元横綱白鵬

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 元横綱白鵬(41)の率いた宮城野部屋がついに“完全消滅”した。これで彼の元弟子による部屋再興の芽はなくなった。決定を下したのは、八角理事長(62)が指揮を執る日本相撲協会。“白鵬に対する仕打ちが、いくらなんでもひど過ぎやしないか”と批判する声が相次いでいる。

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あまりの不意打ち

「あまりの不意打ちに、白鵬は元より彼の弟子だった力士も皆、呆気にとられていました」

 こう語るのは角界事情に詳しい報道関係者だ。

 相撲協会は突如として5月28日、白鵬の元弟子たちが伊勢ヶ濱部屋の「預かり」となっていた措置を解除した。目下、この裁定が波紋を呼んでいる。

元横綱白鵬

「宮城野部屋は2年前、所属力士の暴力事案により閉鎖を余儀なくされました。以降、白鵬と弟子たちは伊勢ヶ濱部屋に移り、宮城野部屋の復活が許される時を待つ身となったのです。しかし昨年、痺れを切らした白鵬が親方を辞め、角界を去ってしまう。そこから1年がたって今回、残された弟子の『預かり措置』が解かれ、全員が正式に伊勢ヶ濱部屋所属になったという流れです」(同)

 結果、宮城野部屋は完全に消滅した。

再結集ならず

 つい先日まで、宮城野部屋は白鵬の愛弟子で知られる十両炎鵬(31)に、いずれ継承されるものとみられていた。だからこそ、

「炎鵬も、彼の下での再結集を望んでいた弟弟子たちも、不憫でなりません。皆、意気消沈しています」

 と、旧宮城野部屋の関係者は悔しさをにじませる。

「先の5月場所で炎鵬は3年ぶりの十両復帰を遂げました。長らく脊髄損傷のけがに苦しみましたが、幕内経験者として史上初となる序ノ口から関取への返り咲きを果たしたのです。よって関取在位数30場所に到達し、高額なご祝儀を集められる両国国技館での引退相撲を開催する権利が手に入った。『預かり措置』の解除は、彼がこうして“いつでも安心して親方に転身できる”という立場になった直後の悲劇だったのです」(同)

再興は不可能

 炎鵬は今後、現在の宮城野親方で前伊勢ヶ濱親方の元横綱旭富士(65)から、宮城野株を譲り受けると目されている。もっとも、一度なくなった宮城野部屋を再び立ち上げることは、事実上不可能だという。

「部屋の継承であれば、関取在位数が20場所以上でも可能です。しかし、新たに部屋を興すためには大関以上の地位に就くか、三役を25場所以上もしくは幕内を60場所以上、経験しなくてはいけない。炎鵬の年齢を踏まえると、このハードルを越えることは現実的ではありません」(前出の関係者)

相撲協会の行動原理

 宮城野部屋が閉鎖された際、当時の広報部長、佐渡ヶ嶽親方は「部屋がなくなるわけではない。『預かり』は一時的な措置だ」と言っていた。にもかかわらず、なぜ相撲協会は前言を翻したのか。

 相撲記者によれば、

「八角理事長をはじめとする協会執行部の面々は、かつて貴乃花一門をバラバラにして貴乃花を角界から追放し、彼の影響力を根こそぎ削(そ)ぎました。コントロールの利かない人物を徹底的にたたきつぶすのが相撲協会の行動原理です。だから、旧宮城野部屋勢に対してもなりふり構わないのでしょう。そもそも、2年前に所属力士の暴力問題だけで部屋を閉鎖されたことは、他の事案と比べて圧倒的に公平性を欠いています」

 現在、炎鵬は近しい人から声をかけられても「驚いています」と、言葉少なに答えるのみだという。

 あらゆることを好き嫌いで決めてきた相撲協会。泣くのはいつも、弱い立場の力士たちである。

「週刊新潮」2026年6月11日号 掲載