NTT、韓国・台湾企業とアイオンAIファンド…次世代通信の国際展開加速
光技術を使った次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」の国際展開の加速に向け、NTTは、韓国や台湾の大手通信会社などと、資産規模700億円超の投資ファンド「アイオンAIファンド」を設立する方針を固めた。ファンドを通じて国内外のスタートアップ(新興企業)を資金面で支援し、アイオンの利用拡大につながる技術や製品の開発で連携する狙いだ。 【写真】「アイオン」を使いVチューバーと「ハイタッチ」するイメージ
ファンドは、NTTのほか、韓国の通信最大手「SKテレコム」や半導体大手「SKハイニックス」を傘下に持つSKグループ、台湾通信大手の中華電信、日本政策投資銀行などが共同で設立し、出資も行う。NTTとSKグループ、中華電信はアイオンの技術開発で連携関係にある。
ファンドの投資先は、アイオンの中核である電気を光に変換する光電融合技術や、光でデータ処理を行うAI(人工知能)向け半導体などの分野の開発に取り組む北米やアジア、欧州の新興企業を想定している。アイオンを活用した最新のAIモデルの開発なども支援する方針だ。
NTTは2020年、アイオンの国際展開に向けて米半導体大手インテルなどと団体を設立。技術の利用を国内外で広げることで、アイオンを国際標準の技術とすることを目指している。ただ、光電融合技術を巡っては、AI向け半導体で高いシェア(占有率)を持つ米エヌビディアや、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)なども開発を加速させ、世界的に競争が激化している。
◆IOWN(アイオン)=Innovative Optical and Wireless Networkの略。NTTが2019年に構想を発表した。半導体の内部の情報伝送に電気ではなく光を使い、少ない消費電力で、高速・大容量の通信を可能にする技術の実用化を目指している。