芥川賞作家の李琴峰さん 性別めぐる投稿で弁護士に賠償命令
芥川賞を受賞した作家の李琴峰さんが、男性の弁護士に性別に関するSNSの投稿でプライバシーを侵害されたと訴えた裁判で、東京地方裁判所は「性に関する情報を本人の同意なく明らかにすることは違法な行為だ」として、20万円余りの賠償を命じました。
李琴峰さんはおととし5月、神奈川県弁護士会に所属する滝本太郎弁護士に「女性自認の身体男性です」などとSNSの「X」に投稿されたことについて、「投稿内容は誤った事実で、プライバシーの侵害だ」として300万円余りの賠償を求める訴えを起こしました。
李さんは投稿の半年後、カミングアウトせざるをえないとして、ネット上でトランスジェンダーだと明かしました。
先月27日の判決で東京地方裁判所の神吉康二裁判長は「性に関する情報は個人の人格権や尊厳に関わる機微な情報であり、本人の同意なく明らかにすることはプライバシーを侵害する違法な行為だ」と指摘し、22万円の賠償を命じました。
李さんの代理人の弁護士によりますと、性自認や性的指向を同意なく暴露される「アウティング」をめぐり、判決で賠償が命じられたのは今回が初めてだということです。
李さん「司法に認定していただいた意義は大きい」
李さんは1日、オンラインで開いた会見で、「アウティングは極めて卑劣な加害行為で、被告のやったことで私は一度死んだような気持ちだ。決して許されない違法行為だと司法に認定していただいた意義は大きい」と話していました。
滝本弁護士「深くおわび申し上げます」
判決を受けて、滝本弁護士は「X」などで「深くおわび申し上げます。上訴するつもりはない」などとコメントしています。