押収された400万ドルの札束
なお、この「ミダス」事件の捜査の過程で、バーコードと米国都市名(アトランタ、カンザスシティ、ミネアポリス)が記載された密封されたドル札の束(下の写真)がNABUによって押収された。少なくとも400万ドルに相当するとみられる。
司法相とエネルギー相が辞任
ガルシェンコ(下の写真)は、2020年5月、エネルゴアトムの副社長に任命され、2021年にはエネルギー相に就任した。今年7月、彼は司法相に任命されていた。
この経歴から、彼は、現エネルギー相スヴィトラーナ・グリンチューク(同)や、今年7月の解任前に自身が配置した複数の管理職を通じて、今なお同分野で影響力をもつ。11月12日朝、臨時閣議が開催され、ガルシェンコを司法相から解任することが決定された。
グリンチュークも同日、辞表届を提出した。グリンチュークはエネルギー省で、ガルシェンコが大臣当時に副大臣を務め、環境・天然資源相になった後、エネルギー相に就任していた。
ゼレンスキーは12日午後、ユリヤ・スヴィリデンコ首相と詳細な会談を行ったと説明した。また、法務大臣とエネルギー大臣は現職に留まることはできないことを強調したと発表した。どうやら、自分は「ミダス」事件とは無関係であると装う方針を決めたようだ。
だが、11月12日、NABU検察官は、ガルシェンコ、ミンディッチらの盗聴記録のエピソードの一つを挙げた(ウクライナの情報を参照)。このエピソードが「ミンディッチの影響力を裏づける」というのである。それは、ミンディッチがゼレンスキーにショート・メッセージ・サービス(SMS)を送ると、ゼレンスキーがガルシェンコに電話をかけてきた事実を指している。
これは、盗聴されていた会話のなかで、ガルシェンコがミンディッチに大統領に何を書いたのかと尋ね、ミンディッチが「ゲル(ゲルマン・ガルシェンコ)があなたと話したがっている」と答えたことからわかる(彼らはロシア語を話しており、ここでは「ヘルマン・ハルシェンコ」ではなく「ゲルマン・ガルシェンコ」というロシア語をあえて使っている)。