視点・解説

ポイント解説 旧統一教会の問題とは 安倍元首相銃撃を機に注目

高島曜介
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なぜ旧統一教会が注目されたのか

 安倍晋三元首相銃撃事件を機に、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題が注目された。

 事件で殺人などの罪に問われている山上徹也被告(45)が逮捕後、母親が教団に金を納めたことで生活が苦しくなり、「(教団を)恨む気持ちがあった」などと供述。教団トップを狙うのは難しく、安倍氏が教団友好団体のイベントに寄せたビデオメッセージを見て「つながりがあると思って狙った」と話したという。

 教団を巡っては1980年代以降、困難な事情を抱える人を勧誘し、生活を維持できなくなるほどの献金をさせる「霊感商法」が社会問題化した。銃撃事件を機に、そうした高額献金の問題とともに、信仰を持つ親らのもとで育った「宗教2世」の問題も注目を集めた。

相次ぎ発覚した政治家との接点

 事件後、自民党議員を中心とした政治家との接点が相次ぎ発覚した。教団側によるパーティー券の購入や、事実上の「政策協定」にあたる推薦確認書を交わした議員が選挙支援を受けた実態も明らかになった。

 自民党は22年9月8日、党所属国会議員と教団側との関係についての点検結果を公表。379人中179人(のちに180人に)が選挙支援や教団関連団体の会合への出席など教団との接点を認めたが、自民党の茂木敏充幹事長(当時)は「党として(教団との)組織的な関係はない」と繰り返した。

 岸田文雄首相(同)は、教団との関係断絶を党の方針として徹底するよう指示。岸田政権は宗教法人法に基づく質問権行使による教団の調査を進め、23年10月に解散命令請求に踏み切った。

 その後も、自民党と教団側との関係を巡る新たな事実が明るみに出た。

 朝日新聞は23年12月、岸田氏が自民党政調会長だった19年に教団友好団体トップらと党本部で面会したという関係者証言を、写真とともに報道。24年2月には、盛山正仁・文部科学相(同)が21年の衆院選直前、教団の友好団体から推薦状を受け取り、選挙応援を受けたとする関係者の証言などを報じた。

 24年9月には、安倍氏が首相在任中だった13年の参院選公示直前、当時の教団会長らと党総裁応接室で面談し、選挙支援について確認したとみられることを報じた。

解散命令請求の行方は

 東京地裁は今年3月25日、教団の解散を命じた。民法上の不法行為が解散命令の要件の「法令違反」に含まれ、80年代以降に1500人以上に計約204億円の被害が出たと認定。「類例のない膨大な規模の被害を生じさせた」とし、根本的な対策を講じておらず、著しく公共の福祉を害することが明らかだと判断した。

 教団側は4月、地裁決定を不服として即時抗告した。東京高裁の審理は年内に終わる見通しで、年明け以降に解散命令の適否を判断するとみられる。

 地裁の決定文によると、22年3月末時点の教団の総資産は1136億円で、そのうち現預金は820億円ある。解散が命令されると、教団は法人格を失い、裁判所が選ぶ清算人が、教団の資産を管理して債権者への支払いなどを行う。税制上の優遇措置なども廃止される。宗教団体としては存続でき、宗教上の行為は制限されない。

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この記事を書いた人
高島曜介
東京社会部|調査報道担当
専門・関心分野
事件、外交、安全保障