米国とイスラエルが、イランを攻撃した。ニッポン放送で、国際政治学者の舛添要一前東京都知事と意見交換した。「主権国家をこういう形で攻撃するのは、明確な国際法違反だ」と指摘していた。
スペインのサンチェス政権は毅然(きぜん)と、米国のイラン攻撃を「国際法違反」と批判したが、日本は「力による現状変更」を黙認しているようにみえる。そうなれば、中国が台湾侵攻を試みても、国際法違反を指摘できない。
舛添さんは、日米首脳会談で、高市早苗首相はドナルド・トランプ大統領に、作戦を「早く終わらせた方がいいとやさしくいうしかない」という。「米国、ロシアの武器がなくなる中で、ほくそ笑んでいるのは中国の習近平国家主席かもしれない」とも危惧していた。
原油先物の指標となる米国産標準油種(WTI)先物価格も1バレル=100㌦を超えた。私も米国の友人から連絡を受けたが、ガソリン代は2倍だという。米国民の不満は相当だ。日本も原油高で、政府の物価高対策は吹き飛んだ。私は、イラン問題を言い訳に赤字国債を発行するのではと心配している。
「食料品消費税ゼロ」の財源は、赤字国債に頼らないといっていたが、状況が変わったとき、その国債も日銀に引き受けさせる「禁じ手の財政ファイナンス」に再び手を染めるのではないか。お札を刷り続けるわけで、当然、円の価値は下がり、円安は止まらない。 歴史上、財政ファイナンスに手を染めた国は、例外なくハイパーインフレという形で、国民が苦しみを味わってきた。米国はイラン戦争の負担を日本にも求めてくるだろう。国内も物価高対策として財政支出を行うとなれば、どこかで財政悪化懸念でマーケットが反応してくるはずだ。
イラン戦争が引き金で、日本が財政破綻という敗戦国になってしまう可能性に警鐘を鳴らしたい。舛添さんも「トリプル安(株安、円安、債券安)で対応できなくなれば、内閣支持率も下がる」という。ただ、その時では遅いと感じる。
いずれにしろ、ワタミは円安、物価高に備えた経営を意識する。私事だが今月、2泊3日でヘルニアの手術をした。内視鏡手術で翌日には歩け、すでに痛みもなくなり、完全復帰した。経営のかじ取りは「氣」がすべてだ。痛みがあると、集中力に欠け、弱気の発想が頭をよぎると実感した。
今月12日には、私が審査委員長を務める、今年で16回目のソーシャルビジネスコンテスト「みんなの夢AWARD(アワード)」が開催された。稲作飼料のコストを3分の1にするビジネスプランがグランプリに輝いた。現状を否定してコストを削減し、日本の米を輸出産業にして収益を拡大する。政治家も、物価高に対応した「アイデア経営」をしてほしいものだ。(ワタミ代表取締役会長兼社長CEO)