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アル中患者に酒を贈る仕打ち

最後に、ウクライナをめぐる政局について、わかりやすく概説しておこう。まず、巨悪であるゼレンスキー政権はいま、ミンディッチが首謀者とするグループによる腐敗を糾弾するという姿勢を示すことで、ゼレンスキーが本当の首謀者であることを隠蔽しつづけようとしている。

「ゼレンスキー一味」は、オールドメディアに圧力を加えて、ここで紹介したような「真っ黒なゼレンスキー」という実態を隠そうと必死だ。その典型がイェルマーク大統領府長官の顧問、ミハイル・ポドリャクだ。「エネルギー部門における腐敗スキームの調査に関するニュースは、残念ながら驚くべきことではない」とし、これは、「クレムリンが数十年にわたりウクライナをその影響力の範囲内に留めるためのシステムを構築してきた過去からの論理的な反響である」という彼の意見は、ゼレンスキーの「悪」をロシアに帰そうとする不誠実きわまりない論理にすぎない(11月13日付のポドリャクの「テレグラム」を参照)。

これに対して、同様に批判されるべきは欧州の政治指導者たちだ。彼らは、ゼレンスキーに戦争をつづけさせため、どう考えても「真っ黒」なゼレンスキーそのものの罪を問おうとはしていない。ミンディッチを逃亡させたゼレンスキーは当面、彼の腐敗への直接関与という嫌疑を免れることができる。そのため、ゼレンスキーはいざとなれば、自分の周辺にいる人物を含めて、腐敗を理由に斬ればいいと考えているに違いない。

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たとえば、ゼレンスキーの背後にいて、腐敗問題にも関与していると思われるアンドリー・イェルマーク大統領府長官や、彼の子飼いユリヤ・スヴィリデンコ首相を退陣させて、ゼレンスキー政権の「リセット」をはかることさえありうるだろう。

重要なことは、NABUやSAPは当初、米民主党主導でウクライナの腐敗防止に取り組んでいた組織であり、トランプ政権発足後、米国が抜けた後は欧州諸国が支援している点だ。このサイトで何度も力説したように、欧州の主たる政治指導者は「戦争維持派」だから、彼らはあくまで戦争継続のための「悪だくみ」をめぐらせている最中なのだ。

具体的に言うと、「ロシアの侵略戦争開始以降、EUとその加盟国がウクライナとその国民を支援するため1776億ユーロ(約32兆円)を動員した」事実に対する責任を回避する目的で、この「ミンディッチ・ゲート」に目を瞑(つむ)る。その代わりに、①スキャンダルに関与した人物を拘置所に送り裁判にかける、②腐敗対策と国営企業の管理の透明性向上プログラムを作成・承認する――政策だけでなく、欧州側は内外の世論を納得させるため、イェルマーク大統領府長官の首を斬ることさえ迫るかもしれない。加えて、兵員不足に悩む軍を立て直すために、動員年齢を25歳から22歳に引き下げるようにゼレンスキーに迫っているとの見方もある。

11月17日、欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は、EU各国政府に宛てた書簡のなかで、ウクライナの2026~2027年における残存資金需要を1357億ユーロ(約24・4兆円)と試算し、そのウクライナの資金需要を満たすためには、凍結されたロシアの資産を利用した融資を含む3つの選択肢があると通知した(「ロイター通信」を参照)。

これからわかるように、彼らは戦争継続で頭がいっぱいなのだ。これでは、「この件は、アルコール中毒の患者にウォッカをもう一箱送って助けようとするようなものだ」というハンガリーのヴィクトル・オルバン首相のXへの投稿が正しく思えてくる。

本当は、ウクライナの腐敗はエネルギー部門や軍事部門だけではない。鉄道部門では、輸送量が減って余った電力を闇に流したり、ウクライナ鉄道の内部関係者を介した動員免除の証明書を販売したりする腐敗が蔓延している。他方で、戦況はウクライナの敗色が濃くなる一方だ。

こんなウクライナに戦争をつづけさせるために「真っ黒なゼレンスキー」を非難することさえできない欧州の政治指導者は卑劣であり、不誠実だと指摘せざるをえない。もちろん、トランプ大統領も同じである。そして、おそらくこの批判は高市早苗首相にもあてはまる。

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