まったく関係のない秘書の病歴を明かした狙い
高市総理の答弁で注目されたのはこれだけではない。参院予算委員会における自民党の生稲晃子参院議員との質疑において、「私どもの事務所にも、膵臓がんステージ4を告知されたのが去年でしたが、今も元気に働いている木下という秘書がおります」と語り出したのだ。
「ネットでは『渦中の木下所長がガンなのか?』と一部で話題になっていましたが、奈良の高市事務所には木下姓の秘書は2人います。木下所長について、そういう話を聞いたことはありません」(地元関係者)
事情を知らない有権者にとっては、ミスリードになりかねなかったが、事情はそういうことなのだ。
それにしても、高市総理はなぜここまで頑なになるのか? 総理周辺は「高市サイドから、木下氏が松井氏に利用されたということは言いにくい」と打ち明ける。
松井氏の目的は、SNS対策などで高市事務所の信頼を得て、サナエトークンに繋げることだったと見られる。誹謗中傷動画での「貢献」を木下氏にアピールして、食い込もうとしたのだ。この接点を認めれば、木下氏は、松井氏と付き合いを深めていった経緯を詳細に明かす必要がある。そして最終的に、いかがわしいビジネスに総理事務所が利用されたことも認めざるを得ない。
インテリジェンス(情報収集・情報分析)強化を掲げる高市総理としては、この問題を認めるわけにはいかない。そのため、すでに木下氏が「週刊現代」に対して繰り返し認めていた「接点」すら否定するという、無理筋な答弁になっているのだ。
結果として、いまや総理の答弁自体が問題化しはじめている。「虚偽答弁」の疑いのある発言を見過ごすわけにはいかない。ここに「動かぬ証拠」として、総理事務所からの回答書を公開する。
サナエトークンと誹謗中傷動画問題を巡る一連の騒動は、松井氏という複数の投資トラブルが取り沙汰される人物に、高市事務所が入り込まれ、振り回されているインテリジェンスの問題でもある。高市総理は、認めるべきは認め、松井氏の「告発内容」の違うところは違うと、より具体的な説明をするべきだろう。