住民「注意するのも怖い…」アルミ缶等の持ち去り禁止条例施行へ 異論唱える“持ち去る側”の事情「おまんま食えない」
名古屋市は、アルミ缶など家庭ごみの“持ち去り”を禁止する条例を2026年4月に施行する方針だ。高まる金属価格を背景に持ち去り被害が急増しているためだが、生活の糧としてアルミ缶を集めてきた人々の行き場がなくなる懸念も指摘されている。 【動画で見る】住民「注意するのも怖い…」アルミ缶等の持ち去り禁止条例施行へ 異論唱える“持ち去る側”の事情「おまんま食えない」
■「ゴミがお金になる…」名古屋でアルミ缶等の“持ち去り防止条例”施行へ
名古屋市中区の若宮大通の高架下で生活するイトウさん、86歳。毎週月曜から木曜まで、午前6時からアルミ缶を集めている。回収したアルミ缶を業者に売って得た収入で生活しているが、2026年4月からこの生活はできなくなる。 イトウさん: 「誰が最初にはじめたんかね。ゴミがお金になる。アルミだけ、スチールはだめ」
11月17日に開会した名古屋市議会に提出された「家庭廃棄物等の持ち去りの防止に関する条例案」。可決されれば2026年4月から施行され、10月には50万円以下の罰金も適用となる。 この条例案で持ち去りが禁止されるのは、アルミ缶だけでなく、粗大ごみや不燃ごみなどすべての家庭ごみだ。 名古屋市環境局の担当者: 「令和3年ごろから金属の市場価格が高騰したことに伴い、アルミ缶だけでなくて、不燃ごみや粗大ごみの持ち去りの通報件数が増えてきました」 ここ最近は、金属の市況価格が高騰して市民の関心が高まったこともあり、市へのアルミ缶持ち去りの通報件数は、2020年度は6件だったが、2024年度は152件と“25倍以上”になっている。
市が回収したアルミ缶はリサイクルされ、得られた収入は市民サービスなどの財源になるが、その損失額は2024年度分の推計で少なくとも5000万円にのぼるという。 名古屋市環境局の担当者: 「市民がルールを守って適正に排出した資源・ごみは、市が適正に収拾して処理する責任がありますので、そういったところで市民の適正処理に対する期待に応えたい」
■地域住人にとっても“持ち去りをやめてほしい”理由がある
名古屋市昭和区の妙見町。ここでは、毎月第2土曜日が資源回収の日とされていて、集めた量に応じて、町内会には名古屋市から補助金が入る仕組みがある。 補助金は、ゴミ置き場の清掃やメンテナンスに係る費用になるため、持ち去られてしまうと、その分の資金が減ってしまう。 妙見町公民協会 近藤邦生会長: 「少しでも町内の糧になればと思っているので、非常に残念です。しっかり“持ち去りはいけない”ということを持っていく方に思っていただければ、少しでも減るのではないかなと」