第六章

第180話 オタク、もてあそばれる



 他領への遠征が上手くいって、救助活動の他に直接の支援者まで増えた。

 望むべくもない成果なんだけど、じゃあもっと他の領に行くのか? と言われると。


 ちょっとだけ、ためらわれる部分がある。

 というのも、ぼくらの支援者の、シルヴァさんから要求があったのだ。


「王都行き? ですか?」


「うん。シルヴァちゃんは王都進出を考えてるみたいだよ」


 クルスさんが教えてくれた。

 その横には手紙を持ったリルカさんがいるので、姉妹間で手紙が届いたんだろう。


「シルヴァさんが王都に行くのはともかく……ぼくらがここに留まる理由は、なんですか?」


「護衛頼みたいんだってさー。その準備にもーしばらくかかるから、今は動いてくれるな、ってことみたいよん?」


 エイジャさんとリーシャさんも、すでに知っているらしい。

 ぼくが最後に伝えられたみたいだ。部屋で休んでたからね。


 しかし、なるほど。王都行きか。

 それだと確かに、シルヴァさんは準備に時間がかかるだろうな。


「滞在先は、王都にも辺境伯家の屋敷があると思いますけど。貴族関係への連絡や通知でしょうかね? しばらく時間がかかりそうですね」


「そうだね。どうも辺境伯様がそっちの調整をしてるみたいだから、シルヴァちゃんとしても、日程だけは押さえておいて欲しいみたいなんだ」


 なるほど。

 辺境伯様、つまり当主自身の主導なら、本格的な貴族の社交だ。

 ぼくらに日程調整を口出しできる権利はないし、実はシルヴァさんにも権利がない。


 他の貴族と、辺境伯様の間の都合で、全部が決められるからね。


「わかりました。じゃあ、しばらく冒険者活動は控えましょう。長旅の前の休養、というのも良いと思います」


「長旅……に、なるのかなぁ。どうも辺境伯様は、オタクくんの飛行魔法を織り込んだ日程を組んでるみたいなんだよね」


 ありゃま。

 まぁ、確かに空を飛んだ方が早いのはわかる。


 ハルパー渓谷の獲物を大量に持ち運んだこともあるし、馬車も十台くらいなら大丈夫だろう。

 荷物なんかは、アイテムボックスを使っても良いしね。

 辺境伯家にも持ってる人は多いだろうし。


「それは大丈夫ですよ。たぶん運べます。……と言っても、そのうち打ち合わせにいかなきゃ行けないでしょうね。それまでは当面のんびり、ですか?」


「うん。当面はみんなでのんびりだらだら、宿に引きこもろうかな、って」


 ショーツを脱がないでください、クルスさん。

 やっぱりそうなるんですね。


 全員が裸になりはじめたので、これはまずい、と夢の中に逃げようとします。

 ぼくは寝ます。みなさんで仲良くどうぞ。


「良い心がけだねー、オタクくん。あーしらに好きにして、ってこと?」


「ベッドに身体を投げ出すなんて、わかってるぅ!」


 逆効果だった。

 そうですよね。普段から、ぼくが寝ててもお構いなしに始めますもんね。


 逃げる手段はなにかないか。考えろ、ぼくの脳。

 今が元A級冒険者の経験の使いどころだ。


 逃げられませんでした。

 どんなモンスターよりも、このパーティの方が手強いよ。

 知らなかったのか。大魔王からは逃げられない。


「んー。あーしらも『後ろ』を覚えるべき?」


「えー? 直接出されたいじゃん? やっぱ前のがいーよ」


 と言いつつ、エイジャさんはいつもと違って、ぼくの顔に剥き出しの腰を乗せた。

 後ろの部分を舐めてね、と言わんばかりにぼくの鼻にぐりぐり当ててくる。


「んー。こっちはあーしも、あんまし良さがわかんないんよね。変な感じはすっけどさ?」


「ウチらは普段は触んないかんねー。やっぱ女の子には女の子にしかない部分の方が良いし、オタクくんも『オンナノコ』にしかない部分を可愛がるからコーフンするわけで」


 そう言いつつ、ぼくのショーツに手をかけるリーシャさん。

 あの。いきなり引っ張り出さないでください。


「オタクくん、舌使ってみてくんない? 良さがまだよーわからん」


「ふふーん。エイジャが気を取られてる間に、オタクくんの『オタクくん』、大事なところでいっただきぃ! ぁはっ!」


 いつものように二人に襲われているぼくを見て、クルスさんとリルカさんも興奮している。

 クルスさんの男性の部分に小さな姿のエカナさんが止まって、好きにイジっていた。


「ん、うん……エイジャさん。リーシャさん、ちょっと、激しすぎます……」


「……っ、良いね良いね! オタクくんの恥じらう顔、ゾクゾクするぅ!」


 訴えてみたけど、逆効果だった。

 エイジャさんはぼくの顔の上でぐりぐりと腰を押しつけ、リーシャさんはもう止まれないくらいに目がガン決まってぼくに腰を叩きつけていた。


 二人尾上下動の動きの激しさで、ベッドが軋んでいる。

 遮音魔法、遮音魔法。


「……んっ!」


「あっはぁ……これは、オタクくんの子どもできちゃうかなぁー? オタクくん、ウチにこんなに遠慮なしに注いじゃって、ウチをママにする気ぃ?」


 リーシャさんの煽りが酷い。

 こっちが限界なのをわかっても、リーシャさんは止まる気がなさそうだった。


 さっそくおかわりに突入している。

 避妊魔法と、回復魔法もかけなきゃ。


「こぉーら。あーしも気持ちよくしろしー?」


「わぷ。ちょっと、エイジャさん!?」


 エイジャさんが濡れた場所を、ぼくの顔に塗りたくるように押しつけてくる。

 べとべとになっているぼくの顔を見下ろして、エイジャさんは身を震わせて微笑んだ。


「オタクくん、オタクくん……っ!」


「師匠、師匠……っ!」


 ベッドの隣では、クルスさんとリルカさんがお互いに自分を慰めて、ヒートアップしている。

 二人ともぼくを見る目が血走りかけていて、ちょっと怖いのですが。


 リルカさん、開いた口からよだれが垂れてますが、大丈夫ですか?


「エイジャとリーシャに、良いようにされちゃって……ボクのオタクくんが、こんなにも……!」


「はぁ、あ。頭が、どうにかなってしまいそうなくらいにしびれますわぁ……! んっ!」


 大盛り上がりだ。

 女性の大事なところを指で激しく触る二人に、エカナさんがクルスさんの男性の部分をちゅっちゅと味わっている。


 収拾がつかなさそうだけど、それはいつものことなので、まぁいいか。

 二人ともベッドの上に身を乗り出して、ぼくや二人に吐息がかかりそうな距離にいるし。



 部屋の中は女性の匂いが充満し、しばらくぼくは良いようにもてあそばれ続けた。



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