対馬旅記(byR)
現状人数1人の自称同好会、「京都大学オサムシ同好会(おさこじき)」会長Rです。今回は8/21~25にかけて行った対馬遠征の話を書き…たいのですがあまり内容がなく、内容よりも反省点が多いです。反省しているので燃やさないでください(おい)。その上に写真が少ないですが許してください(きっと同行者のみなさんがもっといい記事を書いてくれることでしょう!)
採集した虫の写真は最後に載せています。
・8/21
前泊移動日です。京都から博多まで新幹線にて移動(2時間45分、確か14000円くらいだったかな)。夜行フェリーで厳原港入りすることも考えました(そうした同行者もいました)が8500円払って博多で1泊しました。
・8/22
朝8時過ぎ、駅前一丁目バス停から99番に乗車、15分で博多埠頭に到着。
10時発のフェリーに乗船するには、9時~9時30分にチケットを買わなければなりません(特に、2等では予約ができないのです)。こういうところで早め早めの行動ができるのになぜ修論の準備が進んでいないのか…8時30分ごろには到着し、売店で昼食を購入しようとするものの土産物しかなく…第1ターミナル下のコンビニで飲食物を入手。またターミナルで後輩Hと合流しました。
船内ではカップ麺と飲み物の自販機、冷水機、そして寝転がるスペースがあります。
揺れと機関の振動を感じつつ、船は12時過ぎに壱岐郷ノ浦に寄港。
14:45ごろ、対馬厳原港に入港します。
15時過ぎ、厳原港にて後輩A、後輩Nと合流。夜行フェリーで朝に対馬入りし、すでにレンタカーを調達していた彼らとともに、一路北上します。対馬島は対馬藩と帝国海軍によって二つの運河が築かれ、対馬上島と対馬下島(それに運河間の大船越島)に別たれていますが、私たち4人は4日間上島で行動することにしていました。
厳原市街にてベイトトラップ用のカルピス・バナナ等や飲食物を調達、18時過ぎには上島ほぼ最北部の殿崎に到達。
ナミツノトンボの成虫を別箇所で見かけたので、おそらくはその卵でしょう。
3泊4日の宿泊は「殿崎バンガロー」さん。充分なスペース、インフレーターマットの上で寝袋をかぶって寝るワイルドスタイル…3泊で40800円/1グループなので1人につき3400円/泊であることを考えると良い宿でした(しかもWi-Fiとクーラー、シャワーがあるのですから!コインランドリーと温泉が車で十数分です)。
19時過ぎ、日も暮れ始めてから灯火採集に出かけます…この先自分に降りかかる苦難を、この時の私はまだ知らないのでした…
一昨年の来島採集者がツシマカブリモドキを採集し、灯火にもよさげであったという林道を訪れます。しかし見晴らしポイントが少なく、また側溝や林床をルッキングすれど見つかるのはホソクビゴミムシくらいです。
灯火にはヒメダイコクコガネが数匹飛来(固有種なのに記憶があやふやです。側溝に落ちている死骸を先に見つけたので)し、それ以外にめぼしい虫もなく…
…無聊をかこって、山を覆うコンクリ擁壁にもたれかかり…そして、身体が滑りました。
ザリ…ッーそんな音が聞こえたかのようで。ザラザラしたコンクリで、肘より少し先を擦り、明らかに出血した痛み…「やらかしたな」。
かくて私は、直径2㎝ほどの大きな擦り傷からダラダラ血を流すことになります。デバフポイント1。消毒薬どころか絆創膏もないのでペットボトルの緑茶で傷口を洗い…さいわい出血はさほどでもなかったのですが、途方に暮れつつ灯火を撤収することになったのでした。
時はすでに日付変更直前。夜の対馬上島を車で走り、林床、自販機、街灯、良さげなスポットでルッキングしていきます。しかしツシマカブリモドキは見つかりません。対馬採集談を聞くとツシマカブリモドキは「ルッキングであっさり見つかるしいくらでもトラップに落ちる」か「最終日にトラップで1匹ひねり出す」かに分かれる虫(さすがに誇張表現ですが)という印象なのですが、これは…
深夜25時頃。ある自販機の裏で、膠着状態に一石が投じられます。ツシマカブリモドキの上翅が落ちていたのです。ここは「落ち葉に覆われた林床」「沢近く」「カタツムリを見つけられる」という、カタツムリを食べるオサムシにはなるほど確かにというポイントでした。…しかしルッキングしても見つかりません。
…しびれを切らしました。「これたぶん落ち葉の下に潜ってるよ。いつまでもルッキングしてても埒飽かないしさっさとベイトトラップ埋めよう!」4人で10個ずつくらい埋めることになります。私はさなぎ粉&唐辛子で15カップをカタツムリがいる杉粗朶の周りに埋めました。
…ここでなんだか気分が悪くなってきました。朝から活動してもう深夜26時です。さすがに身体も悲鳴を上げるか…
宿に着いたのはなんだかんだ深夜27時、シャワーを浴び、後輩のキズパワーパッドを擦り傷に3枚重ね、就寝は28時くらいです。明日の夕~夜は採れるといいな…(注:会長Rは熱に弱く、気温30度以上の昼間は活動できません)
・8/23
朝9時。みんな寝相いいね(後で知ったのですが大移動して押し返された者がいたようです)。…それはそうとなんか気分悪いんだけど?
後輩3人が昼から採集に出るのを後目に、私は宿で逼塞です。
気分悪くて逼塞してる 吐き真似すると収まるし水ガブ飲みしたら軽くなったからから胃か、あるいは胃と脱水か…
— ~洛東雑記~ 虫・二次元・艦船プラモ(いいねしてない) (@InsectShipBook) August 23, 2025
起き上がると楽になるあたり胃だな、膿も腫れも患部発熱もないから擦り傷の感染ではなさそうで何よりだけど、横たわれないと寝れないから回復できない…
賢いので額に冷やし濡れタオルをのせます(本当に賢ければ遠征先でケガしないし体調を崩さない!)。気分が楽になり3時間の睡眠。
一眠りして寝汗かいたらだいたい軽快した
— ~洛東雑記~ 虫・二次元・艦船プラモ(いいねしてない) (@InsectShipBook) August 23, 2025
レンタカーが1台…というか免許持ちが後輩Aしかいないので移動できません。殿崎を少しだけ観察します。ツシマルリタマムシ(ヤマトタマムシの亜種)やミヤマカラスアゲハが飛びたるを見ました。「網が車内なのでどうしようもない」などと、自分の空中戦スキルのなさをごまかしつつ。
19:30、後輩3人が帰投。絆創膏を後輩が買ってきたちゃんとしたものに貼り替え、再出発。スーパー&ドラッグストアに寄って飲食物を調達、灯火採集に向かいます。
シンジュサン、フサオシャチホコ、大量のヤママユなどの飛来を横目に、私はベイトトラップ(カルピス&唐辛子)を敷設に回ります。なんとなれば後輩たちは昼間にベイトトラップとバナナトラップを仕掛けている…
この晩はこの個体以外に近くで幼蛇にも遭遇。
7サイト×5個のトラップを敷設し戻ったら後輩たちはコンクリの上に寝転がって寝ていました。私も仮眠。
灯火撤収前に、トラップを確認に回ります…
最悪のコンディションで捻り出したツシマカブリモドキ、嬉しいとか全然なくて「はぁ…なんとか果たした…」以外に感情ない
— ~洛東雑記~ 虫・二次元・艦船プラモ(いいねしてない) (@InsectShipBook) August 23, 2025
街灯を冷やかし、宿に戻ったころにはもう空が白んでいました。入眠は深夜31時…もとい24日朝7時。
・8/24
昼12時頃に起床。…なんか今度は頭痛いんですけど!?またも日中は宿で逼塞です。…「薄明薄暮のルッキング&トラップ敷設と灯火で勝負する」という方針の下最初から昼間の採集を捨てていたからよかったもの、そうでなければこの遠征は発狂ものでした。
今度も冷やし濡れタオルのお世話になり、3時間と1時間の睡眠を挟み、19時ごろには軽快し、後輩3人の帰投とともに出発。後輩たちは昼の間に新たなトラップポイントを見つけていたようです。
「追加敷設計84?ラストにしてはがんばったねぇ…でも各30ならそれほどでもないか…」
「…でももともと私は150個コップ持ってきてるのにまだ総計50か…」
なんだか熱があるような気がします。胃腸風邪?22夜に一度開けてから3時間空けて食べたチキン南蛮弁当の食中毒?21朝に飲んだ安売りR1(なんか変な味がしたような)の食中毒?…ミステリーの読者になるのは好きですが被害者役は苦手です。「ともあれ高熱か怠さか筋肉痛が出たら帰れないから上対馬総合病院にもう1泊だな…」とあちこちに迷惑なことを思いつつドラッグストアに寄り飲食物と冷えピタを購入します。お腹からキュルキュル音をさせながら灯火を見守りつつ車内でうたた寝…と、後輩Aが正露丸をくれました。ありがとう。
灯火にはめぼしい虫は飛来せず。私の体調を明朝までに軽快させなければならないので、後輩たちに頭を下げ22時過ぎに灯火を切り上げさせます。ふがいない先輩でごめんね…
さてトラップ回収です。オサムシ屋とは、微熱があろうが明日の帰宅が不安だろうが元軍が来ようが対馬藩が国書偽造しようがロシア艦が芋岬を占拠しようがバルチック艦隊が襲来しようが天地がひっくり返ろうがベイトトラップの回収に赴かなければならない業を背負う生き物なのです。実際、対馬でトラップ回収を放棄していいのは北朝鮮がJアラートを鳴らさせた時だけでしょう(韓国には対馬に領有権を主張する運動がありますが、市井はともかく国政レベルでは軽挙はないでしょう)。
トラップ敷設50
— ~洛東雑記~ 虫・二次元・艦船プラモ(いいねしてない) (@InsectShipBook) August 24, 2025
トラップ回収39
ツシマカブリモドキ10
以上でした
例によってトラップの写真も採集地の写真もありません(写真に心が至る余裕は体調的になかったのです!)。そしてトラップの回収率ですが、25/35(23日敷設)と14/15(22日敷設)です。
これは私の持論なのですが、オサ屋はトラップをすべて回収すべきです。よく言われる「永遠に虫が落ち続けるデストラップになる」は数日の間にも落ち葉が入って虫が上って来るので「諸説ある」と思っていますが、それはさておき山にプラゴミを捨てることになります。それは山を汚染し、マイクロプラスチックになって水系を汚染します。「生分解性が極めて高い容器で、落ち葉の堆積が速い山で仕掛けている」?それはまあ大目に見てもいいかも…
生分解性トラップはさほど現実的ではありませんが、実のところトラップ全回収もさほど現実的ではありません。プラコップは時として消えます。獣が抜いて、そのままそこに捨てたり割り捨ててくれるならいいですが放ってしまうこともあるでしょう。仕掛けたあたりを探してもどうしても見つからないし明確な場所が思い出せない…かなり悪いことなのですが、人間の記憶力が完璧でない限り起こりうることです。それに数晩のうちに落ち葉が降って林床の景色が変わることもありますし。もっとどうしようもない話ですが、「トラップを仕掛けながら山を登り、降りてきたら地元のクソガキ集団がトラップを抜いて沢底に投げて遊んでいた」詰み経験があります。…トラップ逸失は時として起きることで、罪悪感を忘れないようにしつつ「他の採集者の逸失トラップを見つけたら回収する」心がけも必要でしょう。14/15はそういう意味で「全部回収するつもりで頑張って、どうしても数%~1割は慣れないと見つからないし獣害込みなら2割逸失も時としてある」というあまり褒められないリアリティを体現した数字です。「現実としてすべてのトラップを回収できるとは限らないが、絶対にすべてを回収する志と、回収できなかったことへの深い罪悪感は常に持っておくべき」と考えています。
…25/35?23日敷設トラップの7サイトのうち2サイトをまるごと忘れていますね。「どのあたりに仕掛けたかすらわからない」は明確にアウトだと思います(敷設時も回収時も、小康とはいえ体調がしっちゃかめっちゃかだったことを言い訳にさせてください)
ともあれ、ツシマカブリモドキ6匹を追加採集。この中にメスが3個体いたおかげで、なんとかブリードの目途が立ちました。本当に良かった…
深夜27時前に宿へ帰投。シャワーを浴び入眠。
・8/25
後輩3人は24日追加敷設トラップを回収すべく7時頃に出発したそうです。私はそれに関与していないため、後輩に甘えて睡眠を続け、8時半頃に起こされます。荷物を片付けて出発。おおかなり体調がいいぞ。
後輩A「きっと正露丸ですよ。正露丸は神です。」
私(…ロシア艦隊を撃退した場所だもんな対馬…確かに征露丸は神か…)
宿泊者割で500円で入れる「上対馬温泉渚の湯」に入って帰る予定もあったのですが、なんと月曜日定休。ラストもラストになって反省点を追加し、9時、厳原港めがけ南下を開始します。途中、「対馬クリーンセンター上対馬中継所」にてトラップや飲食物のゴミを処理(10㎏まで200円)。
11時半、厳原市街到着。昼食と土産物を「いづはらショッピングセンターティアラ(マックスバリュー併設の商業施設)」にて購入し、厳原港へ。後輩Aがレンタカーを返しに行く間、私はジェットフォイルのチケットを4人分購入です。…スーツケースを郵送するつもりだったのに、「佐川急便宅配できます」の上り旗が設置土産物店の発送専用だったという遠征最後のポカをやらかし、13:15、厳原港出港、対馬を離れました。
体力を消耗していますし、新幹線の自由席でさっさと帰ります。8時には京都に到着です。…出発前は「念願のツシマカブリモドキ遠征だ!オサムシ採集屋として成長し、そして飼育も成長するぞ!」でしたが、帰ってきてみれば「無事に帰ってきたなぁ…しばらく遠征はこりごりかな…」という気持ち。
勝つぞ pic.twitter.com/6c3AbHyZHR
— ~洛東雑記~ 虫・二次元・艦船プラモ(いいねしてない) (@InsectShipBook) August 25, 2025
今度はブリードをがんばります。
・健常採集者エミュレータ事例集
・成果と所感
・ツシマヤマネコ・ツシママムシ
見れなかった…!固有脊椎動物で言えば、ツシマジカはいくらでも見れたしアカマダラも2体見れたんですけどね。
・ツシマヒサゴゴミムシダマシ
側溝を歩いていたりする。採って(撮って)いない。少しサイズが大きい良く似たホソクビキマワリがいて紛らわしい。
・ツシマヘリビロトゲトゲ
ケンポナシの探索すらしなかったので無理です。
・クワガタ類
キンオニクワガタ、チョウセンヒラタクワガタは飛来せず。ツシマヒラタクワガタを後輩がルッキングで見つけていました。
・ゴミムシ類
ホソクビゴミムシの楽園と化していました。1トラップに2桁落ちていることもありました。フタホシスジバネゴミムシもよく見られました。
ツシマナガゴミムシとツシマオオズゴミムシについては…ゴミムシの同定、自信ないんだよな…
・ツシマカブリモドキ
私の印象としては「ルッキングでは見つけられない」「さなぎ粉でもカルピスでも落ちる」「雌雄比が日・ポイント・採集者(!?)で偏る」「沢近く・カタツムリが見られるあたり・落ち葉の被覆が多いあたりで採れる…?」といったところです。よくわからないのですがよくわからないなりに10匹/39トラップ採れていますから、ルッキングで見つからなければさっさと切り上げて敷設してしまったほうが良さそう。ともあれなんとかブリード用のペアが揃い、満足のいく遠征成果となりました。
最後になりますが、4日の運転を引き受けてくれたAはじめ、後輩のみなさん、ありがとうございました(そしてご迷惑をおかけしてすみません)!
(2025/9/3 文責:R
お問い合わせはhttps://x.com/InsectShipBookまで)


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