Text by utu sensei
AIの回答やみんなが言うことを鵜呑みにするのではなく、自分はどう思うか。新刊『自分の頭で考える 世界をもっとおもしろくする方法』は、そうした自分自身の思考を大切にし、日々研ぎ澄ませている30名の視点を収録した一冊です。
本書より、ゲーム実況者・鬱先生の寄稿を特別公開します。
※本配信は発売日の2026年7月16日までの期間限定公開です。
この文章に心が動いたという方は、ぜひ書籍をお手元にお迎えいただき、その思考をじっくりと体験していただけますと幸甚です。
書籍『自分の頭で考える 世界をもっとおもしろくする方法』(講談社)予約受付中!
感情と向き合ってみる
・自分の感情を説明する難しさ
昔からずっと、自分について話すことが苦手だった。自分が感じたこと、楽しさや嬉しさ、怒りなど全ては自分の心の奥深くの一番柔らかいところにあって、誰にもそれを見せたくなかった。誰にも自分が感じたことを否定されたくなかったのかもしれない。感情に正解などないのは分かっているが、ひどく否定されることを恐れていると思う。だからずっと私から出力される感情は上澄みの、誰かに否定されても構わないような、そんなものばかりであった。
・「感情の根源」は複雑
別に何もこれは感情がないとか、薄いとか、そういう話ではない。些細なことでも怒るし、映画や小説で涙を流すこともある。問題はどうして怒ったのかという、感情の根源をうまく言葉にできないことである。怒りや涙は、その根源がもたらした結果、いうなれば「上澄み」でしかない。そして感情の根源は混ざり合い、より言語化しにくい結果を出力することもある。
上手くできるかは分からないが、少し例を出してみようと思う。
もう二年前になるが、深夜に車を走らせていたことがあった。その途中、道の端に轢かれた動物がいた。それを見た私はどうしようもなく悲しくなってしまって、ただ通り過ぎることしかできなかった。
こうして文字にしてみればなんて事のない話のように思えるが、果たしてこれは言語化できたと言えるだろうか。
私からすれば不思議なことに、世の中には自分の感情をとても上手に説明することのできる人間がいる。自分の心の内をそんなに見せてしまうなんて、と思ってしまうが私のような人間とは何もかもが違うのだろう。あるいは私のような人間と全く同じで、けれども私と違って噓をつくのがとても上手かだろう。そんな人たちなら、この感情をどう説明しただろうか。
・「相手が望む答え」ではなく
怒りや悲しみといったマイナスの感情をうまく説明する必要がある状況というのは、人生においてあまりないかもしれない。だがその逆。喜びや好きという感情をうまく説明する必要がある状況はその限りではないだろう。少なくとも、わたしの人生においてはそうだった。
そんな私だが、喜びや好意を表すとき、相手が望んでいそうな反応ではなく、純粋な自分の感情を下手でも伝えようとすることが、人間として大事であることだけは忘れないようにしたい。
書籍『自分の頭で考える 世界をもっとおもしろくする方法』(講談社)予約受付中!
PROFILE
鬱先生(うつせんせい)楽しくワイワイやっていこうぜ! をコンセプトに活動しているゲーム実況グループ「まじめにヤバシティ(通称まじヤバ)」のメンバー。お酒と娯楽を愛するグループのまとめ役で、バラエティ企画やMCを担当。文化放送ラジオ「まじめにヤバシティ TALKTALKTALK」では、毎回のパーソナリティを務めている。
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