PR

提供:パロアルトネットワークス

日本の企業が直面する
サイバー脅威への対抗策を考える

いま製造業が取り組むべき セキュリティー変革に向けた
経営戦略とは?

メインビジュアル
手束 裕司
三菱電機デジタルイノベーション株式会社
執行役員
セキュリティ事業推進本部長
戸出 浩介
パロアルトネットワークス株式会社
製造事業本部長
西村 克治
パロアルトネットワークス株式会社
製造事業本部
ビジネスデベロップメントコンサルタント

製造業のデジタル変革(DX)が加速する中、サイバーセキュリティーは企業の生存を左右する最優先の経営課題へと変貌を遂げつつある。とくに日本企業の強みである「現場力」と「品質」をデジタル時代でも維持し続けるためには、セキュリティー変革が避けて通れない。日本を代表する大手総合電機メーカーの三菱電機グループと、世界最大級のサイバーセキュリティー企業のパロアルトネットワークスが、日本の製造業が取り組むべきセキュリティー施策について意見を交わした。

経営課題としてのサイバーセキュリティー

西村 克治氏
西村 克治
パロアルトネットワークス株式会社
製造事業本部
ビジネスデベロップメントコンサルタント

―― 近年の国内外におけるサイバー攻撃の変化と、製造業におけるリスクシナリオ、対策の優先順位を決める基準について教えてください。

西村 近年のサイバー攻撃において最も劇的な変化は、生成AI(人工知能)の普及により「言語の壁」が消失したことです。以前は日本語が不自然なことでフィッシングメールなどを見分けられたのが、現在は生成AIの自然言語処理技術によって極めて自然な日本語でフィッシングメールを作成できてしまいます。今や日本企業は海外の攻撃者にとって格好の標的です。

また、製造現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速により、従来は外部ネットワークから切り離されていたOT(制御技術)環境が、インターネットやクラウドに接続され、アタックサーフェス(攻撃対象領域)が急速に拡大しています。パロアルトネットワークスの調査だと、OTデバイスのインターネット露出比率は前年比で332%も増加しており、「隔離されているから安全だ」という神話は完全に崩壊しました。

戸出 浩介氏
戸出 浩介
パロアルトネットワークス株式会社
製造事業本部長

戸出 攻撃の動機も変化しており、10年ほど前は個人の技術を誇示する愉快犯が主流だったのが、金銭目的のランサムウエアが増え、現在は事業停止そのものを目的としたフェーズに入っています。また、量子コンピューター時代の到来を見据え、現在は暗号化されていて解読できない機密データを「今のうちに盗んでおき、将来解読する」という動きも懸念されています。

対策の優先順位は、「事業継続性への影響度」「発生確率」「平均検出時間(MTTD:Mean Time To Detect)」「平均修復時間(MTTR:Mean Time To Repair)」を基準に決めるべきです。すでに一部のお客様では、MTTDやMTTRを経営目標に含めているケースもあります。

――三菱電機グループのインシデント経験から得た教訓についてお聞かせください。

手束 三菱電機グループでは2020年に、サイバー攻撃による不正侵入が2度にわたって発生しました。これにより、多くのステークホルダーに迷惑をお掛けしただけでなく、当社の経営への影響もありました。このサイバー攻撃を機に5年間で500億円を投じセキュリティー強化施策を講じるとともに、社内体制を整備し、CSIRT(コンピューター・セキュリティー・インシデント・レスポンス・チーム)、PSIRT(プロダクト・セキュリティー・インシデント・レスポンス・チーム)、FSIRT(ファクトリー・セキュリティー・インシデント・レスポンス・チーム)を全社横断組織として組成しました。これまでの事業本部ごとに縦割りであった管理体制に、全社横断的なセキュリティー組織が加わることで、有事における迅速な対応、平時における教育や訓練など全社的なセキュリティー意識の向上を実現しています。

近年はグローバルでサイバーセキュリティーに対する法規制が強化され、インシデント発生から短時間での報告義務が課される場合があります。これまでの事業本部経由でセキュリティーインシデントの報告を待つのでは、このスピード感に対応できません。現場で何かが起きたら、コーポレートの専門組織が即座に状況を把握し、経営判断を下せる体制の整備が不可欠です。この組織変革こそが、インシデントという過酷な経験から学んだ最も本質的な教訓です。

デジタル変革の加速に不可欠な
セキュリティーへの投資

手束 裕司氏
手束 裕司
三菱電機デジタルイノベーション株式会社
執行役員
セキュリティ事業推進本部長

―― 製造業特有の「セキュリティー変革」の難しさはどこにありますか。また、DXのスピードと強靭(きょうじん)なセキュリティーを両立させるには、どうすべきでしょうか。

手束 自社がいくら守りを固めても、サプライチェーン(供給網)の脆弱な部分から侵入されれば、製造停止や知的財産(IP)の流出を招いてしまいます。特に工場ではWindows 2000/2003のような、もはやアップデート不可能なOSが動作する設備が現役で稼働しており、古い資産と最新のクラウドサービスが混在していることが、製造業特有の制約であり難しさです。

この複雑な環境下でDXのスピードを損なわないためには、工場内の資産や通信の可視化を徹底し、リスクを把握し異常を検知できるようにすることが重要です。当社ではOT環境の可視化ツールを導入し、リスクを特定したうえで、最適なネットワーク設計(ファイアウォールによるIT/OTの分離)や異常通信の検知などセキュリティー強化を推進しています。また、セキュリティー人材の不足が深刻化する中、AIを活用したインシデント検知・分析・対応などセキュリティー運用の自動化、さらにはエージェント型AIを活用したセキュリティー運用の自律化を目指しています。これにより、大規模、かつ高度化・巧妙化するサイバー攻撃に対し、迅速に対応することが可能となります。

―― DXの加速に伴い、製造業のセキュリティー投資や対策の在り方はどう変革すべきでしょうか。また、攻撃対象が拡大する中、ビジネス成長を加速させるためのセキュリティーの役割とは何でしょうか。

西村 これまでセキュリティーは「問題が起きた際のコスト」と見なされてきましたが、AI活用やクラウド導入が加速する現在、ビジネスを安全に遂行するための「事業基盤」へと進化させなければなりません。あらかじめ安全が担保された基盤を用意し、事業部門が安心して新しい挑戦に取り組める環境を提供することこそが「攻めのセキュリティー」の役割です。

戸出 そのうえで必要になるのが、複数の機能やデータを単一の基盤に集約して組織全体を統合的に守る「プラットフォーマイゼーション」の考え方です。IT、OT、リモート環境、すべてのデータを1カ所に集約し、AIで解析することで初めて、従来は見逃されていた高度な攻撃の予兆を捉えられるわけです。

サプライチェーン全体の安全性証明と法規制の遵守は、グローバル市場でビジネスを行ううえでの“参加資格”であり、ブランド価値を高める“信頼の基盤”だと言えます。不確実な時代においても事業継続性を担保できる強靭なプラットフォームへと舵(かじ)を切ることは、投資対効果を最大化させ、中長期的なビジネス成長を加速させるための極めて重要な経営決断です。

攻防一体のセキュリティー戦略が拓く
製造業の未来

―― 三菱電機グループのデジタル構想におけるセキュリティーの位置づけと、具体的な取り組みをお聞かせください。

手束 三菱電機グループが推進する「循環型デジタル・エンジニアリング」では、セキュリティーを「付加価値を生むための不可欠な基盤」として位置づけています。当社が大切にしているのは、事業部門とセキュリティー部門が一体となって動き、設計段階からセキュリティーを考慮する「セキュア・バイ・デザイン」です。今後、AIの活用がますます進みますが、「AIを適切に利用するためのセキュリティー」と、「企業のAIシステムをサイバー攻撃から守るためのセキュリティー」の2つの取り組みを進めていきます。

―― これからの日本の製造業に対し、パロアルトネットワークスはどのような支援を展開しますか。

西村 当社は、日本の製造業が抱える人材不足を、テクノロジーの力で補完することに注力しています。AIを活用した自動化技術を駆使し、最小限の人手で最大限の防御力を発揮できる仕組みを提供します。

戸出 日本の製造業の強みである「品質と信頼」は、デジタルの世界でも守り抜かなければいけません。そのために当社では、世界中で収集される膨大な脅威データをAIで解析し、未知の攻撃にも「防御の自律化」をもって対抗します。

―― 最後に、製造業の経営層へ向けたメッセージをお願いします。

手束 日本企業の経営層にぜひ伝えたいのは、セキュリティーを事業継続戦略の一つとして位置付け、経営陣が自らコミットすることです。経営陣がコミットしたうえで、現場のセキュリティー部門と連携してセキュリティー施策を実行することが、組織のセキュリティー体力を高める最善の道です。

戸出 セキュリティーはブレーキではなく、事業全体を保護し、グローバル競争力を加速させるためのサスペンションのような存在です。従来の防御モデルではなく、グローバルな知見とAIを統合したプラットフォームへの転換が、不確実な環境下での事業継続性を盤石にする重要な経営決断となります。

西村 現在、三菱電機デジタルイノベーションとパロアルトネットワークスは、現場経験に裏打ちされたリファレンスモデルと世界最先端技術の融合を目指しています。これは、日本の製造業にとって非常に心強い組み合わせのソリューションになるでしょう。デジタル化の恩恵を最大限に享受し、同時にリスクを最小化する“攻防一体”の経営戦略こそが、次世代の勝ち組となるための必須条件です。

集合写真
↑