XでNIPTの話題が目に入ったので書いておこうと思った。
現代で子供を授かると、望んだ妊娠だとしても、子の命を出産前に親が断つべきか判断を迫られるしんどい瞬間がちょいちょいある。
平たく言うとダウン症を始めとした染色体異常を妊娠中(それも中絶可能な時期)に血液検査で判定できる。
今までにも同種の検査はあったが、NIPTは検査精度の高さと体の負担が軽いことが特徴。
(もう一つ大きなメリットがあるが、それは後述)
陽性が出たらかなりの高確率で染色体異常があり、我々がかかっていた病院では陽性が出たら羊水検査(子宮に直接針を刺して確実に染色体異常を見つける)を経て確定診断とし、中絶するかどうかを判断させる流れだった。
ちなみに、この羊水検査の結果が出るタイミングが割と「中絶可能なタイムリミット」に近く、もし陽性が出ると本当にシビアな判断を迫られることになる。
この病院は人の心を理解しない病院だと思う(病院のせいではない)。
普通に世の中を生きている感じ「そんなお金かかるんだったら検査やらんでもいいかなあ」と思わなくもないし、実際妊娠当初産院を決める時、検査可能項目に書いてはあったが「ふ~ん」くらいの感情だった。
ところが、週数が進む中で実際調べていくと、特に高齢出産の場合はかなりしんどい統計が出ている。
ざっくり言うと40歳の妊娠の場合、ダウン症に代表される染色体異常をもって生まれる子供が1%以上。
42歳で2%、45歳なら5%。
「2%」と書くと残りの98%に賭けたくなるが、これを「50人に1人」と書き換えると結構シャレにならない印象に変わる。
「5%」だったら実に「20人に1人」だ。
40代の妊娠の場合、「検査しない」という選択は数字的にかなりしんどくて選びづらい。
我々は正に40代の高齢出産であり、少なくとも私は上記統計を見て「『やらない』という選択肢は選べない」と感じた。
ただ、お腹の中で子を育てているのは妻で、妻からすればそりゃ「どんな理由であれここまで育った子を中絶なんかしたくない」「たとえダウン症だったとしても育てたい」と言う(この思考自体は当たり前だし、寄り添うべきだとも思う)。
だからといって現実的に染色体異常の子が生まれて育てていける自信があるかといえば、それもかなりNoに近い。
しんどい話をいっぱいした。
結局は、お互い「子供に染色体異常が結構な確率で出る『かもしれない』ストレスを抱えたまま出産までの数ヵ月を過ごしたくない」という想いが勝って検査を受診。
本当に本当にしんどかった。
診察室では陰性の通知を見せるだけ。
尚、結果を聞く直前に定期の妊婦検診で動く我が子のエコーを見させられた。
もう性別も分かるくらいにはハッキリ「人」になってきている(まあこの週数で性別が分かるということは、性別はお察し)。
そんな中「今から我々はこの子を殺す決断をしなくてはならない『かもしれない』んだ」と思う。
この病院は人の心を本当に全く理解していない(これも病院のせいではなく、ただの八つ当たりではある)。
受験よりも、新卒で入った会社が傾いて辞めさせられた時期よりもしんどかった。
あまりの安堵感から、診断後に妻と女の二郎(ホイップたっぷりのパンケーキ)を食べに行ったし、満を持して親戚に妊娠報告をした。
(高齢なので「何かあるかも」が怖くて周りにあまり言っていなかった)
後にも先にも、「自らの手で人の命を絶つ」可能性を背負うのは初めてだった。
実際この検査で陽性が出る人もいるワケで、その人たちの心情を考えるといつも背筋が冷える。しんどすぎる。
ただ、「じゃあNIPTやらない方がいいのか」と言われると、陰性だった時の安心感がケタ違いすぎる。
個人的には、高齢妊娠ならやった方がいい検査だとは思うが、妻の意思を無視して夫が一方的に検査を受けさせるようなのもしんどいと思う(確率的に「そういうのはやるな」とも言いづらい)。
そこまでの覚悟をもって子作りしろといえばそうなのかもしれないが、そうやって子作りの心構えを高くしても最終的に良いこと少なそう。
・余談
NIPTが生まれる前の検査でも、そこそこ確率の高い検査があり、こちらは費用もかなり安かったので「これはできないんですか?」と聞いたところ、「その検査は結果の出方が…」と先生に渋い顔をされた。
曰く、「1/〇の確率でダウン症です」みたいな結果の出方しかしないらしい。
正直、「陰性」という診断をしてくれるNIPTがある今では、受ける価値がゼロすぎるなと思った。
望んで検査してるのにストレスとかアタオカじゃん
妊娠はギャンブルにならざるを得ないが出産をギャンブルにしないためにNIPTは重要だと思うよ 「子どもが先天性障がい者だった」というリスクがあるのも少子化の一因だから。第一子が...