【閲注TRPG】ラストダンスは夜明けまで【CoC×PC夏油KPC五条】

  • 1126/04/10(金) 22:08:00

    このスレはPCを夏油、KPCを五条としてクトゥルフ神話TRPGを回していくものだよ
    閲覧注意は発狂した時の症状やグロテスクな描写用のためにつけているよ。CP要素はないからそういったレスはしないでね

    今回はななうた堂さま作成シナリオの『ラストダンスは夜明けまで』をお借りしているよ
    このスレではシナリオのネタバレを大いに含むので注意してね。既にシナリオを知っている人は先の展開のネタバレはやめてね
    このスレについてやシナリオの感想・ネタバレなどをSNSなどで言うのもやめてね。TRPGではシナリオの内容を人から見える所で話すのは厳禁だったりするよ
    新規キャラシによる単発スレ(予定)でPC・KPCともに呪術のない世界に産まれている一般人。加えて原作に無い設定の付与などがあるから注意だよ
    PCである夏油のキャラシは最初から公開、KPCの五条のキャラシは後程公開するよ

    ルルブは6版を使用、ついでにちょこっとサプリの2010も。ハウスルールもあるけど詳しい説明はしないのでこの卓の処理が必ずしもルルブ的に正しいわけじゃないよ
    クリティカル01~05、ファンブル96~100、スペシャル(技能値の1/5以下での成功)を適応。SANチェックにはこれらの適応なし
    今回はスレ民による行動指定あり(PCの夏油の行動指定のみ)、シナリオ既知でも行動指定は可能だけどネタバレ発言は控えてね
    安価には気軽に参加していってね。デストラップ(とある行動によって即死やアナウンスなしでの死亡確定行動指定の実施)はないから安心してね
    感想とか疑問でスレが賑やかだとスレ主も嬉しいし他のスレ民の行動指定の助けになるだろう考察なども歓迎だよ。質問などもあればしてくれて大丈夫だよ

    ≪シナリオの導入≫
    「大人しくじっとしてろって?そんなのごめんだね。それよりももっといい案があると思わない?」
    不敵に、一切の恐怖など感じさせないままに五条はいつもと同じ笑みを浮かべていた。
    「派手に暴れてやろうぜ、傑。これが最期の仕事になる?そんなの――――笑い飛ばしてさ!」
    死が迫る運命を前に、駆け抜けろ。それが君たちが最強たる所以なのだから。
    ロスト率:低~中 シナリオの傾向:バディ推奨シナリオ

  • 2126/04/10(金) 22:09:00

    販促は基本(今回使用のルルブは6版、つまりは上の方)

    クトゥルフ神話TRPG

    クトゥルフ神話 TRPGライトノベル「クトゥルフ神話 TRPG」のあらすじ、最新情報をKADOKAWA公式サイトより。シリーズ累計70万部突破!www.kadokawa.co.jp

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    今回お借りしてるシナリオ

    ラストダンスは夜明けまで(ななうた堂さま作成シナリオ)

    CoCシナリオ【ラストダンスは夜明けまで】 - ななうた堂 - BOOTHCoCシナリオ「ラストダンスは夜明けまで」booth.pm

    こちらのシナリオは、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。

    Call of Cthulhu is copyright ?1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.

    Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.

  • 3126/04/10(金) 22:10:00
  • 4126/04/10(金) 22:11:14

    ≪行動指定などの安価参加について≫
    今回のシナリオはKPが動かすKPC五条とPLが動かせるPC夏油が存在し、スレ民をPLとして扱って夏油への行動指定が可能だよ
    基本的に安価指定は次のレスに、もし安価指定先がズレたら一個下を採用が基本となるよ
    そのため安価外の時(スレが進行している時)なんかにこれからのしておきたい行動などを共有しておくとスレ民の意思が割と掴み安いかなと思っているよ
    TRPGはやったことないけど安価には参加したい!って人はスレの流れを見つつ、どうするべきか・どうしたいかを考えてみてね
    使われている語句や状況などで分からないことがあったら気軽に質問してみてね
    【KPへ】という目印があるとスレ主が答える上で見過ごしにくいから使ってくれたら助かるよ。シナリオのことでもそれ以外のことでも大丈夫だよ

  • 5126/04/10(金) 22:14:34

    「死神事件。お前さんも当然、聞いたことあるよな」

    そう試すような口振りで男は言った。
    かつて世話になった、とは言い難い。だが全く縁がないというわけではない、知人と呼ぶべきだろうか。

    「自分の街で起きている事件ですからね。知ってますよ」
    「そうか、それなら良かった」
    「良かったって、私を呼び出した理由はその死神事件についてですか?」

    死神事件と呼ばれる連続不審死事件。
    その被害者の共通点はひとつだけ。花のような痣が胸あたりに浮き出ていたらしい。
    話によるとソレは元々小さな蕾くらいだったのがどんどん広がって、花が満開になった時死ぬのだとか。
    直接捜査にあたっているわけではない自分とて、多少話で聞く程度しかない。
    あまりにも有り得ないと言いたくなるような話で、真剣に向き合っていたかと言えばそうでもなかった。
    刑事である自分を呼び出したのは、その事件について知りたかったからなのだろうか。
    それが顔に出たのか、男は苦笑した。

    「まあ、少し待て。死体の周りにゃ痣と同じ花が咲くってことも知ってるか?」
    「一応は。痣をつけて殺して、死体の周りに花を植えたと言われた方が納得出来ますが」
    「はは、お前さんならそう言うか。だが周りはそうじゃないってことだ」

    別れ花を思わせるってのと、そいつの死ぬまでの寿命を表しているんじゃないかってコトで死神事件、だと。
    そんなことを肩を竦めて言いつつ、男は吐き捨てる。

    「安直だよな」

  • 6126/04/10(金) 22:16:15

    その嘲笑は誰に向けられたものなのか。暗がりの中、表情こそは伺えないが多少の自嘲も含まれているような言葉だった。

    「で、わざわざ私を呼び出したその理由は結局なんですか?一人で来てくれ、なんて最初は告白ならどうしようかと焦りましたよ」
    「バカ言え。……と、言ってやりたいところだが似たようなもんかもしれねぇな」
    「…………はあ?」
    「と、冗談はこのくらいにしておいてやる。お前さんに調査して欲しいんだよ。死神事件をな。あわよくば、治し方分かんねえかなって」

    いやな予感があった。元より呼び出された当初から感じていた、違和感。

    「見ろよこれ」

    男は徐にシャツのボタンを外し、その蕾を見せてきた。
    鮮やかで複雑な模様が渦巻いた蕾はあと少しで綻びそうだった。

    「俺の寿命もあとちょっとってことらしいぜ全く……笑えるだろ?」

    少しも笑えないことを口にした後、男は重ねた。

    「頼むよ――――夏油」

    ―――――――――――――――――

        クトゥルフ神話TRPG    

       ラストダンスは夜明けまで

          PC : 夏油 傑
          KPC : 五条 悟

    ―――――――――――――――――

  • 7126/04/10(金) 22:19:29

    スマホがいつも通りの時間にアラームを慣らしている。
    切るのを忘れていたと思いつつも、夏油は寝起きで重い頭の中でスマホに手伸ばしアラームを切った。
    目は覚めているが、すぐに動く気にもなれずにそのまま一分、二分と経過してから二度寝する寸前に夏油は冬眠明けのクマかのように身を起こす。
    カーテンから差し込む柔らかな光はいつも通りの朝が訪れたことを物語っていた。
    気分の良い目覚めとは言い難い。
    それもいつものことであったりするのだが、だとしても起きられないなんて甘えたことは言ってられない。
    そんなことを職場で欠片でも零せばどうなるか、火を見るよりも明らかだ。

    一つ欠伸をしつつも、そのまま一度洗面所へと向かい顔を洗う。
    そうすればようやくどうにか目が覚めて来て、リビングに戻って来てからいつもの流れでテレビをつける。
    朝のニュースをBGMにするのは職業柄だろうか。否、一人暮らしを始めた大学時代からこうだったような。

    事件。事故。事件。事故。
    暗いニュースばかりで、気が滅入る。良い気分にはならないと分かっていても、朝の習慣はどうにも変えられない。
    流し聞きつつも、朝食を食べなければとキッチンへと向かった。
    朝から料理したい気分でもなく、夏油はオーブントースターのすぐ近くにある五枚切りの食パンを手に取る。

    さて、今日はこれからどうするか。
    本来ならば久し振りの、そして念願の丸一日の休みであったはずだ。
    呼び出される可能性はあるが、少なくとも今の時点では休み。
    しかし、昨日の頼み事を思い出せばゆっくり休もうとは思えなかった。
    昨日のあの頼み事もあったし、自分の出来る限りのことはしてみるかと、頭の中で予定を組み直していく。
    しかしその時、食パンをオーブントースターに投げ込もうとしていた手が止まった。

    『──続いてのニュースです。本日明朝、芥下町路地にて男性の遺体が発見されました。胸元に花のような痣があり、警察は死神事件に関連していると──』

    自然と視線がテレビへと向かった。
    丁度自分が考えていた、死神事件について。
    つい昨日も聞いたばかりの言葉。最近のニュースを飾っているのがもっぱらこの言葉だ。

  • 8二次元好きの匿名さん26/04/10(金) 22:20:20

    あなた様に永遠に脳焼かれてるから超嬉しい、いつもありがとう なんなら生きててくれてありがとうレベル
    本当に大好きです

  • 9126/04/10(金) 22:22:07

    死神事件。

    それは最近この街で頻発している連続不審死事件のことだ。

    死因や詳しいことは報道されておらず、分かっているのは胸元に花のような痣が残っていること、遺体の周りに花が咲くことのみで犯人らしき人物も未だに検討がついていない。

    周りに咲く花が別れ花を彷彿させ、痣が寿命を表し、犯人の輪郭もわからないことから、誰かが呼んだ死神事件の名前がそのまま広がった。


    そんなことを思い返していれば、ニュースキャスターが淡々と告げる被害者の名前が耳に届き、夏油は多少動揺した。

    その音の響きに覚えがあった。

    それは昨日、自分に死神事件のことを話してきた男の名である。

    そんな男の名前が今テレビ越しに告げられた。寿命が来たということだろうか。


    「……クソ、なにが『死神事件』だ」


    この事件が解決出来ないことで、警察は無能やらそういう時だけ得意げに語る口がうるさく回る。

    理解もしない癖に、する気もないくせに、ただただチャンスとばかりに嘲り罵る、愚か者たち。


    それでも間に合わなかったことを責められると少々応えもする。

    実際、今回とて自分は間に合わなかったのだ。

    別れる前に「ま、そう重く考えなくて良い。藁にも縋りたいって思っただけだよ。願掛けみたいなものだ」と夏油の肩を叩いた、あの衝撃が蘇る。

    あの男が再び夏油の肩を叩くことも、話すことも、もうないのだ。

    大して仲が良かったわけではない。

    それでも一つの喪失が目の前に突き付けられたことには変わりはなかった。


    〈SANチェック〉0/1

    夏油(70) dice1d100=25 (25)

  • 10二次元好きの匿名さん26/04/10(金) 22:22:56

    新スレやっほい!

    >>3

    刑事夏油メモ欄だけでもう好き

  • 11126/04/10(金) 22:27:18

    〈SANチェック〉0/1

    【成功】夏油:SAN減少なし


    調査をして欲しいと、そう頼まれていた。

    だがそう頼んだ男はもう死んだ。

    だからこそ夏油が死神事件について調べなければならない理由はもうない。

    もうない、はずなのだ。


    パンを焼く気さえ失い、そのまま生白いままの食パンにジャムを載せる。

    そうして手早く食事を終えたあと、ブラックの缶コーヒーを飲んで一息吐いた。

    久し振りの休みだ。仕事にやりがいを感じる部分もあるとはいえ、多少の疲労はある。

    ここで自分が死神事件について調べなかったとして、誰が責められるだろうか。

    そんな思考を数分繰り返してから、夏油は大きく溜息を吐いた。

    考えても無駄だ。結局は、自分がどうしたいかでしかない。


    「死神事件、か」


    事件現場とやらは家から然程離れた場所ではないことをニュースが伝えてくれる。

    死神事件を担当するのは当然の如く知り合いであるが、どうにも折り合いが悪い男だ。

    規則を重んじるからこそ、時にはそういったものを飛び越えてしまう夏油や五条と相性が悪い。

    何故そんなことを聞くのかと、ネチネチ聞かれた挙句に時間だけが過ぎていく可能性が高かった。


    ならば、そう。今の自分に出来るのは、それこそ事件現場に行くか、行かないか。

    その程度だろう。


    ≪行動指定≫死神事件の事件現場に行く?行かない?

    ①行く or 行かない

    ②その他にしたいことなどあれば

    ①は必須、②はあってもなくても

    >>12

  • 12二次元好きの匿名さん26/04/10(金) 22:32:23

    行く

  • 13126/04/10(金) 22:42:19

    何もなかったかのように日常に戻るのは簡単だ。

    否、そちらの方が余程楽だろう。

    人の生き死に、その一つ一つに振り回されているようではやっていけない。


    だが、それでも。それでも、だ。

    見て見ぬふりを続けるのは――――性に合わない。


    「……折角の休みだったんだけどね」


    一つ溜息を吐きつつも、夏油は立ち上がった。

    だがその言葉とは裏腹に、ここで立ち上がれる自分の方が良いと、そうとも思える。

    ――――それが夏油傑と言う、男であった。


    それから手早く身支度してから家を出て、そうして到着した現場には黄色いバリケードテープが貼られており、その前ではたくさんの野次馬が事件を見ようと覗き込んでいる。

    ざわざわと飛び交う根も歯もない言葉と乾いたシャッター音が混じり合う雑音は朝には煩わしい。

    死体はすでに撤収されているようで同僚である警官たちは群がる人々の相手をしているようだった。

    話を聞くにしても中途半端に首を突っ込めば、良い顔はされないだろう。

    野次馬のことを悪しきように思えど、今の夏油は彼らと大差ない。

    いざという時、もっともらしい理由を作り上げてただの一般市民よりも深く中に入れる分、より厄介とも言えるかもしれない。


    向こうから見つけられても面倒だと、夏油は出来るだけ目立ちたくないと距離をとったまま後方で周囲に視線を向ける。

    こういった場合、犯人が素知らぬ顔をしながら現場を見ていることが少なくない。

    それが変わった事件、つまりは自己顕示欲がありそうな特殊な事件であれば尚更だ。


    〈目星〉

    夏油(60) dice1d100=70 (70)

  • 14126/04/10(金) 22:53:35

    〈目星〉

    【失敗】夏油


    とはいえ、野次馬の中に紛れながら周囲に気を配るには夏油は目立ちすぎる。

    むしろざわざわとした声が自分に向かっていると気付き、にこりと人好きのするような笑顔を浮かべつつも場所を移す。

    それでも視線が追って来るものだから、夏油は溜息の一つや二つ吐き出したくなった。


    と、その時だった。

    いきなり自分の肩にぽんと手が置かれる。

    多少の油断はあっただろうが、そこまで気を抜いていたつもりもない。

    誰だと焦りつつ、振り向けばそこには――――


    「何やってんの?オマエが休みの日に朝から徘徊してるとか珍しいね」

    「悟……」


    仕事上の相棒とも呼べるだろう相手、五条がいつもと変わらぬ雰囲気で手をひらひらと振っていた。


    「驚かせないでくれ」

    「別に脅かそうとしたわけじゃないよ。そっちが勝手に驚いただけでしょ?」

    「噓つけ。どうせ君のことだからわざと足音立てずに気配消して近付いてきたとか、そんなことだろ」

    「傑が気を抜いてなければ気付けたんじゃない?」


    そこまで喋ってから、夏油はふと気付く。

    事件現場は夏油の家からは近いが、五条の家からはそう近いとも言えなかったはずだ。

    たまの休みであることは同じだとしても、どうして五条がここに居るのだろう。


    〈アイデア〉

    夏油(85) dice1d100=61 (61)

  • 15二次元好きの匿名さん26/04/10(金) 22:58:59

    五条も調べに来たのかな?

    >>11

    ここの死神事件の担当うっすら宇佐美(鴻じゃない方)が浮かんでしまった

  • 16126/04/10(金) 23:05:46

    〈アイデア〉
    【成功】夏油

    ふと五条のことを改めて見れば、いつもと比べてほんの僅かにだが顔色が悪いように思えた。
    ショートスリーパーを自称し、実際に睡眠時間が一日の内の僅かな時間でしかない五条は寝不足で困っている様子を周囲の誰にも見せたことがない。
    言わずもがな高校の頃からの付き合いである夏油も同じである。
    風邪を引くことやそれ以外の体調不良もないわけではないが、休みの日であるならば体調が悪ければ家で寝ていればいい。
    自分の体調の変化に鈍感なたちではなく、症状として出る前に適切な対処をして重傷化させないことだって得意だったはず。

    そうこう考えていれば、夏油は五条と目が合った。
    すると五条は少し目を見開いてから、「あーあ、まあ丁度良いとでも思っておこうかな」とぼやく。

    「丁度良いって、君一体何を」
    「はいはい、話しはあと。ちょーっとお時間良いですかぁ?」
    「職務質問されるような覚えはないんだけどね」
    「僕たちする側だしね」

    と、そんな話をしながら五条が示したのは現場から少し離れた人気のない場所だ。
    そして辺りに人が居ないかを確認した後、五条は夏油へと向き直る。

    「良い話と悪い話、どっちから聞きたい?」
    「悟」
    「……へいへい、分かったよ」

    窘めるような響きを含ませれば、五条はおもむろに自らの服のボタンに手をかけた。
    質の良い生地を使っていると分かる、白いシャツ。
    上から幾つかのボタンを外してから、シャツをぐいと開いた。
    それは突拍子のない行動ではあったが、なんとなくその動作に嫌な予感しかしなかった。
    その下に待ち受けているものを気付けぬ程、夏油は愚鈍ではない。

  • 17126/04/10(金) 23:11:56

    そうして露わになった胸元には、当たって欲しくはない予想が当たっていたと証明するかのように常にはないとあるものが刻まれていた。

    そこにあったのは、小さな蕾だ。

    肌の上にくっきりと濃い痣が左胸の蕾を中心にして細く蔦のように広がっている。

    所々大きく刻まれている部分には葉のように見えた。


    「…………は、ッ」


    夏油はその蕾を知っていた。

    そしてそれが表すことの意味を知っている。

    つい最近、同じものを見た。

    死神事件の最新の被害者、今朝死んだ男が見せて来たものと同じもの。


    「あれ、もしかして知ってる?」

    「……知ってるも何も、同じものを昨日見たばかりだよ」

    「昨日ね。ソイツはどうなった?って聞くのは野暮か」


    つまり五条もまた、死神事件の被害者としてその喉元に死神の刃が迫っている証拠であった。


    〈SANチェック〉1/1d2

    夏油(70) dice1d100=25 (25)

  • 18二次元好きの匿名さん26/04/10(金) 23:19:03

    導入から察してはいたがやはりか

  • 19126/04/10(金) 23:23:37

    〈SANチェック〉1/1d2
    【成功】夏油:SAN-1

    ≪SAN減少≫
    夏油:SAN70→69

    その蕾を長く晒して置く気はなかったらしい五条は夏油がそれを見たと分かれば、手早くボタンを閉めていく。

    「朝起きたらこうなっててさ、まあびっくりしたよね。これって死神事件じゃんってさ」
    「びっくりで済む話じゃないだろう」
    「ドッキリの方が良かった?ま、ドッキリじゃないけど。あ、一応硝子の所行って血やらなんやら抜いて来たけど、結果は期待するなって。薄情だよね」

    肩を竦めた五条は一目見る限り、少々顔色が悪く見える程度で胸に死神事件の痣を宿しているようには一切思えない。
    常と変わらぬ、軽薄な素振り。心配する気も吹っ飛んでいく。

    「五条悟ともあろうものが、死神に負ける気かい?」
    「いーや、ンなわけねぇだろ」

    そうして覗くのは高校時代からどうにか矯正もとい大人らしい振舞いへと変わる前の五条の口調だ。
    それに合わせ、表情も挑戦的なものに変わる。

    「どうせアイツのところにこれぶら下げて言っても、部屋に閉じ込められて死ぬまで観察されて終わるだろ。そんなバカみたいなことになるくらいなら、自分で調べた方が百倍マシだっての」
    「それで、事件現場までやってきたって?」
    「センパイについて調べるべきだろ?こういう状況ではさ」
    「他に何か心当たりは?」
    「確証はないけど、異変と言えば昨日の夜に何かに噛まれたような気がすることくらい?ほら」

    そう言いながら五条が見せたのは左手の傷口だ。
    ほとんど治りかけているが、噛まれたような跡がある。

  • 20126/04/10(金) 23:33:29

    「暗い中だったし、すぐ逃げられたから何かまでは分からないけど」
    「君から逃げ切ったとは、相手も相当だね」
    「酔ったヤツに絡まれた後だったからだっての」

    五条は自他ともに認める下戸である。
    帰り道の途中、酔っ払いに絡まれただけでもその酒気で多少くらっと来ていたのかもしれない。

    「ちょっとその傷、見ていいかい?」
    「へいへい、どーぞ」

    敢えて互いにいつもと変わらぬように、そう振舞う。
    少しも動揺がないとも、未来への不安がないとも、そうではない。

    「硝子曰く、おそらくは小動物だってさ」
    「この噛み傷じゃ大きな動物には見えないよ」

    短い線のような跡が2つ並んでいるその傷を夏油が見続けても、新たな発見はない。
    夏油が顔を離せば、五条も腕まくりを解いた。

    「他に体の異常は?」
    「誤差、って言いたいけどちょっと体は重いかな。でも日常生活に支障はない程度。ま、つまりそこそこは動けるってこと」

    ――――と、そこまで話した時だった。

    「起きてから俺なりに解決方法を探したけど、分かったことは一つだけ。オマエももう勘付いてるだろうけどさ」

    そして五条は、微塵も怯えを見せずに笑う。

    「この蕾が咲くまで、おそらくは一日。多分、今日が終わって夜明けくらいが限界だろうな」

  • 21二次元好きの匿名さん26/04/10(金) 23:37:31

    思ったより猶予が短い
    小動物ってことは噛まれた時五条はしゃがんでたかそいつが飛び上がって噛んだか

  • 22126/04/10(金) 23:43:02

    「だからって死ぬ気はない。こんなもん程度で死んでやるほど、俺の命が安くはないって証明してやる」
    「今そこで捜査している彼らに助けを求める気はない、ってことかい?」
    「さっきも言ったけど、アイツらの前でこんなの見せたらどうやって死ぬかの確認だけされて終わるっての」

    そんなことはない、とは夏油も言えなかった。
    流石にそこまで露骨にはならないかもしれない、と思う程度。

    「大人しくじっとしてろって?そんなのごめんだね。それよりももっといい案があると思わない?」

    不敵に、一切の恐怖など感じさせないままに五条はいつもと同じ笑みを浮かべていた。

    「派手に暴れてやろうぜ、傑。これが最期の仕事になる?そんなの――――笑い飛ばしてさ!」

    遠慮など欠片もない。夏油が是を返すことしか想定していない、いつも通りの五条悟。
    ここまで趣味の悪い嘘など吐かないだろう。となればこれらは紛れもない現実のはずだ。

    「……はぁ」

    思わず零れ出たのは溜息だった。
    言いたいことは山ほどある。だがそれらを一つ一つ口にするには、時間が惜しい。

    「君の最期の仕事にはもっと相応しいものがある、ってことにしておこうか」
    「お、流石話が早いね傑くん」
    「悟と知り合ってから優等生からどんどん離れていく気がするよ」
    「オマエ自分が思ってるよりも全然優等生なんかじゃないからな?」

    何はともあれ、死神事件について調べなければいけない理由が再び出来てしまった、というわけだ。

    「ここで私と会わなかったらどうする気だったんだ」
    「は?ンなの出るまで鬼電かピンポン連打に決まってるだろ」

  • 23126/04/11(土) 00:01:18

    「とりあえず日下部さん強請って手に入れられた情報が幾つかあるんだけど、どれも大した情報じゃないんだよね」


    夏油の脳裏に「はー、待て待てなんで俺が巻き込まれてるんだ?そういうのは宇佐美に聞けよ」となんだかんだで教えてくれるお優しい先輩が浮かんだ。

    その宇佐美が教えてくれないのでなんだかんだで強請れば教えてくれる日下部がターゲットになりがちだ、と本人も分かっているのだろう。


    「まずは一つ目、この死神事件の被害者は何かに噛まれたことで感染して死亡してるんじゃないかってこと。つまりは感染症の疑いがある」

    「それでまずは硝子に聞きに行ったってことだね」

    「そっちでも目新しい情報はナシ。忙しいからさっさと帰れって追い返されたよ」

    「また徹夜でもしてたんじゃない?」

    「家よりも科捜に居る時間の方が長いもんな、アイツ」

    「それで他は?感染症によるものなら私たちに出来ることは何もないってことになりそうだけど」

    「これがただの感染症ならな。さっき痣見せたけど、最初は葉っぱと蔦が少し伸びてる小さなものだったけど、今は蔦も伸びて蕾もついた。徐々に成長するように広がってるけど、速度は不明。一応気付いた時に写真撮って、これも硝子に送ってる」


    そこまで言ってから五条は「んで、被害者の共通点も無し。犯人の特定も難しいってさ。俺が逮捕出来るならいつでもどうぞ、だとよ」と口にしつつ肩を竦めた。


    「…………それって結局できることは何も分からない、ってことにならないかい?」

    「ま、そうだな。これを一日で解決するってのは、なかなか難しくて丁度良さそうだろ?」


    世間を騒がせるニュースと、その渦中にいた五条。

    原因も犯人さえも分からない上に、タイムリミットは夜明けまで。

    不安など掻き消し、夜明けを越えるためにこれからどうするべきだろうか。


    探索場所【現場/過去の現場】


    ≪行動指定≫捜査しよう

    ①行動の指定(探索場所の指定やその他に何かしたいことがあれば)

    ②台詞の指定(言いたいことや聞きたいことなど、「」での指定や台詞の内容の指定もどちらでも可)

    ①は必須、②はあってもなくても

    >>24

  • 24二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 00:08:48

    現場の探索で

  • 25二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 00:12:27

    日下部と宇佐美も刑事なの謎に嬉しい
    ①現場の探索
    ②さっき微妙に注目を集めてたで「忍んで行くよ」と五条にも言っておくか

  • 26126/04/11(土) 00:19:52

    「新しい情報があるとはあまり思えないけど、一応バレない程度に現場の方を見てみようか」

    「俺たちがバレずに?」

    「…………無理だね」

    「無理だろ」


    約2m……とまではいかないが、体格のいい大柄の二人。

    しかも現場に居るのは同僚だ。

    ちらりと野次馬の方を見れば、先程とはまた違った顔ぶれが並んでいる。

    どうやら入れ代わり立ち代わりを繰り返し、ごった返しているらしい。

    もし近付き過ぎて五条が死神事件の手掛かりになると見做されれば、保護と称して大人しくしていろと監禁されかねない。

    なにせ、頭が固い連中である。それが時に活かされ重要なこともあれど、今の二人にとっては邪魔でしかなかった。


    「ここで目をつけられたら面倒だし、他行こうぜ」

    「過去の現場ならこうして人がごった返しているなんてこともないだろうしね」


    残念ながらここでの捜査は辞めた方が良いだろう。

    そして現場を離れる最中、野次馬たちの会話が聞こえて来る。


    〈聞き耳〉

    夏油(55) dice1d100=82 (82)


    dice1d5=5 (5)

  • 27二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 00:26:17

    忍べなかった!そりゃそうだ忍び歩きとか隠れるとかないと厳しそう
    新鮮な現場からあまり情報が落ちなかったな

  • 28二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 00:31:06

    過去の現場以外に五条が噛まれた場所にもなんかないかな
    噛んだやつはもうどっか行っちゃってそうではあるけど

  • 29126/04/11(土) 00:34:07

    〈聞き耳〉
    【失敗】夏油

    しかしありとあらゆる人間が好き勝手喋っている状況では、それはノイズにしかならない。
    それが自分たちへの、浮かれたような発言ならば尚のこと。
    流石に明日死ぬかもしれない状況でナンパなどされている場合ではない。

    【シークレットロール】

    と、その時だった。
    五条が夏油の腕を引き、そして足を止めた夏油の視線をとある二人へと誘導する。
    そこに居たのは主婦らしき二人組だった。

    「怖いわね〜これで何件目?」
    「3 か4 くらいはあったよね」
    「そういえばちらっと聞いた話……実際死体を見た人がいたらしいんだけどね、酷かったみたいよ〜」
    「そうなの?」
    「なんでも胸のあたりが裂けてたんだって」
    「え!?どういうこと?」
    「わかんないけどそうみたいよ。血塗れでよく見えなかったけど、って。怖いわよねえ〜」
    「怖いねぇ」

    しかし二人がそれに聞いていたことに気付いたのか、主婦たちはそそくさとその場を離れていく。

    「……知っていたのかい?」
    「そりゃね、聞いたし。もうちょっとマシなこと聞けるかと思って足止めたけど、そうでもなかったか」

    その言葉通り、五条の顔色が変わることはない。
    言っても仕方がないことだが、五条悟という男に当たり前の反応を求めても無駄だということだ。

  • 30126/04/11(土) 00:38:41

    今日はここまで、シークレットロールは別所で振ってるからその結果はシナリオ終了後に公開するよ

    五条の一人称や口調が"俺"と"僕"混在で進むのでちょっとややこしいかもしれないけど、高校時代からの友人の前では"僕"じゃなくて"俺"になりがちくらいの緩い認識でよろしくね

  • 31二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 09:29:13

    続き楽しみだわ

  • 32二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 10:24:40

    推定科捜研の女・硝子さんすこ

  • 33126/04/11(土) 18:58:05

    何はともあれ、立ち止まっているわけにはいかない。

    過去、死神事件で被害者が死亡しているのが発見された現場の内の一つに二人は向かうことになる。

    そこは何の変哲もない路地であり、調査は既に終わり片付けられているようだった。

    事件があった痕跡はなく、群がる人も居ない。


    「ここから何か手掛かりを見つけるってことかい?」

    「これで何か見つかるってことは同僚が如何に無能だったかの証明になるけど、無能であってくれた方が有難くはあるよな」

    「誰しも完璧に思えるものは完璧ではなく、そう見えているだけにしか過ぎないことの方がよくあるからね」


    そもそも日下部経由で情報を得ていたとして、それが全てではない。

    だからこそ今の自分たちが知らない何か、その気配や欠片がかつて人が死んでいたこの場から拾える可能性はゼロではない。


    「っても、明らかな見落としなんてもんは流石になさそうだな」

    「いっそのこと捜査資料でもちょっと拝借してくるかい?」

    「芋づる式で今の状況がバレそうだから却下、それは最終手段ってことで」

    「いやだな、私がそんなへまをするはずないだろう?」


    にこり。

    何も知らない人間からすれば人好きのする穏やかそうな笑みではあるのだが、それを受けた五条にはその真意まで当然見抜かれる。

    へまをするのは夏油ではなく、その辺の不幸な同僚だろう。

    おそらくそこまで仕事が出来るわけではなかったり、胸の内に黒いものを抱えていたり、脛に傷があったりと、そんな感じの。

    とはいえ五条も必要ならば似たようなことをする。夏油とは違い、もっと分かりやすく堂々とだ。

    そんなことをしているから死神事件の担当と少々どころではない程度に関係に亀裂が入っているのだと、最早言うまでもなかった。


    〈目星〉

    夏油(60) dice1d100=7 (7)

  • 34126/04/11(土) 19:15:34

    〈目星〉

    【スペシャル(技能値の1/5以下)】夏油:追加情報


    半ば本気の提案の裏、視線を周囲へと向けていた夏油は一枚の葉っぱが落ちているのを見つけた。

    周囲を見渡してもそれらしい植物は生えていない。

    どこかから飛んできた、にしては葉の様子が綺麗過ぎた。

    落ちていた場所は自動販売機のゴミ箱の下。

    そこから飛び出ていた葉は乾いていたものの、形は割と綺麗なままだ。

    一本裏に入った路地のため、街路樹からは少し距離もある。

    そしてコンクリートが敷き詰められた道から草木が生えていると言うようなこともない。


    見慣れないものだと思いながら、写真を撮って検索するもヒットするものはない。

    そうこうしていれば、別の方へと視線を向けていた五条が近付いてきた。

    夏油が持つ葉っぱ


    「何持ってんの」

    「葉っぱ」

    「見りゃ分かる。……街中とかでも見たことない種類か?」

    「私も見覚えないけど、それなら尚更なんでこれがここに落ちてたのかが問題だね」

    「でもそれ、どこかで見たような気がすんだよな」


    独り言のように呟いた五条の言葉に、夏油も改めて葉っぱに視線を戻す。

    同じものを見た記憶はない、はずだ。

    だがその言葉には確かに引っかかるものがあった。


    〈アイデア〉

    夏油(85) dice1d100=93 (93)

  • 35二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 19:18:35

    現場に落ちてるなら被害者の周りにある植物の葉っぱかな
    しかし夏油失敗か

  • 36126/04/11(土) 19:32:36

    〈アイデア〉
    【失敗】夏油

    しかし夏油にはピンとくる何かはなかった。
    違和感のみが募っていき、答えは出ない。

    【シークレットロール】

    しかしその時、五条は「あ」と零す。
    そうすれば五条はスマホを取り出し、一枚の写真を画面に移す。

    「見ろよ、傑」

    そこに映し出されていたのは上半身裸の五条が自分を鏡越しに撮った一枚。
    その一部を拡大すれば、中心に映し出されたのは胸元の痣の葉の部分だ。

    「実物を見たのは初めてだけど、この痣と同じものだろこれ」

    実際そう言われれば納得してしまう程度に、その痣の葉と目の前にある葉は似ていた。
    改めてその葉っぱの写真を撮るも、それが分かったとしてどうするかという問題はあり続けるまま。

    「……死体の周りには同じ花が咲く」
    「そ。ならそっち側からのアプローチもありだよな」
    「そういやこの近くに植物園もあったし、そっちでも一応聞き込みにでも行ってみようぜ」

    それで何か新しい情報が得られるかどうか。
    不安は募る、と言うよりも希望は見えないが当の本人である五条は未だにいつも通り。
    「硝子にも送っとくか」なんて呟きつつそれを実行するも、芳しい結果は得られなかったようだ。

  • 37126/04/11(土) 19:42:06

    二人が居た場所から然程離れていない場所にあった植物園の名は、菊田植物園。

    緑地公園内にある小さな植物園であり、規模だけで言うならばそう立派なものではない。

    しかしこぢんまりとはしているがバラ園や温室があり手入れもしっかりとされているようで年中訪れる人は多い。

    今の時間もまばらではあるが人が歩いている姿を見る。


    「ここ来たの初めてだけど、傑は?」

    「私も初めてだよ。知り合いでも居たら話は早かったかもしれないけどね」


    そうこう話しつつ、植物園の中へと入れば受け付けのカウンター越しに座っている女性と目が合った。

    素朴そうなその女性は大柄な男が並んで入って来たことにぱちくりと瞬きをしてから、にこりと微笑んで挨拶をしてくれる。


    「いらっしゃいませ、ようこそ菊田植物園へ」


    そしてよく見れば、その女性の胸には「学芸員:菊田」と書かれた名札が付けられている。


    「入場料は100円です。もし興味があればどうですか?中には様々な種類の植物がありますよ」


    ≪行動指定≫捜査しよう

    ①行動の指定(植物園の中に入るor"菊田"に話を聞いてみるetc)

    ②台詞の指定(言いたいことや聞きたいことなど、「」での指定や台詞の内容の指定もどちらでも可)

    ①は必須、②はあってもなくても

    ※菊田に話を聞く場合、聞きたい内容も書いてね

    ※もし菊田に話を聞くという行動安価が通った場合、少しの間聞きたいことを安価外からも拾うので気軽にレスしてね

    >>38

  • 38二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 20:47:31

    ①菊田に話を聞く
    葉っぱ見せて同じもの見たことがないかとか最近園で変わったことはなかったかとか変な客が来てないかとか…聞けるかな

  • 39126/04/11(土) 21:14:09

    "菊田"植物園の"菊田"さん。
    無関係とは到底思えず、しかも学芸員となれば知識もそれなりに豊富……なはずだ。
    互いに目配せをしたのは一瞬、最初に声をかけたのは夏油だった。

    「こんにちは。少し話を聞いても良いですか?」

    こういった時、五条よりは話が通じそうに見える点は夏油にとって利用しやすい。
    思ったよりも普通に話が出来そうだと、そう思わせることは相手の安心や油断を招きやすいのだ。

    「はい、私で良ければ。どうかいたしましたか?」
    「実はね、この近くで拾った葉っぱがどうにも見慣れなくて。自分でも子供みたいだとは思うけど、近くに植物園があったのを思い出して聞いてみようかな思ったんです」

    そう言いながら葉っぱを見せれば、菊田は「拝見しても良いですか?」と視線を葉っぱへと向ける。
    まじまじと見つめた後、「見たこともない植物ですね……」と呟いた。

    「少なくともウチで扱っている植物ではありません」
    「はは、それは残念だ。童心に帰っても、何か分かるとは限らないってことですね。少し勿体ないような心地になるな」

    そんな夏油の言葉に、菊田は「ただ……」と何事かを口にする。

    「どうかしましたか?」
    「いえ、思い過ごしかもしれませんので、すみません」

    そう言うと菊田は「お力になれなくてすみません」と困ったように頭を下げた。

  • 40二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 21:16:09

    思わせぶりだ菊田さん
    なにか教えて菊田さん

  • 41126/04/11(土) 21:25:32

    これは何かあるな、とはわざわざ口にせずとも分かる。

    とはいえ夏油は敢えて話の流れを変えた。


    「いえいえ、こんなことをいきなり言われたも困りますよね?こちらこそすみませんでした」


    そう言いながら一度葉っぱを手元に戻す。


    「こうして実物を持って来て、これはどんな植物かと聞かれることはよくありますか?」

    「えぇと、たまにありますよ。夏休みなどの自由研究で子供が来たり」

    「じゃあこうして大人がこんなことをするのは、やっぱり珍しいことだったかな」

    「子供だろうと大人だろうと、何かに興味を持ったり日常での疑問について調べることは大事だと思います」

    「それなら良かった。変わった人が来たと嫌がられてしまえばどうしようかと」

    「いえいえ、そんなことはありませんよ」

    「ですが変わった人が来たな、なんて思う日もあったりするんじゃないですか?」

    「あはは、確かに受付でお財布を忘れたことに気付いて大慌てする方を見掛けると……あ、違いますよ!変わった人だと思ったんじゃなくて、つい思い出しちゃうってだけですから!」

    「同じように園内でも何かあったりして、それが忘れられないってこともあったりしますか?」

    「うちはそこまで大きな植物園でもないですし、観光地ってほどのものじゃないですから。地域の皆さまが大切に使ってくださるので、そう変わったことは起こってませんよ。本当にありがたいことです」


    ともなれば尋問になりそうな内容を世間話の一つとして夏油は尋ねていく。

    先程の口籠りはともかく、こうして聞いていれば現時点では菊田に怪しい点は見られない――――はずだ。


    ≪行動指定≫菊田に話を聞こう!

    ①聞きたい内容・菊田にしたいこと(相手が口籠ったことを聞き出すなら交渉技能が必要)

    ②台詞の指定(言いたいことや聞きたいことなど、「」での指定や台詞の内容の指定もどちらでも可)

    ①は必須、②はあってもなくても

    >>42

  • 42二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 22:11:41

    交渉技能使ってさっき言いかけたこと聞き出したいな…
    あと五条が小動物につけられた噛み跡の事も何か分からないかな?最近園に見慣れない生き物がいなかったかとか
    なんなら世間話っぽい流れで直接見せてるように五条に促す

  • 43126/04/11(土) 22:29:17

    「あ、僕からも少し良い?実はさ、この近くで小動物っぽいのに噛まれたんだけど、この辺りで飼ってるペットに逃げられたとかそういう話って聞いたことない?」


    口調は明るく、五条は「参ったよ~」と口にしながら腕まくりをして傷を見せれば菊田は遠慮がちに「病院には……」と告げる。


    「勿論、すぐに病院には行ったよ」

    「そうですか、よかったです。えぇと、私の知る範囲ではペットに逃げられたという方の話は聞きませんね」

    「この中にその小動物が逃げ込んでたりとかもしない?僕みたいに噛まれたら、お客さんも菊田さんも困るでしょ」

    「園内でそういった小動物が居たという話も聞いてませんが、一応注意喚起をしておきますね。ありがとうございます」

    「是非そうしてよ。子供なんかが噛まれたら、それこそ一大事だろうし」


    一連の会話で、話をしていない方は菊田の反応を窺っている。

    少なくとも葉を見せた時以外には怪しい反応は見られなかった。

    と、なればだ。少々踏み込んだ話をしてみるのも手だろう。


    「そう言えば、さっきの葉っぱの話だけど、思い過ごしでも良いから聞かせてくれないかな」


    そう告げれば、菊田は「え」と驚いたように固まった。


    「私の勘違いでしたら、困るので」

    「勘違いかどうかは、聞いた私たちでまた考えるとするよ。折角なにかヒントがあるなら、私も今日ここに来てよかったと思えるような思い出にしたいしね」


    学芸員という立場があるからこそ、言い淀むのだろうか。

    もしくは他の理由なのか、少なくとも今の二人には分からない。


    「どうかな、菊田さん。少しでも話を聞かせてくれないかな」


    〈言いくるめ〉

    夏油(70) dice1d100=21 (21)

  • 44二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 22:29:33

    世間話から入った場合刑事だと明かすのは悪手…かな?分からん

  • 45二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 22:34:42

    実は私こういう者でして(手帳スッ…)はわりと見るパターン
    あっ言いくるめで何か話してくれそうだ

  • 46126/04/11(土) 22:36:58

    〈言いくるめ〉
    【成功】夏油

    夏油がそう言うと、菊田は「分かりました。ですが、本当に私の勘違いかもしれないので」と前置きした上で話し始める。

    「知らない植物で、こうして見たのは初めてのはず……なんですが、どこかで見たかもしれないとも思ったんです」

    そう言われ、二人の脳裏に過ぎったのは痣だ。
    まさか彼女や彼女に近しい誰かに痣が?と思うも、どうやらそうではないらしい。

    「実は私の父は植物学者で、植物園を経営しながら様々な植物を研究していたんです。それで私も父の研究資料を読んだことがあるんですが、もしかしたらそこに載っていたものかもなと思って」

    そこまで告げると菊田は「本当に、見たかもしれないと思っただけで、確証はないんです」と申し訳なさそうに続けた。

    「それなら折角だ、あなたのお父様に話を聞かせて欲しいな。今はいらっしゃるのかな?」
    「すみません、父は今不在で」
    「いつ頃帰って来られるか分かりますか?ここまで来たなら、あなたのその記憶が正しいかどうかご自身も知りたいでしょう?」

    しかしそう畳みかければ、「すみません」と困ったような表情を浮かべた。

    「もしかして忙しいとか、フィールドワークでいつ帰って来るか分からなかったりする?」
    「その……」

    少し迷ったように間を置いてから、菊田は不安そうに「実は、しばらく帰って来ていなくて……」と零した。

    「それは……」
    「でもたまにあるんです!父も研究熱心な人なので、だからすみません。父がいつ帰って来るのか、私にも分からなくて」

  • 47二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 22:43:48

    お父さん変な神とか信奉してないかな
    なんか遺体の胸が避けてたこととそのまわりに痣と同じ花が咲くって痣から物理の花が咲いちゃうのかなって感じがする

  • 48二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 22:50:01

    既に犠牲者になってるパターンもある?
    でもそしたらこの人に身元確認の連絡来るか

  • 49126/04/11(土) 22:54:58

    これはどちらだ。
    若干物騒かつ不穏な想像が二人の脳裏に過ぎった。

    ――――と、そうこうしていれば二人の背後から「すみませーん」と親子らしい声が聞こえて来る。

    「はーい!今行きますね!」

    そう口にしてから菊田は改めて二人にお辞儀をしてその声の主の元に駆け寄ろうとしたのだが、五条が「待って」と菊田を呼び止めた。
    思わず夏油が「悟」と呼び止めるよりも早く、五条は何かを菊田へと手渡した。

    「とりあえず、200円。折角だし植物園も楽しませて貰うよ。色々教えてくれてありがとね」
    「は、はい!ありがとうございます。庭では季節の花を中心に、温室では多肉植物や温かい地方の植物を展示してます。それぞれに簡単な解説の看板もあるので、ごゆっくりどうぞ!」

    そう告げる菊田は心なしかほっとしたようなもので、父親のことを彼女もかなり心配していたのだろう。
    それでも気丈に己の業務を果たすべく、敢えて日常を続けているのだと察せられた。
    菊田と別れ、そのまま植物園に入ってから夏油は深く息を吐く。

    「植物園でゆっくり?そんなことをしている時間が私たちにあるとは思えないけど」
    「ここでゆっくりするってより、あの子が居ない場所で作戦会議ってことだよ。で、どうする?」
    「警察だって名乗って研究資料を見せて貰うのが一番話は早いかもね」
    「せめて失踪してからどれくらい経ってるか分かればもっと話しやすいだろうけど」
    「あの言い分だと長くて一、二週間くらいかな」
    「本人が失踪じゃなくてフィールドワークで忙しいと思い込もうとしてるなら、そこを刺激するとどうなるか」
    「出来れば確証がないなら穏便に行きたいものだね」

    彼女の父親は完全に死神事件と無関係なのか、もしくは関係者なのか。
    関係者だとして、巻き込まれてしまったのか、それとも諸悪の根源なのか。

  • 50二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 23:01:59

    タイムリミットが短いから時間がシビアでドキドキするな

  • 51126/04/11(土) 23:02:28

    「死神事件の犠牲者って既に全員身元の確認済んでるよね?」


    夏油がそう問えば、五条は「そのはず」と短く答えた。


    「あーあ、これじゃ尚更どっちか分かんねぇな」

    「おそらく彼女は何も知らないと見たけど、悟は?」

    「俺も同意見。あんな分かりやすく『私何か知ってます!』なんて中途半端に見せる利点ないだろ」

    「彼女が白だったとしても彼女の父親までは白とは限らない、か」

    「とりあえず園内軽く見回って、んで一段落したらまた話聞くか」

    「私たちが名乗らずに研究資料を彼女が確認するか、それか見せてくれるのが一番楽だけど」

    「流石にそこまでバカじゃねぇだろ」

    「はは、バカであってくれた方が助かるけどね」


    そんな夏油の言葉に「げぇ」とあからさまに引いたような顔をした五条は咲き誇る花へと目を向ける。


    「ないって言ってたけど、一応"コレ"と同じものが無いか軽く見てみるか」


    ついでに、なんて言いながら五条は「コレ」と口にした時に己の胸を親指で二度叩く。

    そのシャツの下にある痣は今どの程度広がっているのだろうか。

    だがそれを確かめたとして、出来ることは一つもない。


    「目的もなく歩き回るよりは、そっちの方が多少はマシかもね」


    〈目星〉

    夏油(60) dice1d100=74 (74)

  • 52二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 23:09:55

    70が意外と成功しない
    噛まれた傷って牙みたいな感じなのかな
    植物関係だと昆虫のがありそうだけど虫刺されって感じではないのかな

  • 53二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 23:15:25

    ちょっと口が悪い夏油すき

  • 54126/04/11(土) 23:19:16

    〈目星〉

    【失敗】夏油


    外側から見た温室は規模の小さなものだという印象を受けたが、実際中に入ってみれば植えられた背丈の高い植物たちのおかげもあってか開放的に思える。

    そしてガラスでできたドームから差し込む陽の光を浴びて葉は艶やかに見え、心地が良い。

    どれも丁寧に手入れされているようで、立派に群生している。


    「こんな時じゃなければ、もう少しゆっくりしようと思えたのかもしれないけど」

    「はいはい、明日でも明後日でも勝手に来ればいいだろ」

    「悟が一緒なら悪くはないかもね」

    「ウワ、見ろよこの鳥肌」

    「こっちも見てよコレ」

    「なんで言った方も鳥肌立ってんだよ」


    互いにブツブツになった腕を見せつつ、その後小さくド突き合う。

    一歩間違えば絶望しか見えず、それこそお通夜かのような雰囲気になってもおかしくはないがそうはしない。させない。


    【シークレットロール】


    とはいえ、結局菊田の言葉通りに痣と同じ葉を持つ植物は見当たらなかった。

    しかし二人がそろそろ温室を出るかと、揃ってそう思い始めた時だった。


    「誰かソイツを捕まえてくれ!」


    唐突に大きな声がその場に響き、振り向けば何か小さな影が二人に向かって突進してくるのが分かった。


    〈DEX×5〉

    夏油(17*5,85) dice1d100=70 (70)

  • 55126/04/11(土) 23:24:45

    〈DEX×5〉

    【成功】夏油


    目の前に飛んできたそれを反射的に夏油は掴んだ。

    そして感じるのは、生き物らしい生暖かさと柔らかさ。


    改めて自分が掴んだものを見れば、それは一匹のネズミだった。

    ジタバタと暴れており、今も尚逃げようとしている。


    「オマエ、何捕まえて……は?」


    五条が夏油の手の中を覗き込み、絶句した気配が伝わって来る。

    ネズミだ。それは確かにネズミに見えた。

    シルエットはネズミのそれで、遠目で見ればネズミにしか見えないだろう。

    だが――――違う。


    その手足は自分の、つまりは人間の手を小さくしたようなものがついており、必死に暴れつつ夏油を見上げる顔だって人と同じ骨格をしている。

    人間の顔を持つ、奇怪な生き物。

    唯一ネズミらしい部分と言えば、鋭い歯を持っていることくらいだろう。


    〈SANチェック〉0/1d6

    夏油(69) dice1d100=5 (5)

    五条(??) 【シークレットロール】

  • 56二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 23:29:06

    人面ネズミ…!?いや小さなおじさん系?
    捕まえられたの流石だし動じてなくて流石だ…

  • 57二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 23:31:16

    明日が来ないかもしれない状況での軽口好き
    こいつに噛まれたんだとしたらさっきの軽口の比じゃない鳥肌立ちそうだぜ

  • 58二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 23:33:14

    このネズミの顔が父親とおんなじだったりしたら怖いな

  • 59126/04/11(土) 23:34:46

    〈SANチェック〉0/1d6

    【成功(SANチェックにクリティカル適応なし)】夏油


    「キショ……」

    「うわ……」


    二人のドン引きしたような声が同時に響く。

    出来るだけ持っていたくはない夏油がどうにか五条に押し付けようとするも、目にも留まらぬ速さで距離をとられる。

    本来なら有り得るはずのない奇妙な生き物を前に、二人の心を占めていたのはとにかく気持ち悪いなこれ、であった。

    そんな二人を前に、先程叫んだ人物がのそのそと二人へ近づいて来る。


    「ああ、ありがとう。あ、ソイツに噛まれると面倒だからね、気を付けてくれ」


    そうして目の前でピタリと止まったその人物は、日本人の平均身長をゆうに超える二人よりも更に身長が高かった。

    後で一つに束ねた紺の髪がだらりと前に垂れており、前髪で隠れて片方しか見えないその瞳は眼鏡越しでもライムグリーンに輝いている。

    声質とその骨格的に男だろうか。

    白衣を身に纏った男は低く心地のいい声で礼を言った後、安堵した様子で夏油の手の中で暴れていたネズミを拾い上げた。


    「助かったよ。やっと見つけたのに、随分すばしっこくてね」


    絶句が続く二人を前に、男は「ん?」と不思議そうに首を傾げた後、「あぁ、私の名前は新沢。しがない研究者さ」と続けた。


    ≪行動指定≫新沢と妙なネズミ(仮)と遭遇、どうする?

    ①聞きたい内容・したいこと

    ②台詞の指定(言いたいことや聞きたいことなど、「」での指定や台詞の内容の指定もどちらでも可)

    ①は必須、②はあってもなくても

    >>60

  • 60二次元好きの匿名さん26/04/11(土) 23:37:15

    ①質問する
    このネズミは何か
    噛まれると面倒とは何が起こるのか
    なんの研究をしているのか
    やっと見つけたってことは前から探していたのか

  • 61126/04/11(土) 23:58:00

    「さっき私が捕まえたその……ネズミ。明らかに変だけど、それは何ですか?」

    「ちょっと変わったネズミだよ。君の言う通りにね」

    「ちょっと変わったネズミの範疇を越えているように思えますが」

    「そう?ネズミ怪人と言ってね、神話生物だよ。ネズミ怪人もネズミのようなものだろう?」


    神話生物。二人には聞いたことのない響きだ。

    しかしそれをツッコミを入れるよりも早く、男は続けた。


    「こいつがね、死神事件に関与しているからちょっと調べたくて。それで探していたのさ」

    「――――死神事件?」

    「あぁ、ちょっと興味があってね。個人的に調べているんだ」


    点と点が予想外の繋がりを見せる。


    「あなたは研究者だと仰っていましたが、あなたの研究と死神事件に何かしらの関与があるんですか」

    「聞いても分からないと思うよ」


    嘲るでもなく、当然のことのように新沢はそう告げた。

    それでもと、夏油が食い下がれば新沢は自身の研究内容とやらをつらつらと話してくれる。

    しかし専門用語や理解しがたい言葉の羅列と、一般常識があるのならば普通は想定していないであろう奇異な内容は聞いているだけで頭痛菓子、不快なものがこみあげて来る。


    〈SANチェック〉0/1

    夏油(69) dice1d100=75 (75)

    五条(??) dice1d100=7 (7)


    〈INT×1〉

    夏油(17) dice1d100=23 (23)

    五条(??) 【シークレットロール】

  • 62二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 00:03:59

    菊田父の研究仲間だったりする?植物学者と言うにはおぞましいものを研究してるようだけど…

  • 63二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 00:04:33

    研究内容聞いたの余計だったかな
    SANチェック入っちゃった

  • 64126/04/12(日) 00:06:45

    〈SANチェック〉0/1
    【失敗】夏油:SAN-1

    ≪SAN減少≫
    夏油:SAN69→68

    〈INT×1〉
    【失敗】夏油

    どうにか理解しようと試みたが、それらの内容は夏油の脳内を素通りしていく。
    話を聞いているだけで襲い来る頭痛に抗い切れず、新沢が「と言うわけだけど、聞いても聞かなくても同じだったようだね」と肩を竦めていた。
    隣の五条も同じようなものらしく、聞き捨てならないようなことを言われていた気がするも、それらを深追いするなと本能が警鐘を鳴らしていた。

    「……あなたの研究内容については、分かりました」

    正しく言えば、分からないことが分かったと言うべきなのだが。

    「そのネズミに噛まれると面倒とは、一体何が起こるんですか?そんな奇妙な生き物を探していたのはいつから?」

    菊田の時とも違い、思わず問い詰めるような雰囲気になってしまったのはネズミ怪人なんていう生き物が目の前に現れたせいだろうか。
    あれを鷲掴みしてしまった時の奇妙な感触が手の中に蘇るようで、夏油は無意識で硬く握っていた手を開く。
    しかしそれらの質問に対し、新沢はゆるりと首を傾げた。

    「どうして君たちにそんなことを教えないといけないのかな」
    「先程のネズミを捕まえたのは私ですが」
    「あぁ、それには感謝しているよ。ありがとう」

    しかしそれっきり、新沢が口を開くことはない。

  • 65126/04/12(日) 00:12:44

    「実は僕たちも死神事件について調査しててね」

    「そうか。それは大変だね」


    だから情報共有と情報交換をと、そう匂わせた五条の言葉にも新沢は特に態度を変えない。


    「それじゃあ目的のものも捕まえられたし、私はこれで失礼して良いかな?」


    そう告げる新沢は既に踵を返そうとしており、このままでは逃げられる、もとい、帰ってしまうだろう。

    どこか底知れぬ何かを持つような新沢に対してどうするか、夏油は考えた。


    おそらく新沢は何かを知っている。

    そしてその何かは自分たちが知らぬものだろう。

    ならばそれを易々と逃すのか?否、それは駄目だ。


    「僕たちが知る情報には興味がない?」

    「うぅん、そうだね。言ってしまえばそうかな」

    「何故?」

    「何故って、知る必要のないことを知る意味はないよね」


    暖簾に腕押し。このままじゃ埒が明かない。

    さて――――どうするべきだろうか。


    ≪行動指定≫新沢は帰りたそうだ、どうする?

    ①言いたいことやしたいこと

    ②台詞の指定(言いたいことや聞きたいことなど、「」での指定や台詞の内容の指定もどちらでも可)

    ①は必須、②はあってもなくても

    >>66

  • 66二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 00:27:59

    ①捕まえた際にそのネズミに噛まれたとハッタリをかましてみる
    (噛まれたのは五条という設定で)どうしてくれんだと二人でやんわり責める
    実際変な噛み跡はあるし疑われたら言いくるめで…!変なことになったらごめん五条

  • 67126/04/12(日) 00:34:39

    新沢にハッタリをかますと決まったところで、今日はここまで
    割と一本道シナリオだから今回はちょっと安価少なめかもしれない

    因みにこのシナリオの推奨技能は戦闘技能なので楽しみにしててね
    ダイス目が腐らないように今からスレ主は祈っておくよ

  • 68126/04/12(日) 00:49:30

    存在しない盤外ではちょいちょいKP五条がシークレットロール振りながら「あ」とか「あー……」とか「うーん……」って呟いてるよ

    「あからさまにやっちゃった、ってオーラ出さないでくれる?シークレットロールの意味がないと思うんだけど」
    「因みにヒントね、今回の僕のダイス運はそこそこ」
    「そこそこならまあ、この後の戦闘のことを考えると――――」
    「悪い!そこそこ悪いよ!戦闘を期待しておいてね」
    「敵の回避とかで出目が腐るなら幾らでもどうぞ」
    「そう言われるとクリティカル出したくなるな」
    「そんなこと言ってる時こそ100F出すんじゃない?」
    「は?それは傑の方だろ?」

    因みに戦闘技能が推奨のシナリオの時点で戦闘あるだろうな、って思うのはあるあるだよ

  • 69二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 08:18:33

    シークレットロールで地道にSAN減ってて戦闘間際に発狂とかもコワイネ…
    人面ネズミに噛まれた!って当たり屋する二人想像したらちょっと面白い

  • 70二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 08:39:39

    盤外のお2人が楽しそうでなにより

  • 71126/04/12(日) 16:22:44

    「……このネズミに噛まれたら面倒なことになると言ったのはあなたですよね?」


    夏油がそう口にしたその瞬間、五条は夏油が話をどう持って行くつもりなのか想像がついた。

    我関せずを貫く相手ならば、相手の土俵へと上がり込んでしまえばいい。

    つまり、相手にとって無視できない状況に仕立て上げる。


    「確かに私は無事捕まえられました。ですが」


    視線を向けられる間もなく、五条は左腕を抑える。

    そこにあったのは小動物か何かに噛まれた傷跡だ。

    今さっき出来たものではない。昨日の夜に出来たもの。


    「僕、それに噛まれたんだよね。面倒なことが起こるって聞いたら、そりゃ何が起きるか聞きたくなるってものでしょ」


    実際にこの傷跡がそのネズミ怪人とやらのせいであるかは分からない。

    だがそれはこの際、然程重要ではないだろう。


    「……噛まれた?」


    その時、初めて新沢は驚いたように目を見張った。


    「そう。傑が捕まえる前に、ガブっと。傷見る?」

    「私たちにはあなたの話を聞く権利があるはずです。もしくは、その面倒ごとを自分たちでどうにかするためにそのネズミを渡して貰うべきではないでしょうか」


    いざとなれば傷を見せる前に、爪でも軽く立てて今さっき噛まれた風に演出しても良い。

    それで相手がこちらに何かしらの誠意を見せれば重畳。そうでなければ――――ほんの少しだけ押しが強くなるだけだ。


    〈言いくるめ〉

    夏油(70) dice1d100=9 (9)

  • 72126/04/12(日) 16:37:05

    〈言いくるめ〉
    【スペシャル】夏油

    「あなたが協力してくださるのならば、共にその面倒ごととやらに立ち向かうことも悪くはないでしょうね。ですがあなたがそ知らぬふりをするのならば、私たちは自分たちの身を守るためにそれなりに必死にならなければいけなくなる。面倒ごとに負われた人間が、時には非効率的な程に感情的になり、勢いで動くようなこともある。とても残念なことに、ね」

    そこまで告げると夏油は一度言葉を切る。
    そして薄い笑みを唇に乗せながら、一息で告げた。

    「これでも私は友達思いなんです。分かってくれますよね?」

    その言葉に五条が新沢の見えないところで左腕だけじゃなくて右腕を擦る。
    表面だけ聞けば「友達が心配だから助けて欲しい!」と言っているかのようだが、実際には「協力しないと何するか分からないけど良い?」である。
    良いはずはない、のだが新沢は夏油ではなく五条の全身を上から下まで眺め、小さく笑った。

    「君を噛んだのはただのネズミだったんじゃないかな」

    しかしそれでも誤魔化そうとする新沢を前に、五条の眉がぴくりと跳ねる。

    「それとも――――その証拠でもあったりするのかな」

    そう言いながら新沢は小首を傾げる。
    そしてそんな新沢を前に、夏油は確信した。

    「あるよ」

    ただ言葉を交わすだけでは通じない。おそらく脅しも効かない。
    そんな相手を動かす唯一があるとすれば、その方法を夏油は言葉を交わしたことで、新沢と正面から向き合ったことで、確信する。

    「花が咲くんだ。――――そのネズミのせいでね」

  • 73126/04/12(日) 16:57:10

    "花が咲く"。
    その言葉を聞いた新沢は五条を見つめ、「本当かい?あぁ、いつ噛まれたかじゃなくて君の胸に痣があるかってことなんだけど」となんてことの無いように口にした。
    死神事件を調べていること。そして五条が昨日の夜に何か小動物のようなものに噛まれていること。
    それから痣が浮き出ていること。先程男が語った研究内容のその欠片たちがどうにか一つの答えとして、夏油の中に死神事件の正体を思い浮かばせる。
    五条は少し怪訝そうな顔をした後、溜息と共に「あるよ」と答えた。

    「噛み跡と痣、どっちも証拠として見せられるけど」

    五条がそう告げれば、新沢は五条の肩をがしりと掴む。

    「それを早く言ってくれなきゃ困るよ。そうとなれば話は別だ!私のラボへと行こう!」

    五条が振り払う間もなく、そのまま五条を引っ張って音質を出て行こうとする。

    「は?行くとは言ってないしまずは話を聞かせてくれれば、って力強くない?ちょっと、新沢?新沢サン??」

    そのあまりにも分かりやすい態度の変わり方に呆気に取られていた夏油も、五条が「傑テメェ!!オマエも道連れだからな!おい!!」と叫んだことで我に返り、新沢の後へと続いた。

    「……いやぁ、これは良かったんだか悪かったんだか、分からないね」

    とはいえ何らかの進展はありそうだ。
    新沢が信用出来るかは全くの別問題であるとは言え、死神事件について自分たちが知らないことを知る機会にはなるだろう。
    ――――おそらくは、だが。

  • 74126/04/12(日) 17:12:55

    細い路地を進んでとあるビルの一角へと進んでいく五条たちを追えば、ドアを開いて迷わず地下階段を降りていく。

    そうして突き当たりの扉を開け、続いて夏油も中に入ればそこは広めの研究室のようだった。


    白い清潔な壁、床に散らかった書類達、乱雑に本が詰め込まれた棚、これ以上物の置き場が無いような机。

    いかにもといった佇まいの部屋だ。

    書類にチラリと視線を送ればこれまた理解出来ないような言語だったり小難しい内容だったり、まあありていに言えば、汚い。


    「あれ、君もついて来たのか」

    「私の友人は寂しがり屋のようだからね」

    「あ゛?薄情なオトモダチさまは言うことが違いますね~~??」

    「まあいいや、その辺の棚に死神事件についてまとめたものがあるはずだから読んでいていいよ。君はこっちね」

    「良いとは言ってないんだけど?ねぇ、なぁ、おいってば……おーい!!」


    そして五条は再び新沢に引き摺られるようにして、奥の部屋に引っ込んでいってしまう。

    扉は閉まり、扉越しに二人の声が聞こえてくる程度だ。


    「それにしても悟を引き摺るって、結構な馬鹿力じゃないか」


    五条よりも更に身長が高いとはいえ、そうムキムキにも見えない。

    考えれば考えるほど何か良からぬドツボにハマる気がして、夏油は一旦考えるのを辞めた。


    新沢曰く、棚に死神事件について書かれた資料が入っている、らしいが……。


    探索場所【部屋全体/棚/奥の部屋】


    ≪行動指定≫

    ①行動の指定(探索場所の指定やその他に何かしたいことがあれば)

    >>75

  • 75二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 17:17:10

    ①棚の探索
    いつ噛まれたかじゃなくてって言ってるあたり今噛まれたってのは嘘だと気が付かれてるかな

  • 76126/04/12(日) 17:23:25

    いつ新沢が出てくるか分からない以上、優先すべきは死神事件について調べることかと判断した夏油は棚へと目を向けた。

    五条のことが心配ではないわけではないが、いざとなればどうにかするだろう。たぶんきっと、おそらくは。


    棚の中身は一見適当に詰め込まれたように見えるがジャンルごとにフォルダ分けされているようだ。

    ただ、開いたところに無理やりつめたのだろう。

    ギッチギチで取り出すのにも一苦労しそうだ。


    「この中のどこかに死神事件についての資料がある……のか。事件の発生から考えてそう古いものではないはずだけど」


    分かりやすく書いてあるのか、それとも中を見なければ分からないのか。

    とりあえずさらっと背表紙を追っていこうと、一つずつ目を通していくことにした。


    〈目星〉

    夏油(60) dice1d100=80 (80)

  • 77126/04/12(日) 17:28:53

    〈目星〉
    【失敗】夏油

    然程時間はかからない内に、「死神事件について」と書かれたファイルを見つけられた。
    だがみっちみちに詰まっているファイルは少し力を入れた程度では抜けない。

    「……整理されているんだか、そうじゃないんだか」

    溜息を吐いてから、夏油は背表紙に指をかけて全力で引っ張った。
    少しずつズレていくファイルは、どうにか上手く引き出せた――――かに思えた。
    だが勢いあまって隣のファイルや書類までも一気にドサドサと手前に落ち、挙句の果てには棚の上に置いてあったらしいファイルが夏油の額へと激突する。
    角がサックリ刺さった、とまではいかないが痛い。結構、いやかなり痛かった。

    「~~~~~ッッッ!!!!!」

    ギリギリ悲鳴を上げることは堪えられたが、生理的な涙が若干滲む。
    深く息を吸い、吐いてから本当に小さな声であまり綺麗な言葉でない何かを吐き捨ててから死神事件についてと書かれたファイルを足元から拾い上げた。

    ≪HP減少≫
    夏油:HP17→16

  • 78126/04/12(日) 17:37:47

    <死神事件について>


    雑な字で事件の簡単な概要と関連する神話生物の記述がある。


    【事件概要】

    ・最近街を騒がせている連続不審死事件

    ・被害人数は現在までで4 人

    ・犠牲者は植物の蕾のような痣が胸あたりに浮き出てくる

    ・蕾は徐々に成長して花が咲くと死に至る

    ・対象者が死亡した時、心臓を食い破って植物が這い出てくる。遺体の周りに花が咲くように見えているのはこれのせいだろう

    ・発芽条件は確証ないが要因はおそらく地獄の植物だと推測。これに関してネズミ怪人が媒介になっているようだ。生息地については別途確認

    ・死体の一部を拝借して解剖。魔力が微量に通っていることから大元を断てば解決はすると見ている


    【地獄の植物について】

    強力な魔術師や神話存在によって宿主の体に埋め込まれ、宿主によって運ばれる。

    この異界の種子は植えた存在によってあらかじめ定められた時がきたり、状況が訪れると発芽する。

    当然宿主は即死する。

    本来地獄の植物が発芽する時は宿主の体を切り裂き、のたうつ粘液質の塊として噴出し、宿主の体が倒れた場所に根を張り動くことはできないが、今回の事象で確認したものは地獄の植物よりも自然界の植物に近く、根を張る力も薄くそのまま警察に撤収されているようだ。

    その点も含めて改良されていると判断していいだろう。

    ─――─上記を踏まえて、地獄の植物を何かしらの意図で改良し散布している。

    協力関係を結んでいるらしいネズミ怪人が噛み付いた相手に種を植え込む。

    発芽に至る速度は解析中である。



    読み終われば、今も尚五条の体に巣食っているだろうその痣の正体を知る。

    予想以上に、否、考えることさえもなかったような悍ましい真実がそこにはあった。


    〈SANチェック〉1/1d3

    夏油(68) dice1d100=48 (48)

  • 79126/04/12(日) 17:54:49

    〈SANチェック〉1/1d3

    【成功】夏油:SAN-1


    ≪SAN減少≫

    夏油:SAN68→67


    思わず奥の部屋の方を見るも、未だ扉越しに聞こえて来るのみで出てくる様子はない。

    五条の元気そう(?)な声が聞こえて来るので、大丈夫そうだ、多分。


    「詳しいことのその全てまで理解できたわけではないけど、やっぱり悟が噛まれたのはあのネズミか」


    ネズミと呼ぶのもネズミに失礼が気がするも、心のどこかであれに噛まれるのはごめんだと夏油は二重の意味で思った。


    「地獄の植物という"何か"の寄生。そしてそれが発芽する時に対象者は死に至る」


    しかしここに書いてあるものは解決策ではない。


    「心臓を食い破って植物が這い出てくるのなら、すぐに治療が行える場所ならどうにか……いや、それは最終手段だ」


    ふう、と息を吐きつつ夏油は他に何か情報はないかと部屋を見回すが、そもそも部屋全体が取っ散らかっていて汚い。

    資料が散乱している程度なので足の踏み場はないが埃が溜まっているということはないだろう。

    どうやら整頓は苦手なようだ。


    「……またさっきみたいに何かが落ちて来ても嫌だしね」


    〈目星〉

    夏油(60) dice1d100=24 (24)


    〈幸運〉

    夏油(70) dice1d100=72 (72)

  • 80126/04/12(日) 18:00:09

    〈目星〉

    【成功】夏油


    〈幸運〉

    【失敗】夏油


    先程の恨みもあるのか、足元にあったものを若干行儀悪く足で退けたりしながら部屋の中を見回っていれば、部屋の隅に見慣れないものを見つけた。

    それは大きめの透明な筒のようなものだ。

    液体で満たされたその筒には薄桃色の物体がぷかぷかと浮いている。


    「こ、れは……」


    それがなんなのか、夏油には分かった。

    脳みそだ。

    こんな部屋の隅に、まるであって当たり前のものかのように人間の脳みそがガラスの筒に収まっている。

    思わず視線を逸らせば隣にも同じような筒が置かれていた。

    その奥にも、その奥にも。

    隠されている訳でもなくそれらは鎮座している。

    ――――新沢の研究とは一体、何をしているのだろうか。

    一度は聞いてしまった、その内容が分からないままで蘇る。

    分からない。分かりたくはないそれを前に、夏油は瞼を下ろしてゆっくりと息を吐いた。


    〈SANチェック〉1/1d3

    夏油(67) dice1d100=11 (11)

  • 81二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 18:02:29

    情報もあるけどヤバいもんもいっぱいあるなこの部屋

  • 82126/04/12(日) 18:08:37

    〈SANチェック〉1/1d3

    【成功】夏油:SAN-1


    ≪SAN減少≫

    夏油:SAN67→66


    個人として、刑事として、聞かなければと思う。

    だが今優先すべきは五条の身に巣食う地獄の植物とやらを取り除くことなのだと、そうも思ってしまうのも確かであった。

    既に失われた命と、今失いかけている命。それらを天秤にかけ、より多くを救えるように動く。

    その割り切りは必要だった。刑事として、そして人々を守るものであろうとするならば尚更に。


    「……それにしても、随分時間がかかっているようだけど」


    少なくとも今の自分に出来ることはない。

    動くとしてもそれは今ではない。

    そう言い聞かせながら、夏油は奥の部屋の方へと歩いていく。

    新沢が五条を連れて入っていった部屋で、そこはどうやら鍵がかけられているらしい。

    しかもかなり頑丈そうな扉で、殴ったり蹴ったり暴力に走っても開けるのは難しいだろう。

    漏れ聞こえて来る声はやはり元気そう(?)だ。


    〈聞き耳〉

    夏油(55) dice1d100=38 (38)

  • 83126/04/12(日) 18:20:31

    〈聞き耳〉
    【成功】夏油

    耳をすませば向こうのやりとりが明瞭に聞こえて来た。

    「はい、口開けて」
    「は?ンぐ……ッ!ゲホッゲホッ、おえッッ!!!ンだよこの色は!!!!」
    「え、綺麗でしょ?まあなんでこんな色になってるか私も分からないけど」

    「ふむ、なるほどね。実際にこうやって痣が広がっていくんだ」
    「見せるとは言ったけど、触って良いとは言ってないんだけど?ねぇ?」
    「はいはい。邪魔だから退けて」
    「写真撮れば?好きなだけ見て良いからさ」
    「それなら写真を撮るのに一日貰って良いってことかな」
    「いいわけないでしょ」

    至極冷静らしい新沢の声と、五条の困惑とキレが混じった声が聞こえて来る。
    時折物騒な機械音だったり金属が擦れ合う音だったり、ガラスが割れる音が聞こえてきたりと何が起きているのか全く想像がつかない。

    「これ以上は金取るからな!!!」
    「いくら?お金には困ってないから幾らでも良いよ」
    「これ以上僕にツッコミさせないでくんない!!!?!?」

    珍しく人に振り回されている五条(夏油がそう思っているだけで割と振り回されていることもある)の声を聞きながら、思わず少しだけ笑ってしまえばそれから然程時間も経たず、奥の扉が開かれる。
    そこから出てきたのは上機嫌そうな新沢と、げっそりとした顔をした五条であった。

  • 84二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 18:21:20

    夏油と脳の組み合わせは非常によろしくない
    五条とりあえず生きてはいるようだけどモルモットにされてないかな

  • 85二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 18:23:29

    よかった元気そう(?)だ
    げっそりした分なにか分かってるといいね

  • 86126/04/12(日) 18:29:01

    疲れを露わにした五条は珍しく大人しいまま、夏油の方へとやって来て新沢と距離をとる。
    痣を見せるためにシャツを脱いだのだろうが、服には皺が寄ってよれていた。
    そして口の端には何故か蛍光色の液体が付着している。

    「……悟、口についてるよ」
    「げ……思い出させんなよ」

    そう言いながら口を拭った五条はそのまま近くにあった椅子に勝手に座り、そのまま項垂れた。
    どうやら相当疲れたらしい。

    しかしそんな五条とは対照的に、新沢は足取り軽く夏油の方へとやって来た。
    足元に散らばった紙類をさっと避けつつ、簡素な椅子に腰かけて頬杖を突く。

    「いやぁ、素晴らしいね!死ぬ前の被検体を見るのは初めてだったからね。色々と見させて貰ったよ。本当に良かった良かった」

    かなりご満悦そうに瞳を輝かせていたが、それだけ好奇心を満たさせた五条はもはやピクリとも動かない。
    そこまで消耗した、と言うよりはもう関わりたくないのだろう。

    「それで、資料は読めた?今は気分が良いから、少しくらいなら君の疑問に答えてあげてもいい気分なんだ」

    ≪行動指定≫新沢への質問タイム
    聞きたいこと(複数可)
    ※〆るまで募集

  • 87二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 18:46:59

    ・大元を断つとは何をすればいいのか
    ・菊田植物園の園長の研究資料にこれと似た植物があったかもしれないことと現在姿を消していることは知ってるか
    ・地獄の植物を取り除く方法はないのか
    ・部屋にあった脳みそは何か

  • 88二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 18:49:24

    既に寄生した地獄の植物への対処法があればやっぱり聞きたい
    進行を和らげるとかもだけど大元を断つってどうすればいいんだ
    部屋の脳と菊田父との繋がりがあるかも気になるな、何の研究をしてるのか…

  • 89二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 20:01:06

    何故かレインボーバリウム飲まされる五条想像して笑ってしまったけど大丈夫か?
    夏油の言いくるめスペシャルのくだり好き
    がんばってほしいけど脳とか研究内容深入りするとまたSANが脅かされそうでもあるので耐えてほしい

  • 90126/04/12(日) 21:22:18

    「ここにあった資料には、大元を断てば解決すると書いてあった。だけど肝心の大元を断つためのその方法までは書かれていない。あなたはその方法とやらに思い当たる点はありますか」
    「まずそこからか。うーん、その問いにはイエスと答えておくよ。でもその答えは後回しだ」
    「……何故?」
    「説明にするにはまだ少し情報が足りなくてね。だけどその情報の在処の場所にも覚えがある。おそらく君たちが求めている答えを私は用意できると、今はそう答えておこうかな」

    機嫌が悪いよりは良い方が好ましい。
    だがそれでも薄く透けて見える、この得体の知れなさは一体なんだろうか。

    「なら地獄の植物を取り除く方法か、もしくは既に寄生した後でも対処法はあるということで良いんですよね」
    「そうだね。と言うよりは、もう対処済みだよ」
    「……そう、なんですか?」
    「さっき彼に飲ませたのは今回の件で使えそうな薬でね。とはいえ試験段階で効果が出るかは分からないから、あまり期待はしないでくれ」
    「あの蛍光色の液体にそんな効果があったのかよ……」
    「君、知らずに飲んだのか?」
    「ならオマエも同じ目に遭ってみるか?三角フラスコをいきなり口に突っ込まれる経験とか人生に三回もあってたまるかよ」
    「二回あったことの方が驚きだけどね」
    「硝子と歌姫の夜勤明け、二人は二徹」
    「悟が悪いってことだけは分かったよ」

    多少元気を取り戻したのか、もしくは自分の体のことが気になってか五条が口を挟むも別方向で頭が痛くなるような情報がお目見えした。

    「で、その効果とやらは?」
    「確証が出るまで公表したくない主義なんだよね。まあ、これで死ぬことはないから安心していいよ」

    そう言いながら新沢はにこりと笑う。
    どこかで見たことがあるような無いような、どちらにせよコイツ言う気が一切ねぇ!と分かるだろう。

  • 91126/04/12(日) 21:42:28

    「ではまた別のことを聞かせてください」
    「いいよ。君たちに時間があるなら、付き合ってあげる」
    「……菊田植物園を経営している植物学者の菊田さんがここ最近姿を消していることは知っていますか」

    そう尋ねれば新沢は「そうらしいね」となんの気負いもなく答えた。

    「…………、菊田さんの研究資料にこれと似た植物。つまりは地獄の植物が記載されていた可能性があるそうです。そのことについて、どう思いますか」
    「どう思う、か。随分と遠回しに聞くね。もっと聞きたいことがあるんじゃないかな」

    ライムグリーンの瞳がきらりと瞬く。
    紺色の長い髪、その束ねた先が首を傾げると共に小さく跳ねた。

    「――――あなたの部屋にあった脳味噌は、一体誰のものなんですか」

    脳味噌と夏油が口にすれば、五条は怪訝な顔をする。
    当然、奥の部屋に連れて行かれた五条は部屋に脳味噌があったことなど知る由もない。

    「ふふ、あはは。そうか、君はあの脳味噌が菊田くんのものだと思ったのか。くく、面白い発想だね。でも残念、あれは菊田くんのものではないし、私は彼の失踪には何ら関係はない」
    「なら、あれは」
    「私からの答えは一つだよ。今の君たちに抱える問題に、あれは一切関係ないことだ」

    そう告げてから新沢は少し目を細め、唇の端を持ち上げる。

    「君たちには解決しなければならない問題があるんだろう?」

    それは明らかな線引きだった。
    これ以上立ち入るなと。もしくは立ち入るのならば、この奇妙な共闘関係すらも崩れ去ると。
    場に緊張が走り、掌に汗が滲む。
    そんな状況でも奇妙な程に、新沢のみどりの瞳は強く輝いていた。

  • 92126/04/12(日) 21:57:28

    だがその緊張状態は新沢が手を叩いたことで霧散する。


    「今回の君の痣の原因は地獄の植物だ。だいぶ改良されているようだけど、元々魔術師や他の神話生物が使用して植え込むものなんだよ。あ、魔術師や神話生物とは何か?なんて聞かないでくれよ。話が進まなくなるからね」


    魔術師や神話生物。それらはやはり夏油や五条にとっては聞き覚えのないものだ。

    実在するのか、という点についてはネズミ怪人という実例を見てしまえば理解せざるを得ない。

    ファンタジーや空想でしかないと切り捨てるには、死神事件を中心に常識が通じない何かが多過ぎる。


    「話を戻すと、今そのネズミ怪人が他の生物への植え込みを担っているんだ。だからその足役じゃなくてそれを支持している大元をどうにかしないと君の痣が消えることはないってことだ」


    そう言いながら新沢は指先を五条の胸元へと向ける。

    指先が触れることはないが、それはまっすぐと痣の在処を示しているように見えた。


    「私としてはね、最近物騒な事件が多くて落ち着いて自分の研究が出来ないのに困っているのさ。だから君たちが解決したいと言うのなら、出来る限りの協力はしてあげるよ」


    どうする?と新沢は細い指を組みながら、二人を見た。

    ライムグリーンの眼は相も変わらずに輝いており、言葉とは裏腹に二人を逃すものかと執念のようなものが感じられる。


    ≪行動指定≫新沢の誘い

    ①受ける or 受けない

    ②台詞の指定(言いたいことや聞きたいことなど、「」での指定や台詞の内容の指定もどちらでも可)

    ①は必須、②はあってもなくても

    >>93

  • 93二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 22:13:10

    安価下
    大元の対処法も薬の効果も教えてくれないなんてなんて胡散臭い
    タイムリミットあるし協力しないとどうにもならなそうだけどなんか交渉しておくべきこととかないかな大丈夫かな

  • 94126/04/12(日) 22:32:15

    ここで受けても受けなくても即座にゲームオーバーとかデッドエンド!完!とはならないからどうしたいか、
    どういったシーンが見たいかを言うようなノリで大丈夫だよ
    それこそマズい方向に進み始めたらKPCである五条も方向修正するのに手伝ってくれるからね

    安価下

  • 95二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 22:35:23

    ①胡散臭いけど情報欲しいので受ける
    ②可能ならちょっと新沢に心理学振ってみたい
    今の君たちに抱える問題に、あれは一切関係ないってことは地獄の植物の被害者とかでもないのかな脳…

  • 96126/04/12(日) 22:46:58

    何もかもが怪しい男ではあるが、自らの研究への執念だけは本物のように思える。
    死神事件をどうにか解決することが新沢にとってメリットとなり得るなら、死神事件が解決するまでの間は味方と考えてもいいのではないか、とも。
    とは言え信頼は出来ない。いつ裏切られてもおかしくないとも思う。
    それでも虎穴に入らずんば虎子を得ず。情報を得るためにはリスクを負わねばならない。

    「……悟、良いかい」
    「断っても仕方ねぇだろ」

    そう答えた五条は口パクで「今は、な」と続ける。

    「死神事件の解決は私たちにとって今この瞬間、一番重要なことだ。それを解決出来る手段をあなたが知っているというのならば、あなたの手を取らない理由はない」

    そう告げれば、新沢は「そうか、よかったよ」と満足そうに頷いた。

    「さて、早速だけど先程から言っている通りにこの問題を解決するためには大元を叩く必要がある。だが問題が一つ、その場所を私は知らない。君たちもそうだろう?」

    その言葉通り、大元とやらがどこにいるかなど夏油と五条が知るはずもない。

    「ただ、心当たりはある。さっき君が言っていた、菊田植物園だ。あそこの経営者である男、菊田くんとは元から面識があるんだ。と言うか、地獄の植物の存在を彼に教えたのは私だよ」
    「……は?」
    「こういう使い方をするとは思わなかったけどね」

    〈心理学〉夏油→新沢
    【シークレットロール】

    あまりにも素っ気なく、然して重要ではないことかのように新沢の口から告げられた言葉は衝撃的なものであった。
    となれば諸悪の根源はこの新沢なのではないか、とも思わせる。
    だが夏油は新沢が心の底から地獄の植物と菊田に関して興味がなく、結果的に自分の研究を邪魔になっていることのみが気にかかっているのだと分かる。
    新沢にとっては菊田の生死もどうでも良いのだろう。
    だからこそ彼が手を下したわけではなさそうだ、とも想像がついた。

  • 97二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 22:51:46

    勝手にやらかしたみたいだね知らんけどって感じか…

  • 98二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 23:01:08

    これは成功してそう
    新沢地獄の植物にも興味がないんだな

  • 99126/04/12(日) 23:01:40

    「知識のひとつとして教えはしたけどね、その後のことは知らないよ。こんな面倒なことをすると分かっていたら、教えなかったのに」
    「……つまり、あなたは菊田さんが元凶だと?」
    「元凶か、巻き込まれたかのどちらかの可能性が高いんじゃないかな。そのどちらだとしても、私が思うことは変わらないよ」

    元凶なのか、それとも巻き込まれた被害者なのか。どちらであるかは大きな違いがあるはずだ。
    少なくとも夏油にとってはそうだ。
    助けるべき不幸な被害者か、それとも。

    だが脳裏に過ぎるのは、菊田植物園で会った人物。
    彼女にとっては父親が何をしていようとも、早く会いたい大切な人となる。
    どんな悪人だろうとも、その人を大切に思う人物が居るかもしれない。
    だがそれを考えていては、犯人の逮捕や捜査を続けられなくなる。
    警察とは、刑事とは人を救う職業ではない。幼い頃に夢見た正義は、実際誰かを助けるものではないと既に夏油は知っている。
    一つゆっくりを息をしてから、夏油は新沢を見返した。
    そして五条は我がことであるというのに、その決断を夏油に預けるかのように口を閉ざしている。

    「…………、菊田さんが関与している可能性が非常に高いことは分かりました。それで、どうするんですか」

    夏油がそう尋ねれば、「簡単だよ」と新沢は答える。

    「彼の研究室を見に行こう。それできっと、大元の場所が分かるはずさ」

    そして三人は新沢のラボを後にし、植物園へと戻ることになった。

  • 100126/04/12(日) 23:22:15

    ラボを出て植物園へと戻る頃には日は落ち、紺に染まる空には星が瞬き始めていた。
    特に言葉を発することもなく淡々と先を歩く新沢の後ろをついて行く。

    「あーあ、もうこんな時間だよ。完徹は避けたいんだけど、明日も仕事だし」

    そんな言葉を零す五条の横顔が時折街灯に照らされ映るが、顔色はあまり良くない。

    「……君は硝子の所に行った方が良いんじゃないか?」
    「デカい荷物寄越すなって怒られて終わりでしょ。それにこのくらいまだまだ余裕」

    そうは言っているが、朝よりも足取りも重く見える。
    どんなに問い詰めても「大丈夫」「問題ない」としか言わないであろうことは今までの付き合いで夏油も分かっていた。
    軽薄でふざけた振舞いをするくせに、自分が為すべきことだと判断したことに関してはやり通す。
    実際にかつてとある事件の際、途中で肋骨を数本折っていたのにそれを隠して犯人逮捕までやり遂げた。

    「ここで引けなんてそんなつまらないこと言わないよな、傑」
    「どうせ言っても聞かないくせに」
    「言っても無駄なことをわざわざ言わないだろ?」
    「はいはい、その通りだよ。私が優しいことに感謝しな」

    そうは言えど、街が夜を迎えようとしている今、痣のリミットも近付いてきているのだろう。
    だが、もしくはだからこそ、五条は最後まで足掻くと決めている。

    「むしろオマエの方こそ寝なくて大丈夫かよ」
    「生憎、今は目が冴えててね。少しも眠る気なんて起きないんだよ」

    こうして並んで歩くことは珍しくもなんともない。
    そしていつか今日のことを思い出し、あんなこともあったなと笑い飛ばしてみせる。
    ――――今日を特別な日になんてさせてたまるか。

  • 101126/04/12(日) 23:27:41

    そんな時間ともなれば植物園もとうに閉館している。
    明かりは消え、扉には閉館のプレートが下げられていた。
    新沢はそんな扉をスルーして薔薇の咲いた庭へと歩みを進める。
    躊躇いなく奥へと進んでいき、ひとつの扉の前で立ち止まったかと思えば、コンコンとノックした。
    しばらくして「はい」という返事と共に扉が開けられ、顔を覗かせたのは昼に見た学芸員の女性、菊田だ。

    「あら、新沢さん」

    菊田は新沢の方を見てにこりと微笑み、そして夏油と五条を見て驚いた表情を浮かべる。

    「あなたたちは昼間の……お知り合いだったんですか?」
    「まあね。夜分にすまないが、少し頼みたいことがあって」
    「はい、なんでしょう?」

    よほど親交があるのだろうか、菊田はにこやかに新沢に対応する。
    中途半端に口を挟んでも仕方がないと、夏油も五条も「先程振りですね」「どーも」と簡単な挨拶だけで留めた。
    そして新沢は表情を崩すことなく淡々と続ける。

    「君の父上の研究室を見せてくれないだろうか」
    「え、うーん……新沢さんがそう言うのであれば……ですが鍵が掛かっていて開かないんです」
    「それは大丈夫。鍵は持っている」
    「あら、そうなんですか?では、はい。大丈夫です」

    菊田からの許可が取れたことがわかると、ありがとうとだけ伝えさっさと踵を返しまた別の場所へと歩き始めて行く。
    二人もついて行こうとすれば、菊田はペコリと会釈をして見送った。
    そして新沢は庭のさらに奥、隅の方にぽつんと建っている小屋のような建物の扉の前で立ち止まった。

  • 102二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 23:29:43

    シナリオ的に戦闘もあるっぽいんだよな
    私たちは最強なんだパワーで乗り切ってくれ

  • 103126/04/12(日) 23:34:49

    「ここが研究室だ」

    新沢はそう言いつつ、ポケットに手を入れた。
    自分たちだけなら菊田の信用を得てこうして研究室の中に入ることは出来なかっただろうと、そう思いながら鍵が出てくるのを待った――――のだが。

    「じゃあ許可ももらったことだしお邪魔しようか」

    そんな言葉と同時、どこからか取り出した針金をドアノブについている鍵穴に器用にねじ込み、かちゃかちゃと細かく動かす。
    数秒と経たぬうちにかちゃりと小気味の良い音が聴こえ、そのままドアノブを捻り扉を開けた。

    「はい、どーぞ」
    「……待ってください、鍵を持っているんじゃなかったんですか」
    「あるよ、これ。ここが開いたならこれも鍵ってことだよ」

    そう言いながら針金を摘まんでフリフリと軽く振る。
    どこからどう見ても犯罪行為。刑事としては見逃せないシーンではあるのだが。

    「新沢さん。あなたは何者なんですか?」
    「あれ、言わなかったっけ。私は研究者だよ」

    研究者はこんな空き巣のような真似をしない。むしろ絶対にするな。
    若干目が厳しくなった二人を前に、新沢は全く気にせずに研究室の中に入っていく。

    「……傑、アイツどうにかムショにぶち込んだ方が世のため人のためな気がするんだけど」
    「奇遇だね。私もそう思うよ。君がヘマしてなければ今すぐにでもそうしたけど」

    そう言われてしまえば五条も口を閉ざさずにはいられない。
    まったくもってその通りとしか言いようがなかった。

  • 104126/04/12(日) 23:45:39

    そして新沢に続いて中に入れば、そこは酷く狭い部屋だった。

    壁は棚で覆われ、床に机、ありとあらゆる場所に文献や資料が詰め込まれているのがわかる。

    正直、新沢のラボといい勝負だろう。


    「研究者ってこんなんばっか?」

    「流石にそうじゃない……とは言えないかもしれないけど」


    脳裏に過ぎったのは彼らの同期の家入硝子。

    彼女もどちらかと言えば私生活ではずぼらである。

    流石にここまで部屋を汚くしている所は見たことがないが。


    「とにかく、その大元とやらが居る場所を調べれば良いんですよね?」

    「あぁ、そうだね。とりあえず手分けして探そうか」


    夏油と五条、そして新沢も加えた三人で研究室の中にある文献や資料などに目を通していく。

    机の上に夏油が視線を向ければ、資料や植物の標本などあらゆるものが置かれていることが分かる。

    散らかっているように見えるが種類別にまとめられていたりと几帳面な性格なのかもしれない。


    「妙な生き物が隠れてたりしないよな?」

    「洒落にならないことは言わないでくれ」

    「もし傑にも痣出たら写真撮ろうぜ!お揃いって硝子に送ったらどんな反応すると思う?」

    「無視以外にある?」

    「ないわ」


    気の抜けるような会話をしつつ、二人の手も視線の動きも乱れはない。

    実際そんなメッセージを送れば無視どころかブロックされる可能性まであったろう。


    〈目星〉

    夏油(60) dice1d100=25 (25)

  • 105二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 23:50:47

    このレスは削除されています

  • 106126/04/12(日) 23:52:15

    〈目星〉

    【成功】夏油


    夏油は机に広がる一冊の本に目が止まった。

    研究記録と題されたそれを見てみれば、日々の研究について書かれている。

    割と直情的な感想も書き込まれており、どちらかというと日記の印象を受けるだろう。

    気になる部分は以下の通り。


    <日記①>

    ○月×日

    研究が捗らない。品種改良による緑化活動の推進は思ったようにはいかないようだ。

    わかってはいたがこうも成果が出ないと焦る気持ちも出てしまう。

    しかし、あいつら馬鹿にしたような言葉ばかり吐きやがって。研究費用もさらにカットされるらしい。くそ。


    ○月×日

    とある研究者の男と出会った。名前は新沢というらしい。

    同じ研究者として話が合うのか、彼と会話しているのは楽しい。

    私の知らない知識を数多く所有しているようで聞いているだけで知見が広がる。

    未来に目を向けることもなく目の前の可能性の種を己の快楽のために潰そうとしてくる奴らとは大違いだ。


    ○月×日

    ある日、新沢くんに研究内容の相談をした。

    彼ほどの知識を持っていれば何かしらのヒントがもらえるかもしれないと思った。

    彼はひとつの植物?を教えてくれた。地獄の植物というものだ。

    正式には植物ではなく地球外生命体とかなんとか……この辺は正直よくわからなかった。しかし、話を聞いて興味が湧いた。

    人に寄生する種子、とのことだった。

    うまく活用すればどんな環境でも自生する植物が作れるかもしれない。これを取り入れてみよう。

  • 107126/04/12(日) 23:53:56

    <日記②>

    ○月×日

    地獄の植物を手に入れて、早速改良の研究を始めた。

    何もかもが私の知識の範囲外のもので困難を極めているが、知れば知るほど奥深いと感じる。

    うまく活用できると良いのだが。

    それにしても、新たな素材を使った研究のことを嗅ぎつけた他の奴らがまた軽蔑するような言葉を投げてきた。

    ああ、お前らみたいな奴が吐く二酸化炭素が無駄なんだよ。


    〜少し時間が空く〜


    ○月×日

    試作品ができた。

    この花を親として種子を作り出し、実験用のマウスとコンクリートに植え付けて検証してみたが、うまくいったのはマウスの方でコンクリートには根は張らなかった。

    地獄の植物の本来の性質的に生き物にしか寄生しないのだろうか。まあいいか。であればその性質を利用すべきだ。

    そうだ、本来の目的を思い出せ。

    どうやらこの花は多少の自我があるようだ。研究室に置いておくのも危険だ。

    裏手の路地の奥は人の出入りもない。そこで管理するとしよう。


    ○月×日

    概ね完成した。素晴らしい種だ。これを使えば人体に寄生、発芽させて花を咲かせることができる。

    地獄の植物の本来の性質とは大差ないが、寄生された際に心臓部に花の痣が浮かぶように改良した。

    発芽のタイミングが近づくにつれ痣が成長し、開花と同時に種も発芽する時限爆弾のような種だ。

    用途によっては兵器にもなる。人を減らし緑を増やす、私の理想の種だ。きっと誰もが欲しがるだろう。

  • 108二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 23:56:15

    なかなかの危険思想な人物だったようで

  • 109二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 23:56:34

    ちょいちょい思い出される硝子さん好き
    菊田父は品種改良のために?すごい人間嫌いが滲んでいる

  • 110126/04/12(日) 23:56:42

    <日記③>

    ○月×日

    実験のために私を軽蔑していた奴らに植え付けた。

    説明してやったら青ざめた顔で助けを求めてきた。バカな奴らだ。

    急に手のひらを返して賞賛の言葉を吐いてきたがもう遅い。

    親の元へ連れて行ったら錯乱していた。泣き叫び暴れ、やがて痣の花を咲かせて死んだ。

    汚い体からは美しい花が咲いていた。

    私の求めるものはこれだ。完成した。

    死んだやつは親の口へと放り込んだ。器用に咀嚼して消化しているようだ。

    心なしか前に見た時よりも成長しているような気がする。こんなに大きかったか?

    帰り際、ネズミに腕を噛まれた。これだから路地は汚くて嫌なんだ。ここも早く緑に囲まれてほしい。


    ○月×日

    くそ、やられた。私の胸元にも痣が浮き出てきた。あのネズミのせいだろう。

    まさか親がネズミを使って繁殖を試みているのか?だとしたら、満足だ。

    仮に私が死んだとしても私が作ったこの種は広がっていく。

    地球上を埋め尽くすことも夢じゃない。

    私の夢が叶うのだ。

    であれば私ももう用済みだ。

    生きているだけで環境を破壊するしか脳のない人間なんざこの地球には必要ない。

    早く養分になってやろう。



    日記はそこで終わっていた。

    そこに綴られていたのは一人の男が本来の目的を見失い、神話的生物に魅了され狂気に侵されていくさまだった。


    〈SANチェック〉0/1

    夏油(66) dice1d100=70 (70)

    五条(??) 【シークレットロール】

  • 111二次元好きの匿名さん26/04/12(日) 23:59:52

    親の元に?と思ったらこれ被害者の親じゃなくて大元の化け物のことだろうか

  • 112二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 00:04:21

    過激な花御みたいな…花御は過激か
    痣が出たってことはどこかで花が咲いて死んで発見されてないのかな

  • 113二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 00:08:04

    親に食われて直接的に養分になったのかも
    親と遭遇した時のSANチェックが怖いな

  • 114126/04/13(月) 00:09:18

    〈SANチェック〉0/1
    【失敗】夏油:SAN-1

    ≪SAN減少≫
    夏油:SAN66→65

    品種改良による緑化運動。
    始まりはきっと悪いものではなかったはずなのだ。
    植物学者という道を選び、そして菊田の娘である植物園で出会った彼女が父親と同じように植物を愛しているのも、その丁寧な仕事ぶりで伺えた。
    ならばきっと彼女にとっても父が愛した植物は好ましいものだったはずだ。
    そして父親も、彼女にとっては大切な存在だったはず。

    それが自らの理解を越えた、もしくは理解してしまったからこそ道を外れた。
    出来るはずのないことが出来てしまった。
    出来ると気付いてしまった。
    きっと一歩ずつ彼の歩む道は逸れて行ってしまったのだろう。
    どこかで誰かが気付けていれば、こうはならなかったのかもしれない。

    そもそも、地獄の植物なんてものを知らなければ――――

    「……ふぅん」

    日記を読み始めていた夏油の手元を覗き込んでいたのは、五条だけではなかった。
    いつの間にか後ろから覗き込んでいた新沢は日記を一瞥して、つまらなそうに呟く。

    「やっぱり、普通の人間は駄目だな」

  • 115126/04/13(月) 00:21:09

    ぽつりと落とされたその言葉には、あまりにも温度が無かった。
    だが瞬きの間に、新沢の顔には見慣れた微笑みだけが浮かぶようになる。

    「普通の人間は駄目だとは、どういう意味ですか」
    「ん?」

    微笑みだけが返され、それ以上語る気はないと一目で分かる。
    何度目かは分からないがこれも彼の引いたこれ以上立ち入るなと言う何かしらの境界線なのだろう。

    「それよりも、だ」

    そして顎に手を当て、考えるそぶりを見せて夏油と五条へと口を開く。

    「やっぱりと言うべきかな、元凶は彼が作ったそれのようだね。しかも始末の悪いことに、この様子だと彼も同じように寄生され、おそらく死んでいる。死体が発見されていないのなら、親と呼んでいる大元にでも自ら食べられに行ったのかな?実際にどうかは分からないけど」

    そう言いながら指を五条へと向け、くるりと回す。

    「やはり大元を叩くしかないみたいだけど、――――どこにあるかは見当ついたかな?」

    試すような口ぶりで、新沢は二人を見つめていた。

    ≪行動指定≫大元はどこにあるか
    大元はどこにあるか、の回答
    ※正解が出た時点で〆、出なければ〈アイデア〉も振れるので気軽に回答どうぞ

  • 116二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 00:22:16

    やはり出来ると気づかぬことが正気を保つコツ…

  • 117二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 00:26:24

    研究室の裏手の路地の奥で管理するって書いてあるからそこにあるのかな

  • 118二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 00:30:42

    人を食うくらいの植物?生き物?を隠せるなら温室くらいしか浮かばなかったけど普通に一般開放されてたし無理か

  • 119二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 00:35:44

    このレスは削除されています

  • 120126/04/13(月) 00:38:50

    >>117

    正解!


    ということで日記から読み取れた"研究室の裏手の路地の奥"に向かうことになる、というところで今日はここまで


    漸く元凶が突き止められて、ここからはバディらしく活躍していくぜ!となるはずだよ

    因みにKP五条はとある理由で「やっちゃったなー、ちょっとマズいか?でもどうにかなるなきっと、うん、たぶん」って感じになってるよ

    その理由はシナリオ終了後に公開するね

  • 121二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 00:46:25

    発狂でもしたか
    でも今のところ発狂してそうな変な動きはしてないよな

  • 122二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 09:56:58

    今知って一気読みしたけどいいなぁこの2人
    死ぬなよ…

  • 123二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 19:08:32

    わくわくあげ

  • 124126/04/13(月) 21:40:38

    「日記に書いてあった、この近くの路地裏の奥。そこに大元とやらは居るんだろう?」

    そう言えば新沢は満足そうに頷き、夏油のことを上から下まで一瞥したあとにっこりと笑った。

    「さすがだね。では―――路地裏へと向かおうか」

    夏油と五条もその誘いに乗らない理由はない。
    だが問題があるとすれば一つ、この辺りの路地裏の奥と言ってもその候補は幾らでもあるだろう。

    「手当たり次第に探すしかないんですか。それでは」
    「そんなことはしないよ。面倒だしね。でもその話はあとだ。とりあえず外に出て、実際にやってみた方が話は早い」

    夏油の言葉を遮った新沢は一足先に研究室を出ていく。
    二人がその後に続けば、公園からそう遠くない、植物園の裏手辺りにある路地の入り口で新沢は立ち止まった。
    廃ビルが並ぶゴーストタウンのような佇まいの路地は、街灯もなく真っ暗だ。
    背の高い建物に囲まれ、上を見上げればかろうじて切り取られた星空が絵画のように小さく映る。

    「さて、君たちの言う通りにこの路地にはそこそこの広さがある。しらみつぶしに探していては、夜が明けてしまうだろうね。そこで、だ。手っ取り早い手段を取ろうと思う」

    そう言いながら新沢は懐から先ほどのネズミ怪人を取り出し二人に見せながら口を開く。
    背景に溶けるような髪色とのおかげで暗闇に浮くライムグリーンが一層怪しく光っていた。

    「このネズミ怪人だが、何回か人を襲った形跡がある。しかし、体の魔術回路の状態的に一度の噛みつきで植え付けられる種はひとつ」
    「……つまり、そのネズミは大元に帰る可能性が高いと?」
    「そうだね。新たな種を大元から受け取っている可能性があるのと、ネズミの帰巣本能も備わっているようだからね。言いたいことわかるかな」

  • 125126/04/13(月) 21:57:22

    「つまり私たちにこのネズミを追えと」
    「この暗闇の中で?見失ったら終わりの状況で、こんなちっぽけな小動物を?」

    五条が若干嫌味のようにそう言えば、新沢は肩を竦めた。

    「それは私がどうにかしてあげるよ。だから君たちに求めるのは、コイツを追う走力と反射神経かな。温室で既に一度試しただろう?君たちはただ愚直に星を追って大元に辿り着き、それを叩けばいいだけだよ」

    星?と二人が疑問を呈するよりも早く、新沢は掴んでいるネズミ怪人にポケットから取り出した注射器をぶすりと刺し、中に入っていた蛍光色の液体を注入した。
    ネズミ怪人の小さな悲鳴のようなものが聞こえたかと思えば、ぼんやりと淡い光を放ち出す。
    暗闇の中で光るこれは確かに星――――なわけはないが、これで暗闇ですぐ見失うこともないだろう。

    「空に浮かぶものとは違って醜い星だね」
    「見難いよりは良いんじゃね?」
    「上手いこと言ったつもりかな、悟」
    「むしろオマエが振ったみたいなもんだろ」

    いつもと変わらない、日常の延長線上にある何の意味もない会話。
    出会った高校時代から二人の関係は変わったようで変わっていなくて、変わっていないように見えて変わった部分もある。
    それらが終わるかもしれないと、そう思いもする。
    死は人間にとって必ず訪れる終わりではあるが、その終わりがいつ訪れるのかは誰も知らない。
    だがその死神の鎌が今この瞬間も五条の喉元に迫っているのは事実である。

    ふと五条が夏油を見やった。
    表情はいつもと変わらないが、無理をしているのだろうということは夏油にはよくわかった。
    しかし暗闇で光るその目はギラつき、諦める気はないのだということも、よくわかっていた。

    「こんな面白い追いかけっこに参加しないなんて有り得ると思う?」

    好戦的に、何にも怯えず。
    死の気配など踏み躙ってやると言わんばかりの、五条らしさが少しも衰えぬ唯我独尊。

  • 126126/04/13(月) 22:02:27

    「夜明けまでまだ時間はある。――――俺たちなら余裕だろ?」

    五条は夏油に向かい、手を上げる。
    その手が意味することなど、明らかだ。

    「死神の手を取るよりも、オマエと死ぬまで暴れた方が楽しいに決まってる」

    五条派ニッと口角を上げてそう告げた。
    たとえ夏油が止めようとしたとしても聞くことはないのだろう。
    夏油とて、ここまで来たら止める気もない。
    タイムリミットは夜明けまで。それまでに解決すれば問題ない。

    「君なら死んでも地獄で大暴れして追い出されそうな気もするけどね」

    二人の手が勢いよく打ち付けられ、夜の闇を切り裂くように音が響く。
    そんな中、新沢はうつくしいみどりいろを輝かせながら手の中の目印を軽く振った。

    「さて、準備はいいかな?」

    「勿論」
    「むしろ待ちくたびれたよ」

    二人の答えと同時、新沢はネズミ怪人を路地へと放った。
    拘束から解放されたネズミ怪人は軽やかに着地すると自身を発光させたまま暗闇の先へと走っていく。
    見失う前に追わなければ。
    もはやアイコンタクトさえも必要なく、二人は同時に地を蹴って明日へと続く道しるべとなった光に向かって駆け出していった。

  • 127二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 22:09:31

    ゲーミングネズミ怪人気持ち悪い星だな!
    でも「死神の手を取るよりも、オマエと死ぬまで暴れた方が楽しいに決まってる」大好き

  • 128126/04/13(月) 22:11:17

    ≪ネズミ怪人を追って大元へと辿り着け!≫

    ・1d2を振って出た目のマスを進むことが出来る

    ・止まったマスに応じたイベントが発生する

    ・3マス目、6マス目は確定ストップ(強制イベント)

    ・6マス目がゴール


    進行マス

    dice1d2=1 (1)

  • 129二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 22:11:49

    いいね…そろそろ感電(♪米津)流すか…

  • 130126/04/13(月) 22:19:43

    二人は走った。

    夜の闇に相応しく、漆黒が広がる中でも自分たちから逃れようとする淡い光を見失わないために。


    光っているとはいえ、相手は小動物サイズ。

    下に落ちているゴミに隠れるように一瞬視界から光が消えることもあった。

    それでも焦らず、光の動きを視線で追って見えなくなった一瞬はその動きを予想して先に目を向ける。


    「昔、落とし物だって届けられた猫が逃げたのを追ったことあったよな!」

    「君が中途半端に構うから、そのせいで私まで怒られる羽目になった時のだろう!」


    あの時とは状況も違う。

    昼の街を駆け回って、そして猫を見つけた時は猫を飼っていた家に駆け込んだ時で。

    事情を知らなかった家族には偉く感謝されたが、突き回して油断してたら保護していた猫が逃げたとは言えなかった。

    そんなバカらしくも、輝かしい日々。


    「でもあん時も結局、どうにかなった!」

    「だから今回もどうにかなるって?」


    路地裏を駆けながら叫ぶように話す二人は滑稽なのかもしれない。

    それでも、だ。


    「――――そんな当たり前のこと、今更言わなくても分かってるさ!」


    〈追跡〉

    夏油(25) dice1d100=42 (42)

  • 131二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 22:24:04

    痕跡技能厳しい!
    見失っちゃうか?

  • 132126/04/13(月) 22:26:05

    〈追跡〉

    【失敗】夏油


    一瞬、夏油の視界から光が消える。

    そして瞬きを三度繰り返しても光が戻らない。

    だが、焦りはしない。


    「こっちだ!」


    こういったことに関して夏油よりも五条の方が目敏いと知っていた。

    自分が出来ないことは五条が、そして五条が出来ないことは夏油は。

    二人共が完璧である必要はない。

    二人揃って、目標が達成出来るのならばそれで充分なのだ。


    複雑な構造の路地を根城にしている小さな標的を追うことはたやすいことではない。

    だが相手が悪過ぎる。


    「逃げたいなら、十倍の速度で走ってみろてんだよ!」


    悪役も真っ青なことを叫びつつ、五条が更に速度を上げる。

    ネズミ怪人の動きが更に俊敏となるも二人を振り切るには至らない。

    追うものと追われるもの。

    命の危機がすぐそこに迫っているのは、果たしてどちらなのだろうか。


    進行マス

    dice1d2=2 (2)

  • 133126/04/13(月) 22:34:46

    走る。走る。走る。


    そうして更に奥へと進んでいけば、ふと感じることがあった。

    夜の闇に身を包まれてから少し、目も慣れて来たのだろう。

    暗闇には変わりないが、ぼんやりとこの路地のシルエットを認識出来るようになってくる。


    進行方向にあるゴミを勢いよく蹴飛ばせば、散らばって飛んでいく。

    小さなものから大きなものまで、それは障害物として意味を為さなかった。


    「ホームラン!!」

    「この程度でホームランは甘すぎじゃないかい?」

    「そこのビルの窓ガラス割ってたように見えたけど?」

    「え、それは流石に嘘だろう?」

    「嘘嘘、ちょ~嘘」

    「気が抜ける嘘はやめてくれ!」

    「じゃあ嘘だってのは嘘」


    真実は文字通り闇の中。再び夏油が目の前の障害物をさっきよりは弱く蹴り飛ばした。

    そんな中、足元を転がる瓦礫やゴミたちに混じって、植物のようなものが目についた。

    所々花が綻び、自身の生命力を主張するように星明かりに照らされている。

    僅かに吹く風に揺られていたそれを横目に通り過ぎようとすれば、背後に気配を感じた。


    僅かに後ろを走る五条のものではなく、もっと嫌な気配だ。


    〈回避〉

    夏油(60) dice1d100=86 (86)

  • 134二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 22:38:13

    3マス目だから確定イベントなのか
    傑ー!!

  • 135126/04/13(月) 22:40:21

    〈回避〉

    【失敗】夏油


    不意に背中に強い衝撃が走った。

    よろめきながらも目の前の壁に手をつきながら振り返れば、五条の腕には何かが巻き付いている。


    「悟!」

    「こんくらい、問題ないっての!」


    暗闇に紛れながらも蠢くそれは所々に葉を茂らせ植物の蔦のようにも、化け物の触手のようにも見えた。

    先ほどの気配はこれだったのだろう。

    そしてその触手が本来狙っていたのは夏油で、五条の体勢から察するに夏油は蹴飛ばされたことでどうにか逃げ果せたようだ。


    〈SANチェック〉1/1d2

    夏油(65) dice1d100=37 (37)

  • 136二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 22:45:00

    蹴飛ばして庇うのまさに男同士のバディって感じで好き
    五条は大丈夫かな

  • 137126/04/13(月) 22:47:32

    〈SANチェック〉1/1d2

    【成功】夏油:SAN-1


    ≪SAN減少≫

    夏油:SAN65→64


    五条は夏油へと叫んだ後、腕を振るってその蔦を千切り取る。

    ブチブチと音を響かせた後、夏油の元へと駆けて来たかと思えば――――そのまま横を通り過ぎていく。

    その一瞬の交錯で二人の視線がかち合った。

    言葉はもはや必要なく、闇の中できらめく蒼の瞳がただ一つを訴えかける。


    「ッ、分かってる!」


    ありがとうも、助かったも。今はまだ必要ない。

    五条の瞳は二人から少し距離が開いてしまったネズミ怪人を射抜き、夏油もその背中を遅れて追う。


    狙うべき標的も、掴むべき未来も分かり切っているのだ。

    ならば今は、ただひたすらに駆けていけ――――その先にある明日に辿り着くために。


    進行マス(現在3マス目)

    dice1d2=2 (2)

  • 138126/04/13(月) 22:51:55

    蔦の襲来を抜け、どれくらい走っただろうか。

    複雑に入り組んだ暗い路地裏で目先の標的を追い続けてしばらく、来た道を正確に戻ることももはや難しいだろう。

    しかし、そんな事など今はどうでもいいのだ。

    目的のためにひたすら走る。


    時に襲い来る蔦を今度こそと身をかがめて避け、ついでに伸ばされた蔦を掴んで引っ張った。

    やはり呆気なく千切れたその破片たちに目を向けることなく、踏み潰して先へと進んだ。

    見れば少し前を走る五条も同じように走る速度を一切緩めないままに手で蔦を払い除けている。


    「そろそろ近くなってきたか?」

    「この様子を見ると、そうだろうね。少なくとも私たちがこの先に辿り着くのを邪魔したいらしい」


    その時、パラパラと頭上から降ってくる小さな粉が頬に触れた。

    上を見上げれば廃ビルの一角からこぼれ落ちてきているのがわかった。

    脆くなっているのだろう、いつ崩れてもおかしくはない。

    さらにタイミングの悪いことに落下地点は自分達の進行方向のようだ。

    しかしこの足を止めるわけにもいかない。

    走り抜けるほかない。


    〈聞き耳〉

    夏油(55) dice1d100=30 (30)

  • 139二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 22:53:44

    建物崩れてくるのは普通に怖いなやめてくれ

  • 140二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 22:58:45

    緊迫感がすごい

  • 141126/04/13(月) 23:00:36

    〈聞き耳〉
    【成功】夏油

    ガラリ、といやな音が頭上から聞こえた。崩れたのだろう。
    こんな暗闇では落下する影を追うこともできない。
    しかし上を向いたところで結果は同じだ。

    神経を集中させ、気配を感じ取る。どこへ落ちるか、どれくらいの大きさか。
    あらゆる情報を感覚で掴み取り夏油はただただ走り抜ける。
    すぐ背後で瓦礫が砕ける音が炸裂する。
    飛び散る欠片がふくらはぎを刺激していく。
    しかしこの程度であれば夏油にとっては障害にもなり得ない。

    そして視界の先、同じように走る五条の真上に瓦礫が迫るのを見た。

    「上!」

    そんな叫びだけで五条は全てを察したらしい。
    元から分かっていて避ける気だったのか、そうではなかったのかは分からない。
    だが五条は一際強くコンクリートを蹴ってから端に転がっていたゴミ箱を足場にして壁を駆けるようにしてその瓦礫を避け切った。
    なかなかの無茶ではあるが、同じく夏油も室外機を思いっきり蹴って上から降って来る破片を立体的に躱していく。

    「ハッ、オマエに蹴られたの、壊れたんじゃねぇの!」
    「さっき悟が蹴り飛ばしたゴミ箱なんて蓋が完全にへしゃげてたから、お互い様じゃない?」
    「弁償は割り勘な」
    「私の奢りなんてことは、勘弁して欲しいものだね!」

    色々と起こっているだろう問題は、全てが解決した後に。
    二人揃って後始末。それが二人にとって当たり前に訪れる未来の光景だ。

  • 142二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 23:03:52

    いきいきと楽しそうにしてるものだから学生姿で脳内再生されるけど二人ともしっかり社会人で刑事なんだよな

  • 143126/04/13(月) 23:05:46

    そろそろ最深部へと辿り着くのではないだろうか。

    そんなことを心のどこかで思っていた二人の目の前に現れたのは高い塀だ。

    自分達の背丈を軽く超えるその塀の下、ひび割れた小さな穴へとネズミ怪人は滑り込み逃げていく。


    「チッ、逃げたぞアイツ!」


    頑丈なこの高い壁を壊すにはさすがに骨が折れる上、回り道を探している暇などない。

    幸いこの周りにはダストボックスや瓦礫も転がっている。


    「どっちが先?」

    「オマエの方が重い」

    「はは、君より筋肉が重くて悪かったね!!」


    だが背丈を軽く超える塀。それが何だ。

    そんなものよりも高い壁を、険しい道を、乗り越えて来た。


    ≪塀を飛び越えろ!≫

    夏油 dice1d100=83 (83)

    五条 dice1d100=90 (90)

  • 144二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 23:07:26

    ヤバい転けてそう
    こんなにかっこいいのに揃って出目高いよ!

  • 145126/04/13(月) 23:22:05

    五条は先に走り、壁に背中を付け、足を開いた。
    そして視線を向けて両手を組んで構えれば、夏油は走った勢いそのままに飛び上がり、五条の両手へと足をかける。
    それに合わせて五条が思い切り腕を振り上げれば、その反動でぶわりと夏油が高く舞い上がる。
    重力に逆らいながらも飛び上がれば、未だ地に立つ五条と目が合った。
    そしてやはり五条の瞳には、一切の恐れはない。

    そのまま夏油は塀のふちに器用に足をかけ、空いた手を五条へと伸ばす。
    軽く助走をつけて地面を蹴り五条がその手を取れば、夏油は五条の体を引き上げた。

    それは一瞬のことで再度視線を交わした後はふらりと行くべき向こう側へと落下する。
    その最中、自分の命のタイムリミットが迫っているとは微塵も感じさせない顔で五条は笑っていた。

    「やっぱり、こうしていつまでも馬鹿やってるのが俺たちらしい!オマエもそう思うだろ、傑!」

    学生時代という、子供で居られる時間はとうに過ぎた。
    高校と大学、そして刑事になった今は昔のように全力でふざけてはいられない。
    何も変わらなかったなんてことはない。確かに少しずつ、何もかもは変わっていく。
    それでも変わりたくないと思うことがあるのだとすれば、あの頃のままで思うことがあるのだとすれば。
    たとえ変わってしまったとしても、変わっていない。

    「いつ死ぬかなんて誰にも分からない!俺も、オマエも!俺はいつだって死ぬつもりはないけどな、今死んだとしても笑って死んでやるよ!」

    きらり、きらり。夜の星と地上にある星が美しく瞬いた。

    「最期まで派手に踊ってやろうぜ、相棒!」

    笑ってしまいたくなるくらいに、もしくは泣きそうになるくらいに、その言葉に嘘はないと夏油には分かってしまった。

  • 146二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 23:28:25

    よかった
    汚い路地裏なのにキラッキラしてる

  • 147二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 23:29:34

    息ぴったりやね

  • 148126/04/13(月) 23:32:20

    生憎、語り合う時間はない。

    だからこそ五条も夏油へ答えを求めていなかったし、夏油もその言葉に相応しいものを今返せはしない。


    ゆっくりと過ぎていくように感じた滞空時間を終え、重力に従って落ちていく。


    そうして二人で高い塀を飛び越えた先、硬い硬いコンクリートへと着地する。

    鈍い音を響かせて視線を上げれば発光した標的がさらに壁際へと逃げていくところだった。

    しかし、その動きは上から振り下ろされた何かによって捉えられ、あっけなく逃亡を終わりを迎える。


    顔を上げれば視線の先。レンガの壁に張り付いた"それ"が視界に入る。

    それは粘着質な音を奏でながら黒い蔦のようなものを壁や床に張り巡らせていた。

    所々に絡みついた葉のおかげでかろうじて植物に見えるのだが、その中央部分の花びらは大きく悍ましい斑点模様を描いている。

    そこから飛び出した眼球と牙の生えた唇のない口で覆われている不気味なシルエット。

    ネズミ怪人を捕らえた蔦は軽々とそれを持ち上げその悍ましい口へと放り込んだ。

    ばきり、ぐちゃと不快な咀嚼音が辺りに反響し、二人の脳を震わせる。


    ああ、これだ。コイツこそが全ての元凶だ。

    だがその思考さえも塗り潰すように、悍ましき何かが二人の前に立ちはだかっていた。


    〈SANチェック〉1/1d10

    夏油(64) dice1d100=56 (56)

    五条(??) 【シークレットロール】

  • 149126/04/13(月) 23:38:05

    〈SANチェック〉1/1d10

    【成功】夏油:SAN-1


    ≪SAN減少≫

    夏油:SAN64→63


    確かに息を飲みはした。

    だがこれ程とは思っていなかったが、大元とやらはろくでもないものだと想像はしていた。

    自らの意志とは関係なく荒れ狂う心臓をどうにか落ち着かせるように、夏油はゆっくりと息を吐く。


    響き渡る咀嚼音が、先程まで生きていたネズミが物言わぬ肉片になっていくさまが、視覚と聴覚に訴えかける。

    それでも何かこの状況で分かることはないかと、警戒しながらも地獄の植物へと目を向ける。


    〈目星〉

    夏油(60) dice1d100=93 (93)

  • 150二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 23:38:08

    セーフ!!SAN値チェック結構強いな夏油

  • 151二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 23:41:29

    夏油目星が苦手やな?五条のSANは成功したか気になる!

  • 152126/04/13(月) 23:45:02

    〈目星〉

    【失敗】夏油


    しかし直視すればする程に、気分が悪くなってくる。

    ネズミの片腕だけが地面に落ち、それが蔦によって潰されるのを見れば尚のこと。


    【シークレットロール】


    「……傑、アイツの下」


    五条の言葉に従い、植物が貼り付いた壁の真下を見れば、黒い蔦に覆われていた分かりづらいが、人間の足のようなものが見えた。

    よくよく見ればそれは一人分ではないのだろう。複数本の足が転がっている。


    「菊田さんと、彼が食べさせた人たちのものかな」

    「体の一部が残ってるなら、身元が分かるかもしれない」

    「そうだね。あれ以上あの悍ましい植物に食い荒らされない内に、どうにかしようか」


    〈SANチェック〉0/1

    夏油(63) dice1d100=9 (9)

    五条(⁇) 【シークレットロール】

  • 153126/04/13(月) 23:53:04

    〈SANチェック〉0/1
    【成功】夏油:SAN減少なし

    おそらくこれが大元だ。これを叩けばこの事態も収まるのだろう。

    「あんなもの相手にどこまで通用するか分からないけど、どうにか……悟?」

    警戒し構えた時、五条が突如心臓を押さえて膝をついた。
    走ったせいとは思えない。
    おそらくは痣のせいなのだろう、表情は苦しげで呼吸も荒い。
    しかしもう一度夏油が声を掛けるよりも早く五条は制止するように手を出し、そしてゆっくりと立ち上がる。

    「はは、そろそろ年ってヤツ?」
    「年って、君ね」
    「余計なこと今更言うなよ、傑」

    五条はそれ以上言うなと、視線でも訴えかける。
    やはり顔には隠し切れない疲労と苦しみが滲んでいたし、呼吸も常よりは早いもの。

    「コイツを叩きのめせば終わりだってのに、大人しくしてろなんて有り得ねぇだろうが」

    そこまで言うと五条は一歩踏み出し、蠢く蔦たちを見据えた。

    「さっさとやっちまおうぜ。夜明けまでに、な!」

    二人に相対するは、地獄の植物。
    夜明けまで時間の猶予はどれほどだろうか。
    時計を見れば分かるかもしれないが、余所見をするよりも手っ取り早い方法がある。

    「それなら私の脚を引っ張らないように精々やせ我慢してくれよ、悟!」

  • 154二次元好きの匿名さん26/04/13(月) 23:56:21

    死にかけでも相棒と一緒に暴れる気概いいね
    そういえばレインボーの薬でこれでも進行抑えられてるのか?

  • 155126/04/14(火) 00:01:39

    ここから地獄の植物との戦闘が始まるので、今日はここまで

    余程戦闘が泥沼化しなければ明日には終わるかな
    文字通りクライマックスなので見守ってやってね

  • 156二次元好きの匿名さん26/04/14(火) 07:28:02

    二人に合ってるシナリオですごくいいな
    情報とか多少取り逃しがあっても戦闘勝てばどうにかなるやつっぽくて救い
    あとは出目だ

  • 157二次元好きの匿名さん26/04/14(火) 17:22:57

    そういや五条も今までのスレでも出目悪かったんだったか?
    フラグにならないように祈ってる

  • 158126/04/14(火) 21:58:40

    ■■元凶を打ち倒せ! Round1■■ミッション:地獄の植物を倒す

    DEX順:夏油(17)→五条(17)→地獄の植物(13)


    レンガの壁に貼り付いている地獄の植物は逃げる様子はない。

    否、植物である以上は多少の動きならともかく移動は出来ないのだろう。

    蔦のようなものが壁や床に張り巡らされているせいで、近付けば近づく程にどこから攻撃されるのか分からなくなる。


    しかし、時間はない。

    五条が自らの不調を表に出す程にその症状は進行してしまっているのだろう。

    先程襲われた時に末端である蔦の強度はそこまで恐れるものではないと知っている。

    ならば、だ。


    「地獄の植物、だったっけ。そろそろあるべき場所に還してあげるよ」


    地を蹴ると同時、持ち上がった蔦の先を踏み潰しつつ夏油は悍ましい斑点模様を持つ花びら、その中央部にある口を狙う。

    咀嚼するかのように動いていたその場所は、そう硬そうには見えない。

    瞬きの間に接近した夏油はその足先を牙さえもないのをいいことに口の中へと叩き込まんとした。


    〈キック〉

    夏油(75) dice1d100=59 (59)

  • 159126/04/14(火) 22:00:37

    〈キック〉

    【成功】夏油


    ≪ダメージ算出≫

    dice2d6=4 4 (8)

  • 160126/04/14(火) 22:07:15

    やはりと言うべきか、地獄の植物はろくに避けることもしなかった。

    蔦が夏油の行く手を塞ぐように飛び出して来るも、それらを最低限の動きで良ければ夏油の目的通りに靴先が口のなかへと潜り込む。

    人のような温かさはなく、無機質な温度を持つくせに肉の柔らかさに似たものを持つ。

    口の中に先程まで収まっていたネズミ怪人の破片らしきものが衝撃で吹っ飛び、辺りへと飛び散った。

    しかし痛みを感じることがないのか、間髪入れずに蔦が殺到する。

    そのまま立っていれば餌食になるのは火を見るよりも明らかだ。


    ◇五条のターン (HP:16/16)


    一旦距離をとるかと夏油が足に力を入れた次の瞬間、風が吹く。

    夏油に一瞬遅れる形で突っ込んできたのは五条だった。

    蔦の半数をその辺に落ちていたらしい鉄パイプで薙ぎ払い、ついでのようにそれを地獄の植物目掛けて投げ飛ばす。

    それは当たりはしなかったが、生まれた隙を見逃す五条ではない。


    「ッ、らァ!!」


    〈キック〉〈武道(ボクシング)〉痣によるデバフあり-20

    五条(60-50) dice1d100=40 (40)

  • 161126/04/14(火) 22:14:42

    〈キック〉〈武道(ボクシング)〉痣によるデバフあり-20

    【両成功】五条


    ≪ダメージ≫

    dice3d6=5 6 2 (13)

  • 162126/04/14(火) 22:21:18

    犯人の逮捕や相手の無力化などを重視した夏油ともまた違う、直線的で力強い動きで迫った五条は躊躇なく自らを蝕む元凶である、地獄の植物を思い切り蹴りつけた。

    壁に這うようにして存在しているその奇妙で悍ましい花の中央部を守るように集まった蔦のようなものを蹴りの威力だけで千切り飛ばしながら、レンガの壁と長い脚で捻じり切るかのように薙ぎ払う。

    だが流石に今まで何人もの人間を食べて来たであろう地獄の植物は、二人の蹴りを食らってもまだその命を繋いでいた。


    「来るぞ、傑!」

    「言われなくても分かってるさ!」


    蔦が目標を定めたかのように、目にも留まらぬ速さで迫った。


    ◇地獄の植物のターン (HP:??/??)

    〈攻撃〉

    1. 触手(40) dice2d100=94 52 (146) dice1d2=1 (1) 本 (1なら左のみ、2なら左右)

    2. 吸収(70) dice1d100=92 (92)

    dice1d2=1 (1)

  • 163126/04/14(火) 22:28:45

    しかしそれはあまりにもお粗末なものだった。

    夏油を狙ったとも、五条を狙ったとも判断のつかないそれは二人に少しも掠ることさえない。

    それを良いことに夏油は近場にあった潰れた缶のゴミを拾い上げて地獄の植物の口を目掛けて投げ、それが口に入り込むと不愉快な音が響いた。

    それは蔦によってすぐに吐き出されるが、その時間だって二人からすれば大き過ぎる隙だ。


    ≪???≫

    dice2d3=3 3 (6)


    ■■元凶を打ち倒せ! Round2■■ミッション:地獄の植物を倒す

    DEX順:夏油(17)→五条(17)→地獄の植物(13)


    しかし潰したはずの蔦は地に落ちているが、新たなものが次々と生まれ出て来る。

    総数までは増えていないかもしれないが、どうやら先程食べたネズミ怪人をエネルギーにでもしているのだろうか。


    「アイツ、おそらく回復してる」

    「でも蔦の数は増えてない。むしろ減っているように見えるね」

    「ならこれまでと同じで良いってことだ」


    相手が回復したとして、それがなんだ?

    ――――それを上回る勢いで、潰してやればいいだけのこと。


    ◇夏油のターン (HP:16/17)


    地獄の植物が吐き出した、ひしゃげた缶が地に落ちるよりも早く。

    夏油は再び、地獄の植物へと迫る。


    〈キック〉

    夏油(75) dice1d100=4 (4)

  • 164二次元好きの匿名さん26/04/14(火) 22:37:41

    夏油気合いがスゴい

  • 165126/04/14(火) 22:49:38

    〈キック〉

    【クリティカル】夏油


    自分の理解の範疇を越える化け物が、こうして自分の生きる街に巣食っている。

    こういったものが他にも居るのかもしれない。そしてそれらによって奪われた命があるのかもしれない。

    仮定は幾ら続けても意味はなく、犠牲のない世界も誰も何も奪われない世界も存在しない。

    だがそれを分かった上で、夏油は選んだのだ。


    短く息を吐く、そして夏油は先程五条が放り投げていた鉄パイプを拾い上げ、それを地獄の植物の口へと叩き込む。

    めり込んだような感触があったのを確認してから、口から飛び出したその鉄パイプ目掛けて――――夏油は渾身の蹴りを叩き込む。

    そして響くは轟音。

    口どころか奥のレンガの壁まで突き刺さり、地獄の植物は蔦を擦り合わせて奇妙な音を立てた。


    ≪ダメージ≫クリティカルによりダメージ2倍(1d6+db→2d6+db)

    dice3d6=2 6 2 (10)

  • 166126/04/14(火) 22:56:05

    必死に鉄パイプを抜こうとしているのだろうが、深々と刺さったそれは簡単には抜けない。

    足に伝わる衝撃も生半可なものではなかったのだが、それは戦いの際の熱によって掻き消される。

    しかしまだ、地獄の植物を終わらせるにはほんの少し足りなかったらしい。

    蠢く蔦は痛みを取り除くためか、もしくは新たな獲物を貪るためか、自身に突き刺さる鉄パイプに何本も蔦を絡めている。

    それは徐々に抜けていくが、それが抜けきるよりも早くに動く影があった。


    ◇五条のターン (HP:16/16)


    「アンコールでも、くれてやるッ!」


    日常とは外れたこの奇妙な戦いの中で興奮状態にあるせいか、夜闇の中でも五条の瞳はぎらりと輝いている。

    そうして言葉通り、五条は地獄の植物の方へと地を駆け接敵した。


    〈キック〉〈武道(ボクシング)〉痣によるデバフあり-20

    五条(60-50) dice1d100=39 (39)

  • 167126/04/14(火) 22:57:42

    〈キック〉〈武道(ボクシング)〉痣によるデバフあり-20

    【両成功】五条


    ≪ダメージ≫

    dice3d6=4 1 2 (7)

  • 168126/04/14(火) 23:04:39

    五条の蹴りはそのまま鉄パイプを更に奥深くへと押し込み、それと同時にレンガの壁が音を立てて砕け散る。
    やり過ぎたかと思った次の瞬間、蔦がのたうった。

    しかし息を飲むも、その黒い蔦はそれ以上動かない。
    巨大な花弁は徐々に枯れていき、鉄パイプと一緒にどさりと地面に落ちた。

    ■■戦闘終了■■ ミッションコンプリート!

    終わった。
    死神事件の元凶たる、地獄の植物とやらを自分たちで倒したのだ。
    空を見れば、夜空に星が輝いている。
    夜明けにはまだ時間があった。

    間に合った。
    命を繋ぎとめたのだ。

    そう思い夏油が地獄の植物のすぐ近くに立つ五条に、どう言葉をかけるべきだと考えながら一歩目を踏み出したその時だった。
    視界の中でぐらりと、その体が崩れ落ちていくのを見た。

  • 169二次元好きの匿名さん26/04/14(火) 23:07:48

    危なげなく倒せてよかった!!と思ってたら五条?!?

  • 170二次元好きの匿名さん26/04/14(火) 23:08:07

    二人とも素で強いし危なげなく倒したな
    と思ったら

  • 171二次元好きの匿名さん26/04/14(火) 23:09:31

    !?

  • 172126/04/14(火) 23:12:14

    「悟ッ!」

    ドッと嫌な汗が滲んだ。
    そして駆け寄った先、五条の手は自らの胸を強く抑えつけている。
    強張った手がシャツに引っかかり、ボタンを弾き飛ばす。

    するとその下には――――花があった。

    花のかたちを得た痣はゆっくりと広がっていき、うつくしく咲こうとしている。

    「な、んで」

    タイムリミットは夜明けじゃないのか。
    未だ空は暗く、星たちが静かに二人を見下ろしている。

    「クソ、悟。悟ッッ!」

    痣は夏油が名を呼んでいる間も、更に成長していく。
    そしてそれに反比例するかのように、五条の脈は弱くなっていった。
    呼吸も浅いものとなり、瞳も焦点があっておらずまどろみの最中に居るかのよう。
    身体を支えようとしている夏油のことが見えているかさえも定かではない。

    「……す、……る」

    ただ、薄く開く唇の動きは全て音にならずとも自分を呼んでいるようだと、そう分かる。

  • 173二次元好きの匿名さん26/04/14(火) 23:16:51

    これはKP五条の言ってたやっちゃったなの範疇なのかシナリオ通りなのかどっちだ

  • 174126/04/14(火) 23:21:10

    「硝子、硝子の所に連れていく。だから少しでも意識を保つようにしてくれ。硝子ならきっとどうにかしてくれる」


    頭を通さず、声だけが口から溢れていく。

    何を喋っているのか、自分でも分からなくなりそうになりながら夏油は必死に言葉を重ねた。


    ゆるりと、五条の手が持ち上がる。

    そして夏油の胸に押し当てるかのようにゆっくりと動いた。


    「さと」


    次の瞬間、その手は地面へと投げ出されていた。

    小さく動いていた唇はその動きを止め、僅かにだが笑っているかのようにも見える。

    うるさい程に忙しなく鳴り響く自らの心臓の音以外、何も聞こえない。

    たった一つになってしまい、置いていかれたことだけが分かる。


    「、ッ……!」


    鼓動を止めた五条の心臓。肌を彩るように、咲き誇る大輪の花だけが何が起こったかを表していた。


    そう、自分は――――間に合わなかった、のだと。


    〈SANチェック〉1/1d4

    夏油(63) dice1d100=4 (4)

  • 175二次元好きの匿名さん26/04/14(火) 23:27:35

    本来夜明けまで猶予があるはずがどこかでミスったことで猶予が短くなってた?
    怪しいとしたら飲まされた薬だろうけど

  • 176126/04/14(火) 23:30:04

    〈SANチェック〉1/1d4
    【成功】夏油:SAN-1

    ≪SAN減少≫
    夏油:SAN63→62

    親友が死んだ。
    そう分かっても、どこか冷静な自分が居た。
    激情は確かにあったはずなのに、涙の一滴さえも零れない。
    どうするべきか。これから自分がしなければならないだろうことが、脳裏に過ぎっていく。

    ――――と、その時だった。

    「あれ、間に合わなかった?」

    どこからかそんな声が聞こえ、振り向けばそこには新沢が立っている。
    倒れている五条に近付き、その胸に咲く花を見て「ふむ」と顎に手を置き納得したような表情を見せた。

    「まあ、当然か。――――急いで走っていったし、そうなるよね」

    それはまるでこうなることを知っていたかのような、そんな言葉だった。
    確かに悲しみはあるというのに、どこかスイッチが切り替わったような心地になった。

    「どういうことですか」

    温度のない冷え切った声が夏油の口から零れる。
    その声からは感情を感じさせない、無機質さがあった。

  • 177二次元好きの匿名さん26/04/14(火) 23:33:40

    夏油本当にSANチェック強い
    なんだろうシークレットダイスで進行度的なものあったのかな

  • 178126/04/14(火) 23:44:25

    「言ってなかったっけ。あぁ、そう言えばあの時は検証段階だったからか」

    なんてことのないように、新沢は言葉を続けていた。

    「彼を見て確信が持てたよ。この種は宿主の脈拍に連動しているんだ。つまり、脈が速ければ速い程に成長速度も比例する」
    「――――は、?」
    「ここへ辿り着くまでの運動量を考えれば夜明けまでに咲くことはおかしなことではないよ。むしろよくここまでもった、と言うべきじゃないかな」

    つまり、つまりだ。
    ここまで五条が来てしまったから、五条はタイムリミットを自ら早めることになったというわけだ。
    ネズミ怪人を追っていた時然り、そうして今の戦い然り、そのどれかでも自分一人でやるとでも言っていれば当然脈がここまで速くなることはなかっただろう。

    ――――それこそ、五条がベッドの上ででも大人しく待っていればこうはならなかった。

    しかし問題はそこじゃない。否、それだけではない。

    「……新沢さん。あなたはこうなることが分かっていたんですか」
    「私は君たちへ、事件解決の手助けをした。実際に私の協力は役に立っただろう?」

    そうして夏油へと向けられた視線は、人を人として見ているようには感じられない程の冷たいものだった。
    菊田が生きていても死んでいても変わらないと、そう言っていた時のような。

    「私一人で行くべきだと、あなたはそう言うべきだった」
    「君一人でどうにか出来る保証はなかったよね。それに行きたがってたのは本人だよ。私が無理矢理行かせたせいじゃない」
    「それでも!予想がついていたのなら……!」
    「言ったよね。私は確証がないことは公表したくない主義だって。研究者なら当たり前のことだよ」

    君だって、そうだろう?
    囁くように、新沢は夏油へと告げた。

  • 179二次元好きの匿名さん26/04/14(火) 23:52:13

    走ってた走ってためっちゃ走ってたしキックも大活躍してたよそんな…

  • 180126/04/14(火) 23:59:02

    確かに夏油も職業柄、迂闊なことを言えないことはある。
    だが夏油が刑事であることは、どんな職に就いているか、新沢の前で語った覚えはない。
    死を悼む気持ちは確かにある。
    痛みも悲しみも苦しみも、傷となった。
    だがそれと同じかそれ以上、目の前の人物へと本能が警鐘を鳴らす。

    「……あなたは一体、何者ですか」
    「何度も言っているけど、私はただの研究者だよ」

    そうして場に緊張が走るも、新沢は然して気にした様子もなく「彼、脈は止まってる?」と尋ねた。
    見たら分かるだろうと、苛立ちと警戒を乗せてそう口にしようとしたが、夏油は違和感に気付く。
    死神事件の被害者は、どんな死に方をしていたか。

    「そうだとしたら、どうなりますか」

    夏油の言葉に新沢も彼の内側で起こった思考に勘付いたのだろう。

    「花が咲いても脈が止まり、そして発芽してないなら――――助けられるよ」

    死神事件の被害者は死体の周りに花が咲いたり、心臓を突き破って開花する。
    だが五条にはそのどちらも起こっていない。

    「彼に飲ませた薬があるだろう?あれは対象のエネルギーを吸収して、安全に回収するための液体だ。だからあんな見た目になってるんだけどね」
    「薬に関しての説明はいいです。どうしたら悟を助けられるんですか」

    急かすように夏油がそう言えば、新沢はつまらないと言いたげに肩を竦める。

  • 181126/04/15(水) 00:05:01

    「端的に説明すれば地獄の植物の種が発芽するエネルギーを薬が吸収して広がり、種を宿主から引き離して抑え込むことが出来る。それがこの通り、死んだら発芽して体を食い破って出てくるのをどうにか抑えているということだ。よかったね、作動して」
    「……まさか」
    「作ったばかりで実験対象を探していた所だったから使ってみたけど、賭けみたいなものだったんだ」

    そう告げると新沢は五条が助かるかもしれないから――――ではなく、自分の研究の結果が出て嬉しいのだろう、ほっとした表情で笑っている。

    「いやぁ、上手くいってよかったよ」

    どちらにせよ薄皮一枚ギリギリのところだったらしい。
    実験の被検体に自分たちは宛がわれ、あわよくば自身の実験も兼ねられると踏んで黙っていたのだろう。
    新沢にとってネズミも人も大差ない存在のようだ。
    軽々しくそう言ってのける新沢に少し寒気がした。
    そんな夏油を特に気に留めることもなく、新沢は告げる。

    「さて、はやくしないと本当に死んでしまうよ。種は抑え込んでいるけれど心臓は止まっていることに変わりはないからね」
    「私は何をすれば良いんですか」
    「簡単さ、――――これを取り出してしまえばいい」

    新沢は夏油に、その取り出す方法について手解きしてくれた。
    心臓部分を抑え一定のリズムで押し込む、いわゆる心臓マッサージだ。
    そこに夏油の生命力を注ぎ込んで動かすのだという。

    「補助くらいはしてあげるよ」

    そして一通りのやり方を夏油へ伝えた後、新沢はぼそぼそと何か呟き出す。
    その言葉に呼応するように五条の心臓部がぼんやりと光を放った。

  • 182二次元好きの匿名さん26/04/15(水) 00:08:13

    おおそんな方法で…?
    心臓マッサージって普通にやっても肋ボキボキになったりするし繊細に頑張っておくれよ夏油

  • 183二次元好きの匿名さん26/04/15(水) 00:10:31

    なんとか生き返ってくれ
    夏油頼むぞ

  • 184126/04/15(水) 00:14:18

    「私の呪文で君の魔力を彼の生命力へと変換しやすくした。私の言った通りに動いてくれれば問題ないはずだよ」


    そして後はもう自分に出来ることはないと、もしくはしてやることはないと言わんばかりに新沢は夏油と五条から少し距離をとった。


    「あぁ、そうだ」

    「まだ何かあるんですか」

    「いいや、折角だから言っておこうと思ってね。精々、頑張ってよ」

    「……言われなくとも、そうします」


    夏油は地面に寝かせた五条のその胸の上。手を置き、グッと力を籠める。

    ここで終わらせるわけにはいかない。


    それこそ、――――あれがラストダンスとは認めない。


    〈DEX×5〉正確に抑えられたか

    夏油(17*5,85) dice1d100=7 (7)


    〈STR×5〉無理のない力加減で抑えられたか

    夏油(17*5,85) dice1d100=55 (55)


    ≪MP減少≫

    夏油:MP14→13

  • 185126/04/15(水) 00:20:53

    〈DEX×5〉正確に抑えられたか

    【スペシャル】夏油


    〈STR×5〉無理のない力加減で抑えられたか

    【成功】夏油


    心臓マッサージと、全く同じではないがそれは似ていた。

    そうなれば夏油にとって、それは幾度も体験したものである。

    職業柄そういった、救命の初期段階に関わることだって少なくはない。


    胸の上で重ねた手に力を入れる。

    元より力の強い夏油ではあるが、ただ馬鹿力を発揮するだけしか出来ない脳筋ではない。

    適切に、必要な時に必要なだけ。

    グッ、グッとテンポよく腕を動かした。


    「悟……ッ!」


    戻って来い?死ぬな?

    こういった時にかけるべき言葉が上手く思い浮かばない。

    千々になる言葉になれなかった破片たちが、それでもやがて形を成す。

    もし立場が逆ならば、悟はどうしただろうかと。そこまで考えて思わず笑ってしまった。

    あぁ、それなら容易く想像できる。


    「一人勝ちなんて、そんなの許さないよ」


    ≪???≫

    dice1d100=44 (44)

  • 186二次元好きの匿名さん26/04/15(水) 00:26:45

    いい感じ!のはず!!

  • 187126/04/15(水) 00:30:41

    一身に力を込めてリズムを刻む。
    その度に夏油の腕を伝い、体の中の何かが五条へと流れ込んでいく感覚があった。
    おそらく、新沢が言った魔力とやらを生命力に変えたものなのだろう。
    熱を帯びる腕を気にとめず、最後に一際強く五条の心臓を押せば――――

    「……、ッ、ゲホッ、げっほ!!」

    それは夏油の口から零れたものではない。
    何度も噎せたその人物は体を丸め、咳き込み始める。
    当然それは五条の他に居ない。

    「ゲッッッッッホ!!オエッッ!!」

    そして次の瞬間、口から蛍光色の液体とそれに包まれた黒い塊のようなものが飛び出した。
    自分の口から出てきたものを前に、「なんだこれ……」と絶句している五条はついでにもう一度咳き込んでから、ゆっくりと起き上がった。

    「ウワ……って、……傑?」

    どうやら状況が上手く理解出来ていないようで、夏油と新沢を交互に見た後、枯れた地獄の植物に目をやる。
    それから数秒後、徐々に記憶が繋がったらしい。

    「あー、終わったってことだよな?」

    そう呟く五条の胸には、もうあの痣はない。
    何も刻まれていない肌が晒されていた。

    「終わったよ。君を起こすことが最後の仕事になるとは思わなかったけどね」
    「うげ、その言い方はないだろ」

    そして五条も自分の胸を見て、「お、痣も消えてるラッキー」と呟いていた。

  • 188二次元好きの匿名さん26/04/15(水) 00:33:58

    >「一人勝ちなんて、そんなの許さないよ」

    ここ好きすぎる

    戻ってきてくれたぁぁぁ!

  • 189126/04/15(水) 00:39:19

    「あー……なんかやたらと疲れた気する」

    肩を回しながら五条がそう言えば、新沢は五条が吐き出した種を摘まんでビニール袋へと回収し、満足そうに微笑んだ。

    「協力どうもありがとう。これはこちらで回収させてもらうね」
    「いえ、それは私たちの方で」
    「適切な保存の方法も分からない素人なのに、やめた方が良いと思うよ」

    そう言われてしまえば、一理ある。
    これで自分たちが無理に持ち帰って署内が地獄の植物カーニバルになっても困る。
    新沢も二人がそう思ったのを察したのか、「ふふ、ありがとう。貰っておくよ。これでまた研究がすすめられそうだ」とご機嫌だ。

    「それじゃあ、私はここで失礼するよ。また会えると嬉しいけど、君たちにとっては会わない方が幸せかもしれないね」

    そう言いながら新沢は去って行く。
    五条も意識が戻ったとはいえ、本調子ではない。
    そんな状況で置いていくのは気が引けた夏油は一つ溜息を吐いた。

    「立てる?」
    「あれ、良いの?放っておくとろくなことしないと思うけど」
    「こっちにも放っておくとろくなことにならないのが居るからね。仕方ないよ」
    「好き勝手言いやがって」

    だがそう言いながら、どうにか立ち上がった五条の足元は危うい。
    それも当然か。確かにさっきまで五条は心臓が止まっていたのだ。

    「す・ぐ・るく~ん!!」
    「見て鳥肌」
    「こっちの方がエグイから舐めんなよ」

  • 190126/04/15(水) 00:47:53

    再び互いの肌を埋め尽くす鳥肌を見せ合ってから、五条は夏油へとゴンとぶつかる。
    そして肩を貸してやることにした夏油は普段よりも動きが遅い五条と並んで歩く。

    「怪我一つなく帰れるって言うのに、どうしてこんな大きな荷物を持って帰らなきゃいけないんだか」
    「置いていっても良いよ?一人で歩けないわけじゃないし」
    「はは、よく喋る荷物だね」

    路地から抜け出せば眩い光に思わず目を瞑る。
    いつの間にか夜が明けており、朝日がビルの合間から差し込んで二人を照らしていた。

    「あーあ、明日ってか今日どうしようか」
    「休めばいいじゃないか。報告は私がしておいてあげるから」
    「オマエがそう言うってことは自分に有利なように報告書上げるつもりだろ」
    「そんな酷いことを擦るように見えるかい?」
    「見える見える。悪徳刑事っぽさMAX」

    温かい光を全身で感じながら二人並んで帰路に着く。
    隣にいる五条は、もう動き以外はすっかりいつも通りだ。
    くだらない話をして、笑い合って、たまに……ではなくしょっちゅう喧嘩して。

    こうして自分たちが取り戻した日常を、二人は生きていく。

    ラストダンスはまだ先でいい。
    その時が来るまではまだ、こうして隣でこの世界を謳歌していくのだ。

    【END A:ラストダンスはまだはやい】

  • 191二次元好きの匿名さん26/04/15(水) 00:54:14

    乙でした!面白かった!
    大きい荷物がいっぱい喋っててなにより

  • 192126/04/15(水) 00:58:14

    戦闘がサクサク終わったので1スレに収まってしまった


    とりあえず先に五条のキャラシ、夏油のキャラシとシナリオについても含めて明日更新する予定

    iachara.com

    クリファンは夏油がキック4C、五条がアイデア99F

    五条がやらかしてたのは地獄の植物の進行度ダイスがひたすら高値を出してたことで、最後の1d100は100-進行度よりも低い値を出せば後遺症ナシのダイス

    五条の進行度は53、47以下で後遺症ナシのところを44だったのでギリギリセーフ

    この辺の説明もキャラシに入れておくよ

  • 193二次元好きの匿名さん26/04/15(水) 01:03:51

    五条のキャラシすこ
    ひたすら高値は怖すぎるな
    後遺症がどんなのかも知りたかったけど本当にギリギリだ

  • 194二次元好きの匿名さん26/04/15(水) 01:15:19

    次スレいくと思ってたけど…ない!?絶妙にギリギリおさまってしまった
    新沢の研究とかなんだったんだろう
    植物園で出会った時人型だし【特殊攻撃:サルト】とかできるのかな…って一瞬だけ頭に浮かんでしまったけど逆らっちゃいけない存在感あったからそんな暴挙に出なくて本当によかった

  • 195二次元好きの匿名さん26/04/15(水) 01:38:18

    次スレの1に書いてるスレ主のあらすじが大大大好きだから見たかった
    戦闘の出目が良かった裏で五条のダイスが危なかったんだな
    大事な時にきっちりクリティカルとスペシャル出してる夏油が凄かった
    日常が尊いハピエンお疲れ!
    五条は心臓止まったんだったね休め

  • 196二次元好きの匿名さん26/04/15(水) 09:55:15

    とんでもなく面白かった
    戦闘のロマンダイスがたまんねえ

  • 197二次元好きの匿名さん26/04/15(水) 19:44:11

    めちゃくちゃ良かった〜!
    バディの二人のわちゃわちゃ感好き過ぎる
    最後はどうなるかと思ったわ…

  • 198二次元好きの匿名さん26/04/15(水) 20:21:17

    上で♪感電を流してる人がいて笑った

    全く同じ曲を再生しました

    肺に睡蓮、、(ここでは蔓がある植物だけど)泡沫の命だったわけか

    > うるさい程に忙しなく鳴り響く自らの心臓の音以外、何も聞こえない。

    このあたり心臓痛いッなった(好き)、、遠くのサイレンがこの夏油の心臓の音みたいで生と死の線引きが浮き上がってしまったようでコントラストが美しくて最高だけど起死回生の道があってマジで良かった呼吸が止まるかと思うぐらい今回も面白かった

    めっちゃ好き!

  • 199二次元好きの匿名さん26/04/15(水) 21:08:07

    夏油が心マでクリティカル出すのさすが
    乙でした!

  • 200二次元好きの匿名さん26/04/15(水) 22:23:09

    今はただ、君に感謝を。

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