日本で就職する韓国人が増加 米国上回り2年連続で国別トップ「ポテンシャル評価してくれる」
日本を就職先に選ぶ韓国人が増えている。就職難が続く大卒の若い世代が、深刻な人手不足が続く日本の労働市場に目を向けているためだ。海外就職先の国別で2024年に米国を上回って1位になり、25年も2257人で差を広げた。専門家は「日本企業に対する理解が深まり、日本で就職するハードルが下がっている」とみている。 ■エンジニアを派遣する日本企業「マイナビEdge」が韓国ソウルで開いた面接会【写真】 「韓国の若い人たちは能力が高く、今後も採用を増やしたい」。機械・電気系企業などにエンジニアを派遣するマイナビEdge(エッジ、東京)の加藤靖之社長はこう評価する。
同社はこれまで100人を超える韓国人を採用。海外就職を仲介するマイナビグローバル(東京)などの支援を得ながら、韓国を直接訪れて採用活動を続けている。5月下旬にソウルで開いた面接会では、数人に即日で内定を出した。 内定者の一人で大邱(テグ)市の男性(27)は「韓国の大手企業は即戦力志向が強いのに対し、日本企業は中期的な目線からポテンシャル(潜在能力)を評価してくれる」と流ちょうな日本語で取材に応じた。知名度がある地方大の理系学部を卒業し、兵役を経てワーキングホリデー制度で日本を経験し帰国した。「日本のものづくりの場で、エンジニアとして成長したい」と語る。
韓国政府の外郭団体、韓国産業人力公団の統計によると、韓国人の海外就職先のトップは21年から米国が占めていたが24年に日本が奪取。25年は最近10年間で19年に次いで2番目に多い人数となった。日韓関係が改善する一方、米国はトランプ政権の復帰に伴い、就職ビザの取得が難しくなっている影響も出ている。 韓国青年層(15~29歳)の4月の雇用率は43・7%で、24カ月連続で前年同月を下回った。韓国の大卒者は大手企業志向が強いのに対し、大手企業は経験者採用を重視しておりギャップは大きい。人工知能(AI)の職場での活用も広がり、事務職などの雇用は減る傾向にある。大卒者らの就職活動は長期化し、就活そのものを放棄した人たちが数十万人に及ぶとして大きな国内問題となっている。
西日本新聞社