奈良学園大が苦しみながらも完全優勝 群雄割拠の近畿学生野球を振り返る
【球界ここだけの話】3月から全国各地で繰り広げられてきた大学野球の春季リーグが幕を閉じ、6月8日に全日本大学野球選手権が開幕する。近畿学生野球では、1部で奈良学園大が4季連続48度目の優勝を果たし、2年連続で大学選手権の切符を手にした。今季は接戦が多く、3回戦にもつれた対戦が15カード中10カードもあった。群雄割拠のリーグを振り返る。 奈良学園大は、最終節を待たずして優勝が決まった。2季ぶりに全大学から勝ち点を挙げる完全優勝を達成したが、その道のりは順風満帆なものではなかった。開幕節から第3節までは、2連勝で勝ち点を取ることができず、苦しんだ。しかし、各節の3回戦で粘りを発揮。いずれも2点差以内の接戦を制して、勝ち点を重ねてきた。 中心となったのは、下級生時から主戦として登板してきた矢川幸司郎投手(4年、日本航空石川高)だ。「超」がつくほどのインステップフォームが特徴的な右腕は、6試合に先発し、3勝をマーク。全国舞台での登板経験もあるエースが、大学選手権でも好投を披露できるか。 最終節を前に、順位が決まっていたのは奈良学園大のみという混戦の中、勝ち点3で2位に滑り込んだのが、和歌山大だ。第3節の奈良学園大戦(4月17・18・20日、舞洲)では1回戦で勝利したものの、2、3回戦は連敗して優勝戦線から脱落。残る2節は試合巧者ぶりを発揮し、2季ぶりにAクラスで終えた。 3位の神戸医療未来大は、本格派右腕・山田悠希投手(4年、山梨学院高)が13試合中9試合に登板。勝ち点は2に終わったものの、1部昇格後の5季でAクラス入りが4度と、安定した戦いを続けている。 4位の阪南大は、1年春からエース格の元木亘翔投手(3年、岐阜第一高)がチーム全5勝中4勝を挙げる活躍を見せた。5位の大工大は、リーグ戦経験豊富な打者が中軸に並ぶ強力打線で、奈良学園大の対抗格筆頭に挙げられていたが、投打がかみ合わなかった。6位の大阪公立大は、2季連続で入れ替え戦に回ったが、大阪観光大を下して1部残留を決めた。最下位ながら試合を作れる投手陣がそろっており、打線の奮起次第では秋の躍進も期待できる。 リーグ覇者の奈良学園大は、大学選手権1回戦で周南公立大(中国地区大学)と対戦する。同校の最高成績であるベスト4超えに期待だ。残る5校は既に秋に向けた戦いがスタートしている。「打倒奈良学」に向けて、秋も熱い戦いが見られるだろう。(森口友翔)