指導者の「犯人捜し」苦痛 国府高チア同好会5人転校 不適切指導の告発巡り
世界大会の優勝実績がある国府高(熊本市中央区)のチアダンス同好会で、指導者による不適切な言動があるとの匿名の告発後に「犯人捜し」があったとして、所属する14人のうち7人が辞め、うち5人が転校したことが9日、分かった。生徒と保護者側は、犯人扱いされて精神的な苦痛を受け、徴収された活動費などにも使途不明金があるとして、指導者と同高に損害賠償と返金を求めている。 関係者によると、2025年10月、指導者による生徒へのパワハラなどを告発する匿名電話が県私学振興課にあった。11月には「保護者一同」名で告発文が学校に届いた。これを知った指導者は、特定の保護者に対し「名誉毀損[きそん]、営業妨害で訴える」「名乗り出て謝罪しなければ今まで通りの練習はできない」などと繰り返し迫ったという。生徒に対しても、ミーティングから外したり、他の生徒の前で「親に洗脳されているかもしれない」「腐っている」と発言したりした。
耐えられなくなった生徒7人は今年1月までに退会し、5人が県内外の通信制高校などに転校を余儀なくされた。適応障害を発症し、登校できなくなった生徒もいた。 保護者らは学校側に調査と対応を求めたが、指導者と学校側に雇用関係はなく「学校に責任はない」として事実確認しなかったという。保護者は「学校側が告発の内容をそのまま指導者に伝え『犯人捜し』のきっかけを作った」と訴える。 保護者らは、参加しなかった大会費用を口座から同意なく引き落とされ、活動費の領収書も発行されず使途の説明もないとして返金を求め、業務上横領容疑での刑事告訴を検討している。 指導者は熊本日日新聞に「告発内容は事実ではなく、同好会内で話し合おうとする中で『犯人捜し』と受け取られる対応をしてしまった。子どもが犠牲になって力不足を感じている。活動費は適切に管理しており、使途不明金は全くない」と話した。学校側は「同好会は外部団体にあたり、調査や指導はできない。結果的に5人が転校したことは学校として反省している」としている。(植木泰士、丁将広)