――ドルトンプランとは、そもそもどのような教育法なのでしょうか。
「ドルトンプラン」は20世紀初頭、教育者ヘレン・パーカーストによって考案された教育法で、最初に実践されたアメリカ・マサチューセッツ州ドルトンにちなんで「ドルトンプラン」と呼ばれるようになりました。キーワードは、「自由」と「協働」です。ただし、ここでいう自由は“放任”ではありません。教師主導の一斉授業ではなく、生徒が自ら学習計画を立て、自分のペースで学んでいく。その一方で、教師はきちんと伴走しながら支えていく。そこがドルトンプランの特徴です。また、探究や対話を重視する点も大きな特徴です。日本では1970年代から乳幼児から小学生を対象とする河合塾学園ドルトンスクールが導入し、2019年にはドルトン東京学園も開校しました。
――河合塾が、なぜこうした教育に取り組むのでしょうか。
河合塾というと、「大学受験対策」のイメージを持たれる方も多いと思います。ただ、河合塾の原点には、「汝、自ら求めよ」という理念があります。90年以上前、大学進学を志す若者向けの英学塾として始まったころから、「自分で道を切り開いていく」という精神を大切にしてきたんです。もちろん、昔は大学進学率も低く、「人生を切り開くためには大学進学が重要」という時代背景がありました。だから大学受験支援にフォーカスしていた面もあります。しかし、今は大学全入時代ですし、AIの進化も急速です。そうした中で、単に知識を覚えるだけではなく、「自分で問いを立て、自分の人生を選び取る力」がより重要になってきている。ある意味で、「汝、自ら求めよ」という原点に立ち返っている感覚に近いかもしれません。
――ドルトンX学園にはどんな生徒に入学してほしいですか。
何かあったときに、「ちょっと一歩動いてみようかな」と思える子でしょうか。例えば、「ちょっと行ってみようかな」「この人に話しかけてみようかな」「手を挙げて質問してみようかな」。そんな小さな一歩を踏み出せる人は、この学校に向いていると思います。もちろん、最初から積極的なタイプである必要はありません。本来、子どもはみんな好奇心を持っているはずなんです。ただ、なんらかの理由で「周囲の目が気になる」「失敗したくない」といった理由で、その好奇心を閉じ込めてしまうことがあるだけだと思っています。だから意外とドルトンX学園の学びに向いていない子は本当はいないと思っています。
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