターはこの人のツメの垢を煎じて飲むべきだと思う。
さて、何が新たな発見かというと、『天空城でのやり取りの時点では、ピサロは人間を滅ぼすつもりが無かった』『勇者がエスタークを確保する邪魔になるのでどうにかしたかっただけ』らしい。
確かにそうだ。ピサロはマスドラの会話の時点では『エスタークを従える』としか言っておらず、外に出てからのシーンでも直ぐに誘拐犯を呼んでいる。ここで誘拐するだけって言わないから余計ややこしいんだよなあ。
つまり、『エスタークを従えてランディオルと戦う』つもりだったピサロ。
しかしベネットが『勇者を誘拐するってことは人間と敵対するということで、つまり俺とも戦うってことだぞ!』というのを、
「地獄の帝王を従えて(ランディオルを倒すためにエスタークが必要で、その確保の邪魔になる勇者を誘拐するということは、人間と敵対するということで)人間と戦うってことは、(お前の唯一の人間の大親友である)オレとも戦うってことだぞ!」という()内を省略した3段飛ばしくらいの理論展開をしたせいで、
プレイヤーは『ピサロは人間と戦うことにしたんだ!エスタークで滅ぼすつもりなんだ!』という理解になるしかなかったのだろう。
いやここは人間と戦うってハッキリ言ってるから、災厄の魔宮の描写から考えたらエスタークで人間を滅ぼすって言ってるのと同じ意味にしか聞こえないわ。
ちなみにそもそもベネット自身がランディオル打倒の目的をどう思ってるのかは、天空城までの時点では一切語られてないし、上級以後も打倒ランディオル!アチアチだぜ!位しか言ってない。
勇者を誘拐するだけなら、人間全体の敵であるランディオル打倒の方がまだ大事じゃない?ベネットも協力したら?みたいな理論的な説得をする材料がそもそも無いのだ。そんなにエスタークで何でもできるなら、そもそも勇者を説得してエスターク確保に協力してもらった方がよくね?あれ?話がどんどんおかしく……。
もちろんライターはこの時点でピサロが人間を滅ぼす気が有るつもりで話を書いている可能性もあるし、私の解釈は『人間と魔族の戦いは運命』論なので、マスドラの話を聞いた時点でピサロは人間を滅ぼすことにしているはずだ。
しかしこの時点で既に滅ぼすつもりで話をしていた場合、ロザリーヒルで二回目の人間滅ぼす宣言をしたのはボケてるの?という問題が発生してしまう。いやたぶんボケてると思うんですけど。
また、ピサロはこの時点では人間を滅ぼす気が無いというのも、勇者を殺害ではなく誘拐するつもりだったり、サントハイムの人間を誘拐したりと、人間を殺害せずに解決しようとしている様子からもうかがえる。まあそれはそれで人間を滅ぼす事を決めた後にサントハイム住民が生きてるのがよくわからなくなるんですけど。
この場合ピサロが人間を滅ぼす決心をした切っ掛けがエビプリの誘導のせいになっちゃうので、マスドラの運命論より余計酷いような気もする。改めて考えても『とりあえず邪魔できないようにする→滅ぼす』になるのは登場人物の倫理観と行動が極端すぎる。
進化の秘法を研究してた理由も『自分の中の魔族の血を消す(→それで強くなってランデイオルを倒す)』から『進化の秘法で強大な存在になって人間を滅ぼす』にいつの間にか変わってるのもよくわからない。というかピサロが進化の秘法でランディオルを倒すつもりだったなら、自分の呪いとかロザリーの解呪発言とかモンスターマスターになった意味とか全部無視してるよな。
とにかく、『ピサロはこの時点ではまだ人間を滅ぼすつもりが無かった説』の方が自然に思える。
ではなぜ大半のプレイヤーがピサロの心情を勘違いしてしまったかというと、ベネットとピサロの仲たがい描写とザガンギエルをパフォーマンスの為に上げることを優先させすぎて、本来ベネットが解説すべきピサロの現在の目的と心情を3段飛ばしで説明した結果、人間を滅ぼすと取れる内容に曲解してプレイヤーに説明してしまったからだろう。
そしてもう一つダメだったのが、ピサロ側が冷静に『いやエスターク確保の邪魔になる勇者を誘拐するだけで、人間を滅ぼす気はないよ』と返せばよかったところを、多分「愚かな人間を滅ぼして何が悪い(まだ滅ぼすとは言ってない)」みたいな煽る言い方をしたせいで、ベネットと決定的に決裂した、という描写をやりたくてしょうがなかったと思われる。
そのあとロザリーが「ピサロ様どうして」とかいうのも、従来なら急に人間を滅ぼすとか言い出してなんなの?という意味合いだと思われていた。
しかしロザリーがピサロを止め始めるのは、ロザリーヒルの搭のイベントで「人間を滅ぼす」宣言があった後である。この時点で滅ぼすつもりだったなら、ロザリーが「人間を滅ぼすなんて」という発言を既にし始めていてもおかしくない。
ではロザリーはなにを指して「どうして」と言ったかというと、ピサロがベネットを煽るような言い方をして仲を決裂させたことを責めているのではないだろうか?ロザリーが反応するのって大体ベネットの事だし。ロザリーに短くて内容の無いセリフばっかり言わせないで、もうちょっと具体的に説明させてくれないですかね?
というわけで動画のとおり『ピサロは天空城の時点では人間を滅ぼす気が無かった』と解釈すると、若干話の展開に納得できるような気がしました。
そういえばピサロってミオレからの教えを、『盗みはダメ』は守るけど『人間らしく』は全く守ってないよな。
話を作り直したからこんなに酷くなったのか?という疑惑に対する私の考え
モンスターズ3のシナリオの感想を探してみると、『何者かがシナリオを元から変更させて、ドラクエ4の再現展開をねじ込んだせいでこうなったんだ!』という主張に行きついてしまう人をたまに見かける。
なぜそうなるのかというと、特に中級部分の話が誰が見てもわかるレベルで酷すぎるのが大きい。そのせいで現実を直視できなくなって、何か大きな原因が存在したせいでこうなった、と考えたくなる。
話がおかしい原因はどう考えても無理やりドラクエ4を再現しているせいだ。
そしてそれから目を逸らす先として、ピサロの子供グラやあげピピなど、シナリオでまともに活用されていない素材がある。だから元は違う話だったに違いない。そう思うわけだ。
あと普通に考えたらこんな無理やりな話を自主的にライターが書くとは思えないので、ライター側には責任が無いと思ってしまう。
その結果、『こんな話を作って得するのは、人気のあるドラクエ4の外伝という売り文句を使いたいスクエニに違いない。つまりスクエニが悪い!』という論法に行きつく。
本当にそうだろうか?私はその疑念も解明するためにネチネチとこんな長怪文書を書いてしまったわけで、私なりの答えは出ている。
こんなシナリオになってしまったのはシナリオを書いた人が原因だと思う。もちろん「このシナリオやばいんでもう少し変えませんか」という提案が出来ていないスクエニも悪いけども。
そういう説が出てしまう原因について、少し考えてみたい。ただしどこまで行っても私の妄想に過ぎないので、これが事実というわけではない。
以下の妄想を組み立てるのにインタビュー記事を大いに活用させてもらった。
堀井雄二さん×藤澤仁さん×横田賢人さんが語る! 『DQⅣ』の世界観で描く『ドラゴンクエストモンスターズ3』誕生秘話
https://www.ndw.jp/dqm3-interview-231217/3/
このインタビューが掲載されていた『ニンテンドードリーム2024年1月号』の発売日は2023年の11月21日なので、モンスターズ3発売前のインタビューだ。
よって発売後の評判を受けて責任の押し付け合いとか言い訳合戦とかが発生する余地はなく、素直に作品に対する自信が感じられるインタビューになっていると思う。
今更になるが、知らない人のためにライターの藤澤氏のシナリオ方面の経歴を紹介させてもらおう。
エニックスに入社後、堀井氏のアシスタントとなる。かかわったドラクエのシナリオで判明している部分は、
ドラクエ7のウッドパルナ
PS版ドラクエ4の6章
ドラクエ8(シナリオ部分)
ドラクエ10(シナリオと開発、リリース後ver1ディレクター、ver2ストーリー原案、)
ドラゴンクエストモンスターズ3
藤澤氏はモンスターズ3のシナリオライターとして、スタッフロールの4番目に名前が単独で上がる。
シナリオライター自体はストーリーノートから藤澤氏を含めて5名いるようだが、ここに藤澤氏が単独で記載されているのを見るに、インタビューが『藤澤氏が話を全部書いた』みたいなふんいきだったのは実際にそうなのだろう。
ドラクエシリーズのスタッフロールの傾向として、堀井・鳥山・椙山の御三家の次はシナリオライターになる傾向があるらしい。
何となく藤澤氏がかかわった他のドラクエのスタッフロールも見てみた。ドラクエ7・PS版ドラクエ4ではシナリオアシスタント(堀井氏のアシスタントという意味だと思われる)、ドラクエ8ではシナリオスタッフとして藤澤氏の記載がある。
なお、これらの作品では複数のシナリオアシスタント・シナリオスタッフの名前があるが、藤澤氏は必ず一番上に記載されている。ドラクエ10のシナリオ担当ということで名前を知っている成田氏は2番目、上村氏はドラクエ7とドラクエ4が4番目、ドラクエ8が3番目である。堀井氏はドラクエ4のシナリオとして単独の記載がある。名前の順番はABC順とかではないようなので、多分偉い人順だろう。
そのえらいライターがモンスターズ3のシナリオを書くことになったとして、他のスタッフから滅茶苦茶言われると私には思えないのだが……。
ちなみにドラクエ8で4番目に名前が挙がるのはディレクターの日野氏(レベルファイブの偉い人)。
ドラクエ10でディレクターだったのはver1期間の約1年4か月のみだが、シナリオ部分はver2の原案とver3の構想までかかわっているはず。
ただしver2のスタッフロールには原案として記載があるが、ver3のスタッフロールのシナリオの付近には名前が無い。だがver1の時点でver3の会議シーンに矛盾が出ないをとを前提にクエストが組まれているので、ver3の構想がver1からあったのは間違いない。神話篇が当初ver3開始後は遊べなくなるという触れ込みだったのは、この会議シーンに問題が出るから遊べなくなるという話だった気がするし。
ドラクエ10はシナリオチームで話を作っているのですべてのシナリオを藤澤氏が執筆しているわけではないはずだが、ver2のセレドは藤澤氏のプロットが使われていると明言されていた記憶がある。原案としてクレジットされているということは、藤澤氏のプロットをもとに別人が話に起こしたという意味だと私は解釈している。メルサンディとアラハギーロも多分プロット書いてたかもしれない。
ドラクエ9は開発が難航したのでドラクエ10の開発中にディレクターとして呼ばれたという経緯を話していた記憶があり、シナリオにかかわったわけではないらしい。
ちなみに藤澤氏がドラクエ9のディレクターをしていた時期は代わりのディレクターとして現FF14のP・Dである吉田氏が呼ばれていたらしい。
ドラクエ10のディレクターを降りた後はスクエニで予言者育成学園というソシャゲ(既にサ終済み)というゲームを作ったのちスクエニを退社。
その後ストーリーノートというシナリオ制作会社を立ち上げる。同社はモンスターズ3以外にもいくつかスクエニからシナリオの発注を受けているようだ。
他のスタッフに付いていも軽く見ておこう。
ディレクターの横田氏はスクエニ所属らしい。
モンスターズ3はスクエニから下請けのトーセに開発を委託する形で作られている。トーセの事も紹介しておこう。
トーセはゲーム業界の大手下請けで、数えきれないくらい沢山の有名名作ゲームの開発にかかわっている。wikiを見る限り、モンスターズシリーズの開発もGB時代からほぼすべてトーセが手掛けているようだ。
堀井氏については今更言うまでもないだろう。モンスターズ3のエンディングでは、ゼネラルディレクターとして一番最初にクレジットされている。
アゲぴぴの出番が少なすぎるので、本当はもっと違うストーリーだったのでは?説
インタビュー記事を見るに、『本来アゲぴぴの出番はもっと多かった』『今のシナリオ』という言葉があるので、出来上がったモンスターズ3のシナリオとは違うシナリオが最初は作られていた、という可能性は部外者の視点から見る限りあると思う。
そしてこれらの情報から派生して『子供ピサロ活躍説』も想像されるが、それについては次の項で考える。
インタビューで言ってるなら、じゃあやっぱりスクエニがシナリオ変更を指示したんだ!と行きそうになるが、そうとは言い切れないと思う。
アゲぴぴの本来の用途に関して、インタビュー内容から推測してみよう。
アゲぴぴはインタビュー曰く『相棒キャラ』『トレーナー』らしいのだが、本編ではチュートリアル部分が終わったら一切話に絡まなくなる。
逆に言うとチュートリアルで説明をする役は残ったわけだ。
つまりアゲぴぴは本来説明役として設定されたキャラなのではないだろうか?
あまりにもいる意味がなさすぎて、本当はもっとストーリーに絡むと邪推されてしまっただけで。
そもそもアゲぴぴはわたぼう・わるぼうに似ているし、デザインもこの二匹と同じく鳥山デザインで極めて豪華だ。
過去作でこの二匹の役割といえば、シナリオが進行したら出てきて説明をする役だった。
このゲームはモンスターズの3作目なわけで、アゲぴぴも3代目わたぼう族としてわたぼうと同じような相棒役を担っていたと推測する。
出番がチュートリアルだけなのにディレクターがインタビューでアゲぴぴにやたら期待しているのも、開発者の視点ではアゲぴぴがわたぼう・わるぼうに次ぐ存在という認識だからかもしれない。
そういう筋書きならもし元のシナリオがあった場合、カレキの国での冒険が相応しかった気がする。
でもインタビューを読んでも元がそんな話だった雰囲気は一切ないと思う。ゲーム内にもアゲぴぴ以外の異世界モンスターズ要素は断片もないし。
え?エルフの異世界はあったって??じゃあ異世界冒険してクリアする度にエルフが出てきて世界になってました!とか言うのやりたい???
それにもし従来のモンスターズのように異世界を救う話だった場合、ランディオルを討つような話を入れるスペースが無い。
モンスターズ3のシナリオはこう見えて色々な要素が複雑に絡み合っており、ラスボスがランディオルでなければ成り立たない構造になっている。
ところで、モンスターズ3には信じられないことに今どきのゲームには標準搭載されているようなシステム的なナビゲーション機能が無い。次の目的地をシステム的に確認する方法が無いのだ。作りが全体的に安っぽいんだもんね。
だが実際にゲームをプレイすると、『あそこに行け』『●●が可能になった』みたいなことをキャラクターがセリフで説明するという、アナログな手法でナビゲーションを実装している。
ではその説明をしているのは誰かというと、主にロザリーと時々ベネットが説明している。
つまりロザリー&ベネットがアゲぴぴの代わりにナビゲーションをする路線に変更になったのでは?
インタビューを見ると『アゲぴぴがどういうキャラかわからなかった』『鳥山先生のデザインを見たら女の子に見えて、今のシナリオと違うと思った』という発言がある。
どういう事か考えてみると、ナビゲーション役を『今の世の中が暗いから明るいキャラがほしい』『(*わたぼうみたいなナレーション役)』という要件で鳥山先生にデザインを発注し、それが上がってくる前にアゲぴぴ(仮)のセリフだけ書いておいたのではないだろうか。多分元のアゲぴぴはわたぼうのような感じの無難なセリフだったのだろう。
また、ナビゲーター役のセリフはライターが考える物語の登場人物としての言葉ではなく、ゲーム都合で説明したい言葉なので、開発側の都合でどういうキャラか変わる可能性があり、ライター側からはどういうキャラかわからなかったのかもしれない。
そして上がってきたデザインが『アゲぴぴ』だったので、今まで書いていたナビゲーションセリフを使うのも、ナビゲーター役としてシナリオに登場させ続けるのも難しくなったと。
想像してみてほしいのだが、エスタークが復活して物語がいよいよ最高潮というときに、もしナビゲーターがアゲぴぴだったら『エスタークを復活させてすごいすごーい!一旦ロザリーヒルに帰ろう!』みたいなことを言ってくるわけである。
『今のシナリオには合わない』というインタビュー発言の通りだと思わないだろうか?
それに、アゲぴぴがナレーション役で入るとPTメンバーが3人になってしまい、複数人でのやり取りを考えるのが非常に面倒だ。現状ですらキャラクター同士で会話しているように見えるシーンがほぼないと言うのに、もしアゲぴぴがいたら『アゲぴぴ喋る→他の2人無言』みたいなやり取りが激増して余計酷くなっただろう。
これらの仮説に行きついたのは、ロザリーはまともなセリフが無いくせにナビゲーションセリフだけ毎回毎回言うので、何か決めごとがあってこんな感じになってしまったのか?と漠然と考えたためである。
だってエスタークのシーンはロザリーがナビゲーションしてもすごくおかしい。中級のロザリーの言動が大分イカれてるのはこのナビゲーションノルマの問題も大きい。
ロザリーはピサロがエスターク復活させてるのをおとなしく見てる場合じゃねえだろと思うのだが、まあ脚本という紙の上から見てると災厄の魔宮・中級のロザリーが何を考えてるのか、プレイヤーからはどう見えるのかが意外とわからなかったりするのかもしれない。
ちなみにナビゲーションに漏れが無いかねちねち確認したが、アナウンス自体は毎回されているようだ。
たとえばボスを倒した後に出る『〇〇に名前が知れ渡った』はロザリーのセリフだったりテロップだったり、テロップが出た後にロザリーがナビゲーションして説明が二重になることもある(甘味楼・初級)。
じゃあ全部テロップだけで良くない?と思ったりはした。
そして酷いのが喋るキャラクターによるアナウンスの質だ。ロザリーは次の目的を告げる時『〇〇でしたね。△△に行きましょう』という、まるでニュース番組の女子アナの当たり障りのないコメントみたいな、内容の無いアナウンスをすることが多い。
そしてロザリー自身が見解を述べてることがあっても、
「この場所××(熱いとか寂しいとか)」
「かわいい」
「ひどい」
「スイーツ」
感想ですらなくオウム返し
の5パターンがほとんどだ。
一応ロザリーが中身のあるセリフを言ってるシーンも一応あるけど、何故かものすごく高圧的に感じることが多い。そういえばドラクエ4の蘇生時のロザリーも結構高圧的なような。セリフに内容があっても無くても、どちらに転んでもロザリーはダメみたいですね。
でもベネットはもう少しテンションが高いというか、ベネット自身の感想を述べてからアナウンスに入ったりするので、ロザリーより圧倒的にセリフの内容が厚く感じられる。アチアチだぜ!
後内容もロザリーより大分”こういうキャラいる”感があって想像しやすい。
ちなみに場合によってはニャーゼルやパーシヴァル、リュノなど、その魔界のゲストがアナウンスを兼ねたセリフを喋ることもある。
まあナビゲートというより会話の流れで目的を説明すると自然にナビゲーションになるので、ロザリー&ベネットによるナビゲーションをカットしているのだろう。
たまにカットし忘れて今別のキャラクターが喋った目的をロザリーが二度付けしてるシーンが甘味楼・初級以外にもあった気がする(どこか忘れた)。
なぜアナウンス役やアナウンス方法に一貫性が無いのかはわからない。
しかし元々アナログな手法でアナウンスを入れることになって、アゲぴぴが大半の部分を担っていたとして、それを途中で全部変更して、さらにキャラクターによってアナウンスの内容に差異を持たせようとしたら、変えているうちにどこかでおかしな部分が出るのも無理はないのではないだろうか。
全部テロップにするかナビゲーション機能を入れればいいのに……。
そういえばインタビューでは『ロザリーとピサロは元々セリフが少ない』という発言もあったが、もしかしてロザリーがほとんど喋らないのは原作再現のつもりだったりするのだろうか……?
いや流石にそこまで酷い理由でロザリーをこんな扱いにしてるとは思いたくない。
子供ピサロが存在するので、最初は子供ピサロが活躍する話だったのでは?説
子供ピサロ(幼少期の子供モデルのピサロ)の出番が本来もっとあったのか想像するのは難しい。
何故なら子供ピサロが活躍しそうな想像の根拠が、『子供ピサロがいる』それ自体のみで、シナリオに子供ピサロの出番がもっとあったような、他の情報の断片が見当たらないからだ。
無いから好き放題想像できるのでそう考えてしまうという、言い方は悪いが陰謀論の文法であったはずの中身をいくらでも想像してしまえる。
そうして夢が膨らむと、子供ピサロが活躍する本来のシナリオは、本編と違ってまともで面白いストーリーだったはずなのに、スクエニのせいで、という空想に走ってしまう。
公式サイトを見る限り新規の鳥山デザインで確定なのは『青年ピサロ・ベネット・ロザリー・アゲぴぴ・ディオロス・リュノ・ホイミン』である。
子供ピサロの鳥山デザイン画は公開されていないようなので、もしかしたら鳥山デザインではない可能性もあるが、まあ素直に見たら子供ピサロも鳥山デザインに見える。
ここで、モンスターズ3記念に作成されたであろう鳥山先生の作と思われる集合イラストを発見したので見てみよう。
『DQモンスターズ3』主人公ピサロと旅をする仲間のほか追加DLC&特典アイテムをまとめて紹介
https://dengekionline.com/articles/193414/images/33/
ピサロのデザインは大人版だ。当然横にいるロザリーも大人。
シナリオが急に変更されて子供ピサロが活躍する話じゃなくなったと仮定すると、集合イラストのピサロも子供版から大人版に変えたということになり、鳥山先生まで振り回せるとは思えないので、最初から大人ピサロをメインにデザインしているのでは?と思う。
他にももう一枚出所が分からない鳥山絵と思われる集合絵もあったが、そちらも大人ピサロが描かれていた。実は内部の別のデザイナーが書いてたとしても、急に変更して振り回すことになるのは変わらない。
ランディオルも鳥山デザインかどうかちょっと怪しいが、タクトコラボを見るとそれっぽいイラストがあるので、一応ラスボスだからネタバレ防止で公開されてないだけだろう。
ちなみにこのメンバーの中でホイミンだけ浮いてる。ホイミスライムだから実際に浮いてるけどそうじゃなくて。こっちが鳥山デザインでミオレがそうじゃないのは謎である。ライターが意味深な子供キャラのデザインを鳥山先生に発注するのが好きっぽいはドラクエ10の時からそうなので、そういう事だろう。
たとえば子供ピサロが活躍する話だったなら、他にも鳥山デザインの名残がいっぱいいてもおかしくない気がするのだが、そういうのは無い。
『最初に人気のピサロとロザリーを主人公にすることをみんなで話し合って決めた』と堀井氏が語っているので、もし子供ピサロが活躍する話なら絶対に子供ロザリーのデザインも存在しているはずだが、そういうデザインは全く表に出てこない。
子供ロザリーのデザインが無いということは、もし子供ピサロが主人公ならピサロだけ子供でオトモが大人ロザリー&大人ベネットとなり、ビジュアルがかなりおかしなことになる。
あと完全に個人の感想だが、ピサロが子供だった場合ラスボスのランディオルはジジイよりもうちょっと若いデザインにするのではないかと思う。
ランディオルはピサロの父親であり、ピサロのキャラクター性に造詣が影響されるはずだ。
ピサロのデザインは途中で挿げ替えたと理屈をつけられても、ラスボスのデザインまで変更する理由は無く、最初から大人のピサロに合わせてランディオルのデザインを配置している、ということになると思う。
当然、ピサロが子供だと弟という設定のリュノのデザインにも無理が出てくる。いやリュノは本編で既になんでこいつ時系列おかしいのにピサロの弟ってことになってるの?という疑問があるが、そういう事ではない。
ピサロが子供でリュノがピサロの弟といわれたら、普通はピサロが小学4年生としたらリュノは幼稚園児くらいで出力されてしまう。鳥山先生にかなり変な注文を付けないと今のデザインにはならないだろう。
スゴイ裏セッテイによってリュノが実は未来から来てるからピサロより大人でもおかしくないということにしても、プレイヤー視点では設定を説明されない限り疑問が解消しない。
説明されるまでの間、プレイヤーはリュノに会うたびに「なんでこいつ弟なのにピサロより年上なの???」という疑問を常に持つことになり、スゴイセッテイをもったいぶりたいから裏ダンまで説明しない、という本編でやったような手口をしにくくなる。
だが大人ピサロなら、リュノは弟ですと言われてこのデザインが出るのに無理は感じない。
これらの推測から、子供ピサロはイベントシーンで必要だからデザイン起こしただけなのをプレイヤーが深読みしてる説を提唱してみる。
『ピサロが人間のハーフという設定から話が動いた』とインタビューにはあるし、子供ピサロの出番はほとんど序盤である。真っ先にシナリオが出来上がったであろう部分だ。最初に出るキャラなら鳥山先生への発注が滞ることも無いだろう。
もちろんこれらの推測全てを覆して急に作り直したから話がおかしいと主張するのは無理ではない。
だがシナリオを急に作り直した場合、どこぞのテイルズオブゼスティリアのように、ゲーム内に必ず断片が残るはずである。
モンスターズ3の場合は前述のナビゲーション役変更の余波と話がおかしい事くらいしか変更の断片と言えそうな物が無い。
……え?!こういうことではなく、純粋に『カレキの国か何かを子供ピサロとロザリーが冒険する話の方が面白かっただろ』『厄ネタの6章を焼きなおす意味が分からん』ですって!?
それは私もわからん。
しかしドラクエ4のピサロを無視して子供時代に異世界でいちゃついてたことにされても、最終的にその子供時代が無かったことになってピサロは勇者の村を襲撃しに行くカスになるか、それが嫌なら『ピサロが悪落ちしない未来=ドラクエ4本編自体をなかったことに』という展開が避けられない。
藤澤氏はインタビューでは『ドラクエ4を壊してはならない』とコメントをしているので、後者になってしまうのを避けるためにいろいろやったらディオロスおにいちゃんに全部押し付けることになったのではないだろうか。
プレイヤー視点だとそんなの別に後者でいいじゃん?と思ってしまう気もするが、パラレルで平和な世界を見せてしまうと結局『全部ピサロが悪いのでは』となってしまい、それをどう扱えばいいのかスクエニ側やライター側が慣れていないという事なのだろう。
ピサロが暴れないと、導かれし者たちは旅に出ることが無いのだ。ドラクエ11の巻き戻し後を、巻き戻し前のストーリー無しで見せられるようなものだな。
完全にネタに振り切って全員モンスターマスターやってる平和なパラレルにしてピサロと勇者が対決して最終的にエスタークを共闘して倒すとかでよかった気もするが……?
しかし堀井氏も『当時は容量制限でそのまま終わらせて悲劇的なデスピサロになって勇者たちに倒されちゃうのはかわいそうだった』とモンスターズ3のインタビュー上で述べている。
ピサロをどうにかして救うルートを模索するのはドラクエ4として避けられない定めなのだろう。
ドラクエ4の再現がノルマとして課された説、もともとピサロVSランディオルの筋書きだったけど途中でドラクエ4再現がねじ込まれた説等
アゲぴぴと子供ピサロ由来のシナリオ作り直し説に対してはそれなりに説明できたと思う。
そういう事じゃなくて、『ドラクエ4を無理やり再現したせいで話がおかしいのだから、その再現を強制した奴が悪い』というのが作り直し説の主流な気がした。それも考えてみよう。
ここまでにもちょくちょくインタビュー内容に触れてきたが、インタビュー自体の分析を行ってみようと思う。
アゲぴぴの項目でも触れたが、インタビューを見るとこういうシナリオになった経緯が書いてある。
まず、『ジョーカーで世界観が変わってきた』という前フリからモンスターズの3という形で制作する流れに入ったことを見ると、ぶっちゃけた話ジョーカーシリーズの売り上げが先細りしていったのでモンスターズ元来の路線に戻して売り上げを回復させたかった感を感じる。まあそうでしょうね。
堀井氏が『誰を主人公にするかみんなで話し合って人気のピサロとロザリーにするの決めた』とのことだ。これが決まった後にストーリーノート(藤澤氏が現在経営しているシナリオ制作会社)にシナリオが依頼されたらしい。
じゃあやっぱりスクエニが決めたんじゃん!と思った方、ちょっとお待ちください。ここで決まったのは主人公がピサロとロザリーな事だけで、話の中身までは決まっていない。
このオーダーで実際に出来上がったのはピサロとベネットのストーリーだと思うんだけど、それは問題にならなかったんだろうか……?
そして意外なことに、ディレクターの横田氏曰く『藤澤氏がPS版ドラクエ4の追加されたストーリー(*6章の事)を担当したから藤澤氏に話を依頼したわけではない』そうだ。
じゃあなんで話を持ってったの?という疑問は浮かぶが、まあ大人の事情でしょう。
順繰りに考えると、売り上げの為に人気のあるピサロとロザリーを主役にするので、折角ならドラクエ4にかかわったシナリオライターに話を書いてほしいとスクエニ側で考える。ファミコン版のドラクエ4も堀井氏がシナリオアシスタントを雇って書き始めたらしいが、流石にピサロザのキャラ造形はPS版以降が基準になるから、できればリメイク版ドラクエ4に参加したライターに依頼したい。しかしリメイク版から参加した4人のシナリオライターの内、藤澤氏以外の3名はドラクエ10のシナリオを担当しているので依頼できない。一方で藤澤氏は自身のシナリオ会社に勤めている訳で仕事を持ち込める。
つまり藤澤氏は6章を担当したから依頼されたというよりは、リメイク版ドラクエ4に参加していた中で気軽に仕事を持ち込める相手だったから依頼されたのではないだろうか。私も同じ立場だったらよっぽど自分でピサロザのシナリオを書きたいのでもない限りオリジナルスタッフに依頼すると思う。普通に考えたらそれが安パイである。6章がどうのこうのとか、現実の人間関係を考えると真に受けて避ける方がやばい奴だと思われる可能性が高いし、それでモンスターズ3のシナリオもおかしくなると考えるのは妄想が行き過ぎている。堀井氏と妙に仲がいいのも、あえて依頼しないルートを塞いでいる。
そうして上がってきた話の出来栄えは……まあ依頼する側からしたら自分のせいじゃないし。
そしてシナリオを制作する上での制限も説明されている。
堀井氏からは『人間と勇者を悪者にしないで』。
横田氏からは『フィールドのロケーションを一新したいので、それとピサロとロザリーの物語になることを組み合わせて話を書いてください』とそれぞれ語られている。
ゲーム的な遊びを詰め込んだ各魔界に合わせたストーリーが欲しいという意味だ。甘味楼の魔界は藤澤氏から『お菓子の世界は嫌です』と半年くらい反対されたらしい。
ということは、各魔界のモンスター達が自分たちの住む魔界を『初級エリア』とか自称にしては変な呼び方をするのはゲーム都合なわけで、流石にスクエニ側のせいといえるだろう。
その依頼を受ける藤澤氏の感想は『当時ディズニー映画のダークサイドストーリーで、ヴィラン側の話なのにだれも下げない内容のものがあったので、自分もそういうのを書いてみたいと思っていた時期に話が来た』とのことだ。
この3者の話を統合すると、たしかにプレイヤー目線だと売り上げ重視で人気キャラのピサロとロザリーをピックしたように見えるが、依頼時点ではドラクエ4の再現をして話を滅茶苦茶にしてください、などという雰囲気は無いと思う。
堀井氏は『おもしろければ何でもいい』というスタンスだと堀井氏本人と横田氏から語られており、話の内容に口出ししているようには見えない。
一番そういう展開にしろと言いそうなのは売上の責任が直結するディレクターの横田氏だと思うが、『ピサロとロザリーを主人公にして各魔界のストーリーを考えてください』と言っているようにしか見えず、シナリオの具体的な内容に大きくかかわる要求はしていない。
一方で藤澤氏だけが依頼段階でダークサイドのストーリーであることを意識しているようだ。
そして制作初期の様子。
インタビュアーが『ピサロが人間と魔族のハーフというのは、原作にはなかった設定ですよね?』と言葉を投げる。
堀井氏は『そうなんですよ』とのこと。
あたりまえだけどドラクエ4のピサロも実は元から人間と魔族のハーフだったというわけではなく、モンスターズ3で新たに作られた設定だ。
『もう一つの可能性の物語』がどういう意味なのかは前に書いたが、もちろん物語自体がifという意味でもあると思う。あまりに原作を上書きしたそうな内容のせいでヘイトを稼いでしまっているが。というかifじゃないと今後ドラクエ4の話をするたびにモンスターズ3が気分を害してくる。
藤澤氏は『堀井氏が設定を任せてくれた』『ピサロが人間とのハーフと考えてから話が広がった』と述べている。
『(この設定を提案したら)堀井さんから「いいんじゃない?」と言ってもらえたので、勇気をもって進めた』とのこと。
また『ピサロが戦えない理由付けが話が動き始めるきっかけになった』そうなので、多分ピサロの呪い設定もライター考案である。
ピサロが人間のハーフであることはストーリー全体に非常に深く絡み合っている設定であり、スクエニ依頼説を否定する根拠として私からも説明できるが、今説明すると超長文を書いてインタビューの事を忘れてしまうので後回しにする。
その設定を受けて横田氏は『藤澤氏が考えていただいた設定を堀井さんと話して進めていく過程にワクワクした』とのこと。
私にはディレクターは基本的にシナイオの深い内容にはノータッチに見える。
そして鳥山先生にデザインを依頼した経緯も書かれている。
横田氏曰く、『魔剣士のピサロをそのまま出したら人を切りそうだから、モンスターマスターとして活躍することを考えるともう少し少年っぽいデザインが必要だと思ったので、それを全部お伝えして書いてもらった』『今回のピサロはこういう冒険をしますという設定を渡して書いてもらった』『イラストが出来上がったのはシナリオが細部まで完成した後』だそうだ。
つまりダークサイドのストーリーでこういうキャラが出ますとか大まかな設定を渡してあとは先生にお任せ、位の要求に見える。
少年ピサロ説の項目でも話したが、鳥山先生は設定を元にキャラデザを考えている訳で、途中でデザイン変更があったならそういう話が何かしらインタビューに出ていると思う。それが出ていないから、最初からこのダークサイドの路線で設定を作って依頼をしたというのは疑いようがないのではないだろうか。
また、体験版を出したことを受けての反応も乗っている。
藤澤氏曰く『ドラクエ4の世界観のパラレルワールドかと思いきや、結構原作に近いことをやろうとしているという気配だけでも感じていただけた』『期待が高まった、という声が沢山みられてよかった』だそうだ。
私は当然藤澤氏が渾身の筆で書いた結果がこのシナリオだと思っているので、体験版の時点でそのシナリオの評判が良かったことに安心しているように見えるなら、やはり変な横やりで話がおかしくなったわけではないのでは?と思う。
横田氏側からの体験版後の認識も興味深い。『体験版の範囲ではドラクエ4にどのくらいモンスターズ3が干渉するのかとか、時系列に想像の余地が残されている』と語っている。
私が邪推することによると、この後中級の原作再現で怒涛の展開になる事に対する含みを感じる。もちろん期待の方で。
後これだけはツッコミを入れておきたいのだが、インタビューではロザリーヒルが建ったときの画像に対してインタビュアーが『ロザリーヒルの搭が建つときはジーンとくるものがある』とコメントしている。
どんな訓練を受けたらあの唐突過ぎる塔イベントで開発側をヨイショするコメントが出来るんだ。
その後、ベネットの事がなぜか個別に言及されている。ロザリーは元のセリフ少ないね位なのに。ベネットは開発者視点でよほどのキーマンらしい。
藤澤氏曰く、『物語を作る上でもう一人旅の仲間が必要だと思った』『物語に深みを与える為と、ゲーム展開的にピサロもロザリーも影があるので底抜けに明るいキャラが居たほうが話が動くと思った』だそうだ。
確かにピサロもロザリーもどっちも辛気臭い中級よりはベネットがいる初級や上級の方が雰囲気がマシな気はする。底抜けに明るい(ナチュラルに盗賊)なのはプレイヤーにはすごい嫌なエッセンスになってますが。
また、『(ベネットは誰なのか)今はお答えできない』だそうだ。
これはモンスターズ3でどういう活躍をするのかがネタバレなので話せないという意味に聞こえるし、『ベネットってドラクエ5にもいたけど、そもそも誰なんだよ?5と関係あるのか?』というプレイヤーの根本的な疑問に対する答えにも見える。
また、絵本でもベネットの存在は「ピサロ様には人間の友達が1人いた」ということで存在が示唆されているものの、それ以上の事は伏せられていた。
堀井氏・横田氏の認識が『ベネットは狂言回し』とのことなので、ネタバレとして伏せる雰囲気を感じる。
そしてインタビュー終わり際の語り。
藤澤氏曰く、
『自分もPS版ドラクエ4の開発者なので、ドラクエ4を壊してはいけないし、魅力を引き出さなくてはならないと思った』
『(モンスターズ3)はただのアナザーストーリーではなく、どちらも1本の作品として成立するが、世界観はより深まるという事を実現させなければ』
『モンスターズ3はドラクエ4に深くかかわるストーリー』
『堀井さんに初期の段階で設計図を作って「こういう物語にしたい」というのを見ていただいた』
『勇者サイドとダークサイドから見た場合とで同じ物語なのにこんなに違うという表現が実現できた』
『(モンスターズ3に)これだけちゃんとやり切ったと思えるシナリオが実装されて、それがどんな化学反応を起こすのか楽しみ』
アゲぴぴの項でも少し触れたが、ライター自らが開発初期に話を考えて堀井さんに許可をもらっており、『勇者サイドとダークサイドから見た物語』というそのものずばりモンスターズ3な話であることをライター自身が答えている。
ドラクエ4のイベント内容を忠実に再現することにこだわっているように見えたのは、『勇者サイドとダークサイドの物語』という発言から本当に意識してそうしたのだと推測できる。内容を変えると勇者サイドが存在しなくなってただのダークサイドになってしまうからだろうか。
ここまでシナリオの内容を語っているのに、スクエニ側が無理やり話をドラクエ4の再現にさせたから話がおかしくなったと考えるのは無理があるだろう。
話だけでなく、ドラクエ4のファンサービス要素(ピサロの手先などの仲間、結界の守護者たちなどのボス、勇者たちが出てくる、ホイミン)もちゃんと考え作っていたんだなと思う。そこはファンサービスとして見れば実際楽しめる部類なので良かった方かなと思う。
最後の方のコメントでは横田氏が『こうしたらモンスターズ3はもっと面白くなるんじゃ?という考えの元試行錯誤しました』とほぼゲーム内容についてのコメントを残している。
私はモンスターズ3はゲームクリアまでのゲーム部分は面白いと思っているので、シナリオの事はあまり考えずにゲーム内容を頑張ってたんじゃないかなと思う。
まあクリア後の卵集めが苦行すぎて反転アンチ化したんですけど。
そもそも論として横田氏はシナリオライターではない。一方で藤澤氏は堀井氏の元弟子で、スクエニで長い間ドラクエシリーズにかかわり、今も堀井氏とついでにスクエニにも非常に気に入られているように見える。
ぶっちゃけ横田氏より藤澤氏の方が開発者としての立場が上に見える。そんな関係で横田氏が藤澤氏のシナリオの細かい内容にあれこれ注文をつけられるとは思えない。
そしてシナリオというのは自分で書いて何度も見直しているうちに、それが面白いのか、読み手にちゃんと伝わっているのか、よくわからなくなってくるものなのだ。私だってこんな意味不明な怪文書を書いてしまい、どこがどうとか収拾がつかないまま文章を伸ばし続けている。
藤澤氏はプレゼンが非常に上手だ。それこそ、これほど話が分かりやすい人がこんな意味不明なシナリオを書くなんてありえない!と思ってしまうくらいに。
横田氏はそんなプレゼン上手の藤澤氏から直接シナリオの内容を説明されているわけだから、実際のゲームのイベントシーンを見ても『ここはこういう意味なんだな、面白い』としか思えなくなっているのではないかと思う。
横田氏は『(ピサロが原作でどう考えていたのかピサロ目線で書かれるので)原作を知っている人はより楽しめる。原作を知らなくても話に付いていける』という、大方のプレイヤーの感想とは真逆のコメントも述べている。
中身をしっかり解説されて話を理解してしまったせいで、プレイヤー目線の視点は消失してしまったのかもと邪推してしまう。
ピサロ目線の話というのはもう実際そのままの意味だったが、原作を知らなくても話に付いていけるというのは謎だ。
もしかして中級の原作再現でドラクエ4と全く同じ話をしているあたりがドラクエ4をやっていないプレイヤーへの説明になると思っているのだろうか。そこが一番話が分かりにくい原因だったのだが。逆に中級以外の部分は全体的に変だけど何とか理解できる範囲だったし。
ちなみに堀井氏は『ピサロが主人公でユーザーの皆様からの期待値も高いと思うが、藤澤君にしっかり書いてもらいました。これがどういう風にみなさんに思われるか楽しみです』とちょっと意味深なコメントを残している。
堀井氏本人が指揮をとったドラクエ11はシナリオも好評だが、ユアストにしろモンスターズ3にしろ話がチョットアレな物でも『おもしろければいいよ』と通していることを考えると、うすうすどうなるのかわかっててやってるのでは……?と邪推してしまう。
それともう一つ。もし横田氏が『ドラクエ4を愚直に再現するように!』という強権的な注文を出した場合、現在のストーリーと致命的に噛み合わない点が一つある。それは6章に繋がらない事だ。
横田氏はプロのライターというわけではないようなので、『ドラクエ4を再現しろ、しかし6章は再現するな』みたいな複雑な内容の指示を通せるアイデアも権力も無いと思われる。
だからもし原作再現を発注するならドラクエ4の終わりまで再現するという注文になるはずだ。そしてモンスターズ3の話が6章に繋がらないことは前に述べた。
こういうと『6章の評判が悪いからそこだけ変えさせた!』みたいな難癖をつけられそうだが、スクエニの視点では6章が悪いから出さないという風にはなっていないのではないだろうか?
ピサロとロザリーの人気もなんだかんだ6章で味方になったからという面が大きいと思うし。だからスクエニ側からあえて6章を否定するような指示を出す理由が無い。
藤澤氏はドラクエ8とドラクエ10のシナリオの功績によって固定ファンが結構いるように見える。
そんな有名シナリオライターがこんなシナリオを書くはずがない!というのが、責任をスクエニに求めてしまう理由の一つだと思うが、巨匠が書いたヒット作の次作が鳴かず飛ばずなんて事案は非常によくあることだ。
ストーリーノートという会社単位でシナリオを書いているのだから、藤澤氏以外のライターがおかしい可能性も考慮した。
モンスターズ3のシナリオライターとしてクレジットされているストーリーノート社員は藤澤氏を入れて5名。藤澤氏がスタッフロールのトップで乗っているので、話の大半はどう考えても藤澤氏が書いていると思う。残りの4名がどこを書いているのかは知らない。
ここで想像してみてほしいのだが、自分が雇われライターだったとして、社長である藤澤氏のシナリオにケチをつけられるだろうか?無理だと思う。
あと甘味楼中級でビーンファイターの口調がクリア前後で大幅に変わるというテキストミスのようなものが見られることもなぜかここに書いておこう。
またシナリオが外注ということは、スクエニ側でなんかヤバイ部分を発見したとしても気軽に変更するのが難しかったんじゃないかなと思う。
フルボイスだから一度音声を撮影してしまったら細かく直せないだろうという事情もある。
もちろん、モンスターズとしてのゲームテンポを優先した結果、イベントシーンに割く予算やテキスト量が少なくてこういう話にならざるを得なかった、という可能性もなくはなさそう。いやそれで説明付くレベルじゃないし、リュノのポエムに尺を割く余裕はあるんですか?という文句がつけ放題なんけど。
ただし、ソースを失念したが当時牧場のセリフが話しかける度に長い事にプレイヤーから苦情が来たことに対して、横田氏が『シナリオ側から牧場のセリフが上がってくるんだけど短くしてって頼んでた』みたいなことを漏らしてた記憶がある。必ずしもゲーム都合だけで話が歪んでいるとは言い切れない。
さてこのようなユーザーから大不評のシナリオを書いた藤澤氏がスクエニ側からどう思われているのか想像すると、『100万本ヒットの立役者』として評価されているのではないだろうか。
モンスターズ3はスクエニの2023年のソフトとしては非常に売れており、開発費が全然かかってなさそうなことも考慮すると、昨今の財布がやばそうなスクエニにとっては救世主ともいえる存在に見える。
それのシナリオライターが褒められこそすれ、排除されるいわれはないだろう。無論企業目線での評価だが。
もしモンスターズ3の完全版が出るなら、ぜひとも藤澤氏を再登用してシナリオも完全なものにしてほしい所存だ。二度あることは三度ある。二重の意味で。
あれ?モンスターズ3は100万本売れた大ヒット作でスクエニの救世主にしては、発売後音沙汰がない。
どういうつもりだろうか?責任を取って低品質な所をきっちり作り直したバージョンを出してほしい。買わないから。
スクエニはモンスターズ3から逃げるな。売り逃げするな。この特損200億円!!
シナリオ構造からみるシナリオ変更説の否定
それでも『中級のドラクエ4再現がおかしいんだからドラクエ4のシナリオ再現が悪い』という方に、シナリオを嘗め回すように見た私から通達させていただこう。
初級も上級もおかしいし、話全体がほぼ中級を成立させることを前提に動いているので、中級を取り除くこと自体が出来ない。
どういうことかというと、初級では中級の話を成立させるための伏線づくりにいそしんでいる。
そして上級では中級でやらかした部分の後始末をしている。
もっと俯瞰的に言えば、話全体が初級ー中級ー上級の流れできちんと考えて作られているので、中級がおかしいから酷い話になったわけではない。
前項で『藤澤氏がこの話を考えてるよ』とひたすら追求していたが、インタビューを読むと本当にちゃんと話の構造や展開を考えた上で書いたことが伺え、だからこそかなり自信に満ち溢れたコメントをしていたのだと思う。
話がどういう構造で絡まり合っているか、天空城の項でちょっと述べたが、改めて考えてみたいと思う。
まず初級ではミオレ・ランディオル・ピサロの幼年時代など、『ピサロの人間と魔族の心』の要素を振りまいていく。
ピサロは幼少期はミオレと暮らしていたせいか人間としての心の方が魔族の心より大きいっぽいが、ランディオルに復讐を誓ったことで魔族方面へと傾倒し始める。
キーマやジンマー将軍など、後の仲間を出して話全体の後の流れも意識する。
ロザリーとノルマ的に出合わせた後は、ベネットという今作のキーマンを登場させる。
狂言回しの彼は発言の倫理観が狂言じみている。ベネットはピサロの人間の心を象徴する存在であり、彼を魔族の心から人間の心に引き戻す役割をになう。
そんな重要な彼と親交を深める非常に重要なイベントが初級~中級直前で行われる。ロザリーはしゃべんないキャラだしほっとこう。
あと原作再現の悪役としてエビプリも仕込みを始める。
エビプリはピサロを魔族の道に堕とす存在という事なのかもしれないが、ピサロに人間性を与えるサイドに比べるとあまりにもエビプリ自身の心が無いので違う気がする。やっぱり災厄の魔宮でエスタークの記憶を見ろってそそのかしたリュノがそれなんじゃないかな。
そして天空城でマスドラから『人間と魔族は……どっちかしか生き残れないョ……!』と聞かされたピサロは、魔族が生き残るために人間を滅ぼす決意を固める。
最初のミオレとかエンドールの邪な人間とかはフェイクというか、シナリオ的にそんなつもり無いのにプレイヤーが勝手に勘違いしてるだけである。ここでキーマンであるベネットと決裂してしまう。
その後中級であれやこれやとやって破滅したらベネットに助けられる。散々話したので割愛。
ここから上級~ランディオル討伐までは深く追求していないので何か言うのが難しい。
そしてエンディング。
ピサロは人間でも魔族でもない自分だけどそれでいいみたいな半妖エンドならぬ半魔エンドであることがマスドラの口から語られて終わり。
これがストーリー全体で人間の心と魔族の心を扱ってきた結果だと天空城の項で分析したが、もう一つ深みがあったことに気づいた。
それは魔族の心に関する部分である。魔族の心というのは中級で散々やらかした部分の事であり、ピサロがそれを否定しない結論を出すということは、エンディング部分で中級のやらかしをフォローしているという事に他ならないだろう。
また、エンディング直前のランディオル討伐によって、魔族側の心をピサロが捨てない理由付けも補強されている。
おそらくこの時のランディオルとのやり取りによって、ピサロは人間と魔族の心で魔族の『弱肉強食』を変えていく存在という流れも付与されたのだろう。多分。
ちなみにラストシーンでは遂にピサロの魔物に攻撃できない呪いが解ける。ランディオルの手で。ロザリーの解呪設定とはなんだったのか。
そしてランディオル討伐後のイベントでロザリーは一言もしゃべらない。これピサロとロザリーの話なんですよね?彼ピの父親すごい死にそうなんだけどなんかコメントとか無いんですか?
ベネットは「それでこそ俺の親友だ」とかすごいそれっぽい事を言う。次のカットでは逆にロザリーしかセリフが無いが、内容は「あれは!」とマスタードラゴンを指さすだけである。ベネットとロザリーのセリフの情報量が違いすぎる。
このあとスタッフロールを挟み、マスタードラゴンが語りをするが、ここもちょっとツッコミどころが多い。
何気にピサロの身内は全員死んでおり(リュノはこの時点では死んだことになってたっけ?いきてたっけ?)、そのうち母親以外は実質的にピサロが殺したようなものなのだが(母親も野垂れ死にしたのは仕方ないにしてもピサロが弔った描写とか無いが)、その壮絶な結末に対するマスドラ・ロザリー・ベネットからのコメントは特にない。
マスドラが真っ先に話題に出したのは『少年の時に魔族の心捨てるの拒んだよね?』という心の話題なので、物語的にもそれが重要なテーマで、ピサロの身内全員死んだとかどうでもいいのだろう。まあそういう心情や境遇に配慮出来るなら話が説明不足になってないだろう。
というわけで、モンスターズ3の話は全体にわたって各部の伏線が絡み合う構造になっている。
初級も上級も中級のフォローの為の話であり、中級だけ無くなればどうにかなったりしない。そう思うのは気のせいだし錯覚であり、あきらめるしかないのだ。
モンスターズ3のストーリー解説のまとめ
モンスターズ3内のピサロとロザリーのイベントは、ドラクエ4にもあったイベントの場合、それと可能な限り同じ内容になるよう意識されている。
ドラクエ4で直接描かれたイベント以外も、原作の流れと(一応)矛盾しないようにしつつピサロ視点で描こうとする傾向が見られる。
その理由として、インタビューで藤澤氏が『(モンスターズ3は)勇者サイドとダークサイドの物語』と発言しているので、意図的にイベントを同じ内容にしてドラクエ4をピサロ視点の物語にしようとしたと思われる。
その結果、ピサロが進化の秘法を使って破滅するまでの流れはドラクエ4のダークサイド視点ということになり、事実上本編でもあり得た話ということになる。
モンスターズ3はOPで『これは誰も知らないもう一つの可能性の物語』と語ってある。
その可能性の分岐が起こったのはベネットがときのすなをまいてからで、ここから先が『可能性の物語』でありドラクエ4のifというのが私の解釈。『可能性の物語』ってことは話が丸ごとifとは言ってないので、モンスターズ3がドラクエ4のダークサイドの話をしてる時点ではパラレルじゃないから、やっぱりドラクエ4本編が上書きされてないか?(邪推)
ドラクエ4とは別の可能性に分岐したので6章にはつながらない。
純粋なピサロの物語として考えると、『人間の心』と『魔族の心』をテーマにして様々な物語が描かれたことになる。
『人間の心』はピサロのやさしさやベネットとの交流、『魔族の心』は魔族が生き残る為に人間を滅ぼす、魔族の王になるために父親を討つといった悲愴な決意と思われる。物語の中でピサロは何度か『人間の心』か『魔族の心』を捨てる選択を迫られるが、さまざまな葛藤の結果、最終的に『(人間と魔族の血を引くもの、魔族であり人間でもある者という)その姿のまま生きていく。それが本当の自分』という結論に達する。
その後のピサロの役目として、中盤にホイミンから『人間と魔族は共に生きていける』『ピサロがその懸け橋になる』という未来が語られる。
すべてを見通すものであるマスタードラゴンの認識は『人間と魔族はどちらかが滅び去る運命』ということで、ピサロが魔族の王を志したのもこの運命を聞いて魔族を救うためだが、ホイミンの言からピサロが人間と魔族の血を引くものとしてその運命を覆す存在であることが示唆されている。
モンスターズ3のシナリオのダメな所まとめ
やっとこの長怪文書をまとめて終われそうになったところで、どうしても最後に書きたいことが出来てしまった。
それはモンスターズ3はどうしてこんなにシナリオがアレなのかについて。要素としてまとめて書き出しておきたかった。
先に大雑把な結論を書いておく。
『説明不足』
『整合性を取っているとは思えない設定の数々』
『プレイヤーを煽る・引っかける、過去に散々叩かれた部分を漂白で解決しようとする、などの純粋に悪辣な描写』
モンスターズ3のシナリオの筋書自体はそこまで悪いとは思えない。
ちゃんと書けてれば『面白い』と感じる人と『ドラクエ4の上書きしようとすんな』と感じる人で賛否両論くらいには拮抗して、ここまで酷い評価にはならなかったはずだ。
これからシナリオの問題点をボロクソに書き連ねてしまうので、先にシナリオの良かったところを書いて中和しておきたいと思う。
それは多分『それっぽさ』だと思う。同じライターが書いた他の話も同様に『それっぽい』ことでファンが付いている気がする。
それっぽいってどういうことなのか、すごくふんわりした概念なので説明するのが難しい。
たとえば『そういう神話』とか『そういう設定』とか『そういうボス』などの、シナリオを荘厳にさせる雰囲気の設定を考えるのは上手い気がする。
ドラクエ8のレティスとか、それっぽい感じのものを出せた時はファンが勝手にいろいろ考えて話題にしているように見えるので、上手くはまれば機能するのだろう。
モンスターズ3内では『ランディオル』というそれっぽいラスボスを生み出せている。造形はいいのに話に全く生かせていなかったが。
それっぽさが一番良い方向で現れているのはシナリオの終わり方だろう。モンスターズ3の場合は半妖エンドみたいな終わり方だが、さわやかではあるので正直嫌いではない。どうしてそういう結論になるのか全く理解できないから不評なのだが。
ドラクエ8もそれまでが賢者連続殺人事件からなぜか一か月監禁されて最後の賢者まで殺されるというバカみたいな展開だったにもかかわらず、今世間的に良いシナリオと評価されているのも、7賢者の力を借りて杖とオーブがどうのこうのでレティスに乗ってラプソーンを倒して呪いが解けた姫と駆け落ちまたは結婚して終わるという、それっぽさのあるさわやかなエンディングを迎えたからだと思う。
また、このライターが多用する『かわいそうな胸糞話』もどちらかといえば良い点に入るだろう。
これが感動話に見えるときは確かに面白いし、何もない話よりは中身があるように感じる。ファンの人もここがスキ!と言っているような気がするので、これが藤澤氏の作家性ということかもしれない。
作家由来の部分ではなくモンスターズ3のシナリオとしてよかった部分は、ドラクエ4の原作再現要素だろう。
モンスターズ3だということを一切忘れてドラクエ4のシーンを3Dで再現したものだと思って見ればそこそこ楽しい。ドラクエ4に出てくる魔物がおおむね出演しているのはモンスターズとして見るとうれしい。
そしてこれらの面白い点だけを見て、シナリオの問題点である説明不足・矛盾・中級の漂白展開を脳内で補完してスルーし、『かわいそうな話』部分に共感できる人、もしくは中級の展開を『衝撃の展開!』と純粋な気持ちで見られる人なら、モンスターズ3を面白いシナリオだと感じるのかもしれない。
面白いとは少し違うが、『エロ描写が無い』のもファンタジー作品としては非常に素晴らしい。
ランディオルが異種族と2人も子供を作ってるド変態ジジイだとか、ロザリーが悪漢に暴行される描写とか、一歩間違うとアカン感じになりそうな設定が結構あるのに、いやらしさを感じさせることがほぼ無いのは素直にすごいと思う。
なぜわざわざこんなことを利点にあげたかというと、私はFF14のストーリーをやってる時に気分を害されるようなエロ描写が多くて嫌になった記憶があるからだ。ファンタジーに浸っていたいのに一気に現実に戻されるような感覚になる。
このライターが書くドラクエ作品のエロはお色気程度にとどまっており、その点は非常に安心して楽しめる。
ただし、ピサロとロザリーの恋愛描写(エロではなく二人の絆が深まる心理描写の事)が皆無だとか、エロでは無いけどチェルスに犬のエサを食わせるような必要以上の下品さがあったりとか、全く問題が無いわけではない。
好の文章で非とのバランスが取れたので、そろそろ本題に移ろう。
散々長文を書きなぐったおかげでどういうシナリオだったのかは一応理解できた。
しかし今表題としているのはシナリオが理解できないことではなく、何が原因でシナリオの理解が阻まれているかについてだ。
シナリオが酷い評価を受けてしまった最大の理由は『説明不足』だろう。
だが一口に説明不足と言っても、実際にその属性を分類してみると様々な要素が複合的に合わさった結果であることに気づく。
一番マズイ説明不足は『ピサロが喋らない事』だ。これはシナリオが不評な理由として多く上げられる、わかりやすくダメな点だ。
中盤のピサロの心変わりのシーンはそれが特に顕著で、ピサロが一言どう思っているのか喋ってくれれば、話が5割くらいはマシになるはずだ。
プレイヤーは意外と『魔族だから仕方ねえな』という気持ちでピサロの悪事を許していたりするから、心情を説明さえしてくれれば受け入れやすい。
だが、そもそも周りのキャラを腹話術してピサロのセリフを説明したり、デスパレスの演説のようにテロップでピサロのセリフを説明してしまうという裏技を使っている場面が他にあるのに、心変わりだけ苦しい手段を使ってでも心情が説明されないのはどういうことだろう。
私はピサロが喋れない事が説明不足を生み出した根本的な原因ではないと思っている。
その根本を改善しない限り、仮にピサロが喋っていたとしても「余計になんか酷いな?!」というシナリオになってしまう可能性がある。
実際、追記の項で述べたようにピサロはベネットを煽って話をややこしくしていた可能性があるので、本当にそうならピサロが喋っても話が酷くなるだけだろう。
シナリオの他の説明不足はこの文書にもいくつか書いたが、まだ書いていない事を上げてみよう。
実はロザリーとベネットが仲間になるときに、『ピサロの目的はランディオルを倒す事』という目的の周知を仲間に行った場面が無いのだ。
主人公が仲間に目的を周知していないせいで、仲間2人が何を考えてるのか全体的に意味が分からない話になっていくのはあると思う。
仲間に主人公の目的を周知するのは、ゲームのテキストおいて基本中の基本だ。
ドラクエ4の仲間とか全員ちゃんと目的を共有しているし、同じライターが書いたドラクエ8のゼシカもドルマゲスを追うという目的をきちんと確認してから仲間になっている。
なんでドラクエ8ではできてたのにモンスターズ3ではできてないのか不思議すぎる。おそらくドラクエ8は他にシナリオチェック役がいたから、その人からツッコミが入って修正させられていたのだろう。モンスターズ3の方はうるさい編集から解放されただろうし、シナリオ的に都合の悪いことをあまり説明せずにふわっと進めてたらこうなったのだと思う。
ピサロが何らかの理由で2人に目的を知らせてないだけじゃない?という考察もできるが、最初にエビルプリーストに会ったときにエビプリの口から「ピサロはランディオル大帝を倒したいのでしょう?」といわれても、ロザリーもベネットも何の反応も示さない。「エビプリイケボ~❤」「アグルカ博士に会えるなんて!」等の割とどうでもいいセリフはある。
なので文字数の都合とかではなく、ピサロは画面外で仲間に目的を説明しているけど、そのことをゲーム画面上でプレイヤーに知らせていないようなのだ。
あとどうでもいいことだが、エビプリがロザリーヒルの搭の中に平然とニャーゼルと自身の幻影を送ってきてるのに、ピサロはセキュリティの警戒をしてない。
他にもプレイヤーを唖然とさせている個所はいっぱいある。
例えばロザリーヒルの搭が建ったシーンはその筆頭だ。テロップの一つでも手前にいれれば済む程度の説明なのに、それが無いせいで見たプレイヤーの99%を『もしかしてこのゲームやばくね?』と思わせることに成功している。
ちなみにこのテロップ1枚で解決できる場面が超雑なままリリースされていることが『スクエニ側に話を変えられたからおかしくなった説』の否定材料の一つでもある。体験版でも『これ唐突すぎね?』と不安の声が上がっていたのだから、スクエニ側の裁量でシナリオ変えられるなら真っ先にここに説明入れるでしょ。
逆にちゃんと説明しているシーンもあるのだ。天空城のマスドラとかピサロの代わりに心変わりの理由やシナリオのテーマを大体説明しているし、流神殿・上級とか考えてあったすごい設定を全部説明している。
だがさんざんぱらに説明してきたように、このゲームの伏線(?)や前後の文脈はそれをまき散らすだけで、具体的な説明を紡いでプレイヤーに理解させようとする気がない。
プレイヤー側に想像させて話を組み立てさせる狙いの可能性もあるが、それはプレイヤーの想像力に依存して甘えているだけで、お話として成立させているわけではないのだ。
ずっと疑っていたのだが、最近ストーリーノートの方では推理ゲームのシナリオを多く書いているようなので、もしかしてロールプレイングゲームのシナリオと推理ゲームのシナリオを間違えてしまったのだろうか?伏線をまき散らしたら勝手に推理して喜んでくれるのは名探偵だけだぞ。
つまるところ、『説明不足』を引き起こしているのは、『プレイヤー目線での説明の欠如』『プレイヤーに共感させるような心理描写を意図的に省いている事』が原因だと私は考えている。
タチの悪いことに、どうもライターがプレイヤーに説明するのを忘れているというよりは、『一度画面上で説明したことはキャラクター全体での共通認識になるから、再度プレイヤーに説明しなくてもよい』つもりでいる気がする。説明の主観が物語の盤上にあって、それがプレイヤーにもキャラクターにも勝手に適用されているような状態だ。
その結果、キャラクターたちがプレイヤーの知らない画面外で勝手に情報共有してる事案が多発したのだろう。
正直な話、物語の見せ方としてキャラクターが画面外で情報共有してるのは素人でもわかるレベルで論外だと思う。例えばドラゴンボールを見ていると情報の共有は必ずキャラクターの主観・客観を無視しない形で行われている。それこそ、悟空と一度も会話したことのない17号が悟空の声を知っている事がネタにされる位には徹底している。
物語というのはキャラクター同士のやり取りという建前でプレイヤーへ事情を説明していることが多々あり、そのやり取りを勝手にやめたら、プレイヤーが話に全くついていけなくなるのは当然ではないだろうか。
そして根本的な説明意識が欠如している以上、ピサロが直接喋るようになったとしても、トンチンカンな事ばかり言ってプレイヤー側が余計に混乱するだけだろう。
ほかにも、『エスターク』『進化の秘法』関連で見られた、同じ意味の単語を毎回別の言葉で書くせいで、一行にプレイヤーへの説明にならない言い回しもやめたほうよい。
またこういった単純な説明以外でも唐突さを感じる原因も、この怪文書上で少し考えてきた。
すごくハッキリ言ってしまえば、『書きたいシーン』にばかり気が向いてしまって、それ以外の箇所がおざなりになってしまっているように見えるのだ。
例えばピサロがロザリーとベネットどちらを選ぶかという運命の選択を迫られるシーン。今更だが、よく考えるとこのゲームの趣旨的にロザリーに決まってるのにベネットを選ばないといけないのが根本的に狂ってる気がする。
このシーンを描きたいがために、ピサロがエビプリに騙され続けるどうしようもない馬鹿になったり、強制的に失敗を選ばされる無意味な選択肢でプレイヤーを不快にさせる等の甚大な悪影響があった。
その『書きたいシーン』を書くために平気でその場で設定を出して使い捨てたり、描写をわざと不足させたりして、どっかの作品で見たようなシーンを作り上げる。
ほかにもやりたいこと優先すぎて自分の考えたすごい設定を公開せずにはいられず、『イムルの村の東の森』等の言わなくてもいいような設定を出して統合性をおかしくさせたり、エルゼトの設定朗読会を始めたり。そうかと思えばバトランド子供誘拐事件やバルザックとピサロの関係性等の存在してないとおかしいし説明しないといけないドラクエ4の設定は出してこない。
それでプレイヤーにウケればまだよかったのだが、その場その場で設定や目的がコロコロ変わってることに気づかないほどプレイヤーは愚かではない。
また、『キャラクターの感情描写の不自然さ』が原因でイベントシーン全般がどことなく唐突に感じるとも指摘してきた。これも描きたいシーン優先の弊害だと思う。
なんというか、『創作でよく見かけるそういうシーン』についてキャラクターが説明しているだけに感じられて、その人物が周りの状況に対してコミュニケーションしている感じが薄い気がするのだ。『キャラクターの主観での描写が変』とも書いた気がする。
逆によくコミュニケーションしている感じのするリュノは詐欺師だから、ピサロを騙す目的で『こいつは悪い奴じゃない』と思わせるために口が回ってるだけだし、ベネットもリュノもあからさまに作者のお気に入りっぽくて、熱が入っているキャラだけ感情描写をまともに考えているように見える。
そして特筆して酷いのがロザリーだ。もしかしてドラクエ4でセリフが少ないから意図的にしゃべらないようにしているのか?と疑ってしまうくらい、ヒロインなのにまともなセリフが少なすぎる。
これはもう何がどうとか言う話ではなく、ヒロインの中身くらいまともに考えてとしか言えない。
キャラクター主観の発言だけでなく、『キャラクター主観の行動』も変だ。ピサロもベネットもロザリーも変だけど、特に敵役であるランディオルとディオロスとエビプリと勇者(導かれし者たち)もおかしいのである。
本文中でも長々書いたので敵方だけ軽くまとめると、
・『ランディオル』
→魔界を荒れさせないのが目的
→後継者がいなくなると荒れるので、子供を作って後継者にふさわしい育成をする
→でもときのすなや究極進化の秘法で自分の寿命を解決して自分がずっと納めて平和にする発想が何故か無い。時の権力者が求める事と言えば不老不死なのに。
→どうも世界観の根幹にライターオリヂナルの錬金術思想を絡めようとした説があるらしいのだが、それなら錬金術のメジャーな目的の一つである不老不死に触れないのは設定が粗末。
→そもそも今まで非常に長い間魔界を統治してそうなのに、どうして魔界が荒れるのがわかるの?統治してる間に政治で何とかしなかったの?
・『ディオロス』
→父の後継者として魔王になるのが目的。(作中で目的がちゃんと説明されてない!)魔王が目的なのはピサロと一緒。
→父を殺すという一番手っ取り早い手段をなぜか取らない。ちなみにピサロは殺しに行ってる。
→その結果、作中の評価(統治者の才能無し)と行動(魔界を荒れさせてないし勇者も活動前に処せるし部下もついてくる有能に見える)が真逆。ライターの嫌がらせで勇者を殺せなかった結果自滅したようにしか見えない。
・『エビルプリースト』
→本人曰く、『まもなく世界は生まれ変わり、この魔界に真の王者が誕生する』
→要するに魔界の王になりたいらしい。前半の『まもなく世界は生まれ変わり』の意味が全く分からないが、ライターお得意の意味の無い設定のさわりだけ出してる感じだろう。
→魔王になるためにはピサロ親子を始末することが必要。だがそのための作戦があまりにも回りくどく、非合理的で、シナリオ都合の極み
・『勇者(導かれし者たち)』
→多分人間界を脅かす者(エスタークと、各地で悪事を働いている事になっているはずのデスピサロ)を始末するのが目的
→エスタークは一匹しか倒さない。何故かディオロスがデスピサロに悪事を擦り付けている事を見抜いているが、ピサロには何も説明せずディオロスだけ始末して去って行く。
→ディオロスの親である現在の魔王ランディオルと、人間界の魔物を指揮する立場であるピサロの事は無視。ピサロが魔王になったら倒すらしいけど今の魔王は倒さないの?
→魔王が居なくなると魔界が荒れて弱き者が虐げられるというランディオルの言葉を聞くと、勇者が魔王を倒してしまうのは悪を倒す使命に反するように聞こえるが、それについての説明は無い。
どいつもこいつも、『こういうシナリオにしたいから、そういう行動をさせちゃえ!その辻褄を合わせるために適当に設定をつけたろ!』と、シナリオのツラの皮しか伺っていない造形だ。そして調子のいい設定ばかり付けたせいで、それぞれの設定と作中の行動が見事に全部矛盾している。
私が何となく感じている問題点はほかにもあり、セリフがどうにもロジカルすぎる気がする。
どういうことかというと、ピサロとロザリーの出会いのシーンで、『名前の無い文化で生きてきたのに、いきなり名前で呼ばれて何かコメントはないのか』とモンスターズ3のイベントを見て思った。
そこは実はドラクエ4側では『今まで名前で呼ばれたことが無いので驚いた』みたいなことを言っている。
それが何というかこう、『順繰りに考えて思いつくようなセリフだな』と思ってしまった。
ロザリーの他のセリフも暑いとか寒いとか酷いとかそんなのばっかりだし、『そうするしかないからそういうセリフになる』という詰まった感じを物語全般から感じてしまう。まあロザリーのセリフを真面目に考える気が無いだけかもしれないが。
ロジカルといっても理論的という意味ではなく、話の筋書きをそのまま書き出したようなロジカルさというだけで、キャラクターとしての自然さの事ではない。プレイヤー目線だといやそういう事じゃなくって!というズレ方を常にしていることは念押ししておく。
もっとぶっちゃけて言うと『感情描写の不自然さ』と『セリフのロジカルさ』が合わさった結果、『キャラクター同士が共感するような感情描写』が少ないのがプレイヤー側への共感の欠如にもつながり、結果としてプレイヤー目線の説明が無いように感じられるのかもしれない。
ロザリーとベネットがお互いどう思ってるのかわからないまま、ロザリーがベネットの事を超信頼してたのがそういう部分なのかなあ。
逆にベネットはピサロと共感するようなエピソードが一応あったから何となく納得できる。まさか流神殿・初級でベネットがロザリーに泣いちゃダメとか言ったのが2人の共感エピソードだったりする……?
何でこんなぼんやりした指摘をしているかというと、『そう喋るしかない』という傾向があるなら、ピサロが仮に喋り出しても『そう喋るしかない』セリフしか言わなくて、状況の説明にならない可能性があると思ってしまったのだ。このゲーム特に中級はその場その場で目的がコロコロ変わるし。
すごく今更な話なのだが、ピサロは人間を滅ぼすとか言い出した時にツッコミを入れて欲しかったポイントが二つあることに気づいた。
一つは自分の母親であるミオレが人間族なことについて。お前の母親も人間だったけど生きてたら殺すのか?とか、母親と同族を滅ぼすことに対して肯定でも否定でもいいからピサロにコメントしてほしいのである。
それと似たツッコミはベネットに「オレとも戦うことになるんだぞ」と言われるがそういうことじゃない。ピサロが人間を滅ぼす理由づけの一つがミオレへの愛ゆえにそれを奪った人間が許せない、というストーリーラインになっているはず、とプレイヤー目線では見えるので、そのことに言及してほしいのである。
もう一つは、ピサロ自身も半分人間なんだけど自分は滅ばなくていいのか?というツッコミである。例えば『自分は人間を辞めて魔族になるから関係ない』とか自分を棚に上げた傲慢なコメントをしそうだが、それでも別にいい。まあそれだと全く共感できなくてアレだが。
……ん?ピサロは魔族が生き残るために戦う決意をしたはずだが、この時点ではピサロの味方の魔族の数は高が知れている。
そもそも魔界には人間はホイホイ入れない設定だから、魔界の魔族を守るために人間界の人間と戦うのは実感が湧かない。ピサロ自身は人間ってことにすれば滅びる運命がどうも言われても別に死なない。戦う理由が薄すぎる。
この後デスパレスの長になってからなら魔族のためということで違和感がないのだが、先の展開から逆算して考えた挙句おかしなことになってないか?え?中級のドラクエ4の再現は全部そうだから今更だって?
こういった、プレイヤー側から当然湧いてくる疑問に対してキャラクターがどう思っているのかを答えてほしいのである。
今は答える尺か発想がないのか、ピサロを半分人間にしたことで生まれたドラクエ4のシナリオとの差異を『ピサロは優しい』くらいしか認識していないのか、ピサロの感情表現が不足している。
もしピサロが喋ったとしても、そもそも疑問に答えさせる発想がなければベネットのツッコミに対して順繰りに考えたセリフしか言わないだろう。それで話がまともになるだろうか?
これらの様相に、プレイヤー目線での物語の説明の不足、キャラクターの感情表現の不足、ベネット自身からのツッコミは当然の疑問というよりベネットと対立させることしか考えていないロジカルさからきていそう、と言ったシナリオの難点が集約している気がしたので改めて指摘させてもらった。
そうするしかないというのは中盤の展開がなぜかドラクエ4を忠実に再現しようという謎の執念によるものも大きい。
完璧な再現はあきらめて、ドラクエ4の出来事モンスターズ3として再編した内容に変え、セリフをちゃんと状況を説明したものに変えるべきだろう。
こういった問題点の根本的な原因を想像すると、どうも『モチーフ』を表現すること以外に興味が無くて、その結果『モチーフ』は『それっぽさ』として現れるけど、その下の段階(上かもしれない)となる『説明・設定の統合性・キャラクターの主観・客観視点での心理描写』など、話として基本的な部分が全部ダメなんじゃないかな?
つまり身もふたもない言い方をすると、大筋以外のシナリオの細かい部分を書くのが下手って結論に達してしまいそうだ。でも大筋もプレイヤーへの嫌がらせが目的だからだめなんだよな。
シナリオにスクエニ側から課せられたと思われる条件
先のインタビューを分析する項でも書いたが、まとめとなるこの項だけ読む人もいるかもしれないので改めて書いておく。
『人間と勇者を悪者にしてはいけない』(堀井氏からの条件)
勇者を悪くしてはいけないのはドラクエとして当然の条件だと思うが、人間側を悪にしてしまうのもショックを受ける人がいるのでダメとのこと。
これによって、『魔族から見たら魔物を殺しまくる勇者が悪だ』とか『魔族から見た人間の悪行』みたいなストーリーはできなくなったはずである。
なお実際のシナリオでは悪い人間が何の説明もなく出てきて悪事を働いて話を回していくが、それは悪人がすることだし、元のドラクエ4からしてそういう話の下りがあるからセーフという理屈なのだろう。
エンドール住民の倫理観が終わってることについて説明しないのはこの条件によるものではなく、単にライターに説明する気が無いからだと私は思うが……。『フィールドのロケーションを一新したいので、それとピサロとロザリーの物語になることを組み合わせて話を書いてください』(ディレクター横田氏からの条件)
要するに魔界が6つのエリアと3つのレベルに分かれていることに合わせて話を書いてほしいという事と、そのまんまピサロとロザリーの話にしてほしいという要望だろう。
魔界の魔物が自分たちの住処を初級・中級などと変な呼び方をするのはゲーム側の都合であり、シナリオのせいではないと言える。
ピサロザの話にせよというのは解釈が難しい所だが、私はスクエニ側がシナリオの細かい内容を指定できるなら、そもそもシナリオを外注せず自分たちで書いた方がいくらでも修正できるし無駄に金もかからなくていいはずなので、お題以上の縛りは無かったのではと考えている。
つまりこのお題を聞いたライター側がなぜか自主的にドラクエ4を完全に再現しようとし始めた結果、こういう話になってしまったとインタビューから邪推した。
詳しい邪推の過程はちょっと前の『ドラクエ4の再現がノルマとして課された説、もともとピサロVSランディオルの筋書きだったけど途中でドラクエ4再現がねじ込まれた説等』の項目を読んでいただきたい。
実際に出来上がったシナリオはピサロザというよりピサベネとしか思えない内容だったが、それになぜOKが出たのかは開発者のみぞ知るところだろう。
問題点を箇条書き
問題点の最後の指摘は、ずばり『ライターの手癖』だ。
モンスターズ3のシナリオは説明不足でひどくなっているのは確かだが、それと関係なく酷いシーンもあたりまえに存在する。
そういう酷いシーンが何故生み出されてしまったのか本文中でもちょくちょくつついていたが、身もふたもない言い方をすれば手癖のせいだと思っている。
手癖の内容をパッと書ける範囲で上げてしまおう。モンスターズ3の変な所を全部列挙すると本文がもう一本出来上がってしまうので、手癖が出てるのかなと感じる部分だけピックアップしている。
『〇〇の呪い』『ときのすな』『主人公に全部譲ってくれる権力者』『邪神を崇める宗教』『頭のおかしい動機で世界を破壊しようとするやつ(二人もいる!)』『他人に使用できるモシャス』『本来誰も見破れないはずのモシャスがバレバレ』『肝心な時に居眠りするピサロナイト』『ディオロスがなぜか究極進化の秘法を使わない』『全く説明なしに生きているリュノ』『ピサロにだけ直接介入するマスドラ』『世界の創造とかいうマスドラレベルの事をし始めるオリキャラエルフ』等々、都合のいい設定の乱用
ちなみにランディオルは「後継者を強くするためにわが子に過酷な試練を与えた」「ピサロには魔物を攻撃できない呪いを」と語るが、他の2人に何をしたのかは全く語られない
流神殿・中級のストーンマン達にかけられた永遠の服従の呪いは、ドラクエ10のエルジュが最後シオドーアに絶対服従を要求させらる必然性もなく胸糞悪い展開を思い出させる。そういうのが好きすぎて完璧な手癖でやってしまうのだろう。エルジュの絶対服従の方は後任のライターがしりぬぐいをしてなかったことにしたから安心してほしい。
ご都合設定を使うなとは言わないが、扱いが雑過ぎてプレイヤーが納得できる形になっていないのが問題。
ときのすなとザガンギエルはカタルシス要素を含むからギリギリしょうがないことにしても、他は本当に雑でご都合なだけ。
呪いはひたすら都合がいいだけで解呪を目的にしてる意味が無いし、パッゴイ教団とイシュカは当人達に都合がいいだけでデメリットとか無くて不公平だし、居眠りやモシャスはプレイヤーが不快になっただけ。あと最後のエスタークが出た後にパッゴイたちの反応が変わらないの雑過ぎる。セリフを変える余裕がないなら最初から出すな
個人的に頭がおかしいから世界を破壊しようとする人と特に事情もなく邪教団がでてくるのが3昔前くらいの創作のノリを感じてきつかったっす。
あとリュノもこういうキャラ昔いたというか要するにカオル君だよねって感じでつらい。
無理やりすぎる経緯で母親が封印されてるから世界を滅ぼしますって、共感できる要素が全くないのにピサロからわかるかわいそうみたいな扱いされてて寒い。
母親と一緒に世界を作るとか言い始めるけど、エルフが世界創造という神レベルの仕事をしてる上に、マスドラと違って天地創造の秘術がどうとか何も言わないので、ある意味マスドラを超えてることになっててオリキャラの癖に設定が過大すぎる。
というかピサロは母親死にっぱなしなのにリュノだけ戻ってくるってのを見せられても何言ってるのかわからない。6章でシンシア死んでるのにロザリーが生き返ったのと似てますね。一番つらいのは常識的な人がツッコミ入れてくれないから、そういった悪人がでてきても倒してカタルシスを得る展開にならない事
詐欺師がプレイヤー側を騙す展開の乱用およびその始末の雑さ、プレイヤーやキャラクター側へのフォローの無さ
詐欺師展開がだめなのは多用しすぎなことに加えてその詐欺師に一泡吹かせるとか完全に騙されないように予防線を張るような、ツッコミ役や頭のキレる味方が毎回いない事。
ギルノは嘘がバレバレだし成り上がるために頑張ってるから嘘つきでも好意的に見れたけど、ピサロ側がそれを許容して仲間にする器のでかさが無かったのがつまらない
そう言ったケアを怠った結果、エビプリに全部騙されたピサロが馬鹿なDV男以外の何物でもなくなっている
無意味な選択肢の多様。巻き戻し前の選択肢が一番酷いが、それ以外にもはい・いいえを選ばせておいて「嘘つかなくていいよ」といわれてほぼ同じ選択結果になる選択肢が多すぎる。
それなら最初から選択肢自体ない方がいい。選択肢って結果は同じでもキャラの反応を変える為に存在するものだと思っていたのだが……キャラクターをかわいそうな目に合わせる描写に夢中になりすぎるわりに、その展開が終わった後が雑。転じて、かわいそうな展開を作るためにエビプリがやったことの規模が異常になりすぎた事へのフォローのなさ
ベネットにもう盗みをしないと改心させておいて、後で盗みのおかげで助かったから仕方ないよなと不快感を擦り付けてくるデリカシーのなさ
総じて、詐欺師や引っかけ展開でプレイヤーを不快にさせる事への無頓着さ
特に必然性もないのに唐突に子供が出てきて「父ちゃん」「お母さん」と言い出す親子趣味の溢れ方。
マスドラが万能な割に介入する事象に一貫性が無い。ニシルを災厄の魔宮に派遣してるのにパッゴイ教団を放置した理由は何?
序盤で村を襲撃してきた黒幕の正体が最後まで分からない、ギガデーモンを誰が封印したのかもわからない。黒幕の正体を説明する気が無い
『カズルの悪魔』『聖煌剣の日』『モーハの火矢』『封印球・邪刻楼』『三界魔王』『五次元の結晶』等の意味が分からないしほぼその場でしか出てこない固有名詞の多用
『ムジャラーの一族に伝わる禁術』『クロノライト』『ロザリーのネックレス』『ルタガルーダ』『リュノ関連の全部』等の内容を説明せず放置される設定
ルタガルーダは不死身の鳥という設定からしてあからさまにラーミアを意識していると思うのだが、もしかしてレティスがウケたからとりあえずそれっぽいのを出すという二匹目のドジョウ狙いなのか?
『ロザリーが呪いを解くという目標設定』『訛り設定』『村に張ってある結界』等の無意味さ、その場限りの説明の多さ
今更ながらロザリーの人格設定を何も考えずに適当にふんいきで書いているのも大問題。ピサロとロザリーのストーリーのはずなのにロザリー側の描写があまりにも皆無。実質ピサロとベネットの話になってしまっている。
ロザリーのダメなところを全部列挙するのは難しいが、一例をあげるとピサロに対してもベネットに対しても第一印象を「不思議な人」と同じ表現してしまっているのは酷い。ロザリーの中身が無いこと以前に、シナリオライター自身が女性描写をかなり不得意にしているせいでボキャ貧になってしまっているのでは?と思う。
個人的に、他の女性(アゲピピ・ロッドの守り人・アリスレシア、ついでにドラクエ8のゼシカ)が4人ともアゲアゲ女性タイプのキャラな事と合わせて、書ける女性のパターンが著しく少ないのではないかと訝しんでしまう。ロザリー自身の性格とされる『自分を襲ってきた人間でも心配する位心優しい』がシナリオに全く生かされないのは一番の問題だろう。ロザリーの心優しさのおかげでピサロが助かったような描写が無いのはもちろんのこと、そもそもピサロとロザリーがお互いに共感しあったり心が通じ合うような描写は一つもない。DV描写はいっぱいある。おかしいだろ主人公とヒロインの間に心の交流描写が何も無いって。
ベネットの方はピサロとお互いの出自を話したり共感しあって仲を深める描写が一応あるし、後半になるほどマブダチみたいな描写が増える。どう考えてもヒロインはベネットの方ではないか。
シナリオ上でロザリーの活躍やピサロの役に立つ要素は
『家事全般が出来る』
『呪いが解ける(シナリオ上で解いたシーンはない)』
『トラベライトを使えるのでピサロの魔界攻略に役立つ(これは一応役立ってる)』
『古代エルフ王国と何らかのかかわりがあるネックレスを持っている(唐突に設定が出てきてその後放置される)』
『ルビーの涙が出る(FC版から元々ある設定。ドラクエ4の6章ではこれがデスピサロの進化の秘法を打ち消したことになってる)』
『ピサロに名付けてもらったことで自分は生まれたと感じている(どういうことか真面目にわからない。パーシヴァルもそんな感じになってたので作者的にはそういう設定がエモいのだろう)』
と、何らかの技能に由来する物ばかりで、細かな感情・心理・生い立ちなど人間性を感じさせるものがほぼ無い。名前を付けられて喜ぶというのはロザリーには犬レベルの感情しかないということだろうか?
逆にベネットは感情・心理・生い立ち全ての描写が充実している事と比較すると、ライターは重ね重ねになるが女性描写が非常に不得手で、ロザリーの価値を何ができるかに偏重して書いてしまったのだろう。なおアゲアゲ女性タイプのキャラはロザリーより描写がもう少しまともに見えるが、リアルでこういうタイプの女性にしか関心が無いのかもしれない。
『天地創造の秘術=進化の秘法』という話にクリティカルな影響のあるモンスターズ3オリジナル設定をはっきりと説明しないで話を進める
設定をある程度考えて作っているはずなのに、シンシアのモシャス関連で致命的な矛盾がぽこぽこ発生してしまい、プレイヤー目線ではなくやりたい話優先で進めてしまうところ
ランディオルはジジイに見えるけど何歳で子供を作ったのか、超長命ならもっと若いころに作った子供いないのかとか、寿命が普通なら魔界の統一や進化の秘法の研究や古代エルフの妻等のすべての陰謀をやる時間はどうやって稼いだのかとか、リュノ誕生の時系列おかしいだろとか、ミオレとピサロが魔界を追放されてから何年たっているのか、親子は何の助けもないのに長時間どうやって生きてきたのかとか、ザガンギエルはディオロスに危機感を抱いて戦争を始めたらしいがそのへんの時系列がよく考えると変だとか、
ちゃんとした時系列表や設定表を作らずにふんいきで話を書いている疑惑ピサロとミオレがいつ魔界を追放されたのか、皆さんは正確に説明できるだろうか?驚くべきことにどのように考えても矛盾が出てくる。
作中の『ピサロは父親と兄弟の事を憶えていない』という説明通りに解釈するとピサロは人間界で数年過ごしたことになる。
しかしそれだと何の助けも無しにピサロ母子が数年生きられるはずがないとか、村人の態度が数年の付き合いではなく最近知り合ったみたいだとか、OPの描写全てがおかしくなる。
『実は追放されてから大して時間が経っていない』ということにすると、ピサロは物心ついており人間の村でされたことはおぼえているのに、最近まで会っていたはずの父と兄弟の事を憶えていないダチョウ並みの記憶力ということになる。
のっけからこのありさまなのだから、OPもまともに考えずふんいきでそれっぽいシーンを繋ぎ合わせた結果、なんか唐突と感じられるものに仕上がってしまったのだろう。何気にランディオルの在位がどのくらいなのか作中で語られている場面を確認できていない。公式サイトでは『長きにわたって』とあるので、かなり長い事だけは確かだろう。
エビプリが”古代”エルフ王国を襲撃している事を考えると、エビプリより年上のはずのランディオルの在位はすごく長い事になる。
そうでなければ、なんでエビプリはそれだけの力があるのに魔界を統一できてないの?とか、ランディオルは完成済みなのになんでエビプリは進化の秘法を完成させられてないの?という疑問に説明がつかない。
エスタークの襲撃から古代エルフ王国が生き残って、その後魔族が生まれて、エビプリが『古代』と言えるくらい昔に古代エルフ王国を襲撃して、ランディオルはそれより前に魔界を統一して……?
ランディオルは『魔界は弱き者が虐げられる』『魔王が居なくなってもすぐまた新たな魔王が』とかいってるが、最低でも何百年、エルフの巫女と配合済みということは下手するとエスターク封印前から存在するランディオルは在位がものすごく長い。その長い間に別の魔王が現れたわけないし、弱き者が虐げられられないような政治をする時間もあったはず。
あまりにもおかしいので在位はここ100年位の間ということにしよう。しかしライターは時系列についてなんもかんがえてないという難癖の意図はご理解いただけたと思う。リュノ誕生の時系列は、大昔に封印される前のランディオルと母から生まれたことにすると、最近人間の母との間に生まれたピサロの弟というのが意味不明になるのでまずそこが矛盾する。
多分時系列の矛盾はクロノライトがどうのこうのしたってことなんだろうけど、しかし時間移動でも誤魔化しきれないほど時系列がおかしくないか?
ピサロが生まれた後にランディオルが過去に移動して子作りしてリュノが生まれたとか、逆にピサロも生まれたのが古代で現代まで封印されていたとか、どう想像しても無理がある。
ちなみにリュノに付きまとっていた次元竜ネグルはエルゼトの使い魔だそうなので、これも時間移動してるとかじゃなければ、リュノははるか大昔に誕生したことになる。もうピサロの弟って設定をやめない?キョイよこの弟。
ミオレもどっかの国の王女って話なので、古代に滅んだ国の王女でそれを助けたのがランディオルみたいな、そういうことじゃなくて!って設定ばっかり考えていそうである。
人間も魔族もいなかった時代にエスタークを封印するために犠牲になって現代まで封印されていたエルフの巫女+エスターク封印後の時代に生まれたことになる魔族の覇王ランディオル=リュノという時代のズレは、そもそも親2人のいる時代が最初から重なっていないので出会う切っ掛けすらないはずで、時間移動で解決できる問題じゃない。
「幼いころのピサロとリュノがディオロスの後ろをついて歩いていた」という証言がディオロスの部下である獣魔公ギガファングよりあるので、リュノも普通の時系列で誕生しているように見える。普通にピサロの後に生まれて、母親の事が気になって色々してたら世界を滅ぼしそうだからとマスドラから災厄の魔宮に封印されて(介入してるじゃんマスドラ)、その後本編でリュノと合う。というのが一番シンプルだ。母親どっから来たんだという致命的な矛盾がどうにもなってないが。
しかも作中では時間移動で全部何とかしましたとすら言われて無くて、本当に意味不明なんだが????誰でも一発でわかるような矛盾を一切説明せず放置してぼくはかわいそうなんですって話を進めるのをやめろ
一応、竜魔公ドラゴニカとの戦闘時に「リュノの母親は謎が多い。特殊な力を持つエルフだったが、今どこにいるか全く不明だ」と証言があるので(リュノの話どうでもいいからここにねじ込まないでランディオルとミオレの話かディオロスの母親の話をしてくれませんかね)、何も考えてないわけではなく設定はあるっぽいが……。そうじゃなくてプレイヤー目線で思いっきり矛盾したままなのをいい話だと思って書いてるのが不快だと主張しているザガンギエルとランディオルの戦争の時系列もよくわからない
一応、ディオロスが50歳位で戦争も40年位やってることにすれば、ザガンギエルとディオロス・ランディオル間の戦争時系列と、ランディオルが手を出せないほどの人間界の魔王と言われて感じる違和感はなくなる。
ただしその場合、ディオロスが50歳なのにピサロとリュノが16歳位だと、『魔族と異種族で子供を3人作ってどれが強いか実験してました!』というランディオルの証言というか異種性癖が、ヤる気が合って狙って子供作ってたにしては子供の年が離れすぎていておかしくなる。
ジンマー将軍がピサロの顔を見られたのは戦争開始前説を採用すると、ここ10年位の開戦になる。というかOPで出会った時点で確保しないってことはピサロの擁立を考えてないわけで、この時点では戦争もしてない可能性が高い。
ディオロスが統治者として危険なことが発覚してからとした場合、ディオロスの後ろを物心つく前のピサロとリュノが付いて歩いたという話から、ディオロスが実地に行く前に王級にいた学生くらいの年齢(16)ピサロが3~4歳、リュノが2~3歳(立って歩けるんか…?)、そこから本編がピサロが16歳になる12年後とすると、まあピサロの顔を見た時期説と同じここ10年位が開戦時期となる。
ちなみに王宮でまともな教育を受けたのはディオロス以外にリュノもいるはずだが、そっちの存在はガン無視されている。まあポエマーだから頭がおかしいと思われたんだろうね……。あとピサロは生生しい書き方だが、まともな教育も受けて無いのに統治者に据えられようとしている。そこはファンタジーでピサロの独学がすごいってことにしとくか……。
頭角を現したのがピサロ6歳から5年後とかになると、開戦時期も5年前とかになる。作中の描写が色々と大げさな割に5年前とかだとかなりおかしく感じられる。
実はピサロが成長するときに見た目通りの10年位ではなく、魔族が長寿で見た目が変わらないから30年くらい経ったことにすると、単純にプレイヤーが見てない所で酷い引っかけ描写をしていることになるし、エヴァンが36歳とかその位であの手紙を書いたことになる。あとピサロも30年も村でニートしてランディオルを倒す活動を何もしてないことになる。
ザガンギエルは自分がランディオルの後継者だと何故か勝手に思っていたらしいが、ピサロが会いに来た時点で寿命間近ということは、長めに見積もってもザガンギエルが即位しても在位は10年位という話になる。子供の存在抜きにしても魔界の安定を願うランディオルがわざわざ寿命の短い奴に王位を譲る理由が無いのでは?
というかランディオルより先にお迎えが来てるのに後継者になれるわけないだろ。
ザガンギエル達はピサロが実は生きている事を知ってからピサロの為に城を用意して後継者にすることにしたらしいが、その噂が立つのは魔界でピサロが活躍し始めてから。つまりここ1年以内の話。
デスパレスを建てたのはロザリーヒルを建てたのと同じ有能大工だった…?
また、ピサロが実は生きていたことを知ってから色々始めたということは、ピサロを探すために村を襲撃させたまものが、ピサロが魔界で活動する前にピサロ生存を知って行動したことになり、時系列がおかしい。
あと戦争自体はそれなりの年数が経っているのに城を用意したのはつい最近だと、これまでどうやって戦争を指揮してたんだよという疑問がすごい。色々書いたが、きちんとした時系列表とそれに基づいた描写、そしてそれをプレイヤーへ解説するつもりがあれば、どれも出るはずのない疑問である
こういった設定だけ出して中身をまともに解説しないのは、要素だけ見せておくとユーザーが勝手に考察してくれる的なのを期待しての事だと思われる。
ドラクエ10のver1でバラまかれた伏線がほぼ回収されるまでを体験した私から言わせてもらうと、こういうバラマキ設定について考察するのは無駄である。
なぜなら、ほぼ中身が考えられていない設定が顔だけ見せに来ているパターンか(後で後任のライターがしりぬぐいをして中身を考えた)、本当に大したことの無いことをさもすごい事かのように見せるクリフハンガーかのどちらかだからだ。
名作の場合ならしっかり設定が組まれた上で描写されているから読者が考察する価値があるのであって、放り投げているだけの設定に時間を割くのは辞めたほうが良い。
ランディオルとディオロスが倒すべき悪と言われているのに、どんな悪事を働いたのかほぼ説明されないためよくわからない。ランディオルはミオレを追放してピサロに恨まれたくらいで、他は弱者を虐げたらしいけどあやふや。ディオロスは虐殺をしたとかあるけど魔族目線では全く悪事に見えない。それが悪になる理由づけが足りない
人間や魔族の倫理観等の世界観に関する説明が無い、ランディオルは魔界を統一しているのにヘルバトラーが王と言われている矛盾、ザガンギエル・ディオロス・ランディオルがどういう統治・軍事を行っているのか不明、デスピサロはデスパレス軍を預かる立場になった後どうやって運用しているのか、などの政治・軍事・世界観方面の説明の不備、というより話を回すための設定以外への興味の無さ
別に軍事・政治・世界観を描写を綿密にせよ、と言っている訳ではない。されすぎると読んでる方もめんどくさくなったりするので、むしろ積極的に描写しなくていい。問題なのは、そういった要素を何も考えてないせいで登場人物の行動がおかしい事。
ピサロはランディオルにとどめを刺さずに帰っていくが、初めて魔界を統一したほどの権力あるランディオル帝が居なくなり、ディオロスもリュノもいない。
となると魔界はピサロが納めなければ戦国時代に突入して悲惨なことになる可能性が高い。ランディオルの言うとおり「すぐ次の強き者が魔王になる」「魔界は強き者が尊ばれ弱き者が虐げられる」になってない?というか今までのピサロが冒険して魔界を救ってたの魔族の王になるためじゃなかったの?人間界に帰るなら各魔界救った意味あったの?
シナリオ側は本当に政治の事は何も考えていないのではないだろうか?描写だけ見てるとディオロスが本当に無能かどうかも怪しい。
ディオロスは魔族の軍団を指揮しており、魔界四帝という格のある部下にも慕われ、進化の秘法を拒否して己の肉体で戦うプライドを持ち合わせている。エビプリの甘言も耳にいれず切って捨てている。何の説明もなく勇者の村を探し当てて脅威になる前に襲うという作戦もできる。訳の分からない理由で勇者を逃がしたのは失点だが、それはシナリオ都合にしか見えないし。
また、自身が魔王になるのが目的とすれば、ランディオルを暗殺するという一番手っ取り早い手段をなぜか取らない。つまり父が崩御してから穏便に地位を継ぐつもりであり、転じて魔界を混乱させるつもりの無い有能な統治者という事になってしまう。
一方でピサロはというと、ずっとエビプリに騙されて言いなりの馬鹿で、途中から人間と魔界の魔族両方と戦う二正面作戦を展開し、戦略はどこにいるかもわからないエスターク頼みと指揮官である自分が進化の秘法を使うという、ものすごく不確な上に脳筋すぎる内容。ロザリーが死んだくらいで取り乱すし、部下の魔物と後先を考えずに進化の秘法を使い、実際に魔界を滅ぼしてしまっている。もちろん故意ではなく事故だが、罪は罪だ。罪を自覚したほうが魔王に向いてるとか言うなら、その説明を作中でしないといけない。
というかピサロは自分が魔界を滅ぼしたことに対して何も言っていなかった。もちろん無かったことになったからスルーしているのは分かるが、都合良く助かっただけで反省をしないというのは、ピサロの魔族の王としてのプライドや責任感を疑ってしまう。二度とこのようなことはしないと誓うとか、魔界の大切さに気付いたから絶対に自分が守る決意とか、そういう心理描写があるべきではないか?
そしてディオロスと違って魔界が混乱することも顧みずに父を討ち、その後魔王にならずに去って行ってしまう。ディオロスの方が後先考えてないか?
このように劇中での描写を客観的に見ると、ピサロがディオロスより魔族の王に向いているとは思えない。設定と真逆の描写になってしまっているのは、軍事や政治の中身を何も考えずに、ただディオロスにそれっぽい設定をつけて解決しようとしたせいだろう。皆無なのはディオロスの統治能力ではなくライターの軍事・政治描写力のほうでは?
特にディオロスは進化の秘法を拒否したのにピサロは平気で使おうとしていた事は、作中で言い訳をしないといけなかったのでは?あと国を持たないということはホイミンの言った「人間と魔族の懸け橋になる」という展望もどうやって達成するのかわからなくなる
なぜこんなひどい終わり方をするのかというと、『それっぽくしてからすべてを語らずにフェードアウトする、もといぶん投げる』のが手癖になってしまっているのだろう。
全体的に、前後の流れを示しただけで説明になると思って、きちんとした説明をせずに放置してしまう癖
ドラクエ4を壊さないシナリオと言いながら、再現でおかしかった中級以降でも残った二体のエスタークの始末にマスドラも勇者たちも関わらないので蔑ろになっている
一応マスドラに直接話しかけるとまだエスタークいるよとは言われる
そしてそもそも、『ドラクエ4と違ってピサロは半分人間だから助かった』というif前提の話なら、ドラクエ4の再現を無理やりやって話をシナリオ内外で滅茶苦茶にする必要性自体が無かった
ところでエスタークって生まれて数日でマスドラに封印されたはずなんだけど、なんで名前がいっぱいあったり変な宗教が発生したりしてるんだろう?パッゴイ教団員は全員まもの(=魔族)のはずだけど、魔族が生まれる前にエスタークが封印されているはずでは?
リュノというピサロもロザリーもドラクエ4もそっちのけで過大な設定を盛りまくるメアリ・スー。そして誰もリュノにツッコミを入れてくれず、唯一のツッコミ役のネグルは何も悪くないのにピサロに始末され、一方的な考えを1人相撲で押し付けてくるリュノを見せられる苦痛。
さらっと流されてるけど、リュノが世界作り直す理由はイシュカがやばくて世界滅ぶとかなんも関係ないのに、イシュカ倒したんだから帰ればいいじゃんとか誰もツッコミを入れない。あとリュノの母親がマスドラを凌ぐ異常な規模の能力を行使しているのは世界観への影響が甚大だが、これはもう完全にふんいきで流されている。
エルフの女王も設定の朗読会をしてしまっているが、内容がほぼ本編に関係ない
ところで、自分の王国を『古代』って自称しないよね?私はこのことに気づいたときグっときました。
エルフの女王は今まで呪いで流神殿の魔界に姿を変えられていたわけで、(このネジが吹っ飛んだ設定どうにかなりませんか?)自分の王国が古代になったという認識があるのもまずおかしいけど、時間の流れを知覚していたことにしても『今よりはるか古代にあったエルフの王国』って言い方にするよね普通は?
登場人物の主観を無視したセリフを平然と言わせてしまうのだから、設定を朗読させているだけと言われても仕方ないだろう。古代エルフ王国があるってことは、現代のエルフ王国もあるんですか?
エルフには名前を付けないのに国には名前があるんですね。名付けの概念があるのに人物には名前を付けないのは、もはやそういう呪いのせいでないと説明がつかない。
この怪文書全体をこういう箇条書き形式でまとめたほうがよかった気もするが、長々と書いて分析する工程が無いと要約できないので許してほしい。
手癖というよりモンスターズ3の酷い所の羅列になってしまった。
何でこういう問題のある部分が出てきてしまったのか考えると、同じライターが書いた他の作品もこれと似たような描写を抱えてる事が多いから手癖でやってるんじゃない?と私は思っている。
詐欺師とひっかけの無敵具合、かわいそうを通り越して胸糞展開、名前だけ出して中身を考えてない設定がその典型。
特にドラクエ10をやったことがある人なら詐欺師多すぎ!ver1で放置されてた設定おおすぎ!!という点は非常に共感していただけると思う。またドラクエ8にもイシュマウリというリュノとそっくりなスゴイセッテイの塊がいる。
設定の不備・矛盾・説明不足はそれをチェックして指摘してくれる人を近くに置けば対策できると思うのだが、インタビューの様子を見るにどうにもシナリオをほとんど一人で書いたように見えるので、そういったブラッシュアップができなかったのでは?と推測する。
説明不足と手癖さえどうにかすれば話が大分まともになる気がするということは、話の評価が高かったころはそれを指摘してくれる何らかの力が働いていたのではと勘繰ってしまう。
つまりスクエニ内のライターチームで書いていたときは、ライター同士がシナリオをレビューしあうことで欠点を改善できていたのではないかぶっちゃける。他人の目線で指摘が入ることで説明不足や矛盾が直れば、ここまで酷い話にはならないはずだからだ。
ソロライターとして作品を作っていた頃や社長になった今はどういう環境で執筆しているのだろうか?
もしモンスターズ3の完全版が出る機会があるなら、これらの手癖は是非直してほしい。やりたい展開の為に犠牲になった部分が非常に雑だと思うので、興味の無い部分もちゃんと考えて話を書いてほしい。
色々ボロクソに書いてしまった気がするが、とにかく説明不足と手癖が暴れている部分をそれなりに抑えてさえもらえば……という思いが尽きない。
後日気づいた点
気が付いたけど新規に文章にするほどでもないことをここに増やすかもしれません。
森のエルフには名前が無い設定。その通り作中に存在している森エルフ族と思われる面々、ピサロに名付けられる前のロザリー、ロザリーのおばあちゃん、古代エルフの王国エルゼトの女王&巫女には名前が無い。国には固有名があるのにね。しかし、流神殿の魔界・中級に出てくるストーンマンのレメトは、もともと森のエルフ一族だと思われるのに固有名がある。設定とおもいっきり矛盾している。
素直に考えると設定忘れてて普通に名前を付けちゃったんでしょうね。この人たちストーンマン化させられて奴隷扱いらしいのに復活させられないよう抵抗する程度の自由があるのなんなんだろう(いまさら)。
ちなみにリュノが母親のことを母さんと呼んでいたということは母親(エルゼトの巫女)にも名前はないはずだが、リュノには名前がある。父親がランディオルということになっているから親父が名付けたのだろう。しかし、ピサロは名前が無いと不便とか言って即ロザリーに名付けたけど、ランディオルは子供までこさえてる巫女に名付けていないようだ。まあリュノの母親の設定とか中学生がノートに数行書いたような程度だろうし深く考えてなさそう。……初対面のピサロに速攻で不便だからと名前を付けられる程度には不便な上に一瞬で改善策が思いつく文化だし、国には固有名があるのに、頑なに個人名をつけない森のエルフ一族は、お互いを呼びあうのに不便しなかったのだろうか?今更だけど名前が無い理由が一切説明されないのおかしくない?宗教上の理由だったら名前を付けられるのを拒否しないロザリーがおかしいし。ロザリーヒルとロザリーの名前が一緒なことを強引に説明するためだけの設定以外の何物でもないし、そこを突っ込まれないために登場人物もそういう設定でやらせてもらってますって態度な気がしてきたし、説明を極力しないでごま化そうとしてるようにしか思えない。説明しないのはまあ全部そうなんだけど。
メタ的な事情で考えると、登場人物に特に深い理由もなく名前が無いとシナリオ的にめんどくさいだけなのに、個人じゃなくて種族単位で名前が無いとうっかりエルフを増やした時に設定ミスが生じると思うし実際生じてるのだが、他の設定もこんな感じなのでそのミスをチェックする機構がなさそう。
あとがき
どうもこんにちは。嫌いなキャラはリュノ、好きなキャラはホイミンの怪文書作家です。
本当はモンスターズ3の発売日に誕生日プレゼントとしてこの怪文書をリリースしたかったのですが、バラシュナ4のやろうに邪魔され遅れてしまいました。デルメゼ4とかいうゴミと違って常識の範囲内な労力でぶっころすことが出来たので、二度目の頓挫は免れました。
でも結局本文が長すぎて公開が遅くなってしまいました。
書き始める前はもっと短くて整った文章にしたいと思っていたんですが、書いているうちにいつもの調子で長くなってしまい、反省してません。長文を書く練習にはなりました。
ところで、公式の方からはモンスターズ3の1周年のお祝いとか特にないみたいですね。一応100万本売れた大ヒットソフトなんですけどね。ふーん。20周年になったらお祝いしてくれるんでしょうか?
まだまだ紹介しきれていないモンスターズ3のシナリオのツッコミどころはあるので、そこもどうにかして世に知らしめたい思いはあります。やっと解放されたのに……。
しかしながらそれを達成するためには今度こそイベントシーンを1から10まで全部確認してツッコミどころをまとめ、それをもとにプロットをきちんと作ってからでないと、収拾をつける自信がありません。この怪文書は書きなぐったのでこのありさまです。今度はキャラ紹介の形式で書きたい。
ここからはモンスターズ3のシナリオを分析した結果酷いと思ったことでも紹介しましょう。あとがきなのですなおに罵倒したいと思います。
まずモンスターズ3のシナリオで根本的にだめな点は、『6章と同じ事をしている』事でしょう。
最初に提示された『父ランディオルを倒して母の仇を討つ』という筋書きは別におかしくないと思っています。ですが実際に出てきたのはコレなわけです。
大事な尺のすべてを父を倒すストーリーの為ではなく、中級の原作再現に使ってしまったからアレなんです。原作再現をやりたいだけなのでランディオル云々はただの建前でしたね。
この再現がイカれすぎているから、ライター以外の何者かのせいで話がおかしくなったんだ!と錯乱するプレイヤーが現れてしまった話はさっきしました。長文を処方して正気に戻しました。
中級の何がダメかさんざん書いたので話の細かいことは言いません。
決定的にダメなことは一つ。これだけやって結局『ロザリーを何とかすればピサロを救える』というロジックが6章と同じです。同じ事を二回もやっている訳です。単純に芸が無い。しかも一度大批判された事をもう一度やってまた大批判されています。20年経っても全く成長していません。呆れ返るとはこのことでしょう。エビプリがロザリーをどうにかしようとするFC版とPS版両方での行為の正しさもどんどん証明されていきます。
どうしてもロザリーの安否をシナリオのカギにするなら、せめてランディオルのせいにすることはできなかったんでしょうか?息子に嫌がらせするのが趣味の父親だし。毎度エビプリにすべてを押し付けるのは馬鹿の一つ覚えです。
あとモンスターズ3は根本的にif(ピサロが半分人間)だから6章と違う展開で助かったという理論展開なので、ifならそもそもドラクエ4の再現をする必要性自体が無かったのも酷すぎますね。
まあ6章は商業的には失敗と言えないのでまたやったのかもしれませんが、少なくともそれに触れればプレイヤーから滅茶苦茶に批判されることはほぼ確定しています。そんな状況でも焼き直しができるとは……。
PS版ドラクエ4が出てから20年も時間が経つと、創作の世界は大変に進歩しています。
小説投稿サイトに行けば、誰かが考えたそれなりに面白い話を無料でいくらでも読むことが出来ます。そんな環境の中で、『オリキャラが原作で不幸になった人物を救ってハッピーエンドにする』という、その辺の二次創作みたいなシナリオを、その辺の二次創作にも劣る酷い内容で出したことに、疑問はないんでしょうか?
この点は同じ内容でも6章の方がまだオリキャラじゃないだけマシだった気すらします。
さてもう一つ。シナリオの意図をそれなりに理解してしまった今、シナリオでひどかった要素ランキング1位を発表しますと『中級編でランディオルをガン無視して原作再現に勤しむピサロ』でしょうか。
他に1位レベルでひどいシナリオと言えば、やはりディオロスに全てをなすりつけた点が真っ先に上がると思います。しかし村襲撃を安易に回避してしまうとドラクエ4ではなくなってしまう事、モンスターズ3をゲームとして不快なものにしない為にピサロに悪事を働かせられない事、というかなり苦しい言い訳を汲んでしまいました。
無論、実はピサロはドラクエ4でも村襲撃事件を起こしてません!とか言い始めたら猛烈に抗議します。モンスターズ3はifのはずなのでそんなことにはならないと思いますが、例の選択肢までは明らかにドラクエ4と重ねても矛盾が発生しないように描写していたことから、ライターの中ではそういうことになっていたとしても驚きません。ベネットといい不快な選択肢といい、どうしてこうもプレイヤーの心情とズレたことが出来るんでしょうね。
一方でランディオルを倒す目的は物語の最初に固く提示され、ザガンギエルからも懇願されます。中級でピサロが暴れてる時もずっと敵であり最終目標のままです。魔界を巡っているのも打倒ランディオルの為です。
にもかかわらず、シナリオ上で急に敵がランディオルではなく人間になったように見えることに対して、一切のフォローがないんですね。
今は人間を滅ぼすのが先とか、エスタークで倒すつもりだとか、そういう説明が全くありません。ピサロ自身の目的としてもランディオルを無視して人間を滅ぼそうとする理由がないので、これについて説明しないのは原作再現以外どうでもいいという制作意図の表れと受け取れます。もはや説明すると辻褄合わせがめんどくさくなるからわざと触れてないのでは?とすら思えてくる酷さです。
ピサロが『人間を滅ぼす』『ランディオルを倒す』両方の行動をしているという要素は散りばめてあるので、もしかしてそれが中級の間も継続しているとわからないプレイヤーがおかしいとでも思って書いているんでしょうか。プレイヤーはエスパーではないです。
そもそもランディオル自体が原作再現後のシナリオの後始末のためだけのボスキャラクターで、言ってしまえばディオロスと同レベルの存在なのかもしれません。
ラスボスを倒す大きな流れのシナリオにならず、やりたい話が済んだら適当にボスをしばいて終わりでカタルシスに繋げられないのは手癖ですしね。
モンじいがランディオル打倒の目的を確認してきたのはチュートリアルだけわかりやすくするために作り直したから説があります。もしかして作り直す前は最終目的が説明されないまま話がなんとなく進んでいったのかと思うと、ワクワクしてきますよね!
1年前、私はモンスターズ3のシナリオのあまりの酷さに、それの感想文を書こうと思い立ちました。書いていく中で『こんな愚痴まみれのネガティブな文章で作品たたきをするのは人間性が疑われるのでは?』『シナリオがこんなのでも面白いと言ってる人はいるのにそれに水を差すのは良くないのでは?』と、いまさら常識の魔が差し、自分がシナリオを分析しているのか単に叩きたいだけなのか、よくわからなくなることもありました。
そんな中、さる2024年1月26日。とある作品が劇場公開されます。『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(以下種自由)』です。ドラクエと全く関係ない別作品の話題を出して申し訳ないのですが、これを引き合いに出して言わなければならない事があります。
モンスターズ3のシナリオがおかしいのは、元々おかしいドラクエ4の6章を元にしているのだから、どうあってもファンは叩く。そういった無常な宿命のようなものを感じていたのも、執筆に悩んだ一因でした。
しかし種自由はアンチがいっぱいいるガンダムSEEDシリーズの直球の続編でありながら、そのあまりに素晴らしい出来栄えは前作の不満点をも漂白する勢いであり、アンチの大半が成仏した作品です。難癖をつけようにも、作品の細部に至るまで非常に細かく作りこまれているので、見れば見るほど感嘆とするばかり。
約20年を経ての続編・外伝、前作の問題点の解決を狙った作品ということで立場が似ているモンスターズ3と種自由ですが、その出来栄えと評価は真逆の物となりました。
何が言いたいかというと、モンスターズ3のシナリオは不評な作品の続編だから出来が悪いわけでも、流れで叩いてるわけでもなくて、出来栄えがおかしいから叩いているだけなんですね。そのことに気づかせてくれた種自由のおかげで少し心が浄化されました。
叩くと言っても、私が長文で難癖を書いているのは、あまりにも衝撃的なシナリオで受けた損害を賠償してもらうために、シナリオをつつきまわしてあじのするところを探し、プレイバリューを得るための行為だと認識しています。ゲームプレイの一環なんですね。
なのでにくしみとかではなくある種の楽しみとして行っています。叩くといくらでもホコリが出てくるので十分楽しめました。歪んでいますね。
ただし本当に叩くだけなのは良くないと思ったので、出来るだけ内容を考察する方向性で文章を書くよう善処はしました。
これだけの長文を書いた後ですが、モンスターズ3のシナリオに期待する部分がまだ何かあるとすれば、やはり完全版の制作でしょうか。
モンスターズ3はあからさまに予算がなさそうな作りです。前作(カミュマヤ)の開発のゴタゴタのしわ寄せがあったとも噂されています。コロナ禍による開発環境の悪化は他のスクエニ作品も影響を受けていたようなので、それのせいもあるかもしれません。
もしかしたらその影響で、シナリオ上で使える文字数やイベント時のキャラクターのやり取りが激しく制限されていたとか、そのせいで尺が短くて説明の文章を削りまくったらこうなったとか、そういう可能性が無くは無いです。
それならポエム入れてる暇ねえだろとかロザリーの描写の少なさは説明付かねえだろとか本文で反証しましたが。それにテキストの制限がきついと話が書けないなんて、シナリオのプロならそんなことある訳がないですよね。
めでたく100万本売れたわけですし、大ヒットソフトならちゃんとした予算も降りるでしょう。なので言い訳出来ない規模の予算でシナリオを作り直してみてほしいですね。私はシナリオがもっとひどくなる方に期待してますけど、流石にそんなわけないでしょう……ないよね?
幸いにもゲーム部分はタマゴ探しが始まるまでは非常に楽しかったので、そこさえ順当に強化されていればシナリオがムキンクスの様な間違ったパワーアップを遂げていても何とかなります。
ところで、最近ドラクエ3のHD-2Dリメイク版が発売されましたね。私はこれを買いませんでした。
理由はモンスターズ3が売り逃げする気満々の低品質なゲームだったからです。
ドラクエシリーズは元々手堅いつくりの高品質なゲームだから人気になったシリーズ。それがこのような完成度でゲームをリリースしたこと、大ヒットしたにもかかわらずアップデートも碌に行わずに音沙汰無くなった事は、私のドラクエシリーズに対する信用に傷をつけました。
それが単にたまたまならまだよかったのですが、あからさまに開発関係のゴタゴタが原因っぽかった以上は、次のゲームであるドラクエ3リメイクも同じような品質でリリースされるのでは?と不信感が募っていきました。
なのでちょっとほしくなりつつも様子見していたのですが、その不安は的中したように思えます。最初は評判が非常に良かったものの、ゲームが進行するにつれて作りの粗さが目立つようになったらしく、『これはダメだ』とお気持ち表明してしまう人が現れる。
それからは堰を切ったように高まっていく不満の声。具体的な不満点を見てみると、修正した上でリリースするのが当然と思えるような酷い仕様が大量に残っているらしく、昔のドラクエシリーズではこんなことなかったはずと悲しくなりました。
個人的に聞いてて一番酷いなと思ったのはポリコレの件です。ルックスAB云々ももちろんアレなのですがそっちではなく、ドラクエ3の『女尊男卑』のバランスがそのままな所です。
ドラクエ3は自由にキャラクターを作ってロールプレイするゲームなわけで、それを妨げる女性優遇の調整は昔から批判されてきました。それをそのままにするのは悪い意味で古臭すぎます。
そして中途半端にポリコレ利権に屈して無意味な言葉狩りをしたくせに、本当にポリコレすべき部分は惰性でそのままにするというのは、褒められた価値観ではありません。
まあ私が実際にリメイクドラクエ3をプレイしていたらこんなのは些事で、大半の人が言うようなテンポの悪さを不満に感じると思います。
最後の隠しダンジョン付近になると、モンスターズ3のタマゴを彷彿とさせる苦行を強いられるそうで。うげえ。
その結果、あのユーザー評価がガバ甘なSteamで一時期賛否両論というドのつくクソゲーラインにまでランクが下がってしまったらしいですね。今はやや好評ですがそれはクソゲーラインです。買わなくてよかったなと思います。ゾーマまでは面白いらしいのでギリギリ耐えている感じでしょうか。
ちなみにこれを書いている12月初旬頃のSteamの英語のスレッドによると、英語圏のユーザーは92%好評らしい一方で、日本語圏のユーザーだけでレビューを見ると好評が52%で賛否両論(好評が70%を下回ると賛否両論)になります。外国人はマニアしかドラクエをプレイしないから古典的なJRPGに甘いのか、日本人のレビューが厳しいのか、多分両方でしょう。
まあ私はプレイしていないので必要以上にネガティブな意見を言うのは避けたい所です。しかし買わなかった理由は前作の不信感からくるものなので、不満を言う権利はあると思います。
モンスターズ3もドラクエ3も売り逃げする気満々の低品質な状態でリリースというのは、いくら何でもユーザーをナメすぎです。そのような不義理な行為には付き合いたくないです。
しかしこれでもドラクエ3の名前だけで200万本も売れてしまうのだから、これからもまともな品質までゲームを作りこまず売り逃げすることが約束されたようなものです。もはやスクエニは大手ゲームメーカーと言えるのか怪しいとすら思います。
まあドラクエ3はモンスターズ3と違ってシナリオが壊滅的なせいでドラクエ4の話をするたびに話題がピサロとモンスターズ3で汚染される災害じみた品質ではないのでまだマシでしょう。
ユーザビリティやゲームバランスの問題ならアプデで直せばまだ挽回できます。直す気あるよね?モンスターズ3ですら一応直してたぞ?ユーザーのMOD頼みが許されるのはインディーズとベセスダだけだぞ?
ちょっとトゲが出ましたが言いたいことは書けたので満足です。
最後に、これだけの長文を書いて不満を吐き出したことで、ようやくモンスターズ3の酷さを忘れられるかもしれません。嬉しいです。文章を書くのも健康に悪くてキツかったのですが、ようやくこの苦痛からも解放されます。嬉しいです。
参考文献
ドラゴンクエスト大辞典を作ろうぜ!!第三版 Wiki*
https://wikiwiki.jp/dqdic3rd/
動画で上がってることが多いイベントシーン以外のセリフなどを気軽に確認するのが困難なので、把握してない情報がないかチェックするために大いに参考にさせていただきました。モンスターズ3の開発者インタビュー
https://www.ndw.jp/dqm3-interview-231217/絵本『ピサロとロザリー』【ドラゴンクエストモンスターズ3】
https://www.youtube.com/watch?v=6Sqg-BICGSkドラクエ研究所/ゆっくり解説 より
【DQM3】魔族の王子とエルフの旅 ストーリー【完全解説】
https://www.youtube.com/watch?v=Ezbd21tqHbQ&list=PLTD8QzIdBvFhJEPX2HUdwBFCnCbJFN2Dh&index=8
多分ライターはそういうつもりだったという解説が見事。@U2_Haruka氏のXより fusetter
https://fusetter.com/tw/rHpJzA92#all
他のネット上の感想にも概ね目を通しているのですが、あまりにも内容が素晴らしかったので個別に引用させていただきました。
勝手ではありますが、ありがとうございました。

