【世論調査/5月第5週】高市内閣支持率55.0%に大幅下落、「生活実感」の悪化が重しに
本記事では、世論調査会社グリーン・シップの「世論レーダー」が全国規模で毎日実施している調査データの提供を受け、内閣支持率や政党支持率の週次分析をお届けします。
【調査概要】
調査機関:グリーン・シップ(世論レーダー)
調査期間:2026年5月25日〜2026年5月31日
調査手法:携帯電話調査(RDD方式)
サンプル数:N=2,834(有権者ウェイトバック集計)
内閣支持率は55.0%、4.0ptの大幅下落
高市内閣の支持率は55.0%となり、前週の59.0%から4.0pt急落しました。不支持率は37.1%で前週比2.8pt上昇しています。直近4週間の推移(57.6%→57.8%→59.0%→55.0%)を見ると、前週まで持ち直していた支持率が一転して大きく下げ、政権発足以来の最低水準に並びました。不支持率も37%台に乗せ、支持と不支持の差は20pt弱まで縮小しています。
今回の調査期間(5月25日〜31日)に、ホルムズ海峡危機をめぐる外交環境は改善方向にありました。米国とイランの和平協議が大詰めを迎え、原油先物価格は1か月ぶりに下落しています。それにもかかわらず支持率が大きく下落したことは、この間の支持を支えてきた「危機管理への期待」だけでは、政権への評価を維持できなくなってきたことを示唆しています。
背景にあるとみられるのが、物価高による「生活実感」の悪化です。25日に高市首相は3兆円強の補正予算案の編成を表明し、7〜9月の電気・ガス料金支援を1世帯あたり計5000円程度とする考えを示しました。26日には予備費の積み増しを閣議決定しています。しかし、ホルムズ危機開始から3か月が経過し、ナフサの需給問題や石油化学製品の値上げにくわえ、食品価格の上昇が家計に浸透するなかで、「対策は打たれているが、暮らしは楽にならない」という実感が広がっている可能性があります。他社の調査でも、内閣を「強く支持する」層が減って消極的な支持に転じる動きが指摘されており、支持構造の変化がうかがえます。
加えて、ガソリン補助金の原資が6月下旬にも枯渇する見込みで、自民党内では補助金の縮小を求める声も出ています。全国平均170円台を維持してきたガソリン価格が今後どうなるか、補正予算の中身とあわせて、国民の関心は「外交」から「足元の暮らし」へと移りつつあります。
政党支持率:自民は横ばい、共産が大きく伸長
政党支持率を見ると、自民党は30.3%(-0.2pt)で横ばいです。内閣支持率は4.0pt下落したものの党支持率はほぼ動いておらず、首相個人への評価と党組織への支持が分離している構図が続いています。
今週目立ったのは共産党6.9%(+1.3pt)の大幅な伸長です。物価高対策や消費税減税をめぐる論戦で、生活防衛を前面に打ち出す主張が支持を集めている可能性があります。れいわ新選組3.4%(+0.7pt)も上昇しており、生活者目線を訴える左派系の政党に追い風が吹いているとみられます。立憲民主党5.3%(+0.5pt)、公明党2.6%(+0.5pt)も上昇しました。
一方、日本維新の会5.6%(-1.5pt)が大きく下落しました。連立与党の一角として、内閣支持率の下落に連動した可能性があります。参政党7.0%(-0.5pt)も下落しましたが、依然として野党第1党に迫る水準を維持しています。国民民主党7.8%(+0.2pt)、中道改革連合3.6%(+0.2pt)はともに横ばい圏内です。日本保守党3.3%(+0.1pt)、チームみらい3.3%(±0.0pt)も横ばいです。
支持政党なし層は18.7%(-1.7pt)と減少しました。物価高という身近な争点が明確になるなかで、無党派層が共産・れいわなど生活防衛を掲げる政党に向かった面があるかもしれません。補正予算をめぐる与野党の論戦と、ホルムズ危機の収束時期が、6月以降の政局を左右することになりそうです。