ドラ1・立石正広は「ミスタータイガース」掛布雅之になれるのか 実力で三塁定着目指せ 鬼筆のトラ漫遊記
数時間後、甲子園球場のスタンドを埋めたファンの大喝采を浴び、立石がお立ち台に立っていました。0-0で迎えた五回裏1死三塁で、楽天・早川の直球を三遊間に打ち返し、それが決勝のタイムリーになりました。
「立石正広です。早く(お立ち台に)立ちたかったので最高の気分です。なかなか思うようにいかない打席が多かったので、いい結果につながったのでよかったです」。殊勲の若武者は声を張り上げ、大観衆から万雷の拍手を浴びました。
ただ、立石にはここからが勝負の時…と考えてほしいですね。自主トレから3度に及ぶ故障を乗り越え、5月19日に1軍昇格。22日からの巨人3連戦では打率5割、1本塁打、5打点と大活躍しましたが、その後は日本ハム3連戦で13打数ノーヒット、西武との2試合も8打数ノーヒットと交流戦に入って下降気味に。楽天戦でやっと息を吹き返しましたが、15試合出場で打率2割2分2厘、1本塁打、7打点と快音が響くことは少なくなっています。
「立石はプロの鋭い変化球に対し、明らかにバットを振るタイミングが遅れている。なので直球に差し込まれる。プロに入った新人が誰でも直面する状況だ。これは慣れていくしかない」と阪神OBは話しました。
立石をスタメン三塁で起用し、佐藤輝を三塁から右翼に回した5月24日の巨人戦後、藤川監督は「順序よくと言いますか、描いている、描きすぎず、でも応えてくれる選手たちがよくやってくれていると思います」と話しました。続けて「適性です。適性ポジションにはまっていけるかというか、形にしていくと。これから交流戦までDH(指名打者)制もありますから。とにかくいい形を目指すと。動かなければ何も動きませんから」と説明しました。
■4番打者をコンバート
4番として打率、本塁打、打点の打撃3部門を〝制覇〟している佐藤輝は昨季、三塁手としてゴールデングラブ賞を受賞しています。そんなチームの中心軸を動かす意味はどこにあるのか。大きな理由は甲子園球場のバックネット裏に集結している大リーグのスカウトたちが教えてくれています。今季だけではなく、来季以降の近未来に備えるために…という意図は誰が見ても明らかでしょう。